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四章
47.継承式
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凍えるような冬の寒い風が吹く朝、それを全く感じさせないほど国民は熱狂していた。
「第二皇子、どういう見た目なんだろうなー」
「トーユ国の貿易が再開したのも第二皇子のおかげなんでしょ? すごいわよね」
「何か雨降りそー、天気悪いね」
城の前には沢山の人が集まっている。
老若男女、全ての人々が今日という日のために朝早くから起きている。
それもそのはず、今日が王位継承式の日だからだ。
「はぁーーー、緊張する......」
「大丈夫? あと三十分だけど」
「まって、言わないで! 余計緊張するから」
国民達が騒いでいる声を聞きながら私とシウォンは継承式の準備をしていた。
「大丈夫だよ。沢山練習したんだもん、ね?」
「そ、そうだよね......。えっと最初は、シウォンが挨拶するんだよね?」
頭の中で決められた順番を思い出し、彼に聞いてみる。
「いや? 皇帝が挨拶して、その後僕が剣を渡してもらうんだ挨拶はそのあと」
「あれ、そうだっけ? じゃあそしたらもう終わり?」
「いや、そしたらフィオネが挨拶しないと!」
「あっ! そ、そうだよね。そうだった......」
「もう~、大丈夫? ほら深呼吸、深呼吸」
シウォンが不安そうに私を見つめる。
私より彼の方がよっぽど緊張してるはずなのに、目の前にいる愛しい人は私を心配してくれていた。
「吐いて~、吸って~」
「はぁ~~、ふぅ~~」
そうして彼の提案した深呼吸により、私は若干の落ち着きを取り戻すことができた。
「シウォン様、フィオネ様、お時間です」
「よし、フィオネ。行こう」
「う、うん」
二人で緊張をほぐしているうちにあっという間に三十分経ってしまう。
私達は王宮のホールに向かうのだった。
(人が......いっぱいだ......)
ホールに入った瞬間、壁一面に騎士が整列しているのが目に入った。
横目で来賓席を見るとヘンゼルとミッジも座っている。
厳かな雰囲気に息が詰まりそうだ。
私とシウォンが席に着くとすぐに、ドリーが式を始める挨拶を始めた。
「それではこれから現皇帝から第二皇子へ王位継承式を行います。第に皇子は御前に出てきてください」
歩き出したシウォンが玉座の前に膝まづく。
すると一斉にホールの中央にいるシウォンに視線が集まった。
そして玉座に座っていた皇帝はドリーに身体を支えられながらシウォンの元へ歩き出した。
「それではシウォン・トワール、そなたに王位を継承する。これからこの国を任せたぞ」
そう言うと皇帝は剣を彼の頭上にゆっくり下ろした。
「はい。必ずやその期待を応えられるような王になって見せます」
シウォンはそうはっきりと言い切った。
するとその瞬間、天窓から差す太陽の光が刃に反射してキラリと光る。
(わあ、すごい......)
彼が跪くその構図は、まるで一枚の絵画のように私の脳裏に強く焼きついた。
「第二皇子、どういう見た目なんだろうなー」
「トーユ国の貿易が再開したのも第二皇子のおかげなんでしょ? すごいわよね」
「何か雨降りそー、天気悪いね」
城の前には沢山の人が集まっている。
老若男女、全ての人々が今日という日のために朝早くから起きている。
それもそのはず、今日が王位継承式の日だからだ。
「はぁーーー、緊張する......」
「大丈夫? あと三十分だけど」
「まって、言わないで! 余計緊張するから」
国民達が騒いでいる声を聞きながら私とシウォンは継承式の準備をしていた。
「大丈夫だよ。沢山練習したんだもん、ね?」
「そ、そうだよね......。えっと最初は、シウォンが挨拶するんだよね?」
頭の中で決められた順番を思い出し、彼に聞いてみる。
「いや? 皇帝が挨拶して、その後僕が剣を渡してもらうんだ挨拶はそのあと」
「あれ、そうだっけ? じゃあそしたらもう終わり?」
「いや、そしたらフィオネが挨拶しないと!」
「あっ! そ、そうだよね。そうだった......」
「もう~、大丈夫? ほら深呼吸、深呼吸」
シウォンが不安そうに私を見つめる。
私より彼の方がよっぽど緊張してるはずなのに、目の前にいる愛しい人は私を心配してくれていた。
「吐いて~、吸って~」
「はぁ~~、ふぅ~~」
そうして彼の提案した深呼吸により、私は若干の落ち着きを取り戻すことができた。
「シウォン様、フィオネ様、お時間です」
「よし、フィオネ。行こう」
「う、うん」
二人で緊張をほぐしているうちにあっという間に三十分経ってしまう。
私達は王宮のホールに向かうのだった。
(人が......いっぱいだ......)
ホールに入った瞬間、壁一面に騎士が整列しているのが目に入った。
横目で来賓席を見るとヘンゼルとミッジも座っている。
厳かな雰囲気に息が詰まりそうだ。
私とシウォンが席に着くとすぐに、ドリーが式を始める挨拶を始めた。
「それではこれから現皇帝から第二皇子へ王位継承式を行います。第に皇子は御前に出てきてください」
歩き出したシウォンが玉座の前に膝まづく。
すると一斉にホールの中央にいるシウォンに視線が集まった。
そして玉座に座っていた皇帝はドリーに身体を支えられながらシウォンの元へ歩き出した。
「それではシウォン・トワール、そなたに王位を継承する。これからこの国を任せたぞ」
そう言うと皇帝は剣を彼の頭上にゆっくり下ろした。
「はい。必ずやその期待を応えられるような王になって見せます」
シウォンはそうはっきりと言い切った。
するとその瞬間、天窓から差す太陽の光が刃に反射してキラリと光る。
(わあ、すごい......)
彼が跪くその構図は、まるで一枚の絵画のように私の脳裏に強く焼きついた。
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