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四章
44.覚えてるよ
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頬に彼の手が触れた瞬間、心臓が脈打つのが早くなる。
「あ、あの時......」
(そうだ、確かあの時シウォンに――告白されたんだっけ)
「この前僕が言った言葉の意味、フィオネは理解出来た?」
「......」
いつもと違って真剣な雰囲気に私はシウォンの顔が直視出来ない。
「出来てても出来てなくてもあれじゃ、みっともないからもう一度やり直してもいいかな?」
「えっ、ここで?」
「うん、フィオネ」
次の瞬間、私が一息吸う間もなくシウォンはこう言った。
「好きだ」
「!」
直球の一言に私は心臓が止まりそうになった。
「今まで僕はずっと一人だった......。だから、この先もずっと誰かに心を開くことは無いと思ってた。でも、いつの間にか君が話す言葉一つ一つが僕の救いになってることに気づいたんだ」
シウォンは今までの思いが溢れたかのように感情的に話した。
「君が作るご飯も、君が話す言葉も、君が頑張る姿も僕は大好きだ。全部独占したい......」
「~ッ!」
私は突然の彼の爆弾発言により体温が急上昇した。
きっと今真っ赤なゆでダコのような顔になっているに違いない。
「君に黙って君を妃にしようとしたのはごめん。でも君が必要なんだ。 だから僕の妻になって欲しい」
「~ッ!ちょっ、ちょっと待って......」
もう恥ずかしすぎて頭がおかしくなりそうだ。
恋人をすっ飛ばして結婚なんていくらなんでも飛躍しすぎた。
こっちは告白するのですらすごい躊躇していたのにどうして急に結婚なんて話になったの......!?
私はパニックになりつつも、彼に伝え忘れていたことを思い出した。
「シウォン、私その前に言わなきゃいけないこと思い出した」
「言わなきゃいけないこと? あ、もしかして王城に向かう前に伝えようしてたこと?」
どうやらシウォンはあの時のこともしっかり覚えているようだ。
「私ね、多分あなたが私の事好きになる前からあなたのこと好きだったの。でもね、このことを伝えたら嫌われるんじゃないかって思って言ってなかった」
私は意を決してあの時の続きを話した。
「私ね......その、スラム街出身なの」
言った。言えた。
手が震える。
シウォンの顔が、見れない。
「シウォンの告白は嬉しいけど、きっと私みたいな人が妃になるなんて、まずいんじゃ――」
しかし次の瞬間、思いもしなかった回答が彼の口から飛び出すことになる。
「知ってるよ」
「えっ?」
「そんなのとっくに前から知ってるけど」
シウォンは何を今更?と言った顔でぽかんたしている。
(えっ?)
私はその瞬間、五秒ほど思考が停止した。
(今”知ってる”......って。えっ?)
ええええええ!?!?!
(いつから......!?!?!)
「あ、あの時......」
(そうだ、確かあの時シウォンに――告白されたんだっけ)
「この前僕が言った言葉の意味、フィオネは理解出来た?」
「......」
いつもと違って真剣な雰囲気に私はシウォンの顔が直視出来ない。
「出来てても出来てなくてもあれじゃ、みっともないからもう一度やり直してもいいかな?」
「えっ、ここで?」
「うん、フィオネ」
次の瞬間、私が一息吸う間もなくシウォンはこう言った。
「好きだ」
「!」
直球の一言に私は心臓が止まりそうになった。
「今まで僕はずっと一人だった......。だから、この先もずっと誰かに心を開くことは無いと思ってた。でも、いつの間にか君が話す言葉一つ一つが僕の救いになってることに気づいたんだ」
シウォンは今までの思いが溢れたかのように感情的に話した。
「君が作るご飯も、君が話す言葉も、君が頑張る姿も僕は大好きだ。全部独占したい......」
「~ッ!」
私は突然の彼の爆弾発言により体温が急上昇した。
きっと今真っ赤なゆでダコのような顔になっているに違いない。
「君に黙って君を妃にしようとしたのはごめん。でも君が必要なんだ。 だから僕の妻になって欲しい」
「~ッ!ちょっ、ちょっと待って......」
もう恥ずかしすぎて頭がおかしくなりそうだ。
恋人をすっ飛ばして結婚なんていくらなんでも飛躍しすぎた。
こっちは告白するのですらすごい躊躇していたのにどうして急に結婚なんて話になったの......!?
私はパニックになりつつも、彼に伝え忘れていたことを思い出した。
「シウォン、私その前に言わなきゃいけないこと思い出した」
「言わなきゃいけないこと? あ、もしかして王城に向かう前に伝えようしてたこと?」
どうやらシウォンはあの時のこともしっかり覚えているようだ。
「私ね、多分あなたが私の事好きになる前からあなたのこと好きだったの。でもね、このことを伝えたら嫌われるんじゃないかって思って言ってなかった」
私は意を決してあの時の続きを話した。
「私ね......その、スラム街出身なの」
言った。言えた。
手が震える。
シウォンの顔が、見れない。
「シウォンの告白は嬉しいけど、きっと私みたいな人が妃になるなんて、まずいんじゃ――」
しかし次の瞬間、思いもしなかった回答が彼の口から飛び出すことになる。
「知ってるよ」
「えっ?」
「そんなのとっくに前から知ってるけど」
シウォンは何を今更?と言った顔でぽかんたしている。
(えっ?)
私はその瞬間、五秒ほど思考が停止した。
(今”知ってる”......って。えっ?)
ええええええ!?!?!
(いつから......!?!?!)
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