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四章
43. 返事
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「むにゃ......もう食べられないよ......。ん......ここどこ?」
大量にステーキを食べる夢を見ていた私は、目が覚めるとふかふかのベッドの上にいた。
いや、ふかふかなんて物じゃない。
ぶわんぶわんだ(?)
いつも自分が寝ているベットとは比べ物にならないくらい寝心地が良い。
それにしてもこんなに寝心地の良いベッド、華やかな天蓋。
高そうな壺、高そうな椅子、高そうなテーブル――
(私、なんでここにいるんだっけ......)
ガチャ
「あっ」
「あ.......」
その瞬間、ドアを開けて入ってきたシウォンと目が合った。
「フィオネ!」
シウォンはそう言って、私を思い切り抱きしめた。
力強く、存在を確かめるように。
あまりの距離の近さに私の心臓は脈を早くする。
(近すぎる!何これ!?どういう状況!?)
「シ、シウォン!? ちょっとなに、っ」
「良かった......! 本当に......。三日も寝てたんだよ君は」
(三日!? 嘘、そんなに?)
どういう経緯か思い出せないが、私はここに運ばれてから丸三日寝ていたらしい。
「ここはどこなの? 私はなんでここにいるんだっけ?」
「えっとどこから話したら良いかな......。まずここはね」
――ぐぅ~
(あ)
何度目のデジャブか分からないが、私の腹の虫は毎度毎度、空気を読まないらしい。
「あ、そっか。三日も食べてないんだもん。お腹減ってるよね? まずはご飯食べてからにしようか」
「~ッ......!」
私は恥ずかしさを堪えながらなんとかシウォンが持ってきた食事がくるまで正気を保つのに必死だった。
「ごく、ごく......。ぷはっ、ご馳走様でした」
「ふふ、お腹いっぱいになった?」
彼によるとここは王城の客間で私は倒れてすぐここに連れてこられたらしい。
あれからシウォンと話していくうちに、私は記憶が途切れる前の出来事を思い出した。
「じゃあ私、気絶しちゃったんだ」
「あの時は本当にびっくりしたよ。フィオネが急に倒れるから」
そう言ってシウォンの眉毛が下がる。
その瞬間、心配をかけてしまったという事実に心が痛む。
「......それで、あれから平和協定の話はどうなったの?」
「陛下が話をまとめてくれたおかげで来月加入することになったよ。その前に僕の継承式があるみたい」
「継承式? もしかしてその時にシウォンは皇帝になるの?」
そうだったとしたら私は、シウォンと同じ立場で会話することは出来なくなるのではないだろうか?
「そうだね、急だけど。なんとか頑張ってみるよ。ねえフィオネ」
「ん?」
シウォンは私の口の周りについたパンくずを取りながらこう言った。
「あの時の言葉、覚えてる?」
彼はそう言った途端に、真剣な表情をした。
大量にステーキを食べる夢を見ていた私は、目が覚めるとふかふかのベッドの上にいた。
いや、ふかふかなんて物じゃない。
ぶわんぶわんだ(?)
いつも自分が寝ているベットとは比べ物にならないくらい寝心地が良い。
それにしてもこんなに寝心地の良いベッド、華やかな天蓋。
高そうな壺、高そうな椅子、高そうなテーブル――
(私、なんでここにいるんだっけ......)
ガチャ
「あっ」
「あ.......」
その瞬間、ドアを開けて入ってきたシウォンと目が合った。
「フィオネ!」
シウォンはそう言って、私を思い切り抱きしめた。
力強く、存在を確かめるように。
あまりの距離の近さに私の心臓は脈を早くする。
(近すぎる!何これ!?どういう状況!?)
「シ、シウォン!? ちょっとなに、っ」
「良かった......! 本当に......。三日も寝てたんだよ君は」
(三日!? 嘘、そんなに?)
どういう経緯か思い出せないが、私はここに運ばれてから丸三日寝ていたらしい。
「ここはどこなの? 私はなんでここにいるんだっけ?」
「えっとどこから話したら良いかな......。まずここはね」
――ぐぅ~
(あ)
何度目のデジャブか分からないが、私の腹の虫は毎度毎度、空気を読まないらしい。
「あ、そっか。三日も食べてないんだもん。お腹減ってるよね? まずはご飯食べてからにしようか」
「~ッ......!」
私は恥ずかしさを堪えながらなんとかシウォンが持ってきた食事がくるまで正気を保つのに必死だった。
「ごく、ごく......。ぷはっ、ご馳走様でした」
「ふふ、お腹いっぱいになった?」
彼によるとここは王城の客間で私は倒れてすぐここに連れてこられたらしい。
あれからシウォンと話していくうちに、私は記憶が途切れる前の出来事を思い出した。
「じゃあ私、気絶しちゃったんだ」
「あの時は本当にびっくりしたよ。フィオネが急に倒れるから」
そう言ってシウォンの眉毛が下がる。
その瞬間、心配をかけてしまったという事実に心が痛む。
「......それで、あれから平和協定の話はどうなったの?」
「陛下が話をまとめてくれたおかげで来月加入することになったよ。その前に僕の継承式があるみたい」
「継承式? もしかしてその時にシウォンは皇帝になるの?」
そうだったとしたら私は、シウォンと同じ立場で会話することは出来なくなるのではないだろうか?
「そうだね、急だけど。なんとか頑張ってみるよ。ねえフィオネ」
「ん?」
シウォンは私の口の周りについたパンくずを取りながらこう言った。
「あの時の言葉、覚えてる?」
彼はそう言った途端に、真剣な表情をした。
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