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第一章
4.出会い
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私が一度目の人生でミシェルと出会ったのは今日の午後三時。
魔女集会から帰ってきた母と一緒に、森の中心にある湖に散歩に出かけたときだった。
たまたま母とはぐれてしまった私がうろうろと湖の周りをさまよっていると、木の上から人の声がした。
「迷ったの?」
「――ひっ......!?」
その時の私は母に男と話すのは穢らわしいと教えられていたので、いきなり声をかけてきた青年にひどい態度をしてしまった。
「あ、ごめん。いきなり話しかけて。っと」
すると、青年はそう言って軽やかに木から降りた。
「僕は、あ......えーっとミシェル。君は?」
そう言って距離を保ったまま穏やかに微笑むミシェル。
今思えばこれが、全ての運命を狂わせた原因だったのだろう。
最初は警戒しながらも少しずつ話しているうちに、私はぽろっと母のことを零した。
母が心配しているから家に帰りたい。でも迷ってしまってどうしたらいいか分からない、と。
するとミシェルは一緒に帰る道を探そうと返してくれた。
私はまだ彼を信用していなかったけど、彼が話す外の世界の話を聞いているうちにいつの間にか、日常にはない新鮮さを感じている自分がいた。
「あ、お母さん!」
「見つかったの?」
二十メートルほど先の木々の間。
そこに私を探す母の姿が見えた。ホッとして駆け寄ろうとするもミシェルのことを思い出して私は振り返った。
「あの......母を探してくれてありがとう、ごさいます」
いくら母から言われていてもこれくらいは話して良いだろう。
「うん、良かったね。お母さんも見つかったみたいだし僕はそろそろ帰るよ。あ、君は......」
「アリリ、です」
「アリリか、可愛い名前だね。じゃあまたね」
そう言ってミシェルと名乗った青年は森へと消える。私は彼の背が完全に消えるまで見送りながら、ふつふつと湧き上がる謎の感情にモヤモヤしていた。
(い、いま可愛いって――!?)
とっさに顔に手を当てると、自分でも分かるくらい顔が熱い。思えば歳の近い異性と話したのはこれが初めてだった。
魔女集会から帰ってきた母と一緒に、森の中心にある湖に散歩に出かけたときだった。
たまたま母とはぐれてしまった私がうろうろと湖の周りをさまよっていると、木の上から人の声がした。
「迷ったの?」
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その時の私は母に男と話すのは穢らわしいと教えられていたので、いきなり声をかけてきた青年にひどい態度をしてしまった。
「あ、ごめん。いきなり話しかけて。っと」
すると、青年はそう言って軽やかに木から降りた。
「僕は、あ......えーっとミシェル。君は?」
そう言って距離を保ったまま穏やかに微笑むミシェル。
今思えばこれが、全ての運命を狂わせた原因だったのだろう。
最初は警戒しながらも少しずつ話しているうちに、私はぽろっと母のことを零した。
母が心配しているから家に帰りたい。でも迷ってしまってどうしたらいいか分からない、と。
するとミシェルは一緒に帰る道を探そうと返してくれた。
私はまだ彼を信用していなかったけど、彼が話す外の世界の話を聞いているうちにいつの間にか、日常にはない新鮮さを感じている自分がいた。
「あ、お母さん!」
「見つかったの?」
二十メートルほど先の木々の間。
そこに私を探す母の姿が見えた。ホッとして駆け寄ろうとするもミシェルのことを思い出して私は振り返った。
「あの......母を探してくれてありがとう、ごさいます」
いくら母から言われていてもこれくらいは話して良いだろう。
「うん、良かったね。お母さんも見つかったみたいだし僕はそろそろ帰るよ。あ、君は......」
「アリリ、です」
「アリリか、可愛い名前だね。じゃあまたね」
そう言ってミシェルと名乗った青年は森へと消える。私は彼の背が完全に消えるまで見送りながら、ふつふつと湧き上がる謎の感情にモヤモヤしていた。
(い、いま可愛いって――!?)
とっさに顔に手を当てると、自分でも分かるくらい顔が熱い。思えば歳の近い異性と話したのはこれが初めてだった。
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