上 下
5 / 18

闇より来たる者

しおりを挟む
その時、仮面の女が口を開いた。
「少年少女たちよ。私のことは勇者と呼べ!」
僕たちはその言葉に驚いたが、何も言えないでいた。
「君たち...いや君よ!私は異世界より来た転生者だ!」
勇者と呼ばれたい彼女は、僕を指差して言うのだった。
「...は?」
僕は訳がわからなかったし、何が起こっているのか分からなかった。
しかし、勇者の言葉は続く。
「君よ!この世界に平和をもたらすため、私に力を貸してくれ!」
勇者はそう言うと僕の前に膝をつくのだった。
僕はその行動に困惑してしまうのだった。
「...はぁ...何言ってんだこいつ...」
神田がぼそっと呟いたのを聞き取ることが出来たのは幸いだった。
僕たちはその後、自称勇者の話を聞いた。
なんでも彼女は異世界の勇者であり、今、この世界は魔王によって支配されているらしいのだ。
魔王はこの世界の全ての魔力を独占していて、このままでは世界が滅亡してしまうのだと彼女は力説していた。
彼女は僕たちをパーティーとして勧誘していた。
僕たちも彼女の言葉に半ば呆れながらも話を聞いていた。
彼女は僕たちにお願いするのだった。
「私の仲間になってくれ!」
「...」
「お前、まず顔見せろよ」
神田が全員知りたかったことを言う。
しかし勇者はかぶりを振って答えるのだった。
「今は無理なんだ...すまない...」
その言葉はどこか寂しそうだった。
「とにかく、力を貸してくれ!私は魔王を倒すためにこの世界にいるんだ!」
勇者が言う。
「魔王って誰だよ?」
山田が聞く。
「保科星乃だ」
「え?」
僕はここで意外な名前が出てきたので聞き返していた。
「誰?」
「保科星乃だ」
「え?」
「今のあいつには魔王の力を完全に取り戻せていない...だから、私が倒す!」
勇者はそう言うと腰の剣を抜いた。
その剣は刃渡り1メートルを超えるほど大きく、柄の部分には宝石のようなものが埋め込まれていた。
その剣は怪しく光を発しながら、僕たちを照らしたのだった。
「...!」
僕たちの視線は剣に向けられていた。
星乃先輩が魔王?は?
「では3人とも!私のパーティーに入ってくれたことに感謝する!」
「入ってねえし!」
神田が突っ込む。
「待って!保科星乃って誰なの?」
山田が聞き返す。
勇者は言い直すと説明を始めたのだった。
「保科星乃は異世界人で魔王なんだ...しかし、今彼女は魔王の力をほとんど失っていて、魔王になるための準備期間をしているらしいんだ...だが、魔王になるためには人間の血を浴びなければならない...彼女は人を殺した時、その血を飲むだろう...そして魔王になるのだ...」
「保科星乃先輩が?」
「そうだ!だから私が止める!」
僕はその言葉の意味が分からなかった。
星乃先輩が人を殺す?
そんな訳ないじゃないか!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界

レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。 毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、 お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。 そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。 お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。 でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。 でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

処理中です...