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107 甥と位牌と麻雀牌
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2024/8/25(日) AM8:34記
8月20日(火)お昼過ぎ,母からLINE。
祖母が亡くなったとのこと。
葬儀の日程が追って伝えられ,翌日水曜に急遽帰省した。
本来,身内であろうが他人であろうが,自分の胸にしまっておけば良い出来事をネットに拡散することは抵抗がある。
結婚式や入学式などでも同様だ。
まぁ,お祝い事は百歩譲って理解できるとしても,身内や著名人の訃報をSNSにUPするのは,思考が停止していると思わざるを得ない。
その投稿に「いいね」を押している人も。
普段なら,この手の出来事を人目に触れる可能性がある場所へは掲載しないタチなのですが,祖母が眠る柩の横で珍事が発生していたので,今回は例外的にしたためます。
まず実家に帰って,祖母に挨拶するため部屋に入ると,ラジカセから大音量で演歌が流れていた。
うるさいくらいに笑
それはもう蘇るのではないかというほど。
五木 ひろしさんや鳥羽 一郎さん,氷川 きよしさんなど祖母が好きだった方々のテープが入れ替わり立ち替わり。
知っている歌がかかれば当然,私も熱唱するので効果は倍率ドン!
隣人はいないので全力で発声する。
故郷で歌う『ふるさと』,最高です。
旅の疲れを自身の声で癒した後は,弟と甥っ子とスーパーへ夕飯の買い出し。
いつもとは違う賑やかな,いや騒がしい食卓。
一頻り飲み食いした後,甥っ子が言う。
「よし!麻雀するでぇ!」
マジか笑
どこで?
「どうせ夜伽で誰か仏間におらなアカンから,ばあちゃんおる部屋ですればええやん。そこしかないし。」
的なことを誰かが言う。
そんな訳で,大音量で演歌が流れる祖母のそばで,麻雀大会が開催された。
甥っ子は男男女の三兄弟で,麻雀に傾倒しているのは次男。
長男は同じ部屋でゲーム。
歩き始めて間もない長女は時折,部屋にやってきて牌を荒らして去っていく。
カオス。
故郷と書いてカオスと読むんだっけ?
そう思うほどにカオス。
情報処理が追いつかない中での闘牌。
集中力を欠いた私は,フリテンチョンボ。
「あ~フリテンしとるでよ。ダッセェ。」
煽る甥っ子。
2回り以上,歳の離れた子供に点棒をもぎ取られる。
焦る私。
「焦りは余計な緊張を生み出し,実力を半減させる。」
元新撰組三番隊組長,斎藤 一の声がこだまする。
そうだ。
焦ってはいけない。
落ち着いて,クールに徹しろ。
気づけば,全員ハコ下。
甥っ子の1人勝ち。
私も弟も悔し紛れの負け惜しみ。
私
「わざと負けてやったんやで。」
甥っ子
「フリテンしとったくせに嘘つけ。」
こいつは大物になる。
祖母がひ孫に味方したのか,ジャラジャラという音が鳴り止むまで,甥っ子は我々にその将来性を見せつけて,夜中2時半ようやく夜伽麻雀は幕を閉じたのである。
以上,あの世では祖母が静かに暮らせますように。
8月20日(火)お昼過ぎ,母からLINE。
祖母が亡くなったとのこと。
葬儀の日程が追って伝えられ,翌日水曜に急遽帰省した。
本来,身内であろうが他人であろうが,自分の胸にしまっておけば良い出来事をネットに拡散することは抵抗がある。
結婚式や入学式などでも同様だ。
まぁ,お祝い事は百歩譲って理解できるとしても,身内や著名人の訃報をSNSにUPするのは,思考が停止していると思わざるを得ない。
その投稿に「いいね」を押している人も。
普段なら,この手の出来事を人目に触れる可能性がある場所へは掲載しないタチなのですが,祖母が眠る柩の横で珍事が発生していたので,今回は例外的にしたためます。
まず実家に帰って,祖母に挨拶するため部屋に入ると,ラジカセから大音量で演歌が流れていた。
うるさいくらいに笑
それはもう蘇るのではないかというほど。
五木 ひろしさんや鳥羽 一郎さん,氷川 きよしさんなど祖母が好きだった方々のテープが入れ替わり立ち替わり。
知っている歌がかかれば当然,私も熱唱するので効果は倍率ドン!
隣人はいないので全力で発声する。
故郷で歌う『ふるさと』,最高です。
旅の疲れを自身の声で癒した後は,弟と甥っ子とスーパーへ夕飯の買い出し。
いつもとは違う賑やかな,いや騒がしい食卓。
一頻り飲み食いした後,甥っ子が言う。
「よし!麻雀するでぇ!」
マジか笑
どこで?
「どうせ夜伽で誰か仏間におらなアカンから,ばあちゃんおる部屋ですればええやん。そこしかないし。」
的なことを誰かが言う。
そんな訳で,大音量で演歌が流れる祖母のそばで,麻雀大会が開催された。
甥っ子は男男女の三兄弟で,麻雀に傾倒しているのは次男。
長男は同じ部屋でゲーム。
歩き始めて間もない長女は時折,部屋にやってきて牌を荒らして去っていく。
カオス。
故郷と書いてカオスと読むんだっけ?
そう思うほどにカオス。
情報処理が追いつかない中での闘牌。
集中力を欠いた私は,フリテンチョンボ。
「あ~フリテンしとるでよ。ダッセェ。」
煽る甥っ子。
2回り以上,歳の離れた子供に点棒をもぎ取られる。
焦る私。
「焦りは余計な緊張を生み出し,実力を半減させる。」
元新撰組三番隊組長,斎藤 一の声がこだまする。
そうだ。
焦ってはいけない。
落ち着いて,クールに徹しろ。
気づけば,全員ハコ下。
甥っ子の1人勝ち。
私も弟も悔し紛れの負け惜しみ。
私
「わざと負けてやったんやで。」
甥っ子
「フリテンしとったくせに嘘つけ。」
こいつは大物になる。
祖母がひ孫に味方したのか,ジャラジャラという音が鳴り止むまで,甥っ子は我々にその将来性を見せつけて,夜中2時半ようやく夜伽麻雀は幕を閉じたのである。
以上,あの世では祖母が静かに暮らせますように。
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