【日記】35歳で洋服屋に転職した37歳の日常

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013 "好き"と"楽しい"は違う

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2024/5/22 AM8:36記

先日,ニュースで訃報が流れた作曲家の方の言葉。

あるラジオ番組で,この言葉が紹介されていた。

「好きと楽しいは違う」

好きが高じて洋服屋に転職した私も非常に共感した一節です。

生活費を稼ぐ仕事ということになると楽しくはない。

服は好きなので,洋服屋に身を置いている恩恵で得られる知識や,作り手の方から直接お話を聞ける体験,着こなしの幅が広がったり,ヒントを得る機会が多いことはありがたい。

ただ,特に勤務先の取り扱い商品が好きとかお店のファンだった訳ではなく,田舎なので選択肢が限られていたため扉を叩いたというのが正直な動機だ。

でも販売員なので売らなければならない。

これがもどかしいというか仕事として割り切らなければならない点。

ディテールを深掘りしたり,作り手の意図を汲み取って真摯に向き合いお伝えすることは責務だと思うし,自分の知識も増えるので好きな作業ですが,おススメしたいかというと自分の気持ちが高揚する商品ではないので,答えはノーです。

ご購入いただいたというより,買わせている或いは売りつけているような感覚。

物が良いことは間違いないし,みなさまの表情を見ればご満足いただけている様子もよく分かる。

では,本当に自分が好きな商品だけを販売できるなら解消されるかと言うとそうでもない。

やはり仕事。
上記も楽しくないことの一部に過ぎないので,他の部分で歪みは出る。

例えば,体型がだらしない方には売りたくないなどという気持ちが出るだろう。
高い服を買う前にやることがあるのになと思いながら販売するだろう。

まぁそれは今のお店に来るお客様に対しても思っているし,過度にお似合いですね!などという世辞も一切言わない。
適正なサイズをご案内するだけだ。

なんて愛想のない店員なのでしょう笑

ともあれ,いち消費者として見聞きできる範囲で,洋服に関わっていれば,楽しいだけで済んだのですが,それだけではここまで服を好きになれたか,研鑽を重ねられたか分からないので,洋服屋に勤めて良かったというお話でした。


追伸.
前職の方が経済的に自分の好きな服を沢山買えたので,それによる力量向上との比較ができない故に,本当の本当に良かったか否かは最後まで分かりません。
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