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第七章 ウソつき勇者とマリア姫救出作戦
7-2 アジト潜入開始
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僕たちはすでに用意されている馬に乗った。ん?アンナが動かない。
「どうしたアンナ、トイレにでも行きたいのか?」
「ば、ばか!そんなわけないでしょ。私・・・馬の乗り方分からないの」
「おいおい、おてんば娘の名が泣くぜ!」
そう言いながら、ミランはアンナを抱きかかえ、自分の後ろに乗せた。
「アンナ、俺にしっかり捕まっていろよ。意外と揺れるからな。胸も抑えとかないと大きく揺れるぜ!」
「な、何馬鹿なこと言っているの!ちゃんと前を向きなさい。」
アンナは顔を真っ赤にしている。しかし、ミランの背中に乗せられ、まんざらでもない顔をしている。
「では皆さん、出発します!私が先導しますので、ついてきてください!」
走り出した。僕もこの世界では初めて乗ったはずなのに、なぜか操れていた。去年の修学旅行で馬に乗る研修があったのだが、それと同じ要領だ。
僕たちは風を切りながら馬を西に走らせていった。
程なくして、荒れ果てた城の前に到着した。
「ここが、旧グランムルグ城です。入り口は正面になります」
「ここか・・・わしも初めて来たぞ」
「私もです。ジル殿」
「ってことは、ここにいる全員が初めて来たダンジョンって感じなんだな」
全員がつばを飲み込んだ。
「では我々騎士団が先に行きます」
「いや待て、ここはワシが行く」
「しかし、ジル殿はすでに騎士団ではありません」
「だからじゃ。お主たちは未来をしょって立つ者たちだ。ワシはお前たちよりこの先は短い。そして、レイアをさらわれたのもワシの責任。ここはワシが先頭を行く!」
なんと、すごい心意気だ。僕たちは結構心を打たれた。
ジルを先頭に、城の中に向かっていった。扉にかぎはかかっておらず、簡単に開くことが出来た。
中は意外と静かにしている。
明かりが届かないので中は暗い。一緒についてきた、騎士団所属の魔法士が魔法で明かりを照らした。すると、複数の人間の姿に彫られている石像が転がっていた。
「なんでしょうね?この石像は。昔の王都では、このような石像を飾っていたのでしょうか?」
「うーん、ワシも聞いたことは無いぞ」
すると、前方に黒い影が現れた。蝙蝠のモンスター【ダークバット】が4体が突然飛んできた。それを確認したジルは、剣を取り、一瞬のうちに4体すべてを切り落とした。
「さ、さすがですね。何ともあっさりと」
「この程度、造作もない」
そう言って、先に進む。
そのあと、次々とモンスターが現れた。僕たちはそれらを全て倒していった。さすが騎士団員、モンスターたちを、連携して次々と仕留めていく。
「凄いですね。王宮騎士団の戦いは」
「そうでしょう。毎日の鍛錬が、この様な時に力を発揮いたします。ケント殿、どうでしょう我ら王宮騎士団へ。ケント殿はなかなかの剣の腕前。勇者様がいらっしゃるとなると、我々も活気が出ます」
「あはは、考えておきます」
「それと、アンナ殿。朝の鍛錬を拝見いたしました。是非騎士団はいかがでしょうか?我々はさらに活気が出ます」
「おいおい団長、その活気は違う活気だろ?」
男たちのしょうもない話で気を紛らわせながら先に進んだ。そして程なく、旧王宮の間があったであろう、広い部屋に着いた。天井はガラスがあったと思われる場所は抜け落ちていた。そこから光が入り込んでいる。
正面には、柱に縛られて動かないレイアがいた。
「レ、レイア、助けに来たぞ!今すぐ行く」
ジルが走り出そうとした時、上から魔獣が下りてきた。
「よう、久しぶりだな、ラインハット」
「き、貴様は・・・マルクデス!生きておったのか!!」
【マルクデス】、魔人であり。魔王の直属の部下の一人だ。羽があり、腕は4本ある魔人で、鎧を着ている。
「そうだ、あの時お前の剣で深手を負い、滝に落ちて行った。しかしあの時とどめを刺しに来なかったのが、お前の過ちだ」
「く、あの時、わしも深手を負っていた。だから、とどめを刺しに行けなかったのじゃ。だが・・・・悔やまれる」
「今回は運が良かったぜ。リリア姫をトロントを使って街に出させて、誘拐させた。するとどうだ、ラインハットと、成長したマリア姫がいたと報告を受けた。俺は魔王様より、リリア姫を連れてい来いとの命を受けていたんだが、マリア姫だと、よりOKのはずだ。何せ、強い王族の血は、魔王様の力を上げるのにとても有効だからな」
「じゃあ、なぜ連れて行っていない?」
「それは、貴様がいたからだ。あの時の怨みを忘れるものか。よって、貴様を葬り、マリア姫を連れて行くことにした」
「うぬぬ、何処までも悪魔め!」
「その言葉、俺にとっては応援歌だ!」
そう言って、マルクデスが右手を上げると、どこからか、魔人が10体現れた。
「こいつらを殺してしまえ!」
魔人たちが襲ってきた!
「どうしたアンナ、トイレにでも行きたいのか?」
「ば、ばか!そんなわけないでしょ。私・・・馬の乗り方分からないの」
「おいおい、おてんば娘の名が泣くぜ!」
そう言いながら、ミランはアンナを抱きかかえ、自分の後ろに乗せた。
「アンナ、俺にしっかり捕まっていろよ。意外と揺れるからな。胸も抑えとかないと大きく揺れるぜ!」
「な、何馬鹿なこと言っているの!ちゃんと前を向きなさい。」
アンナは顔を真っ赤にしている。しかし、ミランの背中に乗せられ、まんざらでもない顔をしている。
「では皆さん、出発します!私が先導しますので、ついてきてください!」
走り出した。僕もこの世界では初めて乗ったはずなのに、なぜか操れていた。去年の修学旅行で馬に乗る研修があったのだが、それと同じ要領だ。
僕たちは風を切りながら馬を西に走らせていった。
程なくして、荒れ果てた城の前に到着した。
「ここが、旧グランムルグ城です。入り口は正面になります」
「ここか・・・わしも初めて来たぞ」
「私もです。ジル殿」
「ってことは、ここにいる全員が初めて来たダンジョンって感じなんだな」
全員がつばを飲み込んだ。
「では我々騎士団が先に行きます」
「いや待て、ここはワシが行く」
「しかし、ジル殿はすでに騎士団ではありません」
「だからじゃ。お主たちは未来をしょって立つ者たちだ。ワシはお前たちよりこの先は短い。そして、レイアをさらわれたのもワシの責任。ここはワシが先頭を行く!」
なんと、すごい心意気だ。僕たちは結構心を打たれた。
ジルを先頭に、城の中に向かっていった。扉にかぎはかかっておらず、簡単に開くことが出来た。
中は意外と静かにしている。
明かりが届かないので中は暗い。一緒についてきた、騎士団所属の魔法士が魔法で明かりを照らした。すると、複数の人間の姿に彫られている石像が転がっていた。
「なんでしょうね?この石像は。昔の王都では、このような石像を飾っていたのでしょうか?」
「うーん、ワシも聞いたことは無いぞ」
すると、前方に黒い影が現れた。蝙蝠のモンスター【ダークバット】が4体が突然飛んできた。それを確認したジルは、剣を取り、一瞬のうちに4体すべてを切り落とした。
「さ、さすがですね。何ともあっさりと」
「この程度、造作もない」
そう言って、先に進む。
そのあと、次々とモンスターが現れた。僕たちはそれらを全て倒していった。さすが騎士団員、モンスターたちを、連携して次々と仕留めていく。
「凄いですね。王宮騎士団の戦いは」
「そうでしょう。毎日の鍛錬が、この様な時に力を発揮いたします。ケント殿、どうでしょう我ら王宮騎士団へ。ケント殿はなかなかの剣の腕前。勇者様がいらっしゃるとなると、我々も活気が出ます」
「あはは、考えておきます」
「それと、アンナ殿。朝の鍛錬を拝見いたしました。是非騎士団はいかがでしょうか?我々はさらに活気が出ます」
「おいおい団長、その活気は違う活気だろ?」
男たちのしょうもない話で気を紛らわせながら先に進んだ。そして程なく、旧王宮の間があったであろう、広い部屋に着いた。天井はガラスがあったと思われる場所は抜け落ちていた。そこから光が入り込んでいる。
正面には、柱に縛られて動かないレイアがいた。
「レ、レイア、助けに来たぞ!今すぐ行く」
ジルが走り出そうとした時、上から魔獣が下りてきた。
「よう、久しぶりだな、ラインハット」
「き、貴様は・・・マルクデス!生きておったのか!!」
【マルクデス】、魔人であり。魔王の直属の部下の一人だ。羽があり、腕は4本ある魔人で、鎧を着ている。
「そうだ、あの時お前の剣で深手を負い、滝に落ちて行った。しかしあの時とどめを刺しに来なかったのが、お前の過ちだ」
「く、あの時、わしも深手を負っていた。だから、とどめを刺しに行けなかったのじゃ。だが・・・・悔やまれる」
「今回は運が良かったぜ。リリア姫をトロントを使って街に出させて、誘拐させた。するとどうだ、ラインハットと、成長したマリア姫がいたと報告を受けた。俺は魔王様より、リリア姫を連れてい来いとの命を受けていたんだが、マリア姫だと、よりOKのはずだ。何せ、強い王族の血は、魔王様の力を上げるのにとても有効だからな」
「じゃあ、なぜ連れて行っていない?」
「それは、貴様がいたからだ。あの時の怨みを忘れるものか。よって、貴様を葬り、マリア姫を連れて行くことにした」
「うぬぬ、何処までも悪魔め!」
「その言葉、俺にとっては応援歌だ!」
そう言って、マルクデスが右手を上げると、どこからか、魔人が10体現れた。
「こいつらを殺してしまえ!」
魔人たちが襲ってきた!
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