ライアークエスト

かしわで

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第五章 ウソつき勇者と賢者の石

5-6 岩山のボス討伐

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 僕たち4人は、予定通り2時間ほどで岩山のふもとに着いた。

 上空にはカラスやモンスター【ビッグクロウ】が空を飛んでいる。道ぞいには、近くの畑でとれた食物の藁が積んであり、【光苔】がその藁に生えている。ゴミ捨て場?

「さあ、登山の開始だ!」

「ミラン、登山と言っても、道はどれ?」

「アンナさん、これですよ」

「え、ルドルクスさん・・・・この・・・・ちょっと平らな所ですか・・・・」

 どう見ても、道とは言えない。

「僕は昔、弓の練習のためにこの【サンズロック】をよく登りました。なので、安全な通り道がわかります。ついてきてください。ただ、昔は普通の鳥だけで、モンスターはいませんでしたが」

「そうか、やっぱり【賢者の石】を飲み込んだ【ギガクロウ】のせいなんだろうな」

「分かりました。道案内お願いします」

 僕たちはルドルクスの後に続いて進み続けた。途中落ちそうな場所もあったが、さすがに僕たちは冒険者だ。バランスを保ちながら進んでいく。

「この先を見てください。少し広くなっている岩の上にモンスターがたくさんいます」

「本当ですね。僕たちに任せてください」

僕たちはそっと忍び寄り、ビッククロウを倒した。気づいて空へ逃げ出したモンスターは、ミランが鞭で落とし、アンナがとどめを刺す。旅の途中で身に着けた、空飛ぶ敵に対する連携業だ。

「さすがですね。ちょっと感動しました」 

「まあこんなもんですよ」

 そんなことを言っていると、岩の裏に隠れていたビッグクロウが飛んで行った。ルドルクスは、そのモンスターに向かい、弓を放った。見事命中し、落ちて行った。

「どうです?僕もなかなかのものでしょう?」

「あんた、冒険者やってみないか?」

「冗談を。僕は今が全盛期ですから。これ以上は強くなれませんよ」


僕たちはここで一息ついた後、上に登っていくことにした。

「ケ、ケントさん、あそこに大きなモンスターが・・・・あれがきっと【ギガクロウ】ですよね?」

「そうですね、間違いありません」

 僕たちは、何処から取ってきたのか、牛を食べている。ギガクロウに見つからないよう、岩陰に隠れた。

「で、ケント、やつをどうやって倒す?」

「そうですね。あの牛を見るとわかりますが、力がとてもあります。攻撃は直撃は避けたほうが良いかと」

「よし、今あいつは後ろを向いている。俺とケントでダメージを与えて、アンナの正拳突きでトドメってのはどうだ?それなりにダメージを与えていれば、アンナの正拳突きをまともに食らって、倒れない敵はそうはいないと思うぞ。」

「そうね。ただ、正拳突きは貯めが必要だから、それまで耐えていてよ」

「良し、さっそく行くぞ!」

 僕とミランは、【ギガクロウ】に向かっていった。【ギガクロウ】は気づいたがもう遅い。僕とミランは連続で攻撃した。

「ギャー」

 ギガクロウは悲鳴を上げる。それでもダメージを与え続けた。相手の爪攻撃をうまくかわし、何度も攻撃する。

「よし、アンナ、今だ!」

 アンナはギガクロウに近づき、タメを行う。そして、正拳突きを放った。が、しかし、その一瞬前にギガクロウは空に舞い上がってしまった。

「ち、逃げられたか」

「ちょっと、あれみて・・・・ビッグクロウを食べているわ」

「だんだんと傷が回復してやがる。。。。やつめ、せっかくダメージを与えても、空に逃げてビッククロウ食べて回復するなんて反則だな」

「この前のろうそくのボスバージョンと同じですね」

「どのボスバージョンも周りに同類のモンスターを置いているのは、回復のためなんでしょうね」

「女の嫉妬くらい厄介だ」

ミランのジョークは無視して、対策を考える。

「空にいるのが厄介です。ダメージを与えるには下に落としたところを一気に叩き込む必要があります」

「じゃあ、これはどうだ?飛んでいる奴を下に落とし、俺とケントでロープを足に巻き付ける。そこにアンナの正拳突きでジ・エンドだ」

「いい作戦ね。で、どうやって落とすの?それなりにダメージを与えないと落ちないわよ」

「ルドルクスの矢で落とすのは?」

「いや、当たったとしても、ダメージが少なすぎる」

「爆弾は?」

「確かに、大ダメージは与えられるが、爆風で俺たちが下に落ちるかもしれないぜ。」

「だったら、爆風が来ないくらいまで高いところで爆発させせればいいんじゃない?」

「だったら、いい考えがあります。相手から下に来てもらって、相手が自分で高いところに行けばいいんです。」

 僕たちは作戦を立てた。その間、【ギガクロウ】が周りの【ビッグクロウ】を食べて、ほぼ全快になるまで体力を回復していた。

よし、再トライだ。

「私はここよ。いらっしゃい!」

 アンナが一人で前に出た。
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