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第二章 王国騎士団入団試験と3人の女子
2-6 試験2日目 その1 仲間探し
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試験2日目、僕は試験1日目と同じく、宿の食堂で朝食をとった。
今日は魚の煮つけだった。僕は山育ちだったので、魚はとても貴重な食糧だった。なので、とてもおいしく頂けた。
「では行ってきます。」
「行ってらっしゃい。頑張ってね。部屋はそのままにしておくからね」
マリーは外まで見送ってくれた。試験の2日目が宿泊となるのは毎年恒例のようで、マリーも慣れっこのようだった。
去年この宿の宿泊者に合格者が出て、とてもうれしかったと今日の朝の食事の時に話をした。
歩いて20分ほどで、王国騎士団宿舎の試験会場前広場に到着した。
すでにたくさんの人がいた。昨日と違って緊張もほぐれているのか、仲間同士で会話している人たちもたくさんいた。僕がここに到着したのはほぼ最後の方だ。
「今日って、何持ってきた?」
「基本何もいらなっていってたけど、下着くらいは交換したいよね。」
「私化粧水とかもって来たわ。」
そんな会話をする女の子たちもいた。
「おい、今日の夜どうする?」
「女子のいるところに潜入する?」
「じゃあ、開始前までに女子と仲良くなってないと。」
そんな会話をする男共も。何しに来たのやら・・・
「ではお集まりの皆さん、今日2日目の試験です。昨日話をした通り宿泊になります。
場所はここから馬車で1時間ほどにある森で過ごしてもらいます。
そこで、5人のチームとなり、一夜をテントで過ごし、次の日に目的地へ着いて終了です。無事に残れたら、大きなポイントになります。
森に入ると、魔物が襲うかもしれません。君たちの上級生や正騎士たちが罠を仕掛けているかもしれません。全員リタイアせずに協力して対応してください。
もちろん、決して命を取るようなことはしないので大丈夫です。
途中でやられる人もいるかもしれませんが、試験官たちがすべての行動を見て判断しますので、やられそうになってもあきらめないでください。」
壇上の試験官から説明があった。
受験生の中にはガタガタと震えるものもいるし、
「やったるぜ」
と、気合の声をあげる者もいた。
「では皆さん移動しますので、前のほうから馬車に乗ってください。」
僕を含め受験生たちは、馬車に20人位の単位で乗せられた。特に乗る順番もなく、最後の方に来た僕は一番最後の馬車に乗った。
するとその中には昨日同じグループCにいた男子受験生もいた。彼は僕が見ると目をそらした。
たしか、彼は2つめの試験の際に、足を引っかけて転んで、頭を打ってうなっていた人だ。申し訳ないことをした。
天気も良く、特にトラブルも無いまま一時間ほど経ち、試験会場の森についた。
その森は【希望の森】と呼ばれていて、毎年宿泊での試験の場所として使われていた。試験以外でも、武闘騎士や魔法騎士等の練習所としても使われている。
「こんな場所あったっけ?」
そんなことを思いながら馬車を降りた。
すでにたくさんの受験生たちが到着して馬車から降りていた。。僕たちの馬車が最後だったようだ。まあ、最後に出発したから当然か。
しばらくすると、先ほど試験会場前広場で説明をしていた試験官が、以前からここに置いてあったような古びた壇上に立った。
「ではこれからグループ分けを行います。すでに決まっているので、前に来て自分の名前とグループのメンバー表、グループ名が書かれた紙を受け取ってください。」
そういって、壇上から降りた。
受験生たちはわらわらと前の方に群がり、受け取った後に歓喜の声を上げる者、青ざめる者様々いた。
「やった、お前と一緒のグループだ。」
「俺、別のグループになった。」
「私、男の人ばかりのグループで大丈夫かしら。」
「あんた、男より強いから大丈夫よ。」
そんな会話が聞こえてきた。
僕は後方にいたため、ほぼ最後に紙を受け取った。貰った紙には僕を含め4人の名前が記載されていた。あれ?5人じゃなかったっけ?
「すみません、1グループ5人と聞いていましたが?」
「ごめんね、人数が一人足りなかったんだ。」
そう言われた。
まあ、5人ずつちょうどになるには、受験生の数が5の倍数の人がいないといけないわけで、運の悪いグループになったなぁと思い、メンバーの名前を見た。
・・・どう見ても、全員女性の名前だ。
今日は魚の煮つけだった。僕は山育ちだったので、魚はとても貴重な食糧だった。なので、とてもおいしく頂けた。
「では行ってきます。」
「行ってらっしゃい。頑張ってね。部屋はそのままにしておくからね」
マリーは外まで見送ってくれた。試験の2日目が宿泊となるのは毎年恒例のようで、マリーも慣れっこのようだった。
去年この宿の宿泊者に合格者が出て、とてもうれしかったと今日の朝の食事の時に話をした。
歩いて20分ほどで、王国騎士団宿舎の試験会場前広場に到着した。
すでにたくさんの人がいた。昨日と違って緊張もほぐれているのか、仲間同士で会話している人たちもたくさんいた。僕がここに到着したのはほぼ最後の方だ。
「今日って、何持ってきた?」
「基本何もいらなっていってたけど、下着くらいは交換したいよね。」
「私化粧水とかもって来たわ。」
そんな会話をする女の子たちもいた。
「おい、今日の夜どうする?」
「女子のいるところに潜入する?」
「じゃあ、開始前までに女子と仲良くなってないと。」
そんな会話をする男共も。何しに来たのやら・・・
「ではお集まりの皆さん、今日2日目の試験です。昨日話をした通り宿泊になります。
場所はここから馬車で1時間ほどにある森で過ごしてもらいます。
そこで、5人のチームとなり、一夜をテントで過ごし、次の日に目的地へ着いて終了です。無事に残れたら、大きなポイントになります。
森に入ると、魔物が襲うかもしれません。君たちの上級生や正騎士たちが罠を仕掛けているかもしれません。全員リタイアせずに協力して対応してください。
もちろん、決して命を取るようなことはしないので大丈夫です。
途中でやられる人もいるかもしれませんが、試験官たちがすべての行動を見て判断しますので、やられそうになってもあきらめないでください。」
壇上の試験官から説明があった。
受験生の中にはガタガタと震えるものもいるし、
「やったるぜ」
と、気合の声をあげる者もいた。
「では皆さん移動しますので、前のほうから馬車に乗ってください。」
僕を含め受験生たちは、馬車に20人位の単位で乗せられた。特に乗る順番もなく、最後の方に来た僕は一番最後の馬車に乗った。
するとその中には昨日同じグループCにいた男子受験生もいた。彼は僕が見ると目をそらした。
たしか、彼は2つめの試験の際に、足を引っかけて転んで、頭を打ってうなっていた人だ。申し訳ないことをした。
天気も良く、特にトラブルも無いまま一時間ほど経ち、試験会場の森についた。
その森は【希望の森】と呼ばれていて、毎年宿泊での試験の場所として使われていた。試験以外でも、武闘騎士や魔法騎士等の練習所としても使われている。
「こんな場所あったっけ?」
そんなことを思いながら馬車を降りた。
すでにたくさんの受験生たちが到着して馬車から降りていた。。僕たちの馬車が最後だったようだ。まあ、最後に出発したから当然か。
しばらくすると、先ほど試験会場前広場で説明をしていた試験官が、以前からここに置いてあったような古びた壇上に立った。
「ではこれからグループ分けを行います。すでに決まっているので、前に来て自分の名前とグループのメンバー表、グループ名が書かれた紙を受け取ってください。」
そういって、壇上から降りた。
受験生たちはわらわらと前の方に群がり、受け取った後に歓喜の声を上げる者、青ざめる者様々いた。
「やった、お前と一緒のグループだ。」
「俺、別のグループになった。」
「私、男の人ばかりのグループで大丈夫かしら。」
「あんた、男より強いから大丈夫よ。」
そんな会話が聞こえてきた。
僕は後方にいたため、ほぼ最後に紙を受け取った。貰った紙には僕を含め4人の名前が記載されていた。あれ?5人じゃなかったっけ?
「すみません、1グループ5人と聞いていましたが?」
「ごめんね、人数が一人足りなかったんだ。」
そう言われた。
まあ、5人ずつちょうどになるには、受験生の数が5の倍数の人がいないといけないわけで、運の悪いグループになったなぁと思い、メンバーの名前を見た。
・・・どう見ても、全員女性の名前だ。
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