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第二章 王国騎士団入団試験と3人の女子
2-1 王都到着
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カジカの村を出発して3日目、やっと王都に到着した。だいぶ日が落ちている。
大きな門の前で、僕たちは入口にいる戦士の格好をした門番に身分証明書を見せるように言われた。従者のダイアンは僕の証明書を見せた。
「あそこの家の子供か。」
そう言って通してくれた。なぜ両親のことを知っているのかをダイアンに聞くと
「そりゃ君の父さんはギルドの主人だからね。あの門番は冒険者からいろいろと情報を聞いているんだよ。」
なるほどと思った。
街の中に入った。久しぶりの王都はとても大きいなと改めて思った。でも、500年前の面影は何となくある。
僕は両親からもらった、試験合格までの宿屋のお金と宿屋の場所の地図を見た。なぜ合格までというと、試験に合格すれば寮に住めるからだ。寮は国からお金が出るので、無料だ。合格前提の対応である。
街は夕方で食事の時間が近いのか、たくさんの人が行き来している。とても賑やかだ。この賑やかさ、懐かしい。
ダイアンにはそのまま街の中を進んで行き、宿泊する宿の前まで送ってもらった。
「ここまでだね。じゃあ元気でね!」
従者への支払いは前払いだったので、そう言って去っていった。結構あっさりだな。
着いた宿屋は、看板に【マリーの宿屋】と書かれてあった。
しかし、それよりも目についたのは、巨大な猫の看板だ。入口を囲うようにレイアウトされている。僕はその猫のお腹の辺りに空いた空間に入っていき、そこにある扉を開けて中に入った。カランカランと鈴の音が鳴った。
「いらっしゃい、どちら様ですか?」
そう言って、若い女の子が出迎えてくれた。スレンダーでとても可愛らしい。同じ年くらいかな?
「僕はエリックです。今カジカの村から来ました。」
「あ、例のギルドの子供ね。お母さん、例の子が来たよ!」
そう言って奥の部屋に行った。すると、すぐにお母さんらしき人と一緒に出てきた。
「いらっしゃい、エリック。待っていたわよ。」
やさしい顔で話しかけられた。
「私はマリー。こっちが娘のマリアだよ。何か分からないこととかあったら遠慮なく聞いとくれ。」
「お世話になります。」
そう返答する。しかし、さっきから気になっていたのが、店の中にはたくさんの猫がいる。にゃあにゃあとすり寄って来る。
「あ、ごめんなさい、言うの忘れていたわ。私猫好きなの。」
聞いていないが、見れば分かる。
「猫は嫌いですか?」
「いや、結構好きですよ。一匹飼っているし。」
「え、ほんと?名前は、」
「タマって言います。」
「すごく可愛い名前ね。会ってみたいわ。でここにいる猫ちゃんたちなんだけど、名前は・・・」
「そう言えば、僕の部屋はどこですか?」
話が絶対長くなると思ったので、話を無理やり変えた。
「あ、そうだった。ごめんなさい。確か、素泊まり部屋だったわね。」
そう言って部屋へ連れていってもらった。
部屋をみると、ベッド一つがやっと入る程度で、ものすごく狭かった。素通り部屋とは、つまり一番安い、寝ること以外なにも出来ない部屋だった。僕は勉強とか入手した物を調べたりとか、幻獣達と顔を合わせて話をしたいので、ベッド以外にも空きスペースが欲しかった。
「もう少し広い部屋は有りますか?」
「有るけど、値段が上がるわよ。」
「大丈夫です。」
親から貰った宿代は素泊まり部屋分だった。だが僕は、カジカの村にいた頃、親に内緒で作ったエナジードリンクを冒険者たちに売っていた。結構元気が出るということで良く売れた。そのお金が結構たまっているので問題ない。
ちなみに、このエナジードリンクの知識も主従契約を結んだ幻獣達から教えて貰ったのだ。
僕は三人部屋に変えてもらった。ベッドが三つあったが、端に寄せて立てかけたために広くなった。これで充分だ。
この宿には食堂があり、この食堂で食べるかどうかはその都度決めるとのこと。宿泊者は食事代を割引してくれるとのことだったので、基本は宿で食べることにする。
到着後ある程度荷物を整理すると、外はすっかり暗くなっていた。なので、この宿の食堂で夕食を取った。家庭的な料理がたくさん出て、とても満足だ。相変わらず猫がすり寄ってきていた。ここまでされるとちょっと面倒。。。
「随分なついているわね。猫好きが分かるのかしら?」
正直、猫が好きかどうかはどっちでもよい。さっきは話をあわせるために言っただけなのだ。
食事後部屋に戻り、落ち着いたところでケットシーを呼んだ。
「兄き、どうしたにゃ?」
「ここの猫たちは知り合いか?」
「そうですにゃ。このマルチスの情報を探ってもらっているにゃ。」
「それはありがたい。にしても、いきなりなつかれていたのだが。」
「それは、兄貴がうまいマタタビを持っていることを教えたからだにゃ。」
「余計なことを。。。」
僕は仕方がないので、持っていた乾燥マタタビをタマにあげた。
「ありがとにゃ。ここの猫たちに配って来るにゃ。」
本当は薬として使うために取っていたのだか、このままでは無くなってしまいそうだ。しょうがないので、時間が空いたら、王都の外に出て取りに行くか。
すると、パトリシアが話しかけてきた。
「エリック様、あんまりやると、癖になりますぞ。」
「そうだね。考えます。」
陰の中にいるパトリシアに苦言を呈された。
大きな門の前で、僕たちは入口にいる戦士の格好をした門番に身分証明書を見せるように言われた。従者のダイアンは僕の証明書を見せた。
「あそこの家の子供か。」
そう言って通してくれた。なぜ両親のことを知っているのかをダイアンに聞くと
「そりゃ君の父さんはギルドの主人だからね。あの門番は冒険者からいろいろと情報を聞いているんだよ。」
なるほどと思った。
街の中に入った。久しぶりの王都はとても大きいなと改めて思った。でも、500年前の面影は何となくある。
僕は両親からもらった、試験合格までの宿屋のお金と宿屋の場所の地図を見た。なぜ合格までというと、試験に合格すれば寮に住めるからだ。寮は国からお金が出るので、無料だ。合格前提の対応である。
街は夕方で食事の時間が近いのか、たくさんの人が行き来している。とても賑やかだ。この賑やかさ、懐かしい。
ダイアンにはそのまま街の中を進んで行き、宿泊する宿の前まで送ってもらった。
「ここまでだね。じゃあ元気でね!」
従者への支払いは前払いだったので、そう言って去っていった。結構あっさりだな。
着いた宿屋は、看板に【マリーの宿屋】と書かれてあった。
しかし、それよりも目についたのは、巨大な猫の看板だ。入口を囲うようにレイアウトされている。僕はその猫のお腹の辺りに空いた空間に入っていき、そこにある扉を開けて中に入った。カランカランと鈴の音が鳴った。
「いらっしゃい、どちら様ですか?」
そう言って、若い女の子が出迎えてくれた。スレンダーでとても可愛らしい。同じ年くらいかな?
「僕はエリックです。今カジカの村から来ました。」
「あ、例のギルドの子供ね。お母さん、例の子が来たよ!」
そう言って奥の部屋に行った。すると、すぐにお母さんらしき人と一緒に出てきた。
「いらっしゃい、エリック。待っていたわよ。」
やさしい顔で話しかけられた。
「私はマリー。こっちが娘のマリアだよ。何か分からないこととかあったら遠慮なく聞いとくれ。」
「お世話になります。」
そう返答する。しかし、さっきから気になっていたのが、店の中にはたくさんの猫がいる。にゃあにゃあとすり寄って来る。
「あ、ごめんなさい、言うの忘れていたわ。私猫好きなの。」
聞いていないが、見れば分かる。
「猫は嫌いですか?」
「いや、結構好きですよ。一匹飼っているし。」
「え、ほんと?名前は、」
「タマって言います。」
「すごく可愛い名前ね。会ってみたいわ。でここにいる猫ちゃんたちなんだけど、名前は・・・」
「そう言えば、僕の部屋はどこですか?」
話が絶対長くなると思ったので、話を無理やり変えた。
「あ、そうだった。ごめんなさい。確か、素泊まり部屋だったわね。」
そう言って部屋へ連れていってもらった。
部屋をみると、ベッド一つがやっと入る程度で、ものすごく狭かった。素通り部屋とは、つまり一番安い、寝ること以外なにも出来ない部屋だった。僕は勉強とか入手した物を調べたりとか、幻獣達と顔を合わせて話をしたいので、ベッド以外にも空きスペースが欲しかった。
「もう少し広い部屋は有りますか?」
「有るけど、値段が上がるわよ。」
「大丈夫です。」
親から貰った宿代は素泊まり部屋分だった。だが僕は、カジカの村にいた頃、親に内緒で作ったエナジードリンクを冒険者たちに売っていた。結構元気が出るということで良く売れた。そのお金が結構たまっているので問題ない。
ちなみに、このエナジードリンクの知識も主従契約を結んだ幻獣達から教えて貰ったのだ。
僕は三人部屋に変えてもらった。ベッドが三つあったが、端に寄せて立てかけたために広くなった。これで充分だ。
この宿には食堂があり、この食堂で食べるかどうかはその都度決めるとのこと。宿泊者は食事代を割引してくれるとのことだったので、基本は宿で食べることにする。
到着後ある程度荷物を整理すると、外はすっかり暗くなっていた。なので、この宿の食堂で夕食を取った。家庭的な料理がたくさん出て、とても満足だ。相変わらず猫がすり寄ってきていた。ここまでされるとちょっと面倒。。。
「随分なついているわね。猫好きが分かるのかしら?」
正直、猫が好きかどうかはどっちでもよい。さっきは話をあわせるために言っただけなのだ。
食事後部屋に戻り、落ち着いたところでケットシーを呼んだ。
「兄き、どうしたにゃ?」
「ここの猫たちは知り合いか?」
「そうですにゃ。このマルチスの情報を探ってもらっているにゃ。」
「それはありがたい。にしても、いきなりなつかれていたのだが。」
「それは、兄貴がうまいマタタビを持っていることを教えたからだにゃ。」
「余計なことを。。。」
僕は仕方がないので、持っていた乾燥マタタビをタマにあげた。
「ありがとにゃ。ここの猫たちに配って来るにゃ。」
本当は薬として使うために取っていたのだか、このままでは無くなってしまいそうだ。しょうがないので、時間が空いたら、王都の外に出て取りに行くか。
すると、パトリシアが話しかけてきた。
「エリック様、あんまりやると、癖になりますぞ。」
「そうだね。考えます。」
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