真神ノ玉-雪原に爪二つ-

続セ廻(つづくせかい)

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第七夜 暗雲に月翳り

六十二 燠火こそ熱く 其の二※

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「ふきゅっ!」


「驚かせちまったか、ゆき」
「く……は…い、今のは、その」

 自分の喉から漏れた声に羞じて、胸の奥から耳の後ろまで、熱感が走る。十兵衛は、篤実が子供のような声を上げたことを笑わなかった。
 それが、嬉しくて、恥ずかしくて、愛おしくて。いっそ苦しい様にも感じてしまう。

 は、は、と胸が弾んで呼吸が速くなった。

 十兵衛の指が太腿をじわじわと上がって、尻と足の付け根を揉む。目の前に聳え立つ、赤黒く太い剛直に釘付けになりながら、篤実はこの先の快楽を反芻していた。

「……儂も、我慢の限界じゃ」

 びゅく、と粘度を持った先走りが、パクパクと開く剛直の先端から溢れ、亀頭の表面にへばり付きながらねっとりと垂れていく。
 それを見た瞬間、篤実は口を開けて雄のものにしゃぶりついていた。

「んぶっ♡ ふ♡ んゔ♡ ふぅぅ……♡♡♡」
「くっ、あ……!」

 十兵衛が呻き、尻を揉む指の力が強くなる。張りのある筋肉の上に柔らかな肉が乗ったまろく柔らかな肉は、太い指が食い込んでむちぃ、とゆがむ。双丘のあわいに有る肉壺の縁も、ひとりでに濡れだして、ひくひくと蠢き雄を誘っていた。

「ん、う♡ んううぅ じゅうべえひゅうええ♡」

 篤実の視界では、膝を立てた十兵衛の太く固い腿が、口淫の快楽に戦慄いていた。膝頭に突き出す骨の尖りを包み込むような、大きな腿の筋肉。それがぎゅうっと縮こまり更に太くなる度、口の中の雄もビクリと揺れて蜜を出す。

「ん……はぅ……は…おいひぃおいしいもっひょもっと

 滲み出す先走りの味も、熱い男根も、淫欲に乱され理性の溶けた篤実には、馳走に等しい。

 じゅるっ♡ ずぞぞぞっ♡ と品の無い音を立てて啜るほど頭が熱くなって、口の中だけでなく背筋まで痺れるように悦くなっていく。

「ゆきっ……ッ…くあ…!」

 篤実は手も使い、十兵衛の陰嚢を撫でる。しっとりとした皮の下に、ずっしりと詰まった子種の固さを感じながら、口の中で上顎を擦る、亀頭の存在感に恍惚としていた。

 十兵衛が、己の口淫で喜んでいる。

 尻を揉む指の強ばりも、頭の芯に染み込む雄のにおいも、篤実の齎す快楽に十兵衛が反応している証と思う。

「ふぅっ、んっ」

 臍の裏の辺りが、キュウと疼く。

 口の中には、水っぽい唾液が溢れ出す。

 篤実は掴まれた尻を獣のように揺らめかせると、十兵衛の剛直を深く頬張った。

「ゆき…無理をッ――するんじゃ…ッ」
「んあっ」

 このままでは、己の男根が喉まで突いてしまうのではないかと怖れた十兵衛が、腰を逃がした。
 固く弾む砲身の先端が、ぶるんっと音を立てる勢いで篤実の唇に引っ掛かりながら引き出される。

「はっ、あ……じゅうべえ じゅうべえ♡」

 あまりにも魔羅に執着する篤実に、十兵衛は眉根を寄せた。しかし股座の肉棒が今更収まるはずもない。篤実の唾液と、先走りに濡れた男根は外気に晒されて尚、熱く、根元に子種を溜めて疼いていた。

「……ゆき、落ち着け」

 しかし十兵衛も十兵衛で、篤実の尻を握り締めた手を緩める気配は無い。親指が尻双丘のあわいをなぞり、やがてふっくりと温まった菊座を撫でる。

「んっ、く……ふっ ぅ」

 ぶるっと篤実が大きく身体を震わせた。篤実の足の間から揺れる陽物から、先走りが糸を引いて、十兵衞の胸へと垂れた。篤実からすれば座布団のように大きな十兵衛の胸板を跨ぐ太腿が、ビクビクと震え出す。

「じゅ、うべ……また…出て、しまう…こんな、ところで……止められたらぁ」
「ッ――――!」

 その言葉を聞いて、十兵衛はガッ!と乱暴に細腰を顔の前へと抱き寄せた。大きな、獣の口吻を開き、小振りな篤実の陽物を迷うことなく口に含む。


「ひうっ ン あ、あ゙ッ♡」


 十兵衛の腕から篤実が抜け出せるわけもない。熱い口中に主君の陽物を迎え、長い舌を巻き付かせ、吸い上げる。

 じゅるっ♡ ずぞっ♡ ずずっ♡

「は♡ あ、や―― ぁ♡」

 水音を立てて唾液と共にしゃぶられ、力が抜けてしまったのか、十兵衛の身体の上に篤実がへたり込む。さらに緩んだ瞬間を待っていたかのように、十兵衛の指が篤実の肉壺に、にゅく♡と潜り込んだ。

「ひっ♡ あっ♡ へあ、へうぅ♡」

 脊髄から額まで火が点いたように熱く、篤実の目尻には涙が滲んだ。快楽に、足の裏まで勝手にピクピクと震え、肉壺口は、はくはくと蠢いて十兵衛の指に吸い付く。
 一方で十兵衛は牙の並ぶ狼めいた口腔にて、口吸いの時と同じように、傷一つ付けぬ柔らかな動きと、柔軟な舌を執拗に纏わり付かせて、篤実を味わう。

「ふ、う――」
「はへ、えっ……ひっ♡ ぉっ♡」

 十兵衛の僅かな呻き声も、指の存在感も、篤実をメスの快楽に煽り立てた。火照った肌は桃色を帯び、腰が反って十兵衛の口に快楽の肉芯を押し付けるように、ヘコヘコ揺れる。
 火造り最中の真っ赤な鋼が如き、十兵衛の雄槍が篤実の前にそそり立つ。猫のように尻を揺らし、腹を十兵衛の身体に擦り付けながら首を伸ばすと、再び鋒を、はむ♡と口に含んだ。

「んぅ、ふ♡ う♡」

 ぞくぞくぞく――――ビクッ♡ びくんっ♡

 背筋を走り抜ける、甘く、焼けるような快楽の火花。

「ふうぅ♡ むぅ♡ ふううぅ〰〰〰〰♡」
「ッ――! うぐ」

 腹の奥から尾てい骨が、きゅんきゅん疼き、下半身が溶けてしまうかの様。太腿に力が入らなくなり、十兵衛の口中へ、精液というにはあまりにも薄い汁をぴゅくぴゅく放った。

 篤実がしゃぶる十兵衛の雄楔もドクドクと脈打ち始める。その口中に収まっているのは鋒だけだが、陰嚢がぐぐぐ…と迫り上がり、青臭い先走りを溢す鈴口がはくはくと動き、味覚、嗅覚に十兵衛という雄のにおいを染み込ませる。

「んうっ♡ ふぅ♡ ん、んっ♡」

 快楽、そして脳が融ける多幸感が牡獣の発情臭と共に脳に刻み込まれ、篤実は涙すら溢しながら頬を窄め、しゃぶり上げた。


「ッは あッ――――〰〰〰〰‼」


 どびゅっ。ぶびゅるっ! びゅるるるる♡

 十兵衛の肉槍から噴き出した子種汁が篤実の口腔を粘つきながら広がり、白く染める。十兵衛から篤実がどのような表情で子種を啜っているのか知る術は無い。が、頬裏肉と舌にぴったりと密着されて、唇の輪はキツく窄まっている。

「ゆ、き……ッ」

 たまらず、篤実の性器から十兵衛が口を離して呻いた。記憶の中の若武者が、今、魔羅をどんな表情でしゃぶっているのか。罪悪感を抱きながら、水鉄砲のような勢いで子種を噴き上げる。

「ん、くっ…――はぁッ……♡」


 ご――くんっ。


 そう、篤実が喉を鳴らす音も、十兵衛の耳が聞き逃す筈無かった。
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