真神ノ玉-雪原に爪二つ-

続セ廻(つづくせかい)

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第六夜 汝、守るべきは

四十八 鷹と虎の契り②※体毛描写有り、リバ

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 前のめりになり、肉壺の中でゆるゆると先端から雁首までを沈めて慶次はぬめる肉壁を探る。胸に悪戯する彰のごわついた指先から逃げるように身体を起こし、腹側の粘膜を擦り、穿った。

「おお? 逃げる御前も可愛いが」
「此方がお好きでしょう」

 ずちゅ、ずっと弾力に満ちた肉壁を割り開き、掲げた尻の奥を進むと、一点、押し上げたときに彰の魔羅がひくりと揺れた。

「はっ…」
「捉え――ました」
「遅い」
「叔父上がぎゅうぎゅうと締め付けるのが――くっ…」
「は…上手い上手い」
「子供扱い、は」

 彰が両脚で慶次を挟み込み、より己の身体へと密着させて奥を穿たせる。慶次もやられっぱなしでいられるかと丹田に力を込め、血が流れ込み脈打つ雄で肉管を開き、むっちりと弾む尻肉へ骨盤を叩きつける。

「ふっ、うぐっ」

 赤い粘土を盛ったような胸板へ手を伸ばし、指を沈めると確かな筋肉が指を押し返す。その下には割れた腹筋があり、兜を抱く甲冑のように脇腹から鼠径部へと斜めに伸びる畝のような別の筋肉が組み上がっているのだ。

「あつ…い…」

 彰は酒を飲んだ所為もあるのかも知れないが、それを抜きにしても慶次よりも一段高い体温で周囲の空気を暖める。そこに彼の男臭いにおいが溶け込んで、彰は抱かれながらもこの空間を支配する雄として存在感を示していた。

「ふっ、逆上せたか…はっ…ああっ」

 赤い肌をした男が喉を反らした。人一倍太い首に浮き上がる喉仏がゴクリと上下に動く。連動するように肉壺がうねり、慶次の剛直から子種を搾り取ろうとした。
 慶次は浅く眉を顰め、彰の股座で天を向いたまま揺れる雄杭と重嚢を包み込み、同時に刺激し始める。

「くっ、うおっ」

 さらに前屈みに頭を下げて彰の豊かな肉丘の、柔らかな毛が生い茂った乳輪へ吸い付いた。

「今日は随分張り切って、おる…では」

 んちゅっ、ぢゅっ。乳輪の周りの毛ごと吸い上げた肉粒を硬く尖らせた舌で捏ね、転がして愛撫すると手の中の陰嚢がひとりでにぐぐ…と縮こまる様が読み取れた。

「は…叔父上こそ、いつもより鈍感なのでは」
「くははっ、言ってくれる」
「――早く、果ててください。疲れるので」

 軽口を叩くが、慶次の額には確かに汗が滲んでいた。手の中で脈打つ雄杭は指がやっと回る程に太く硬い。皮の伸縮と先走りのぬめりを仮ながらぐちゃぐちゃと扱く早さを上げていく。

「ふ、くっ…ああ、そろそろ俺も――ッ」
「ぅ、ぐぅ――」

 息を詰める慶次の身体が左右から圧し潰されそうになる。パンパンに張り詰めた彰の両太腿が強ばり、脇から挟んだままビクリと痙攣した。慶次も、内に込み上げる遂情すいじょうの衝動に身体を丸め、背から膝裏までぶるりと大きく戦慄かせた。

「ッ!」

 駆け上る白濁が噴き出しそうになる寸前で慶次は彰の足を振りほどくように腰を引き、じゅぽんっ!と音を立てて肉壺から男根を抜き取った。そのまま跳ねる自身の根元を抑えると、同時に果てる彰の肉茎と共に、赤い大地の上にびゅくびゅくと子種を吐き散らす。

「はあっ…く、う――」

 甥に尻を掘られて至る絶頂に彰は歯を食いしばって笑い、慶次よりも長く、多く、びゅるびゅると白濁を己の腹の上へ吐き出し続けた。

 彰の脚による拘束が緩み、慶次は一息つくと共に乱れた着物の袖を下から引っ張られた。無論、まだ体力と精力の余っている彰である。

「お待ちください…叔父上」

 ちり紙を取り、彰の体毛に絡んだ体液を拭き取っているとこそばゆいと手を掴まれてしまった。

「このまま乾いたら、拭う時に痛いでしょう」
「どうせこの後、御前と励めば汗も掻く。ならば…」

 彰は身を起こすと、慶次の腰に手を添えて体勢を入れ替えた。布団に組み敷かれた慶次は、冷ややかな視線を向けて、ふい、と顔を逸らす。

「焦らなくとも良かろう」
「酒臭いです…本当に」

 覆い被さった彰が慶次の唇を吸おうとすると、甥は顔を反対に向けて逃げた上にまた彰の顔をぐいっと押し退ける。ならば、と赤毛の男は襟から露わになった白い首筋に顔を埋め、耳の下から鎖骨の端へと続く浮き出した筋へ唇を這わせた。

「御自分はこそばゆいと言うくせに」
「御前が身動ぐ姿はそそるからな、晴千代」
「んぅ――」

 彰の足を膝で押し退けようとしたが、押さえ込まれ敵わない。慶次の身体から緩み、乱れた衣がすべり、火照りを帯びた白い肌が露わとなる。

「絶景かな」

 部屋の中は暗いが、二人ともとっくに目は慣れていた。
 布団の上であまり乗り気でなさそうに片腕で顔を半分覆い隠しながら横を向くも、絶景と言われた肉体を晒すことを憚らない慶次。彼の色素の薄い身体、左肩には古い向こう傷が残っていた。
 彰の手が、氷で出来た器に触れるかのように傷痕を覆い、離れていく。

「慶次よ」

 不意に名を読ばれ、甥はぴくりと肩を震わせた。

「…何ですか、叔父上」
「御前も俺も、互いに死なせぬと誓いあったな」

 暗い部屋の中であっても、彰の瞳は朝日のような力強い視線で、慶次を見つめている。
 その視線に射貫かれる慶次は、夜の海のように深い色をした瞳をゆうくりと瞑り、再び開いて彰の手を取った。

「――はい」

「生きろ。いや…生きるぞ」

 慶次が見つめているその先で、彰は手を下へ下へと滑らせていった。臍の窪みを通り過ぎ、柔らかな下腹の茂みを一撫でして、さらに脱力して垂れる双嚢を通り過ぎる。慶次の会陰を指の背で押しながら、逆の手で膏の壷を取り出し、片手で掬い取る。丸っこくて太い指だというのに、その動きは妙に繊細だ。そうして指の腹で膏を温めてから、慶次の菊座に塗り始める。

「…何故今…言うのですか」
「何を言うか。俺達は飯を食い、酒を飲み、友を抱き、子を作り――生きる喜びを思い出さねばならぬ」
「んっ……く…気が、散る…」

 戦は永遠ではない。

 だが、そこから生きて帰れる保証はない。

「息を吐け、晴千代。ほら指を増やすぞ」
「…は…ぁ――…」

 白い腕を布団の上に伸び上がらせ、枕を掴みながら慶次は言われたとおりに息を吐いた。緩む菊座を丁寧に解しながら、彰は白い太腿に赤黒い逸物を擦り付ける。

「中には…出さないで…いただきた、い」
「ああ、承知しているとも。で、どうだ」
「ん……まだ……は――…」
「もう一本、増やしていいか? 晴千代よ」
「…ッ、ええ…」

 そこから、慶次の了承を得ながら彰は肉壺を柔らかく捏ねて、広げ、怒張を受け入れられるように解してゆく。

「くっ…ふ―― ンッ」

 鼻から吐息を漏らす慶次は、いつしか自ら脚を開き、ぽってりと菊座を充血させてすっかり口を開いていた。
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