真神ノ玉-雪原に爪二つ-

続セ廻(つづくせかい)

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第五夜 水よりも濃く

四十 働かざる者食うべからず④※

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 いつの間にか互いに衣は床に落ちて、内側から溢れる熱で肌はじっとりと蒸れる。十兵衛の毛並みを乱すように手を埋め、滑らせながら篤実はうっとりと身体を寄せた。

「じゅうべえ…じら、す…なッ」
「…すまん、そんな…つもりじゃ、なかったんだが」

 視覚を塞ぎ、互いに肌や耳で感じ合う。篤実は十兵衛の背へ手を伸ばし、雑に伸びた髪を掴んだ。

「痛ッ」
「じゅうべ…♡」

 掴んだ髪を強く引っ張り、篤実は十兵衛の鼻先を噛んだ。そして先端をれろりと舐めながら、もう片方の手で十兵衛の褌をずらしてしまう。

「んあっ」

 ぶるんと飛び出した雄獣臭の肉棒に手を叩かれて、そうとは思えぬ声を溢し、篤実は心臓が止まるかと思った。陰茎の表面は口の中のような粘膜よりは乾いていて、だが吸い付くような湿度がある。

 十兵衛の腰を跨いだ篤実がその雄茎を握ると、皮の柔らかさの下にがっちりと槍の柄が如き固さがあった。

「寒くねえか…ゆき」

 篤実の桃色に染まった頬を確かめるように十兵衛の手が包んだ。

「ん……問題もんらいない」

 その手の指先を探して、口に含む。指の節を唇を窄めて吸い、そして口から出して指の股へと舌を這わせる。疎かになってしまう十兵衛の雄杭がピクリと揺れて、篤実は唇を緩めた。

「そなたも、随分我慢を――して」

 肉茎の皮はよく伸びて、内側の剛直を寸分の隙無く守る鞘のようであった。しかし手を先端へと滑らせると、包皮は終わり、そこから覗くのは皺のないつるりとした切っ先。指の腹で表面を撫で、既に滲み溢れる先走りを掬い取り肉茎に塗り伸ばした。

「は…ん――ぁ…はぁ…」
「ゆき」

 十兵衛が低く喉を鳴らし、篤実の太腿から腰を掴み、やがて尻の丸みに指を食い込ませる。そそり立ち、篤実の尻の谷間を狙うように上向く自らの雄杭の位置へ、掴んだ身体を導いた。

「ん、ふ…んぁ――…」

 にちゅ…ぬぷぷぷ……くぷっ。

「は♡ あぇ はっ♡」

 口で指を咥えたときと変わらないぐらい、篤実の菊座は鮮明に魔羅の形を感じ取る。先走りのぬめり、亀頭の肌質、太くなっていく雁首を越えてキュン♡と肉壺を締めつけただけで、氷に触れた赤児あかごのように身体が跳ねた。

「っ♡ あ♡ ああっ♡ じゅうべ♡」
「あ、あ…ゆき」

 互いに視界は封じたまま。胡座を掻く十兵衛に縋りながら魔羅を飲み込む篤実が腰を抜かさぬように、尻肉をがっしりと掴んだ手が支えている。

「あふ、んぁっ はあ♡」

 唇の端から涎が垂れて、顎から首に伝い、擦れ合う肌の間で汗と混ざりひとつになる。異なる肌の質感の二人だが、互いの体温とにおいが溶け合っていた。

「奥…じゃろう、ゆき」
「は…ぁ ♡♡♡」

 とちゅ♡とちゅ♡と中で淫液と肉襞が捏ねられて音を立てる。

「は…」
「じゅう、べ…え…」

 今すぐ組み敷きたい衝動に駆られる雄の吐息を感じた篤実が、喉を震わせ言葉を紡いだ。

「痛く、ないか…それ、とも…己の…尻孔が――ゆ、る…すぎる…か?」
「は――何を仰有いますか、若君」

 十兵衛は口角が上がるのを抑えられなかった。そうして一思いに、腰を叩きつけ篤実の尻を引き寄せた。

「お゙ッ ほおっ〰〰♡♡♡」

 ぴゅくっ ぴゅっ♡ ぴゅるっ♡♡

「ひ♡♡ お♡ ちんぽ♡ ちんぽきた♡」
「ッ――クソッ ああ…」

 ぼぎゅっ、と肉管の反抗を押さえ付けるように十兵衛が犯した瞬間、篤実の媚肉管はわななき雌幼陰核のような皮被りの先端から喜びの薄種汁が噴き出した。しかし十兵衛の魔羅は未だ果てていない。

「こんなに喜んでると、思っても…一週間と持たねえのは…」

 片手を尻肉から脇腹を伝い、胸へ撫で上げながら乳首を探す。肋からやがて僅かに乳腺のまろい膨らみをおぼえかけた胸を揉み、一際ふにふにとやわらかい乳輪を探り当て、その真ん中でぷりっと存在感を示す肉粒をつまみあげた。

「いっそお前を――孕ませちまえば…ゆき」
「ふぇ、あ♡ ひゃ♡ ぁ♡」

 ずんっ♡ ずっ♡ ずちゅっ♡ どちゅっ♡ ぎゅぽっ♡ ぐぽっ♡ ぶぽっ♡

 腰を突き上げ、雌男子宮をぎゅぽぎゅぽと雄杭拡張し、篤実が、ゆきが淫欲の底で望む雌の快楽を身体に与える。媚肉管は狼雄根の径まで引き伸びて、吸い付いた。

「は…ら、まひぇ…?」
「ああ…」

 結局もどかしさに堪えきれない雄の本能に押され、十兵衛は篤実を床に転がし、覆い被さるようにして己の身体の下に敷いてしまった。

「孕んじまえば、魔羅を漁る気……も、無く……」

 そんなことを言いかけて十兵衛は急に動きを止めた。
 ブンブンと首を横に振り、握り締めた拳で床を殴る。

「ひゃ、ひっ」

 尻孔で十兵衛を飲み込んだままの篤実が、小さく声を上げた。

「儂は莫迦じゃ。ゆき……ゆきよ」

 己を責めるように呻くが、十兵衛は再び篤実の雌男子宮をぎゅぽっ♡と犯すと腰を震わせた。

「ぁ♡ は♡ じゅうべえのちんぽが♡ は♡ びくびくと♡ お♡」
「ああ、儂もイく。……若君も、気を遣ってかまわねえ。粗相をしても、何をしても」
「ひっ♡ ぁ♡ しゅき♡ じゅーべ♡ すき♡ ぁ、あ♡」

 びゅるっ♡ びゅううっ♡ びゅるるるるるるっ♡

「――ッは……ッ」

 篤実の片足を掴み、身体を丸めさせより尻を上向きに掲げると、十兵衛はまた最奥を突き上げる。ぼこりと肉管の抵抗を感じるが、若君の身体を慮る忠義と雄の本能にまるで脳髄が万力で締め上げられるかのようだった。眉間に力が入り、奥歯を噛みしめながら種汁の前触れ液で雌を躾ける。

「じゅうべ ぁ あ♡ 己の 腹が、ぁ♡」
「わかる……か……ゆき」

 熱い息を吐き、十兵衛が腰を揺さぶる。しかしひくつく肉壺に打ち込んだ雄楔はビクともせず深々と埋まったままであった。

「これ、からが……じゅうべえの……ほんと、の…こだね♡」
「ああ」

 二人の身体から、薄く湯気が立ち上る。

 筵の上には篤実の長い髪が散らばっていた。

「はら……あつくて、せつないのが……きもちよくて」
「おう」

 釉薬うわぐすりが塗られた白い花瓶のような滑らかな足が伸び、十兵衛の腰に絡んだ。篤実が粗相した小水が、十兵衛の太腿から膝を伝っていくが不快感はない。

 十兵衛の手が篤実の頬から目元を撫で、汗と涙に涎で濡れた目隠しを取り、また顔を寄せる。まず鼻先と鼻先が触れあうと舌を伸ばして唇を重ね合った。

 そうして、じゅる♡ずずっ♡と音を立てて啜る口付けがまた始まった。
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