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Ⅵ.君を想う
3※R18
しおりを挟む遠くから騒がしい音楽と野太い笑い声が聞こえる。
やや肌寒いのに、下半身だけが温かく特に股座が濡れた熱いものに包まれて気持ちがいい。
「ん……く…」
寝返りを打とうとしたレギオンは、そこでようやく自分の身体に誰かが跨っているのに気が付いた。
黒いストレートの髪が下へと垂れて、股座に顔を埋めていた。
「――は?」
レギオンの声に股座でペニスを口に含んでいた人物が顔を上げ、テラコッタ色の瞳をむけた。
間違いなくマニだ。
「んぁ……」
マニが口を開くと、確りと猛り反り返ったペニスがびんと飛び出す。青年の薄い上唇に引っかかりながら唾液と先走りが糸を引き、彼はそれを舐め取りながらにやりと笑みを浮かべた。
マニは酒を飲んだときと変わらない服装で、レギオンは下の着衣を脱がされていた。
「おはようございますミスター。いい夢みれましたかね」
軽口を叩きながら反り返り揺れるレギオンの肉楔に手を添える商人。まるで品定めするように裏筋から亀頭の段差を舐りながらレギオンを見上げている。
「――説明しろ。場合によっちゃ殴る」
「ひでぇなあ……貴方だってヤりたいって言ったんですよ」
クツクツと喉で笑いながらもマニが口淫を止める気配はない。レギオンの亀頭の割れ目へ尖らせた舌を つぷ… とねじ込むように押込み舐め、唾液を伝い落とす。
「ッ……くそ…」
「ぁ……ふ♡ んぅ」
唇を尖らせて ちゅっ♡ と音を立てて亀頭を吸い上げられた。思わずレギオンが腰を震わせると、マニもようやく上体を起こしながらすりすりと陰茎の根本の茂みから下腹を撫で回す。
「とはいうものの、ホント、酔っ払ってたんでもう一回言質もらいましょうか」
「こんな爺のナニ舐めて楽しいのかよ」
「楽しいさ。……貴方見た目よりお若いでしょ」
レギオンは腕で目元を隠してマニの覗き込むような視線から逃げた。
「んなことねえ……」
「まぁそっちは置いといて」
マニによると、彼とレギオン、ネクタリンの会話は赤裸々な下半身事情へと移行したという。
マニには同性の恋人が居るのだが、三日と禁欲できずにベッドの相手を探すような生活を、恋人公認で過ごしている。ベッドでのポジションは上下を問わない。レギオンとは対象的な自由奔放さにネクタリンが笑っていた。
対してレギオンは、主と軽々に肉体関係に及べない鬱憤を街に出る度に晴らしていた。無論娼を買うことで。ネクタリンはゲラゲラ笑っていた。
『そりゃあ需要と供給が一致ってやつじゃないですかミスター』
テーブルの上には幾つもの酒の瓶。支払いは商人持ち。財布が傷まないこともあってレギオンもハイペースで杯を空けていった。
『俺がここの支払い持つんですから、ついでにお互い溜まってるもん吐き出しちまいましょう』
という会話にレギオンが頷いて、ネクタリンがキャバレー二階の宿を提供してくれたという。
――なんということだ。
別段レギオンも主に操を立てている訳では無いのだが、商売で関わった相手にここまで手の内を晒すなど失敗も甚だしい。しかし完全に勃起してしまったペニスがいまさら自分の言う事を聞くわけもなく。
「そーだったな…そーだったわ」
「納得して貰えたんなら続きをしてもいいですかね」
マニも上着の釦を外し、服を緩めながらレギオンに覆いかぶさる。
「あ? お前が下になるんじゃねえのか」
テラコッタの半目を緩く瞑り再び笑いを零しながら、レギオンの耳朶へ口付けを落とした。
「それは是非2回戦に取っておいてくれませんかね」
「はっ……どんだけ」
搾り取るつもりだよと呟くレギオンの目の前で、マニはズボンから片足を抜き取る。
シルエットの印象に違わぬ細く長い脚が現れた。
「それは、あなた次第ですかね。少し準備していいですか」
「別に無理矢理ぶち込む趣味はねえよ」
「その度胸があったら例の年上の想い人さんとも、とっくに深い仲になれてますもんね」
軽口を叩ききながらマニは手慣れた様子で自らの後孔に潤滑で濡らした指を挿し込みながら、腹でレギオンの雄の裏筋を擦るように身体を揺らして首筋にキスまで落とす。
「るっせえな、マジで犯すぞ」
「そっちが犯される側になるかもしれないとは考えないんで?」
にたりと目を細めて笑う男の尻へ手を伸ばす。肉付きの薄い腰から大臀筋を撫でて、尻の谷間を人差し指の指先で伝い降りる。
レギオンも伸ばしたもう片手をマニの腰から前側へと滑らせ、下腹をなでた。指先に予測したザラつきがなく、根本に触れる。
「剃ってんのか」
「これが生まれつきでしてね――あ…は……」
己から滲むカウパーをマニの腹に塗りつけながら、親指の腹で彼の肉竿の鋒を撫でる。
マニが腰をかすかに震わせて反応するのを見て無意識の内に片口角が上がる。
「性器と尻、実際はどっちが好きなんだマニ」
「ん――どっちも、イケるだけで」
頭を浮かせ彼の唇を不意打ちで奪う。酒の残り香が香る。
「誤魔化すんじゃねえよ」
吐息が互いの膚を掠めるほどの距離で訊ね、尻の谷を辿っていた手を浮かせる。そのまま振り上げた手をスナップを効かせて パンッ! と尻臀に叩きつけた。
「はくっ――あ゙!」
「俺がどういう溜まり方知ってて誘ったのはテメェの方だろ、なぁ」
無論叩いたレギオンの掌もジンと痛む。しかしこの商人の余裕面を崩してやる方を選択し、尻に紅葉のような手形を刻み込んだ。
マニが背を震わせて吐息で笑い身体を起こす。自らの唇を舐めながら、シャツも脱ぎ捨て裸体を晒した。
「そんな言い方されたら、ゾクゾクしちまうじゃないですか…ねえ」
マニの性器も股座ですっかり上を向いて立ち上がっている。彼は足を左右に開きレギオンの身体を跨いで、雄楔に手を添えながらまた笑う。
「で、か……」
「そりゃどうも――ッ……く」
腰を落とし、潤み緩んだものの肉管の末端は抵抗を示しながらレギオンの雄を飲み込む。亀頭が吸い付かれるように中へと潜り込み、雁首の段差を超えた瞬間の締め付けにレギオンもおもわず膝が寝台から浮いた。
「あ、は――はぁ……あ♡」
ずぶぶ…♡ とマニの肉壺の中を肉竿がすすむ。彼も喉をそらして自らの胎内が切り開かれる快楽を味わうように目を細めた。
「そ、う……いえば」
ぐぷ と中で括れにつきあたりレギオンの雄楔が根本を余らせたまま行き止まる。マニはゆったりと腰を揺らして結腸弁に切先を馴染ませると、 ぎゅぽっ♡ と括れをのりこえてペニス全てを飲み込んだ。
「んっ、く あぁっ♡」
ひくひく内壁を蠢かせながら背を反らす青年の腹に薄く膨らみが見える。ぺったりと密着した体温と、肌の水分が馴染む感覚が心地よい。
一連の動きをショーのように見守り、結腸超えの快楽に眉を寄せるマニの身体へと手を這わせた。
「俺が犯される側になるとか……言ってなかったか」
「ああ、言い……ましたともぉ…でも、ん」
レギオンが下から軽く揺さぶりながら尻肉を揉み、もう片手はマニの臍の周りをくすぐる。
「あっ♡ はぁっ♡」
「おら、動け――よッ」
「んおっ はっ♡ あ゙ッ」
マニが背を丸め、レギオンの腰横に手をつく。挑発的に笑う青年の肌も上気して赤みを帯びている。
「はっ くっ まったく お年と 思えない ぅあっ」
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぐちゅっ♡ ごちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡
マニも自ら身体を揺らし、胎内で雄楔に圧迫、掻き混ぜられる異物感と快楽を追いかけ楽しんでいる。
ひくひくとうねる肉襞が肥えた雄楔に絡みつき、快楽を得ながら嬲り返してくる。眼の前に快楽を楽しむ痴態があるのもレギオンの官能を煽る。
「は、ぁ♡ こんなガッチガチの雄、楽しめないなんて……んぁ、あっ 貴方のお相手は実にッ…勿体ないことを……ぉ、あ゙」
主を引き合いに出されて、それまで合わせていたリズムを崩して奥を突き上げた。
「ッ……い、んだよ……アイツは…あいつで」
揺れるマニの濡れそぼったペニスにも手を伸ばし、指の輪でぐちゅぐちゅ音を立てて扱き責める。結合部からも肌のぶつかる音と潤滑が泡立つ音が響き、そこに互いの吐息や漏れ出す声も重なっていく。
「く――ァ…!」
一度目の絶頂に骨盤の底にぐっと力が入る。太腿を強張らせ、獲物を逃すまいとする獣の様に腰を掴み密着させながら、睾丸がせり上がり精漿が尿道を駆け上がる感覚に腰が震える。
「あ、あ――♡ は ♡」
マニもグッポリと結腸奥まで雄楔を飲み込み、雌の絶頂に肉壁を戦慄かせ。
「イく、ぅ……は、あっ!」
腹の上に青年の精液が飛び散るのを浴びながら、レギオンも肉壺の中へ多量の濃い精液を吐き出した。
「は……」
レギオンが身体を起こし、射精と中イキの余韻に浸るマニの身体を支え、ぐるりと体勢を入れ替える。
ベッドがきしみ、シーツがばふっと膨らんで潰されていった。
「はー……くっそ。溜まってる上に全力で煽りやがって、てめぇ」
「冤罪だな――ぁ、く」
マニの膝窩を抱えあげ、白い足を浅黒い肩の上に担ぎ上げた。
「レギオン、あなた……こんな、激しいまぐわいをお爺さん同士で する ッ――う、あ…… つもりなんで?」
マニの細い腰の下へ枕を入れて尻を支えながら挿入したままの雄楔で肉壺の奥を深く揺さぶりながら額に滲んだ汗を拭う。
「――はあ? …ああ…そうか。年上っつったから…か」
仰向けに転がした青年の胸板へ手を伸ばし中心線から外側へ掌を這わせて反応を伺う。指先が乳首に引っ掛かるも、深追いはしない。
「そうだよな……年上、つッたら…そう、なるよな」
ひとりごちるレギオンにマニは疑問符を浮かべながら腹の中で肉管をしゃぶり続ける。
「だって、あなたより年上って……あ、どう…考えても…んっ」
ぎゅぷっ♡ ぐぷっ♡ とマニの結腸弁をいじめながら抽送し快楽を味わう。大きく開かれた足の間に腰を捩じ込み、肉壺を犯す。
「は……なあ…魔法使えねえのと…引換に、フローフシって…やつを貰えるんなら、お前どうする」
「あっ んっ♡ なんですかい、急に」
マニの口へ出を伸ばし、親指を唇端へ引っ掛けて横へひっぱり喋らせる邪魔をする。
「但し……」
ずるずるずる…と纏わり付く具合の良い尻穴から引きずり出す。
「一年中悪夢見て、手足が痺れて吐き気がする、そんな不老不死だったら」
「そんなの……ん、拷問――うあ……ああぁ…♡」
マニの尻穴がレギオンのペニスにひきずられて引き伸ばされる。中の肉襞がひとりでにひくついて快楽を与えた。
「そ、だよなぁ……は、ぁ……」
括約の窄まりに雁首の鰓を引っ掛けて抜け出すギリギリを味わう。中から鰓に掻き出された精液がどぷ…♡と溢れ垂れていった。
「そんな奴に惚れてるって言いながら、てめえの性欲一つ我慢出来ねえ俺は犬以下なんじゃねえかって――よっ‼」
どちゅっ!
一息にケツマンコにガチガチに猛ったペニスを捩じ込んだ。
「あぎっ……ひっ♡ はあっ あ゙っ♡」
睾丸が揺れてペタペタと音がするほど腰を振り、肉壺をえぐり揺らす。抱えあげたマニの足がつま先をそらして痙攣し搾り上げられる感覚に喉から息が漏れる。
「アンタ抱いて安心してんだ。こうやって全身でイイってよがって、欲しがってんの見て」
ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ばちゅっ♡ ごちゅっ♡ どちゅっ♡
「嗤いたかったら――嘲笑、え……く…は――」
レギオンが背を丸め、再び込み上げる射精感にマニの身体を圧迫する。
「くっ…ふ……ぅあ…」
自嘲的なセリフと裏腹に、二度目の射精もだくだくとマニの腹奥へと吐き出しきるまでレギオンは身体を硬直させ、悶え続けていた。
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