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馬車
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「待たせたな。――何を?」
「なっ……!なんでもない!です!」
ノックもなしに扉が開いて、ベルトが入ってきた。
ここはベルトの執務室なのだから、勝手に入ってもいいような気がするが、マリアがいるのだから、やはりノックくらいはして欲しいところだ。
マリアはベルトの予備の制服を両手に持って眺めている真っ最中だった。
勝手にロッカーを見るようなことはしていない。執務机の椅子に、無造作にかけてあったのだ。
それを、ちょっと……勝手に触っていた。
「……ごめんなさい」
なんでもなくはなかった。
人のものを勝手に触ったのだから、謝らなくてはいけない。さっきから謝ってばかりだ。
しかも、ベルトのことが好きで暴走している系の。
恥ずかしくって情けない。
「いや、俺もつい癖でノックもせずに悪かった」
言いながら、ベルトは早足でマリアに近づき、上着を取り上げて机の上に放り投げた。
そんなに急ぐなんて、触ってはまずいものだっただろうかと思い、もう一度謝ろうとした途端、また強く抱きしめられてキスをされる。
「んんっ……!?」
一気に舌が潜り込んできて食べ尽したいとでもいうように暴れまわる。
「マリア」
荒々しいキスの後に、低い声で呼ばれる。
「ひゃい」
舌がしびれたようになって、うまく動かせなくて、おかしな返事になってしまった。
ベルトは、また眉間にしわを寄せてぐっと強く睨み付けてくる。
なぜに、さっきからそんなに怒っているのだろうか。
「可愛いすぎることをしてはいけないと言ったはずだ」
ベルトの言葉に、マリアはパチパチと目を瞬かせる。
「した覚えがないです」
ベルトがこの部屋に戻ってきて、いきなりキスをされたのだ。
マリアは勝手にものを触っていたことを謝ったくらいで、さすがにそれが可愛い行動だとは思えない。
「…………………なるほど」
さらに眉間のしわが深くなった。
ベルトは基本的に無表情で立っていることが多いので、こんなに不機嫌な表情さえも、彼の新たな一面が見られたようでうれしい。
ベルトはマリアの肩口に顔をうずめると、一度ギュッと先締めてから、ぐっと背筋を伸ばした。
「このまま犯ってしまいそうだ。せめて婚約は成立させてからでなければ」
ベルトは一人で呟きながら、部屋のドアを開ける。
どうやら、自分に言い聞かせているようだ。断片だけ聞こえるが、よく意味が分からない。
マリアはベルトに促されるまま、部屋の外に出ると、そのままエスコートをされて馬車まで連れて行かれる。
いつもの、マリアが一歩先を行く位置関係ではなく、隣に並んで手を支えられて歩く。
ちらりと斜め上を見れば、まっすぐ前を向いて歩くベルトがいる。
その手は、マリアの手を大切に支えていて……。
見れば見るほど、じわじわと幸せが湧き上がってくる。
ベルトが隣を歩いてくれている。
嬉しくて、顔がにやけ始めると、もう戻せない。
もう一度ベルトを見上げると、横目でチラリと見下ろされた。
そして、またも眉間にしわが。
「どうしてくれようか」
低い声で、呟かれた。
よく分からないが怒られたような気がするので、おとなしく前を向いて歩くことにする。
城を出たところで、コンフィール伯爵家の馬車が待っていた。
乗る前に、挨拶をして、出来れば次の約束を取り付けたいのに、ベルトはさっさと馬車のドアを開けて押し込むかのように強引にマリアを馬車に乗りこませてしまう。
「ベルト様っ!待って……あれ?」
馬車のドアが閉められてしまう前にと振り返ると、ベルトがいた。
一緒に乗り込んでいる。
慌てるマリアを見て、ベルトは首をかしげる。
「なんだ?」
こっちのセリフだ。
「何故一緒に乗られるのですか?」
「コンフィール伯爵家に一緒に行くからだ。結婚の許可をきちんといただく」
ベルトが隣に座ると、それなりに広いはずの馬車の座席が途端に狭くなる。
というか、詰められている気がする。
「今からですか!?お仕事は?」
「俺はまだ、ただの婚約者候補だからな。他のが割り込んでくる前に、確定させたい。だから、さっき休みをもらってきた」
「そんな急に!?」
「まあ、令嬢についてきたシュヴァリエ公爵家の護衛もいるから大丈夫だろ」
軽い。近衛って、そんなに軽く休んできてもいいものだっただろうか。
そして、婚約者候補……とは、降嫁リストの事だろうか。
マリアは見てもいないのだが、あれは婚約者候補なんて大層なものではない。リストの中からなら、王家からの紹介という形にできると選ばれているだけだ。
実際、あのリストに載っている男性が、リストに載せられているということさえ知らされていない可能性もある。
「ベルト様は、あのリストにご自分の名前があることはご存知でしたか?」
マリアに視線を向けながら、ベルトがドアを叩いて出発するようにと合図を送る。
「ああ。俺が入れて欲しいと直談判したから」
自分で!?
と、驚きたいところなのだが、その前に。
「あの、近いです」
「そうだな」
詰められている気がするだけでなく、しっかりと端に寄せられていた。
馬車が動き出したのを感じたと同時に唇が塞がれる。
「んっ……」
マリアの喉からもれた甘い声は、車輪の音に紛れて、きっと外には漏れていないはずだ。そう信じたい。
「あ……のっ、んぅ、っぁ……」
キスをしたまま、体を引き寄せられて、ベルトの体に半分以上体重をかけているような体勢になってしまう。
申し訳ないと思うのに、もう体の自由は効かない。
キスに翻弄されて、力も入らずにヘロヘロだ。
「可愛い」
しかも、合間合間に、もっとヘロヘロになってしまうことを囁かれる。
このままだと、家までずっとキスをされ続けてしまう。
「べる……んっ、様、あのっ」
「ん?」
まだ話がしたい。
マリアがしっかりと力を入れると、ベルトの体はあっさりと離れた。
「どうした」
ベルトがマリアの顔を覗き込んでから、体のあちこちに視線を走らせる。
もしかして、彼は、マリアが本当に止めて欲しがっているかどうかを判断できるのだろうか。
嫌だだめだと言いながら、本気の抵抗をしていないのがバレているのは……それは、ちょっと恥ずかしい。
だから、気が付いてしまったかもしれない事実からは目をそらして話を続ける。
「あの……結婚の許可って、本当ですか?」
ベルトが、自分の夫になる。
そんな幸せなことが起こったら、マリアの日常生活はどうなってしまうのだろう。
「嫌なのか?」
幾分か、低い声が発せられた。
マリアは慌てて首を振って、隠しきれなかった笑みを浮かべる。
「いいえ。嫌どころか、なんだか、すごく嬉しくて。ベルト様と結婚なんて、想像しただけで幸せすぎて困ってしまいます」
目の前で無表情のまま動かなくなったベルトを見上げて、マリアはまた笑みを深める。
こんなに近くに居られるなんて、妄想だけの産物だった。
にへにへと笑いながら喜んでいられたのは、数秒間だった。
「ぐええぇ」
思わず令嬢らしからぬ声が漏れた。
ベルトがマリアを力いっぱい抱きしめたのだ。騎士の力で令嬢を抱きしめれば、どうなるかなんて明白だろう。潰されるかと思った。
「ああ、悪い。感極まった」
今日のベルトは何かおかしい。
どこで感極まるようなことがあったのか。それとも、どこかで感動しておいて、時間差でやってきたのか?
また近づいてこようとするベルトを押しとどめて、マリアは小さな声で言う。
「キスは、顔が真っ赤になるので、家に帰るまでしてはダメです」
ベルトにキスされた直後は、マリアの目は潤んで、きっと顔も真っ赤のはずだ。
ベルトは少々不満げにしながらも了承してくれた。
抱きしめる力は緩んで、しかし、その後伯爵家に到着するまでは、柔らかに抱きしめられたままだった。
「なっ……!なんでもない!です!」
ノックもなしに扉が開いて、ベルトが入ってきた。
ここはベルトの執務室なのだから、勝手に入ってもいいような気がするが、マリアがいるのだから、やはりノックくらいはして欲しいところだ。
マリアはベルトの予備の制服を両手に持って眺めている真っ最中だった。
勝手にロッカーを見るようなことはしていない。執務机の椅子に、無造作にかけてあったのだ。
それを、ちょっと……勝手に触っていた。
「……ごめんなさい」
なんでもなくはなかった。
人のものを勝手に触ったのだから、謝らなくてはいけない。さっきから謝ってばかりだ。
しかも、ベルトのことが好きで暴走している系の。
恥ずかしくって情けない。
「いや、俺もつい癖でノックもせずに悪かった」
言いながら、ベルトは早足でマリアに近づき、上着を取り上げて机の上に放り投げた。
そんなに急ぐなんて、触ってはまずいものだっただろうかと思い、もう一度謝ろうとした途端、また強く抱きしめられてキスをされる。
「んんっ……!?」
一気に舌が潜り込んできて食べ尽したいとでもいうように暴れまわる。
「マリア」
荒々しいキスの後に、低い声で呼ばれる。
「ひゃい」
舌がしびれたようになって、うまく動かせなくて、おかしな返事になってしまった。
ベルトは、また眉間にしわを寄せてぐっと強く睨み付けてくる。
なぜに、さっきからそんなに怒っているのだろうか。
「可愛いすぎることをしてはいけないと言ったはずだ」
ベルトの言葉に、マリアはパチパチと目を瞬かせる。
「した覚えがないです」
ベルトがこの部屋に戻ってきて、いきなりキスをされたのだ。
マリアは勝手にものを触っていたことを謝ったくらいで、さすがにそれが可愛い行動だとは思えない。
「…………………なるほど」
さらに眉間のしわが深くなった。
ベルトは基本的に無表情で立っていることが多いので、こんなに不機嫌な表情さえも、彼の新たな一面が見られたようでうれしい。
ベルトはマリアの肩口に顔をうずめると、一度ギュッと先締めてから、ぐっと背筋を伸ばした。
「このまま犯ってしまいそうだ。せめて婚約は成立させてからでなければ」
ベルトは一人で呟きながら、部屋のドアを開ける。
どうやら、自分に言い聞かせているようだ。断片だけ聞こえるが、よく意味が分からない。
マリアはベルトに促されるまま、部屋の外に出ると、そのままエスコートをされて馬車まで連れて行かれる。
いつもの、マリアが一歩先を行く位置関係ではなく、隣に並んで手を支えられて歩く。
ちらりと斜め上を見れば、まっすぐ前を向いて歩くベルトがいる。
その手は、マリアの手を大切に支えていて……。
見れば見るほど、じわじわと幸せが湧き上がってくる。
ベルトが隣を歩いてくれている。
嬉しくて、顔がにやけ始めると、もう戻せない。
もう一度ベルトを見上げると、横目でチラリと見下ろされた。
そして、またも眉間にしわが。
「どうしてくれようか」
低い声で、呟かれた。
よく分からないが怒られたような気がするので、おとなしく前を向いて歩くことにする。
城を出たところで、コンフィール伯爵家の馬車が待っていた。
乗る前に、挨拶をして、出来れば次の約束を取り付けたいのに、ベルトはさっさと馬車のドアを開けて押し込むかのように強引にマリアを馬車に乗りこませてしまう。
「ベルト様っ!待って……あれ?」
馬車のドアが閉められてしまう前にと振り返ると、ベルトがいた。
一緒に乗り込んでいる。
慌てるマリアを見て、ベルトは首をかしげる。
「なんだ?」
こっちのセリフだ。
「何故一緒に乗られるのですか?」
「コンフィール伯爵家に一緒に行くからだ。結婚の許可をきちんといただく」
ベルトが隣に座ると、それなりに広いはずの馬車の座席が途端に狭くなる。
というか、詰められている気がする。
「今からですか!?お仕事は?」
「俺はまだ、ただの婚約者候補だからな。他のが割り込んでくる前に、確定させたい。だから、さっき休みをもらってきた」
「そんな急に!?」
「まあ、令嬢についてきたシュヴァリエ公爵家の護衛もいるから大丈夫だろ」
軽い。近衛って、そんなに軽く休んできてもいいものだっただろうか。
そして、婚約者候補……とは、降嫁リストの事だろうか。
マリアは見てもいないのだが、あれは婚約者候補なんて大層なものではない。リストの中からなら、王家からの紹介という形にできると選ばれているだけだ。
実際、あのリストに載っている男性が、リストに載せられているということさえ知らされていない可能性もある。
「ベルト様は、あのリストにご自分の名前があることはご存知でしたか?」
マリアに視線を向けながら、ベルトがドアを叩いて出発するようにと合図を送る。
「ああ。俺が入れて欲しいと直談判したから」
自分で!?
と、驚きたいところなのだが、その前に。
「あの、近いです」
「そうだな」
詰められている気がするだけでなく、しっかりと端に寄せられていた。
馬車が動き出したのを感じたと同時に唇が塞がれる。
「んっ……」
マリアの喉からもれた甘い声は、車輪の音に紛れて、きっと外には漏れていないはずだ。そう信じたい。
「あ……のっ、んぅ、っぁ……」
キスをしたまま、体を引き寄せられて、ベルトの体に半分以上体重をかけているような体勢になってしまう。
申し訳ないと思うのに、もう体の自由は効かない。
キスに翻弄されて、力も入らずにヘロヘロだ。
「可愛い」
しかも、合間合間に、もっとヘロヘロになってしまうことを囁かれる。
このままだと、家までずっとキスをされ続けてしまう。
「べる……んっ、様、あのっ」
「ん?」
まだ話がしたい。
マリアがしっかりと力を入れると、ベルトの体はあっさりと離れた。
「どうした」
ベルトがマリアの顔を覗き込んでから、体のあちこちに視線を走らせる。
もしかして、彼は、マリアが本当に止めて欲しがっているかどうかを判断できるのだろうか。
嫌だだめだと言いながら、本気の抵抗をしていないのがバレているのは……それは、ちょっと恥ずかしい。
だから、気が付いてしまったかもしれない事実からは目をそらして話を続ける。
「あの……結婚の許可って、本当ですか?」
ベルトが、自分の夫になる。
そんな幸せなことが起こったら、マリアの日常生活はどうなってしまうのだろう。
「嫌なのか?」
幾分か、低い声が発せられた。
マリアは慌てて首を振って、隠しきれなかった笑みを浮かべる。
「いいえ。嫌どころか、なんだか、すごく嬉しくて。ベルト様と結婚なんて、想像しただけで幸せすぎて困ってしまいます」
目の前で無表情のまま動かなくなったベルトを見上げて、マリアはまた笑みを深める。
こんなに近くに居られるなんて、妄想だけの産物だった。
にへにへと笑いながら喜んでいられたのは、数秒間だった。
「ぐええぇ」
思わず令嬢らしからぬ声が漏れた。
ベルトがマリアを力いっぱい抱きしめたのだ。騎士の力で令嬢を抱きしめれば、どうなるかなんて明白だろう。潰されるかと思った。
「ああ、悪い。感極まった」
今日のベルトは何かおかしい。
どこで感極まるようなことがあったのか。それとも、どこかで感動しておいて、時間差でやってきたのか?
また近づいてこようとするベルトを押しとどめて、マリアは小さな声で言う。
「キスは、顔が真っ赤になるので、家に帰るまでしてはダメです」
ベルトにキスされた直後は、マリアの目は潤んで、きっと顔も真っ赤のはずだ。
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