200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち

半道海豚

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第5章

第129話 ニジェール川北方

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 草原には、履帯の跡がくっきりと残る。
 マルカラ燃料製造実験プラントは、襲撃者にすぐに見つかった。
 その様子を半田千早たちのチームは、詳細に観察している。
「ヴェイン、無線貸して!」
 助手席のヴェインがヘッドセットを渡す。
「チハヤだ。
 敵は、プラントを発見。
 プラントに突入した際、数発発射している。戦い慣れしていない感じだが、よく統率されている。
 無意味な破壊行動はしていない。
 動作からの推測だが、指揮官は若い男。副官は片腕の40歳くらいの男。
 総数40騎。駄馬は8」
  半田千早は、40騎が長距離を旅する装備ではないことに少し驚いていた。
 襲撃者が、彼女たちをすぐに捕らえられると判断している証だ。西ユーラシア人を明らかに甘く見ている。

 ナデートは装甲牽引車に、マニニアンはダブルキャブの装甲トラックに乗っている。
 2人とも半田千早からの通信は、受信している。
 この時点では、装甲ドーザーには運転とガンナー以外は誰も乗っていなかった。
 理由は2つ。あまりにも乗り心地が悪いこと。進路の啓開でドーザーブレードを使う機会が多いこと。
 装甲牽引車は、兵員室に無線を積んだことから、運転、ガンナー、通信士、ナデートの4人が乗る。
 ダブルキャブの装甲トラックに4人が乗り、残りの18人はシングルキャブに乗っていた。
 マーニ、ララ、ホティア、カルロッタの4人は、シングルキャブの荷台にいる。

 装甲ドーザーと装甲牽引車の車台は、非常に古い設計だった。
 200万年後にやって来た人々には、大別すると何種類かある。1つは自然崇拝系で、文明を否定し、原初の生活に戻ることを夢見る人々。
 2つはマッチョ系で、新しい世界を征服したいと、完全武装でやって来る連中。
 3つは平和主義系で、ヒトの社会特有の煩わしさから解放され、平和で落ち着いた生活を望む人々。
 4つは現実主義系で、崩壊しつつある200万年前の世界では生き残れないと判断するが、同時に2億年後でも確率的に生存不可能と判断し、200万年後を目指した人々。
 現実主義系が一番多いのだが、他の系統もそこそこいる。だが、ドラキュロに襲われた瞬間、いかなる主義主張も雲散霧消する。
 非武装が多い自然崇拝系は数日で全滅、完全武装のマッチョ系は無意味な戦闘で全滅。平和主義系は現実と理想のギャップに動揺し、対策を立てられずに全滅。
 現実主義系は、多大な損害を出しながらも生き残る。
 現実主義系の多くは、200万年後における定住先を探すための移動手段に重きを置く傾向が強い。
 ヨーロッパ系、南北アメリカ系、東南アジア系は、装甲車輌の確保に全力を挙げる。
 ゲートに突入する前に時速60キロに達し、ゲート内でもその速度を維持できる車輌が必要だが、民間人が入手できる装軌式の装甲車輌ではそんな高速は出せない。
 結果、比較的旧式な装輪装甲車になる。
 だが、ごく一部、例えばイギリス陸軍のアルビスFV101スコーピオン系列の装甲車輌や、ドイツ製やスウェーデン製、フランス製の旧式装軌車輌を改造して、所定の速度を出せるようにした車輌を使用するグループもいる。
 装甲ドーザーと装甲牽引車もそういった改造車を原型としていた。
 なんと、車台は1938年にチェコで開発された軽戦車だった。ドイツは第二次世界大戦において、Pz.Kpfw.38(t)として、電撃戦に使用している。
 リーフスプリングによる単純な転輪の懸架方式、転輪はたったの4つ、履帯は部品点数が少ないサイドガイド方式で、製造のしやすさと製造コストの低さは、200万年後の状況にピッタリだった。
 ノイリンでは、この旧式軽戦車の車台を各種作業車輌に転用していた。
 旧式ではあるが、低性能ではない。この車輌は、結構役に立つ。安価なので、輸出も好調だ。

 北進開始の初日、30キロ進み、日没となった。殿〈しんがり〉を務めていたバギーSが戻る。
 キャンプでは動物除けの焚き火をしているが、哺乳類には有効だが、爬虫類には効果がない。だが、爬虫類の多くは、夜間の捕食行動はしない。
 各車は作業灯を点け、装甲トラックの荷台の改造に取りかかっていた。応急的に取り付けた5ミリの鋼板を、頑丈な金属の箱に変えるための作業だ。
 装甲トラックの荷台には、装甲板の取り付けが可能になっているが、取り付けようとしている5ミリ鋼板は、装甲トラック用ではない。装甲板取り付け部に接合できるよう、鋼板を切り出し、ボルト用の穴を開け、荷台正面にも有孔鉄板を設置する。
 マルカラの施設の襲撃者に追いつかれ、戦闘になったとしても、ある程度の防御ができるようにしておくための作業だ。
 作業は深夜までかかり、作業の途中、交代で歩哨に立ち、食事をとった。
 武器の点検も行った。
 口径7.62ミリ以上の武器はない。機関銃は各車輌に装備している。小銃は人数分あるが、4挺はボルトアクション。対戦車ロケットのRPG-7やライフルグレネードはなく、手榴弾は半田千早とオルカが持っていた4発だけ。
 弾薬は多くない。マルカラ中継基地とプラントの隊員は、弾倉を1つか2つしか持っていなかった。
 機関銃は、MG3が250発弾帯が各2、M60は100発弾帯が3。ただ、7.62×51ミリNATO弾は、バギーSに半載の3000発が積んである。
 弾帯は再利用可能な非分離型金属製なので、融通はできる。だが、5挺に3000発では、1挺600発にしかならない。
 どう考えても、弾薬不足だ。
 このことは、戦えないことを意味していた。半田千早たちは、逃げる以外の選択肢がないことを改めて確認していた。

 ナデートたち本隊は、夜明け前に北に向かって出発した。
 半田千早たちは、キャンプの西1キロの窪地に潜んでいる。
 バギーSには過剰なほどの擬装を施し、半田千早とオルカは双眼鏡で、周囲を監視している。

 ココワの油商人は意外なほど早く、キャンプ跡を見つけた。ナデートたちが発ってから、3時間ほどしか経っていない。
 最低でも5時間の時間差は得ていると考えていたが、2時間も早い。
「ヴェイン、本隊に連絡。
 キャンプ跡が発見された」
 応答はマニニアンからだった。
「早いな。
 まだ、35キロしか進んでいない。
 微妙な起伏が多く、速度が出せないんだ」
 半田千早は、このままでは追いつかれると感じた。この付近は全体としては平坦なのだが、50センチから1メートルほどの段差や亀裂・陥没が多く、走りにくかった。
 装甲ドーザーで啓開しながら進んでいるが、時間を要してしまい、追跡者の接近を許していた。

 半田千早は、追跡者の出発を待っていた。
 追跡者たちは、キャンプ跡を丹念に調べ、車輌数や隊員数を把握しようとしている。
 斥候役らしい男が、バギーSが潜む方向を指差している。1輌が西に向かったと言っているのだろうことは、容易に想像できた。
 だが、発見されたかもしれない、という潜在的恐怖が頭をもたげ、逃げ出したくなる。
 そんな感情を3人は、上手に制御している。

 騎馬隊は10分ほどキャンプ跡に留まり、北に向かって出発する。隊を西と北に分けることを期待したが、それはしなかった。装甲トラックと装軌車の轍を追うことに集中するようだ。
 ヴェインが「どうする」と尋ね、半田千早は「私たちが騎馬を追う。最悪、追いつかれても、挟み打ちにできる」と。
 追跡者を追い越して、本隊と合流はできるが、そうするよりは、彼らを追跡したほうが有利だと考えた。
 半田千早の案は、ヴェインによってマニニアンたち本隊に伝えられた。

 マルカラ中継基地への襲撃は、バマコとバルカネルビに衝撃を与える。
 バマコは防衛線の構築を急ぎ、バルカネルビではココワの動向を調べるため、商館にいた全員が情報収集に奔走する。

 俺は、半田千早とマーニが武装集団に追われていると聞き、クフラックから急ぎノイリンに戻った。
 バルカネルビ行きのフェニックス輸送機に便乗するため、支度を調えていた。
 健太と翔太が心配している。
「ちー姉ちゃん、大丈夫だよね」
「マー姉ちゃん、無事だよね」
 2人の問いに「大丈夫だ」「無事に決まっている」と答えるが、それが口先だけであることは見透かされている。

 バンジェル島では、すべての西ユーラシア勢力が集まり、会議が開かれていた。
 マルカラ中継基地襲撃が湖水地域全体による攻撃なのか、一部勢力による個別の動きなのか判断がつかなかった。
 バルカネルビからは、湖水地域との具体的なトラブルの報告はなく、この件の直前まで“友好”が強調されていた。
 バルカネルビからも、ココワの情勢についての情報はなく、逆に「バルカネルビは平穏」との報告が状況判断を混乱させてもいた。
 精霊族は、ララとホティアが追跡されていること、ホティアの捕縛を匂わせる会話があったとの報告があることから、救出部隊を編制しつつあった。
 精霊族にヒトと争う意思はないが、同胞が危機あるのに見過ごせない、という理由が表向きだった。
 しかし、真は、固定翼機のパイロットであるララ、回転翼機の操縦ができるホティアを救出すれば、ララの怒りを少しは収められるのではないか、と考えてもいた。
 精霊族は、航空機を欲していた。精霊族の賢者は、飛行機の操縦はヒトからではなく、同じ種から学ぶべき、と判断を下している。このため、ララの協力は必須だった。

 南でセロと対峙するクマンは、内陸の情勢に敏感だった。バルカネルビにも駐在員を配置し、湖水地域の動静を探っていた。
 バルカネルビの動向に変化がない中で、突如としてマルカラ中継基地がココワに襲撃されたことは、大きな衝撃を与えた。
 精霊族や鬼神族、クマンに無線はないが、ノイリンは情報を秘匿することはなかった。また、無線の使用は、優先順位は低いもののノイリン以外のヒトや精霊族、鬼神族にも開放していた。
 クマン政府は、グスタフであるディラリを隊長とする総兵力3000に達する“調査隊”の編制を始めていた。
 クマンは内陸への威力偵察を行う機会をうかがっていたのだ。

 城島由加の心配は、尋常ではなかった。半田千早が心配させることは多々あったが、マーニはほとんどなかった。
 感情とは別に半田千早ならどんな困難でも克服すると信じていたが、おっとりしたマーニは心配でならなかった。
 城島由加は、単独でも内陸に向かうつもりでいた。
 彼女の内心を察していたイロナは、独自に捜索隊の編制を始めた。バマコを拠点として、空と陸から捜索する計画で、参加者を募っている。
 車輌や航空機は正規の使用許可が必要だが、要員は事前に志願者を募れる。
 フルギア、ブルマン、北方人、その他、あらゆる西ユーラシア人が志願した。
 内密の募集ではあったが、半日で応募者は300を超えた。精霊族からも志願があった。フルギアとブルマンにおける半田千早の人気は絶大で、精霊族は彼女に“賢き子”の称号を与えていた。精霊族にとって称号を持つものに奉仕することは名誉であり、義務であった。ヒトではあっても、精霊族の“賢者”が“賢き子”と定めたものの力となることは絶対的な意味があった。
 ララはフルギアやブルマンから英雄視されていたし、精霊族はパイロットである彼女を特別な存在と考えていた。
 イロナの思惑に反して、マルカラ隊の捜索部隊は分単位で巨大化していった。
 この頃から、北へ逃亡するマルカラ中継基地と燃料製造実験プラントの隊員は、マルカラ隊と呼称されるようになった。

 ナデートとマニニアンは、見事なほどくっきりと走行痕を残していた。
 装輪と装軌車輌が走りにくいことは、同時に騎馬にも苦行を強いていた。しばしば、ウマを降りて、徒歩で進まなければならなかった。
 一時的に、間隔を縮めても、すぐに引き離していた。
 半田千早たちのバギーSは、追跡者の後方2キロから3キロを低速で追尾していた。
 無線の状態はよく、マルカラ隊本隊とは確実な意思の疎通ができていた。
 彼女たちの通信は、バマコとバルカネルビでもモニターされていた。モニターされた内容は、バンジェル島とノイリンにも伝達された。
 半田千早とホティアに対する暴行の意図も知っていた。
 全体ではないが、2人を知る多くのヒトと精霊族が強い怒りを感じていた。
 商取引上のトラブルでの偶発的な暴力沙汰ならいざ知らず、計画的な暴力など受け入れられない。しかも、若い女性に対する性的暴行となれば、怒りは簡単に沸点を超えた。
 クマン政府はこの情報を喧伝し、内陸への威力偵察を正当化しようとしているフシがある。
 焚きつけられた怒りが、西アフリカに住む人々の行動に大きな影響を与えている。

 俺が搭乗する予定の航続距離延伸型フェニックス6号機は旅客専用で、比較的ゆったりと50人が乗れた。機内には個室のトイレやキッチンもある。
 座席スペースは余裕があった。

 ホティアが回転翼機の操縦訓練を終了していることは、精霊族は最近知ったようだ。
 確かに「ホティアの身を案じて」という理由はその通りなのだろうが、合理的な判断をする精霊族が、通常は10代の少女のために3500キロもの遠方に捜索隊を派遣するなどありえない。
 ヒトが“リロの勇者”と呼ぶ精霊族の戦術家を指揮官とする捜索隊を派遣する理由は、ララとホティアが航空機の操縦ができるからだ。
 ノイリンは、精霊族からの捜索隊輸送の依頼を受け入れた。隊員は10。精霊族の精鋭ばかりだ。
 ヒトが“ミューズ”と呼ぶララの母親も同行が決まった。彼女はもともと、バルカネルビの商館に書記官として有期赴任することになっていた。ミューズはノイリン北地区の幹部であり、財務・会計の責任者であった。
 北地区としては彼女の派遣に抵抗したが、各地区からの要請を断りきれなかった。
 ミューズの赴任は、食料の供給先として、湖水地域が重要だからだ。商館の機能を確実にし、湖水地域との友好を確立する任務が彼女に与えられている。
 彼女のスタッフも同じ機に乗る。

 精霊族には多くの亜種や変種がいるのだが、戦士は総じて痩躯で背が高い。2メートルでは、平均よりもかなり背が低い。
 精霊族とヒトとが同じ旅客機に乗り、9時間の旅をする。このようなこと例は、極めて少ない。
 俺は意図して、リロの勇者と通路を挟んだ隣の席に座った。
 精霊族は外見からでは年齢を推測することが難しいが、リロの勇者は若者ではないことは間違いない。精霊族の成長は、ヒトと大差ない。しかし、20歳を過ぎると彼らの老化はヒトよりも遅くなる。精霊族の生産年齢は、15歳から90歳。ヒトの15歳から65歳までと比べれば、かなり長い。
 それが理由なのだろうか、精霊族の個体数はヒトほどの変動はない。

 客室内を点検する少女がいた。
 ミエリキだ。フライトスーツに身を包んでいて、凜々しい。
 ミエリキが俺を見つけ、微笑んでくれた。
「ハンダ様……」
 俺も微笑み返す。
「千早を探しに行く」
 ミエリキの瞳が潤む。
「チハヤは、大丈夫。
 きっと。
 でも、私、この飛行から戻れば、双発機の操縦訓練課程を修了するけれど、バルカネルビに残って、チハヤの捜索に参加しようと思って……」
 俺はミエリキの顔を真っ直ぐ見た。
「きみは、ヴルマン初のパイロットになるんだ。
 ヴルマンの全員が期待している。
 千早のことは我々に任せて、きみの職責を全うして欲しい」
 ミエリキが涙を一粒流し、コクリと頭を垂れて、操縦室に戻っていった。

 リロの勇者が俺に話しかけてきた。
「あの娘は、ヴルマン族なのか?」
 俺は、ミエリキが作ってくれたリロの勇者との会話のチャンスを逃さなかった。
「あぁ、彼女がヴルマンで最初の操縦士資格者となる。
 すでに、単発機の操縦訓練課程を修了している」
 リロの勇者は、少し瞑目した。
「賢者は、なぜ、空を飛ぶための方法を同族から学べ、と託宣したのだろう。
 ヒトが“ララ”と呼ぶ同族の父親は、上役に嫌われていたとか。
 それが理由なのか、軽微な罪で死の罰を与えられた。
 その上役は、独断で処罰を科した。その罪を問い、上役にはヒトが“ララ”と呼ぶ同族の父親と同じ罰を科した。
 それでも、ヒトが“ララ”と呼ぶ同族は、我らを許さない。
 これは、我らに科された試練なのかもしれない。
 我は、種族の運命を変えるために南に向かう」
 ミューズが、チラリと振り返る。不安に満ちた顔だった。

 装甲牽引車に乗るナデートは、疎林を抜けて草原に出た。草原の10キロほど先に小高い丘が連なっている。
 後続する装甲トラックから何人かが降りる。
 ダブルキャブからは、マニニアンが降りた。
「ウマにはきつそうな丘だ」
 ナデートは、マニニアンの話題には答えなかった。
「2日半走って、90キロ北進した。
 どうする?」
 マニニアンは、ナデートが求める答えを知っていた。だが、別の答えを出す。
「麓まで行ってみよう」
 ナデートが呆れる。
「南に迂回するか、丘に沿って北東に向かうか、この二者択一だ。
 麓まで行く意味はない」
 マニニアンは、学問の探究者だった。
「東西に連なる丘。
 東端と西端は見えない。
 どちらも北に向かって、延びているようだ。東端から西端までは、20キロから25キロくらいだろうか?
 あの丘の向こうに何があるのか?
 知りたくないか?」
 ナデートがうんざりした顔をする。
「何にでも興味を持つ学者さんならではの発想だね。
 だが、俺たちは追われている。
 つかまれば拷問される。
 油田の在処を吐くまでね」
 マニニアンは、強烈な好奇心に襲われていた。
「あの丘の向こうに、何かがあるような気がするんだ。
 登れる場所を探して、西に向かおう。
 丘の向こうを見るだけだ。
 いざとなれば、丘を登って逃げるという手が使える」
 ナデートは、賢明な判断だと思った。
「当初の計画通りだ。
 丘の麓まで進む。
 100キロ北進して、西に向かい、円を描くように走って、マルカラに戻る」
 マニニアンは同意した。
 この行動予定は、直ちにバギーSに伝えられた。

 バギーSは、疎林の中では追跡者を見失いがちで、完全なトレースができていなかった。
 マルカラ隊本隊からの連絡は、バギーSの3人にとっては好都合だった。
 進行方向を北西に変えて、高速でマルカラ隊本隊が発見したという丘に向かう。

 草原は走りやすい。草の丈が低く、地面の起伏も少ない。同時に、この状況は追跡者から身を隠すにも不利であった。
 銃塔を旋回させて、東南方向を監視していたオルカが叫ぶ。
「東南に騎馬多数!」
 ヴェインが無線でマルカラ隊本隊に通信。
「騎馬に発見されたもよう。
 彼我の距離、推定20キロ」
 半田千早は、アクセルを踏む。発見されたとしても。追いつかれはしない。駄馬を連れた騎馬隊では、単独行動のバギーに追いつけるはずはない。

 半田千早は驚いた。
 30分ほど走って、マルカラ隊本隊に追いついてしまったのだ。
 この草原を進む限り、ウマは歩を速められる。24時間以内に捕捉されてしまう。

 バギーSから降りた半田千早は、取り囲まれていた。ナデートが正面にいる。
「敵との距離は?」
 半田千早は、その問いには答えなかった。
「ここで、何してるの?」
 ナデートが空を見る。
「偉大な学者様が調査中だ」
 半田千早がキョトンとしている。
「え?
 何の?」
 ナデートが歩み寄る。
「で、敵との距離は?」
 半田千早は、どう答えるか逡巡した。
「30キロ。もっと接近されていると思う。
 20キロかな。
 だけど、この草原は騎馬には有利だよ。
 このままだと追いつかれる。
 遮蔽物はないし、空気が澄んでいるから、何十キロ先まで見通せる。
 双眼鏡があれば、簡単に追跡できる」
 ナデートは、足下の石を弱く蹴った。石が転がる。
「マニニアンが丘の向こうを偵察している。
 学者先生は、丘の向こうが気になるようだが、俺は逃げ場がないかを調べていた。
 ドーザーはスピードが出ない。だが、ドーザーを放棄したら、路外を走り続けられない。
 それに、牽引車だって、それほど速いわけじゃない。
 牽引車も放棄したら、そう遠くまで行けなくなる」

 マニニアンが戻ってきた。
「丘の向こうは大きな窪地になっている。
 隕石クレーターのようだが、隕石じゃない」
 ナデートがマニニアンをにらむ。
「じゃぁ、何だ?」
 マニニアンは、真剣そのものだった。
「人工物が作った。
 ヒトが作ったものではないかもしれないが、
空から落ちてきたんだ」
 ナデートがイラ立つ。
「何があった?」
 マニニアンが首を横に振る。
「何かはわからないが、残骸が窪地の中心に残っている。
 窪地の中心には、湖があるんだが、その湖のど真ん中に円筒形の残骸がある。
 窪地の直径は20キロくらいだ。
 かなり大きなものが高空から落ちてきたんだ。墜落した際に爆発もしたのかもしれない」
 ナデートは、マニニアンの説明に納得しなかった。
「古いものか?
 新しいのか?」
 マニニアンは、学者らしい思考を巡らした。
「古い、新しい、は相対的な概念だ。
 地質年代的には極めて新しい。
 歴史学的には相当に古い。
 数百年くらいだと思う」
 ナデートが丘を見る。
「クレーターの内側は、荒野か?」
 マニニアンがナデートを見詰める。
「草木はあるが……、別世界だ。
 あんな光景は見たことがない。
 ドラゴンが跋扈している。
 巨大なドラゴン、小型のドラゴン、肉食のドラゴン、草食のドラゴン……。
 哺乳類もいるが、見たこともない種だ」
 半田千早は我慢できなかった。
「見に行こう!」
 カルロッタが片手を上げる。
「賛成!
 面白そう!」

 装甲ドーザーは、軽戦車用の戦車回収車として開発されたが、多くは単独で移動可能な工作車として運用されていた。
 使い勝手がよく、改良が加えられ製造は継続されている。最新型は車体後部の兵員室がなくなり、油圧クレーンが設置された。クレーンの代わりにパワーショベルを備えたタイプもある。
 マルカラ隊の装甲ドーザーは極初期型で、車体後方に機械式のクレーンを組み立てて設置することができる。
 車体側面に牽引ロッドを備えており、牽引力は10トン。
 ただ、極初期型なのでエンジンのパワーが小さく、整地での最大時速は40キロに達しない。
 マルカラ隊の牽引車は新型ではないが、広く現用されているタイプだ。装甲兵員輸送車として開発されたが、視界の改良などを施されて、現在はトレーラーを牽く輸送車として使われている。
 整地での最大時速は55キロに達する。装軌車としては燃費がよく、製造コストが低い。西ユーラシアでは、春と秋の泥濘期でも確実に前進できる働き者として、重宝されている。
 ドラキュロの襲撃に耐えられるよう、車体に装甲を施しているが、耐弾性は低い。散弾、拳銃弾、中距離から発射された普通小銃弾に耐えられる程度だ。7.62ミリ徹甲弾は貫通する。
 なお、装甲ドーザーの耐弾性も同程度だ。

 丘の麓からの高さは、場所によって異なるが、マルカラ隊が登坂した地点は草原との高度差50メートルほどだった。傾斜は緩やかだが、装甲ドーザーによって傾斜路が開かれ、全車が丘の頂上にいた。
 双眼鏡越しの眼下の風景は異様なものだった。
 3つしかない双眼鏡を交代で覗くが、誰もが促されない限り目から離さない。
 誰かが「ドラゴンだ」と言うと、誰も否定しない。
 マニニアンが大きく息を吐く。
「ドラゴンは、ワニの近縁だと聞いたが……」
 半田千早が俺の受け売りを語る。
「養父〈とう〉さんから聞いたんだけど、ドラゴンは主竜類とごく近縁だって。
 主竜類には、ワニ、恐竜、鳥、翼竜が含まれるけど、ドラゴンは恐竜や鳥よりもワニに近いって。
 ワニから進化したのではなく、ワニと共通の祖先から枝分かれしたかもしれないって。
 だけど、200万年前にドラゴンはいなかった。ワニは中生代三畳紀に現れるから2億年以上の歴史がある動物。
 ドラゴンが2億年前に誕生したとするならば、200万年前はどこにいたの?
 それがわからないと、ドラゴンの正体はわからない」
 ナデートが横に並ぶ半田千早の肩に手を置く。
「だが、このクレーターの中はドラゴンの世界だ。
 人食いほど恐ろしくはないが、こんなところには行く気はしない」
 マニニアンが不敵な笑みを見せる。
「いいや。
 ここに逃げ込めば、連中は追ってこないさ」
 マーニが双眼鏡から目を離す。
「ここ、面白そう!
 絶対面白いよ。
 私たち、弾がないでしょ。
 戦っても、弾なしじゃ負けちゃうよ。
 でも、ここに油屋さんが来たらどうなっちゃうかなぁ。
 きっと、全員がドラゴンに食べられちゃうよ。
 この崖を降りても、油屋さんたちは追ってくると思うよ。
 だって、夢中だもん。
 私たちは、この中でぐるぐる回っていればいいの。
 私たちの代わりにドラゴンがやっつけてくれる」
 半田千早は、いつものことながらマーニの独創的戦術と、彼女の容赦のない発想に驚いた。それは、ナデートやマニニアンも同じだった。
 オルカは、顔立ちがまったく違うのに半田千早の姉妹だというマーニを凝視していた。
「マーニ、この恐ろしい世界で生き残るなんて無理だよ」
 マーニは動じなかった。
「いまは、装甲ドーザーと装甲牽引車には誰も乗っていないでしょ。
 トラックの荷台から乗り換えるの。
 トラックの荷台にくくりつけている鉄板は、崖の下では無意味。もし襲われたら、簡単にはぎ取られちゃう。
 でも、装甲ドーザーと装甲牽引車なら、耐えられる。
 私たちは、ドラゴンの爪や牙に耐えられる鎧を持っている。
 銃と剣だけが武器じゃない。鎧だって武器だよ」
 半田千早はその通りだと思った。彼女がマーニに賛成しようとすると、マニニアンが声を出して笑った。
「俺はマーニ案に賛成だ!
 ただ、この下に降りたいだけだが、死にたくはない。マーニに賛成する」
 半田千早は発言を変えた。
「銃塔を強化しないと。
 銃塔の上を塞いでしまわないと」
 ナデートが全員を見渡す。
「逃げ回るのは飽きたが、戦うには弾が足りない。
 手榴弾も数えるほどしかないし、発煙弾もない。RPGもない。
 追っ手を引き摺り回してきたが、崖の下の生き物は俺たちを追っている連中に容赦はしないだろう。
 俺はヒトに銃口を向けたことがない。
 これからも向けたくない。
 だが、俺たちに銃口を向けている連中がいる。
 殺されたくないし、拷問もイヤだ。
 あれもイヤ、これもイヤ。
 ならば、俺たちの代わりに戦ってくれる奇特なこの崖の下の生き物を頼ってみよう。
 2晩、耐えれば勝利が見えてくる。
 崖の下に降りる準備を始めよう。
 ココワの連中とは20キロしか離れていない。2時間か3時間で追いつかれる。
 手際よく作業しよう」
 マルカラ中継基地の隊員は、車輌の整備はお手の物。改造どころか、廃棄車輌から新造してしまうことだってやってのける。
 すべての車輌の銃塔強化と、上面への鋼板設置を急いだ。
 装甲ドーザーの後部に機械式のクレーンを組み立て、重い機材も移動可能にする。
 装甲ドーザーの車内から無線機を降ろし、装甲トラックに積む。
 ドラム缶の燃料はジェリカンに移し、ジェリカンから各車輌に供給する。
 クレーターの直径は概算20キロ。外周は60キロに達する。各車は整地で300キロ以上の走行性能がある。満タンにすれば、2晩くらいは縦横に走り回れる。
 2輌の装甲トラックには、バギーSと同じ逆台形の断面となる銃塔が付いていた。装甲は5ミリと薄く、対ドラキュロ戦には十分だが、対セロ戦では不十分と評価されている。ドラキュラの侵入を防ぐため、銃塔上部はドーム状の頑丈な網が被せられている。
 この網を取り外すことは得策ではないが、大型のドラゴンから見下ろされると、ヒトの姿が見えてしまう。
 そこで、あり合わせのシートで目隠しした。
 装甲ドーザーと装甲牽引車の銃塔は、鋼板を溶接して塞いだ。銃塔ハッチから車外に出ることはできなくなった。
 新型は車体側面に乗降ドアがあるが、旧式は後部ドアと、車体上面のハッチで乗降していた。
 特に操縦席と銃塔下の座席は、上部ハッチからが通常の乗降だった。これを塞いでしまったので、ガンナーは座席をよじ登り、兵員室に出て後部ドアから車外に出なければならない。新型のガンナー席は、昇降でき、回転するが、旧式にはそんな機能はない。
 なお、兵員室上部には4分割のハッチがある。もちろん、ハッチを閉めてから崖を降る。

 車輌の準備には3時間を要した。装甲トラックからは空になったドラム缶など不要な荷の一部を降ろし、使わなかった有孔鉄板や鋼板も捨てていくことにした。車体を軽くし、機動性を高めるためだ。
 かなりの荷を降ろしたが、それでもドラム缶2と無線機は大物として残っていた。
 食料は少なく、各員が携行しているほかは、缶詰が少しと1キロの小麦粉が一袋あるだけだった。
 2時間の間に、この小麦粉全量を使って低発酵のパンを焼いた。これからの2日2晩の食料だ。
 装甲ドーザーと装甲牽引車の兵員室には、非常に狭いが8人が乗れた。
 装甲牽引車の兵員室には食料を積み、マーニ、カルロッタ、ララ、ホティアが乗る。それ以外は、装甲ドーザーに乗った。

 装甲ドーザーを先頭に崖を下り始める。傾斜は急ではないが、斜面に沿って傾斜路を作りながら下っていく。
 装甲トラック1輌とバギーSは、丘の上に残った。擬装を外し、よく見えるようにして。

 半田千早たちは30分と待たなかった。
 追跡者たちは、丘の上にいる2輌を簡単に見つけた。

 半田千早は車外にいた。
 彼女は、すぐに騎馬隊に気付いたが、様子をうかがっている。
 数騎が早足で駆け寄り、馬上から発砲し始める。
 数発が車体近くの地面に着弾する。
 装甲トラックが崖を下り始め、車間を開けて、バギーSがそれに続く。

 崖下に降りていたマニニアンは、唖然としていた。
 この世の光景ではない。
 これが、異教徒第1世代が言うジュラシック・パークなのだろうと、想像した。
 2足か4足かを迷うような歩行をする大型の草食性ドラゴンが草を食んでいる。
 肉食性のドラゴンは複数種を目撃している。体長5メートルを超える2足の種、大型犬ほどの大きさで俊足な4足の種、体長1.5メートルほどの痩躯で敏捷な2足の種。
 恐竜のような角や棘はなく、全体的にワニに似ている。尾は長く、四肢も長い。四肢は、身体から真下に真っ直ぐに伸びている。
 西ユーラシアのドラゴンの体色は、ほぼ真っ黒だが、ここの種はカラフルだ。毒々しい配色の個体もいる。種によって体色が固有ではないようだ。同種でも、黄がいたり、赤がいたり、形態は同じで赤に黒の縞や黄に黒の斑点がある個体もいる。
 草食のドラゴンは、個体数が多い。形態はほとんど同じだが、大きさが異なる種か亜種が非常に多い。ネズミほどの大きさから、体長7メートルに達するものもいる。
 当初は、成体と幼体かと思ったが、そうではないらしい。卵の大きさからして、まったく違う。
 それと、大型のトカゲがいる。メガラニアを彷彿とさせるオオトカゲ科と思われる体長5メートル級をすでに複数個体見ている。ヘビもいる。巨大なヘビが巨大なドラゴンを絞めている。
 ナデートが無線で伝える。
「チハヤたちが追いついた。
 出発しよう」

 半田千早はバックミラー越しに、追跡者が確実に追ってくる様子を見ていた。
 銃塔を後方に旋回しているオルカが「追ってくるよ」と。
 その声を、全車がモニターしている。
 地獄の追撃戦が始まった。
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