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第3章 奪還
第17話 アレナス攻略
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フリートは結局、朝までに名案を思いつくことができなかった。彼は朝方、少し寝ただけだ。
七時に二階の東側の部屋に行くと、略奪にあい、荒れ果てた様子が奇妙な変化を見せている。何人かの大人たちが、椅子を持ち寄って話し合いをしている。
フリートが奇妙な変化と感じたのは、大人たちの真剣な眼差しであった。
私はしばらくして立ったままのフリートに「君の案を説明してくれ」と言った。
フリートは「四日で往復し、標準貨車九台分の食糧を確保する手段は、思いつきませんでした」と答える。
私は「それで?」と尋ねる。
フリートは押し黙っている。
私は「何か代案はないか」と尋ねた。
フリートが一気にまくし立てる。
「ルカーンに行けば入手は可能だと思いますが、アークティカ南部は東方騎馬民の拠点があります。
だから、簡単には行けないでしょう。往復できたとしても、六~七日はかかります。
少し日数はかかりますが、アルバトのほうが安全なように思います。
アルバトはバルティカ領内だけれども、あそこは行政府の支配が及ばない領域でもあるので……。
食料も豊富だし……。昔はだけど……。それと、東方騎馬民も勝手はできないと聞いているし……。
八日あれば、必ず戻ってきます」
私が「どう思う」と他者に問うた。
街の出納係だったリケルが、臨時政府の長に選ばれていた。
そのリケルが「やってみる価値はあると思う。金があればだが……」と案じる。
スコルが「護衛がいる。一〇人程度しか割けないが……」と応える。
私は「フリート君が戻るまでの八日間、どうやって食いつなぐ?」と問う。
リシュリンが「このあたりで、一番食料があるのはどこだ?」と尋ねる。
リケルは「おそらく、だけど、ルドゥ川河口のアレナスじゃないかな。あそこには奴隷商人の兵が駐屯しているし、物資を積んだ船が接岸しているのを何人もが見ている」
リシュリンが「大きな街か?」と尋ねる。
リケルが「いいや、小さな街だが、波止場と船の修理ができる施設があるんだ」
リシュリンが「食料庫はどこだかわかるか?」
そこまで聞いてスコルが割って入った。
「ちょっと待ってくれ。あんたが考えていることはわかるが、そんな兵力はないぞ」
フリートにはリシュリンの考えはわからなかった。
それよりもリシュリンの声を聞いていると、股間に大量の血液が流れ込みそうで、それを我慢するだけで精一杯だ。
リケルがスコルに「この美しいお嬢さんは何を考えているんだ?」と尋ねる。
スコルが「この美しく恐ろしいお嬢さんは、アレナスを襲って、食料を奪うつもりなんだ」と言った。
リケルがリシュリンをじっと見ている。そして、「アレナスはルドゥ川の南岸だよ」と。
スコルがリケルに「あんた正気か?」と問うと、リケルは「正気じゃぁ、こんなこと恐ろしくてできないよ。僕はただの出納係なんだ。それを臨時とか何とかいって行政の長にされて、こうなったら徹底的に無茶しようじゃないか」と言う。
私が「決まったな。フリート君がアルバトに食料の調達に行き、我々はその間の食い扶持確保のためにアレナスを攻略する」と決める。
アレナス攻略戦は、会議の直後に始まる。
ルカナからアレナスに至るルートは、ルドゥ川に沿った道を西進する以外にない。装甲車に一〇人、敵から奪った蒸気乗用車に一〇人、計二〇人が攻略の主力で、その後方から馬車に分乗した部隊三〇人が追う。
ルカナとアレナスの距離は、六〇キロある。
アレナスに到着したのは、正午前であった。アレナスからは炊事の煙が幾筋か上がっている。
その煙の下に敵がいる。
街内に突入しても、一切の反撃は受けなかった。小さな漁港のような波止場の倉庫にたどり着き、二台の車から二〇人の兵が吐き出されると、初めて反撃を受ける。
奴隷商人側は、波止場の警備を重視していなかった。
アークティカ人による組織的な反撃は、半年以上起きていなかったし、盗人程度の抵抗はいつも陸側からだ。
それでも、波止場には一〇〇人の兵を常駐させていた。
この時期、奴隷商人の兵は神聖マムルーク帝国軍として再編されていたが、その影響は赤い海東岸までは及んでいない。
むしろ、再編に伴う指揮命令系統の混乱から、アークティカの占領部隊は、綱紀が緩んでいた。
さらに、東方騎馬民に影響され、捕らえた奴隷の殺害や略奪を繰り返す兵も出始めている。
装甲車はマーリンが運転している。私がルイス軽機を発射しながら、マーリンは波止場への入口に設けられていた阻止線を突破し、二棟しかない倉庫の前で、激しい銃撃戦になる。
ここで、兵八名と私とリシュリンが降車し、倉庫の制圧にかかる。
少し遅れて蒸気乗用車が到着し、倉庫の裏手、敵の背後から攻め込む。
この世界の戦闘方法は、基本的には戦列歩兵だ。
つまり、二列か三列の横隊を作り、敵歩兵集団との間合いを徐々に詰め、指揮官の命令で一斉に発砲し、次弾を装填し、また発砲するという繰り返しを行う。そして、最後は槍型の銃剣で突撃する。
一方、奴隷商人部隊の戦法は、基本的に軽騎兵なのだが、運用としては乗車歩兵だ。
つまり、蒸気車による機動力を与えられた歩兵で、中型または大型の蒸気乗用車または貨車に乗車した機動歩兵だ。
基本的な戦法は、いわゆる散兵で、狙撃による遠隔攻撃を得意としている。
人間狩りを本業とする奴隷商人ならではの戦い方である。
だが、戦列歩兵戦をしないわけではない。例えば、敵軍が騎兵主体で、抜刀突撃を仕掛けてくる場合は、ボックス型の隊列を作り防御を固めながら、全周に対して一斉射撃をする。
アークティカは、伝統的に軽騎兵による抜刀突撃を得意としていた。
奴隷商人部隊の指揮官は、散開しながら走り寄ってくるみすぼらしい格好をしたアークティカ人を、馬と装備を失った抜刀突撃に見えた。
敵指揮官は、とっさに戦列歩兵戦を企図した。
よく訓練された敵兵は、一列二〇人ほどの三列横隊を組み、わずか数秒で一斉射撃の準備を整える。
この瞬間をマーリンが見逃すはずはない。
そのことを察したリシュリンが「伏せろ」と命じ、あるものは路上にうつ伏せし、あるものは遮蔽物に隠れる。
ルイス軽機からの発砲は、数秒で終わった。ルイス軽機の発射速度は一分間に五〇〇発、弾倉の装弾数は四七発、つまり六秒で弾倉は空になる。
スプリングフィールド七・六二ミリ弾は、敵戦列歩兵の横隊に吸い込まれていった。
マーリンの射撃が終わったあと、立っているものは一五人ほどしかいない。
アークティカの勇敢なマスケッターたちは、発砲すると次弾を装填せず、一斉に突撃を開始する。
その時点で敵は、六人ほどしか立っていなかった。
奴隷商人兵は、アークティカ人が振るう銃床で頭を割られ、全滅する。
倉庫裏手から侵入した友軍部隊は、敵が被った惨状を呆然と見ていた。
倉庫の裏手を襲った指揮官のスコルは、「機関銃があれば無敵だ」と言った。だが、すぐに「もし敵が持っていたら悲惨だ」と。
この言葉で、私はスコルは信頼できる男だと感じ始める。
倉庫は二棟あり、一棟には高さ六メートルの天井に達するほどの穀物が保管されていた。
もう一棟の倉庫には、大型の蒸気牽引車が三輌も格納されている。
アークティカ人の士気は、大いに上がる。
八人を倉庫に残し、装甲車に乗車し敵の本営と思われる建物に突進する。
奴隷商人は、街を占領すると政治的な施設に拠点を置きたがることがわかっている。
アレナスは独立した街ではなく、ルカナの衛星都市である。ルカナとは六〇キロの距離があるが、ルドゥ川を利用した水上交通であれば、二時間ほどの行程である。
そのため、街の中心には分庁舎がある。その分庁舎あたりから、炊事の煙が立ち上っている。
間違いなく、そこが拠点だろう。
アレナスの街は、南北ならば歩いても一〇分ほどで端から端まで行ける。東西はもう少し距離があるが、それでも一五分程度だ。
装甲車が分庁舎広場に着くと、建物の二階から狙撃を受けた。
いったん後退し、一軒一軒拠点をつぶしていく市街戦になる。
我々は人口が少ない。兵に限らず住民の補充はできないから、犠牲を出すわけにはいかない。
アレナスの建物は、分庁舎が三階建てであるほかは、平屋か二階建てだ。
分庁舎の三階から、いくつもの発砲煙が見える。分庁舎は海の方向である西向きに建てられていて、広場全体を見渡すことができる。
分庁舎前広場は、東西に五〇メートル、南北に二〇メートルある。奴隷商人側は、広場に面した建物の二階に多くの狙撃手を配し、広場内に死角はない。
戦車なら可能だが、装甲車で強引に突っ込むには危険が多すぎた。
奴隷商人側はさらに、広場付近の建物の一階や路地にも兵を配置しており、簡単には決着が付きそうにない。
我々は、まず分庁舎正面の商家を攻略することにした。
私とリシュリン、スコルと東南方の国で傭兵の経験があるという女性が突っ込むことになった。女性兵は大型のマスケット短銃を二挺持っている。
商家建屋側面の窓には頑丈な鉄格子が施してあり、ここからの突入は不可能。裏口に回ると、そこにも奴隷商人兵が配置されている。古樽を遮蔽物にして、待ち構えていた。
私はリシュリンに「援護しろ」と言い、トンプソン短機関銃をスコルに預けた。そして、アメリカ軍制式マークⅡ手榴弾を懐から取り出す。
リシュリンがM2カービン自動小銃をフルオートで発射して敵兵の頭を下げさせる。
その瞬間、私が投げた手榴弾が遮蔽物の古樽の前に落ち、そのまま敵兵に向かって転がり爆発する。
トンプソン短機関銃をスコルから受け取ろうとすると、スコルがわずかに抵抗した。私の銃は、そのままスコルに預けた。スコルは、マスケット銃を女性兵に渡した。私はガバメントを抜いた。
裏口を制圧し、屋内にも手榴弾を一発放り込み、一階の生き残りの敵を女性兵が射殺した。女性兵が次弾を装填しようとすると、リシュリンがブローニングM1910自動拳銃を発射可能な状態にして、「引き金を引けば弾が出る」といって渡す。
二階へは、狭くて急な階段を上るようになっていた。階段に踊り場はなく、直線で二階につながっている。
スコルが安全装置を確認している。そして、私に見せ確認した。
スコルは二階に向けて発砲した。一発のみ応射があり、スコルと女性兵が階段を駆け上る。
商家二階の奴隷商人兵は追い詰められていた。逃げ場はなく、銃を撃てば次弾装填前に、アークティカ人が突っ込んでくることは、容易に想像できた。
奴隷商人兵は、大きくて頑丈なテーブルを倒して、急増の遮蔽物にしている。
私は階段を上りきっておらず、手榴弾を投げ込める位置にいない。また、階段の手すりが投擲の邪魔になっていた。
時間をかけたくない。無理にでも手榴弾を投げ込んでしまえば、決着が付く状況だ。
私はスコルに援護を頼み、彼が発射している間に、階段途中から二階廊下によじ上った。
そして、手榴弾を投げ込んだ。
手榴弾はテーブルと背後の壁の間に落ちる。この爆発で、奴隷商人兵四人が死んだ。
これで、分庁舎正面の商家は我々の手に入った。
味方の兵がブローニングM1918BARを運んできた。
それを窓辺に据えて、リシュリンが敵の火点への射撃を始める。
だが、状況は膠着し始めていた。
地上では、装甲車が南側一角の路地に潜んでいる敵を駆逐しつつあり、味方は建物を各個に制圧していく。
奴隷商人側の戦力は多くないが、戦い方は巧妙で、不用意に攻めると大きな損害を被る可能性があった。
徒歩の部隊の一部がルドゥ川南岸北側に到着した。彼らはルドゥ川を下ってくる途中、うち捨てられた通船を見つけて、川の流れと板きれを櫂にして急行してきたのだ。
街の北側に新手が現れても、奴隷商人側は浮き足立つ様子を見せない。よく訓練され、士気も高い。厄介な相手だ。
マーリンは装甲車から離れることができない。それは足の怪我よりも、装甲車の運転が彼女にしかできないことが理由だ。
マーリンは、小銃擲弾を分庁舎に撃ち込めば、状況は一気に変わると考えていた。
しかし、小銃擲弾のうち対人用のM17の数が少なく、景気よく使うわけにはいかないという事情もある。
だが、マーリンはこの程度のものなら、アークティカでも作れると考えていた。実際、ヴェルンドは「作れる」と断言している。
マーリンは、M1903ボルトアクション小銃の銃口にM7グレネードランチャーを取り付け、M17小銃擲弾一発と空砲三発を一人の街人に持たせて、分庁舎向かいの商家二階に持って行かせた。
商家はアレナス攻略の拠点になっている。五〇メートル隔てて向かい合う分庁舎を攻略すれば、この戦いの帰趨は決する。
そこに、M1903を抱えた若い男が飛び込んできた。
「マーリン様にこれを持って行けと……」
私には、マーリンの言いたいことがすぐにわかった。もちろん、リシュリンもわかっている。
スコルは、ルカナ攻略の際に小銃擲弾の威力を見せ付けられている。
リシュリンが「一〇分待ってくれ」といって、携帯電話の時計を見せた。私も携帯電話を出し、秒レベルで時間の同期を確認し、手榴弾二発を渡す。
スコルが「リシュリン殿の護衛に付く」と言った。リシュリンがM1910自動拳銃を貸した女性兵は、それをリシュリンに返す。
リシュリンはM2カービンを背負い、M1910自動拳銃を右手に持ち、階段を降りていく。
私はM1928トンプソン短機関銃をスコルに渡し、「リシュリンを頼む」と言った。
スコルは、近くにいた兵二名を連れて階段を降りていく。
商家二階の兵は、間断なく射撃を繰り返している。私はM1918BARを撃ち、広場北側の商家に銃弾を撃ち込んだ。
二つ折りの携帯電話を開き、時計を見る。あと一分三〇秒だ。
私はM7グレネードランチャー(擲弾発射機)にM17小銃擲弾を最大射程まで差し込む。
時間を待つ。
擲弾を水平発射した。M17の最大射程は一八〇メートルあり、五〇メートル程度なら直射でも飛ぶ。
幸運にも窓を突き破り、屋内に飛び込んで爆発した。
リシュリンは、小銃擲弾が発射される直前に、分庁舎南側側面に達していた。リシュリンには、スコル以下六名の兵が従っている。
分庁舎の一階窓からは何挺ものマスケット銃の銃身が出ては発砲し、引っ込んではまた突き出てくる、を繰り返している。
リシュリンは、携帯電話の時計を見た。予定から一〇秒過ぎている。
その瞬間、二階窓に何かが飛び込み、爆発した。
リシュリンはその間隙を逃さず、手榴弾を一階南側の窓から放り込む。爆風で窓枠が飛散した。さらに、もう一発放り込む。
身をかがめて、分庁舎の壁際を北に進む。
観音開きの正面扉をわずかに開け、手榴弾を一発放り込む。西側の窓から、兵士一人が爆風で吹き飛ばされる。
リシュリンたちは、その直後に分庁舎に飛び込み、わずかに残った一階の敵兵を掃討した。
二階と三階にも多くの兵がいたが、二階にいた一部の兵は窓から飛び降り、一部は三階に逃れ、一部はその場で抵抗した。
リシュリンは、三階制圧でも手榴弾一発を使った。
敵は最後に剣を抜き絶望的な抵抗を試みたが、アークティカ人の斉射で阻止された。
分庁舎が制圧されると、北側建物にこもる奴隷商人兵はルドゥ川北岸に向かって撤退を開始した。
川に橋はなかったが、街の北端に渡し船が係留してある。
だが、彼らは運に見放されていた。街の北側に進出していたアークティカ部隊に川岸への進出を阻止されて、河口南岸に追い詰められていく。
分庁舎周辺の掃討にスコルが残り、我々は装甲車でルドゥ川河口に向かう。
河口付近はきれいな砂浜だ。赤い海は、その名とは異なり透明度が高く、太陽光を青く反射する。
浜辺には海棲トカゲが棲み着いていた。海棲トカゲには植物食と動物食がいるが、敵にとって不運だったのは、肉食性であったことだ。
彼らは、ここが肉食性海棲トカゲの住処だということをよく知っていた。なぜなら、捕らえた住民を軍律に反して暴行した場合、その証拠を消すためにこの生物を利用していたからだ。
そして、海棲トカゲも人間の味をよく知っていた。
海棲トカゲは脚がウミガメのような鰭に進化しているので、陸上の行動は緩慢だ。しかし、貪欲さは陸上でも海中と変わらない。
二〇名ほどの奴隷商人兵は、進退窮まっていた。
指揮官らしい男が「降伏する。降伏の条件をいってくれ!」と立ち上がって叫び、銃を地面に置いた。
それを三〇名ほどのアークティカ人が、わずかな地形を遮蔽物にして取り囲んでいる。
彼らの背後から、ゆっくりと肉食性海棲トカゲが近付いてくる。
敵指揮官の問いに誰も答えない。
敵指揮官は、再度「降伏する。降伏の条件をいってくれ!」と叫んだ。
誰かが「俺の妻と子を帰せ」と叫んだ。
敵指揮官は降伏できないことを悟った。地面に置いた銃を取り、突撃を開始する。一斉射撃で、敵の半数が倒れ、残りの半数はアークティカ人の剣によって斃された。
負傷した敵兵は悲惨だった。体長一〇メートルもある海棲トカゲの餌食になった。あるものは岸辺まで運ばれていく。「助けて」と言う絶叫が響いた。
七時に二階の東側の部屋に行くと、略奪にあい、荒れ果てた様子が奇妙な変化を見せている。何人かの大人たちが、椅子を持ち寄って話し合いをしている。
フリートが奇妙な変化と感じたのは、大人たちの真剣な眼差しであった。
私はしばらくして立ったままのフリートに「君の案を説明してくれ」と言った。
フリートは「四日で往復し、標準貨車九台分の食糧を確保する手段は、思いつきませんでした」と答える。
私は「それで?」と尋ねる。
フリートは押し黙っている。
私は「何か代案はないか」と尋ねた。
フリートが一気にまくし立てる。
「ルカーンに行けば入手は可能だと思いますが、アークティカ南部は東方騎馬民の拠点があります。
だから、簡単には行けないでしょう。往復できたとしても、六~七日はかかります。
少し日数はかかりますが、アルバトのほうが安全なように思います。
アルバトはバルティカ領内だけれども、あそこは行政府の支配が及ばない領域でもあるので……。
食料も豊富だし……。昔はだけど……。それと、東方騎馬民も勝手はできないと聞いているし……。
八日あれば、必ず戻ってきます」
私が「どう思う」と他者に問うた。
街の出納係だったリケルが、臨時政府の長に選ばれていた。
そのリケルが「やってみる価値はあると思う。金があればだが……」と案じる。
スコルが「護衛がいる。一〇人程度しか割けないが……」と応える。
私は「フリート君が戻るまでの八日間、どうやって食いつなぐ?」と問う。
リシュリンが「このあたりで、一番食料があるのはどこだ?」と尋ねる。
リケルは「おそらく、だけど、ルドゥ川河口のアレナスじゃないかな。あそこには奴隷商人の兵が駐屯しているし、物資を積んだ船が接岸しているのを何人もが見ている」
リシュリンが「大きな街か?」と尋ねる。
リケルが「いいや、小さな街だが、波止場と船の修理ができる施設があるんだ」
リシュリンが「食料庫はどこだかわかるか?」
そこまで聞いてスコルが割って入った。
「ちょっと待ってくれ。あんたが考えていることはわかるが、そんな兵力はないぞ」
フリートにはリシュリンの考えはわからなかった。
それよりもリシュリンの声を聞いていると、股間に大量の血液が流れ込みそうで、それを我慢するだけで精一杯だ。
リケルがスコルに「この美しいお嬢さんは何を考えているんだ?」と尋ねる。
スコルが「この美しく恐ろしいお嬢さんは、アレナスを襲って、食料を奪うつもりなんだ」と言った。
リケルがリシュリンをじっと見ている。そして、「アレナスはルドゥ川の南岸だよ」と。
スコルがリケルに「あんた正気か?」と問うと、リケルは「正気じゃぁ、こんなこと恐ろしくてできないよ。僕はただの出納係なんだ。それを臨時とか何とかいって行政の長にされて、こうなったら徹底的に無茶しようじゃないか」と言う。
私が「決まったな。フリート君がアルバトに食料の調達に行き、我々はその間の食い扶持確保のためにアレナスを攻略する」と決める。
アレナス攻略戦は、会議の直後に始まる。
ルカナからアレナスに至るルートは、ルドゥ川に沿った道を西進する以外にない。装甲車に一〇人、敵から奪った蒸気乗用車に一〇人、計二〇人が攻略の主力で、その後方から馬車に分乗した部隊三〇人が追う。
ルカナとアレナスの距離は、六〇キロある。
アレナスに到着したのは、正午前であった。アレナスからは炊事の煙が幾筋か上がっている。
その煙の下に敵がいる。
街内に突入しても、一切の反撃は受けなかった。小さな漁港のような波止場の倉庫にたどり着き、二台の車から二〇人の兵が吐き出されると、初めて反撃を受ける。
奴隷商人側は、波止場の警備を重視していなかった。
アークティカ人による組織的な反撃は、半年以上起きていなかったし、盗人程度の抵抗はいつも陸側からだ。
それでも、波止場には一〇〇人の兵を常駐させていた。
この時期、奴隷商人の兵は神聖マムルーク帝国軍として再編されていたが、その影響は赤い海東岸までは及んでいない。
むしろ、再編に伴う指揮命令系統の混乱から、アークティカの占領部隊は、綱紀が緩んでいた。
さらに、東方騎馬民に影響され、捕らえた奴隷の殺害や略奪を繰り返す兵も出始めている。
装甲車はマーリンが運転している。私がルイス軽機を発射しながら、マーリンは波止場への入口に設けられていた阻止線を突破し、二棟しかない倉庫の前で、激しい銃撃戦になる。
ここで、兵八名と私とリシュリンが降車し、倉庫の制圧にかかる。
少し遅れて蒸気乗用車が到着し、倉庫の裏手、敵の背後から攻め込む。
この世界の戦闘方法は、基本的には戦列歩兵だ。
つまり、二列か三列の横隊を作り、敵歩兵集団との間合いを徐々に詰め、指揮官の命令で一斉に発砲し、次弾を装填し、また発砲するという繰り返しを行う。そして、最後は槍型の銃剣で突撃する。
一方、奴隷商人部隊の戦法は、基本的に軽騎兵なのだが、運用としては乗車歩兵だ。
つまり、蒸気車による機動力を与えられた歩兵で、中型または大型の蒸気乗用車または貨車に乗車した機動歩兵だ。
基本的な戦法は、いわゆる散兵で、狙撃による遠隔攻撃を得意としている。
人間狩りを本業とする奴隷商人ならではの戦い方である。
だが、戦列歩兵戦をしないわけではない。例えば、敵軍が騎兵主体で、抜刀突撃を仕掛けてくる場合は、ボックス型の隊列を作り防御を固めながら、全周に対して一斉射撃をする。
アークティカは、伝統的に軽騎兵による抜刀突撃を得意としていた。
奴隷商人部隊の指揮官は、散開しながら走り寄ってくるみすぼらしい格好をしたアークティカ人を、馬と装備を失った抜刀突撃に見えた。
敵指揮官は、とっさに戦列歩兵戦を企図した。
よく訓練された敵兵は、一列二〇人ほどの三列横隊を組み、わずか数秒で一斉射撃の準備を整える。
この瞬間をマーリンが見逃すはずはない。
そのことを察したリシュリンが「伏せろ」と命じ、あるものは路上にうつ伏せし、あるものは遮蔽物に隠れる。
ルイス軽機からの発砲は、数秒で終わった。ルイス軽機の発射速度は一分間に五〇〇発、弾倉の装弾数は四七発、つまり六秒で弾倉は空になる。
スプリングフィールド七・六二ミリ弾は、敵戦列歩兵の横隊に吸い込まれていった。
マーリンの射撃が終わったあと、立っているものは一五人ほどしかいない。
アークティカの勇敢なマスケッターたちは、発砲すると次弾を装填せず、一斉に突撃を開始する。
その時点で敵は、六人ほどしか立っていなかった。
奴隷商人兵は、アークティカ人が振るう銃床で頭を割られ、全滅する。
倉庫裏手から侵入した友軍部隊は、敵が被った惨状を呆然と見ていた。
倉庫の裏手を襲った指揮官のスコルは、「機関銃があれば無敵だ」と言った。だが、すぐに「もし敵が持っていたら悲惨だ」と。
この言葉で、私はスコルは信頼できる男だと感じ始める。
倉庫は二棟あり、一棟には高さ六メートルの天井に達するほどの穀物が保管されていた。
もう一棟の倉庫には、大型の蒸気牽引車が三輌も格納されている。
アークティカ人の士気は、大いに上がる。
八人を倉庫に残し、装甲車に乗車し敵の本営と思われる建物に突進する。
奴隷商人は、街を占領すると政治的な施設に拠点を置きたがることがわかっている。
アレナスは独立した街ではなく、ルカナの衛星都市である。ルカナとは六〇キロの距離があるが、ルドゥ川を利用した水上交通であれば、二時間ほどの行程である。
そのため、街の中心には分庁舎がある。その分庁舎あたりから、炊事の煙が立ち上っている。
間違いなく、そこが拠点だろう。
アレナスの街は、南北ならば歩いても一〇分ほどで端から端まで行ける。東西はもう少し距離があるが、それでも一五分程度だ。
装甲車が分庁舎広場に着くと、建物の二階から狙撃を受けた。
いったん後退し、一軒一軒拠点をつぶしていく市街戦になる。
我々は人口が少ない。兵に限らず住民の補充はできないから、犠牲を出すわけにはいかない。
アレナスの建物は、分庁舎が三階建てであるほかは、平屋か二階建てだ。
分庁舎の三階から、いくつもの発砲煙が見える。分庁舎は海の方向である西向きに建てられていて、広場全体を見渡すことができる。
分庁舎前広場は、東西に五〇メートル、南北に二〇メートルある。奴隷商人側は、広場に面した建物の二階に多くの狙撃手を配し、広場内に死角はない。
戦車なら可能だが、装甲車で強引に突っ込むには危険が多すぎた。
奴隷商人側はさらに、広場付近の建物の一階や路地にも兵を配置しており、簡単には決着が付きそうにない。
我々は、まず分庁舎正面の商家を攻略することにした。
私とリシュリン、スコルと東南方の国で傭兵の経験があるという女性が突っ込むことになった。女性兵は大型のマスケット短銃を二挺持っている。
商家建屋側面の窓には頑丈な鉄格子が施してあり、ここからの突入は不可能。裏口に回ると、そこにも奴隷商人兵が配置されている。古樽を遮蔽物にして、待ち構えていた。
私はリシュリンに「援護しろ」と言い、トンプソン短機関銃をスコルに預けた。そして、アメリカ軍制式マークⅡ手榴弾を懐から取り出す。
リシュリンがM2カービン自動小銃をフルオートで発射して敵兵の頭を下げさせる。
その瞬間、私が投げた手榴弾が遮蔽物の古樽の前に落ち、そのまま敵兵に向かって転がり爆発する。
トンプソン短機関銃をスコルから受け取ろうとすると、スコルがわずかに抵抗した。私の銃は、そのままスコルに預けた。スコルは、マスケット銃を女性兵に渡した。私はガバメントを抜いた。
裏口を制圧し、屋内にも手榴弾を一発放り込み、一階の生き残りの敵を女性兵が射殺した。女性兵が次弾を装填しようとすると、リシュリンがブローニングM1910自動拳銃を発射可能な状態にして、「引き金を引けば弾が出る」といって渡す。
二階へは、狭くて急な階段を上るようになっていた。階段に踊り場はなく、直線で二階につながっている。
スコルが安全装置を確認している。そして、私に見せ確認した。
スコルは二階に向けて発砲した。一発のみ応射があり、スコルと女性兵が階段を駆け上る。
商家二階の奴隷商人兵は追い詰められていた。逃げ場はなく、銃を撃てば次弾装填前に、アークティカ人が突っ込んでくることは、容易に想像できた。
奴隷商人兵は、大きくて頑丈なテーブルを倒して、急増の遮蔽物にしている。
私は階段を上りきっておらず、手榴弾を投げ込める位置にいない。また、階段の手すりが投擲の邪魔になっていた。
時間をかけたくない。無理にでも手榴弾を投げ込んでしまえば、決着が付く状況だ。
私はスコルに援護を頼み、彼が発射している間に、階段途中から二階廊下によじ上った。
そして、手榴弾を投げ込んだ。
手榴弾はテーブルと背後の壁の間に落ちる。この爆発で、奴隷商人兵四人が死んだ。
これで、分庁舎正面の商家は我々の手に入った。
味方の兵がブローニングM1918BARを運んできた。
それを窓辺に据えて、リシュリンが敵の火点への射撃を始める。
だが、状況は膠着し始めていた。
地上では、装甲車が南側一角の路地に潜んでいる敵を駆逐しつつあり、味方は建物を各個に制圧していく。
奴隷商人側の戦力は多くないが、戦い方は巧妙で、不用意に攻めると大きな損害を被る可能性があった。
徒歩の部隊の一部がルドゥ川南岸北側に到着した。彼らはルドゥ川を下ってくる途中、うち捨てられた通船を見つけて、川の流れと板きれを櫂にして急行してきたのだ。
街の北側に新手が現れても、奴隷商人側は浮き足立つ様子を見せない。よく訓練され、士気も高い。厄介な相手だ。
マーリンは装甲車から離れることができない。それは足の怪我よりも、装甲車の運転が彼女にしかできないことが理由だ。
マーリンは、小銃擲弾を分庁舎に撃ち込めば、状況は一気に変わると考えていた。
しかし、小銃擲弾のうち対人用のM17の数が少なく、景気よく使うわけにはいかないという事情もある。
だが、マーリンはこの程度のものなら、アークティカでも作れると考えていた。実際、ヴェルンドは「作れる」と断言している。
マーリンは、M1903ボルトアクション小銃の銃口にM7グレネードランチャーを取り付け、M17小銃擲弾一発と空砲三発を一人の街人に持たせて、分庁舎向かいの商家二階に持って行かせた。
商家はアレナス攻略の拠点になっている。五〇メートル隔てて向かい合う分庁舎を攻略すれば、この戦いの帰趨は決する。
そこに、M1903を抱えた若い男が飛び込んできた。
「マーリン様にこれを持って行けと……」
私には、マーリンの言いたいことがすぐにわかった。もちろん、リシュリンもわかっている。
スコルは、ルカナ攻略の際に小銃擲弾の威力を見せ付けられている。
リシュリンが「一〇分待ってくれ」といって、携帯電話の時計を見せた。私も携帯電話を出し、秒レベルで時間の同期を確認し、手榴弾二発を渡す。
スコルが「リシュリン殿の護衛に付く」と言った。リシュリンがM1910自動拳銃を貸した女性兵は、それをリシュリンに返す。
リシュリンはM2カービンを背負い、M1910自動拳銃を右手に持ち、階段を降りていく。
私はM1928トンプソン短機関銃をスコルに渡し、「リシュリンを頼む」と言った。
スコルは、近くにいた兵二名を連れて階段を降りていく。
商家二階の兵は、間断なく射撃を繰り返している。私はM1918BARを撃ち、広場北側の商家に銃弾を撃ち込んだ。
二つ折りの携帯電話を開き、時計を見る。あと一分三〇秒だ。
私はM7グレネードランチャー(擲弾発射機)にM17小銃擲弾を最大射程まで差し込む。
時間を待つ。
擲弾を水平発射した。M17の最大射程は一八〇メートルあり、五〇メートル程度なら直射でも飛ぶ。
幸運にも窓を突き破り、屋内に飛び込んで爆発した。
リシュリンは、小銃擲弾が発射される直前に、分庁舎南側側面に達していた。リシュリンには、スコル以下六名の兵が従っている。
分庁舎の一階窓からは何挺ものマスケット銃の銃身が出ては発砲し、引っ込んではまた突き出てくる、を繰り返している。
リシュリンは、携帯電話の時計を見た。予定から一〇秒過ぎている。
その瞬間、二階窓に何かが飛び込み、爆発した。
リシュリンはその間隙を逃さず、手榴弾を一階南側の窓から放り込む。爆風で窓枠が飛散した。さらに、もう一発放り込む。
身をかがめて、分庁舎の壁際を北に進む。
観音開きの正面扉をわずかに開け、手榴弾を一発放り込む。西側の窓から、兵士一人が爆風で吹き飛ばされる。
リシュリンたちは、その直後に分庁舎に飛び込み、わずかに残った一階の敵兵を掃討した。
二階と三階にも多くの兵がいたが、二階にいた一部の兵は窓から飛び降り、一部は三階に逃れ、一部はその場で抵抗した。
リシュリンは、三階制圧でも手榴弾一発を使った。
敵は最後に剣を抜き絶望的な抵抗を試みたが、アークティカ人の斉射で阻止された。
分庁舎が制圧されると、北側建物にこもる奴隷商人兵はルドゥ川北岸に向かって撤退を開始した。
川に橋はなかったが、街の北端に渡し船が係留してある。
だが、彼らは運に見放されていた。街の北側に進出していたアークティカ部隊に川岸への進出を阻止されて、河口南岸に追い詰められていく。
分庁舎周辺の掃討にスコルが残り、我々は装甲車でルドゥ川河口に向かう。
河口付近はきれいな砂浜だ。赤い海は、その名とは異なり透明度が高く、太陽光を青く反射する。
浜辺には海棲トカゲが棲み着いていた。海棲トカゲには植物食と動物食がいるが、敵にとって不運だったのは、肉食性であったことだ。
彼らは、ここが肉食性海棲トカゲの住処だということをよく知っていた。なぜなら、捕らえた住民を軍律に反して暴行した場合、その証拠を消すためにこの生物を利用していたからだ。
そして、海棲トカゲも人間の味をよく知っていた。
海棲トカゲは脚がウミガメのような鰭に進化しているので、陸上の行動は緩慢だ。しかし、貪欲さは陸上でも海中と変わらない。
二〇名ほどの奴隷商人兵は、進退窮まっていた。
指揮官らしい男が「降伏する。降伏の条件をいってくれ!」と立ち上がって叫び、銃を地面に置いた。
それを三〇名ほどのアークティカ人が、わずかな地形を遮蔽物にして取り囲んでいる。
彼らの背後から、ゆっくりと肉食性海棲トカゲが近付いてくる。
敵指揮官の問いに誰も答えない。
敵指揮官は、再度「降伏する。降伏の条件をいってくれ!」と叫んだ。
誰かが「俺の妻と子を帰せ」と叫んだ。
敵指揮官は降伏できないことを悟った。地面に置いた銃を取り、突撃を開始する。一斉射撃で、敵の半数が倒れ、残りの半数はアークティカ人の剣によって斃された。
負傷した敵兵は悲惨だった。体長一〇メートルもある海棲トカゲの餌食になった。あるものは岸辺まで運ばれていく。「助けて」と言う絶叫が響いた。
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