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Episode-11 執念深いヘビと狡猾なトカゲ
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真琴さんの誘拐未遂事件以降、狭間社長側の動きはピタリと止まりました。
一方、夫は動きました。
3月の第4週月曜日、夫は全社員の出勤を命じました。
会社には、全社員が集まれるほどの部屋はありません。ですので、夫の話はいつもの仕事場で、いつものデスクで、座ったまま聞きました。
「演説するつもりはない。
必要ならするけどね。
期の途中だが、取締役を辞任する。代表権もなしだ。
零細企業の経営者なんて、辛いだけ。その辛さを押し付けることは、身内にしかできない。ここは、理解してほしい。
後任は、新藤里穂が代表権のある取締役に就任する。脇坂真琴が取締役になる。
これで、組織としては格好が付く。法的には。で、脇坂さんは一般社員のまま。役職には就かない。
平たく言えば、取締役平社員だ」
仕事場に小さな笑い声。
私は、こんな話聞いていません!
夫が代表取締役を辞任し、後任に私が就任するなんて!
夫が続けます。
「知っていると思うが、私はある人物と対立している。
その人物は、あまり筋がよくない。話し合いや民事裁判では、解決しない。
なので、どんなことがあっても会社に迷惑をかけないようにするため辞任する。
株式だが、100パーセントを私が現在は保有している。
新藤里穂に70パーセント、脇坂真琴に30パーセントを額面で譲渡する。
私が個人的にこの会社に貸し付けている資金も一括返済してもらう。
これで、私はこの会社の支配権を完全に失う。
この会社と私との関係は、完全になくなる」
一部の社員さんは、完全に動揺しています。
夫には経営者としてのカリスマ性はありませんが、社員は夫をエンジニアとして尊敬しています。
「その上で、必要があれば、私に仕事を発注してくれ。外部の請負業者として、使ってくれ」
何人かがホッとしたように息を吐きます。「この役員人事について、脇坂さんには事前に伝えてあった。
また、1課長と2課長にも相談している。
反対すると思ったので、新藤さんには知らせていなかった。
新藤さんは前職で100人近いスタッフを指揮していたし、この会社でも新規事業を立ち上げるなど、管理職としての手腕を示してくれた。
これからは、零細企業の経営者として頑張ってほしい。適任だと思う」
私はどうしていいかわかりませんでしたが、真琴さんが立ち上がり、私に起立するよう促しました。
私は、条件反射的に真琴さんに従い、彼女が頭を垂れると、私も慌てて頭を下げました。
夫が続けます。
「準備はできている。4月1日には登記をすませ、新体制になる」
私は荒れています。
グラスにガバガバとウイスキーを注ぎ、溶けた氷を補充せずに飲んでいます。
夫が帰ってきました。
娘が夫に駆け寄り、「パパ、ママがたいへんだよ!」と。
夫が私を見て微笑みます。
「舞はご飯食べた」
「うん。卵かけご飯」
「たまにはいいかもね」
「おいしかったよ」
「これから、パパとママは喧嘩するよ。
だけど、すぐ仲直りするから、心配しないで……。
舞は自分の部屋に行ってて」
「わかった。
パパが悪いの?」
「そうだよ」
「ママに謝らなきゃダメだよ」
「そうだね」
私は夫をにらんでいます。娘が自室に入ったことを確認して、怒りを爆発させます。
「なんで、あんな大事なこと黙っているのよ。バカじゃない!
バカよ!
私のせいで、どうして会社を捨てるのよ!
あなたの会社でしょ!
あなたの生命でしょ!
私が悪いからって、何で私に全部押し付けるのよ!」
私は大泣きします。
「この声は、娘にも聞こえたでしょう」
夫は「真琴の事件については、社員個々と面談し、説明した。その上で、退職を希望するなら受け入れる、と言ったんだ。退職希望者はいなかった。だから、里穂に引き渡した」と言ったんです。
「里穂ならやっていける。
俺よりも上手に」
そして、ダイニングテーブルの椅子に座る私にハグしました。
私は泣きながら、夫の胸を拳で何度も殴りました。
夫は私を私の部屋に運び、私に飲みたいだけ飲ませてくれました。
私は泥酔し、夫に着替えさせてもらい。夫と一緒にベッドで寝ました。
明け方に目を覚まし、夫を軽く触ります。朝に見られる男性の身体的変化が起きていました。
夫は私のパジャマの上だけ着て、下は下着です。私も同じ恰好。
私は静かにショーツを脱ぎ、仰向けで寝ている夫の顔を覗き込みます。完全に寝ています。
この人、いびきを一切かかないんです。訓練したみたいに。
掛け布団を床に落とし、夫のパンツをずり下げ、夫をつかんで跨がります。
「何?」
さすがの夫も一瞬ですが寝ぼけています。
私は一気に身体を落とし、夫を受け入れます。
夫が「何だよ~」と眠そうに文句を口にするので、私は「不意打ちしたでしょ。だから私もするの!」と。
夫は私の中でさらに大きくなり、一緒に動いてくれます。
「出していいよ」
「妊娠したら?」
「舞の妹ができる」
「弟はないの?」
「女の子がいい」
「女の子ばっかじゃん、俺」
夫が終わると、私はベッドに仰向けに寝て、足を広げます。夫は私の下腹部をよく観察し、触っています。
「吸い込んじゃったみたいに出てこないよ」
「ウフフ。
そんなに見ないで」
「見慣れちゃったね」
「ヤダ~」
「拭いたけど、出てくるかも。
吸い出そうか?」
「いい。
もったいないから」
「何それ?」
「私のパンツどこ?」
夫が私のショーツを探してくれます。
「はい」
夫が探し出してくれました。
「履かせて」
「出てきちゃうよ」
「平気」
寝たままの私に、履かせてくれます。
「起きないと」
「そうだね。
さっきの、仲直りエッチ?」
「違う。
復讐エッチ。
仲直りエッチは、今夜」
娘は春休みになりましたが、現在も不登校です。夫が「無理に行く必要はない。学校に生命をかけるほどの価値はない」として、無理な登校はさせません。
興信所が流した噂は、娘を傷つけました。学校も何とかしようとしているようですが、子供は残酷です。大人のような分別や自制心はありません。
家庭内での話を真に受けた同級生が、娘をいじめのターゲットにしています。
私と真琴さんの関係ですが、世間的には継母と娘なんでしょうが、15歳しか離れていないこともあって、若干、姉妹っぽいです。
私には姉と妹がいますが、私が実家と疎遠なこともあり、仲のいい姉妹に潜在的な憧れがあったようです。
それを真琴さんで疑似体験しているような。
真琴さんと舞は異母姉妹ですが、年齢が離れているので、真琴さんが舞に合わせている不自然感があります。
私は姉妹がどういう会話をするのか知らないのですが、真琴さんとの会話はそれっぽく感じます。
だからなのか、深く考えず、夫に言ったんです。
「真琴さんの部屋を作ればよかったね」
このときは忘れていました。
真琴さんが夫の子であることを。
「いいの?
玄関脇のテラスだけど拡張すれば、もう一部屋作れる。拡張の規模次第だけど、6畳から10畳くらいになる」
夫は考えていたんですね。あるいは、あの家を購入した最初から考えていたのかも。
だけど、私には言い出せなかった……。
私は現実に引き戻されました。
「いいよ。
もちろん」
私は夫の顔を悪戯っぽく見ます。
父親の顔でした。
4月。
夫は取締役を退任し、私が毎日出勤することになります。ただ、夫のように早朝からではなく、普通の時間に出勤し、普通の時間に帰るようにします。
仕事が残っていても、自宅からリモートでできるので、そもそも毎日の出勤は儀式みたいなものでした。
前社長に確認したいことは、すぐにできるし、仕事はバリバリしてくれるし、始まってしまえば仕事と会社の不安は消えました。
代表取締役就任後、私が行った人事は1つだけ。
奈々さんに広報担当をお願いしました。
会社は、私と真琴さんを除けば、内弁慶の集団なんです。
だから、広報的なことは誰も不向きでできないのです。それに頻繁ではありませんが、例の件でしょうか、週刊誌の記者、ジャーナリストやフリーライターを名乗る人たちから「話を聞きたい」と電話があるんです。
こんな対応は社員に押し付けられません。
で、当事者の1人である奈々さんにお願いしました。もちろん、私も対応します。
奈々さんは、2人のお子さんと穏やかに生活しています。
ゴールデンウィークが始まるまで、何も起きず、平穏です。ですが、夫は油断していません。
「狭間は執念深いヘビだ。里穂を決して手放さない」
私をどうこうではなく、恥をかかされた社長は夫を許さないでしょう。それは、確実です。
前職社内の情報は断片的に伝わっています。クーデターは失敗し、反社長派は無力化され、社長室につながる秘密の部屋の存在は隠蔽されたとか。
社長の社内妻の追及は、個々の社員が自分の立場を考えて収束したそうです。
また、多くの社員が会社を去りました。嫌気が差したり、女子社員の場合は「淫乱男が経営する会社なんて辞めろ」と家族から諭されて。
しかし、関係者であっても多くの人は、社長をやり手の爽やかなイケメン起業家だと思っています。
ですから、優秀な人材がすぐに補充されます。
ゴールデンウィークの直前、30歳代の男性がマンションの12階から飛び降りて、自殺したというニュースがありました。
私は、特段の理由なくそのニュースが気になりました。
ゴールデンウィークは真琴さんを山荘に誘ったのですが、彼氏さんと旅行に行くとか。長くおつきあいしているらしく、彼女から、なぜか「パパには言わないで」と。
「真白さんはご存じ?」
「どうかな、ママは知らないと思う」
親に秘密にしたいことを、姉に話すように私に話します。新興の家電メーカーに勤める技術者だとか。彼氏自慢聞かされました。
どうしたらいいかわかりません!
でも夫には言いません。真琴さんとは、仲良くしたいので……。
今年のゴールデンウィークは、会社は4月29日から5月8日まで連続休日にしました。
5月2日と6日は平日なのですが、有給休暇消化日としました。
娘は学校がありますが、不登校なのでオンライン授業になります。
なので、この期間は山荘です。
私は、ビジネススーツを着ることがなくなりました。ブランドもののスーツはタンスの肥やしになり、通勤はファストファッションが主流に。
でも、ラフすぎずの加減が難しいのです。
それでも、着るものに縛られないので、ずいぶん楽です。
ゴールデンウィークの前日夜、夫と娘が私を迎えに会社までクルマで来てくれました。
私は夫が残していた少しの私物を、クルマに運びます。
「スーツとワイシャツが残っていたよ。
戻って、もう一度点検してくるから、待ってて」
車内の夫と娘に声をかけ、戸締まりを再確認しました。
娘が「行こう!」と叫び、私と夫が「おー!」と応じました。
最近は週末に、2人が私を迎えに来るパターンが増えました。
娘が寝てしまい。
私と夫は、会話を控えていました。
私が助手席で考えていたことは、真琴さんのこと。
先方のご家族から、結婚を反対されているのです。彼女はまだ若いので焦りはないのですが、反対されること自体が理不尽です。
真琴さんの希望で、夫は真琴さんを認知しました。夫は大喜びでしたが、縁談と無関係ではないでしょう。
「私生児との結婚なんて、認めない」
先様のお宅を訪問して、玄関先で追い返されたとか。
私には明るく話しましたが、ショックだったと思います。
彼氏さんのお母様は日本とロシアのハーフで、写真を見る限り彼氏さんはイケメンです。優しい方らしいですが、彼はお父様を嫌っているようです。
夫も真白さんも知らないことを、私は知っています。妹が姉に相談するような感じで、何でも話すんです。
どうにかしてあげたいのです。
「談合坂で休む?」
「そうだね。
静かにね。せっかく寝ているから」
「運転中はできないよ」
「ヤダ~。
着いたらね」
到着後、目を覚ました娘はしっかり寝たためか、眠れなくなり、明け方までダイニングで夫とおしゃべりしていました。
私は疲れたのか、1人で寝ました。
朝日が気持ちいい。
特別な意図はなかったのですが、汗をかいたのでパジャマを脱ぎ、シャワーを浴びたあと、クリーニングされていた夫の白いワイシャツを着ました。
袖と上の2つ以外ボタンは留めています。
裸足で南ウッドデッキの窓辺に立ち、両手でマグカップを持ってコーヒーを飲んでいます。
ワイシャツ以外は、黒のショーツだけ。
私を起こしたくなかったのでしょう、夫はローソファーで寝ていました。
その夫が起きてきました。
夫は周囲を見回し、娘がいないことを確認。
私をハグしてきました。
「どうしちゃったぁ?」
「すごいそそられる」
「何でぇ?」
「光がシャツを透過して、里穂の身体がはっきりわかる。
乳首がクッキリと透けてるし」
「もぉ~。
する?」
「舞は4時まで起きていた。
まだまだ寝てるよ」
「じゃぁ、お部屋に」
「ここでいいよ」
「ダメよ」
「朝日を浴びてしたい」
私は床まである窓のガラスに手を付け、後ろを向いてお尻を突き出します。
夫はショーツを太股まで下げ、胸を鷲づかみして、入れてきました。
同時に階段を降りる音。
夫が大急ぎで抜き、私はショーツを引き上げます。
「おはよう!」
「おはよう!」
「ママ、何かかわいいね」
「そう?
ご飯食べる?」
「うん!」
「目玉焼きでいい?」
「スクランブルエッグがいい。
お味噌が入ってるやつ」
「じゃぁ、座って」
夫が残念そうで、何とも可哀想。
初日は予定がなく、掃除や庭の手入れをします。娘は四輪バギーの運転を教えてほしいらしく、私はちょっと心配。
実はご近所、500メートルくらい離れてますが、の娘よりも少し年上のお嬢さんが四輪バギーに乗っていたのです。
もちろん、公道ではなく、原野を。
娘がそれを見て、私も、と。
近くには専用のコースもあります。
今日は、庭で乗れる程度の練習です。
娘は自転車のヘルメットを被り、夫に運転の仕方を教えてもらっています。
クラッチのつなぎ方に少し苦労しましたが、すぐに運転できるようになります。
家の周りをグルグル回り、楽しそうです。
私は、それを南側のウッドデッキから見ています。
ウッドデッキにテーブルと椅子があれば、もっと楽しいかも。
私はスリムデニムのパンツを履いただけで、朝の格好のまま。ブラは付けていません。
シャツの裾は外に出していて、私の濃い乳輪が透けています。それを知っています。
ウッドデッキには、東側しか階段がありません。東のウッドデッキと南のウッドデッキはつながっていません。
防犯のためでしょう。南のウッドデッキには、室内からしかアクセスできません。
ちょっと不便です。
防犯上は仕方ないのでしょう。
娘は夢中で、グルグル回っています。
夫が南のウッドデッキに来ました。
「見ていなくていいのぅ?」
「大丈夫だ。敷地内だし」
「広いと思ったけど、狭いんだね」
「それでも我が家だ」
「そうよ!」
夫が私の乳首をシャツの上からつまんでいます。
「見られちゃうよ」
「舞は前しか見てないよ」
「夜まで待って」
「待てない。
すぐしたい」
「ダメ」
私からキスし、夫が応じましたが、いつもと違い昼間からディープでした。夫が舌を入れてきて、私が夫の舌に私の舌を絡めます。
声が出ちゃいそう。
娘はグルグル回ってます。
私もグルグル回りたい。
唐突にエンジン音がしなくなりました。
「パパぁ~、止まっちゃった」
「いま行くよう!」
あぁ、お邪魔虫。
夕食は、南のウッドデッキでバーベキューにしました。
娘が「お姉ちゃんが来ればもっと楽しいのに」と言うので、私は「お姉ちゃんは、お友だちと旅行だから来られなかったの」と説明。
娘が「友だちって、彼氏?」と尋ねた瞬間、夫の眉がピクッと。その顔は、年頃の娘のパパの顔。
笑っちゃいました。
「だといいけどね。
違うみたいよ」
私は真琴さんのためにフォローしました。
彼氏と旅行に行った妹を庇う姉みたいに……。
私も我慢の限界でした。
朝、入れられちゃった感触が残っているんです。
「寝た?」
夫の問いに私が頷きます。
夫が座るローソファーの隣に座ります。
私は上下ともパジャマでした。
夫もパジャマです。
夫は私の肩を抱くと「下だけ、脱いじゃおうよ」と。
私は黙って従います。
夫も脱ぎます。
そそり立っています。
夫が肩を抱いてきたので、身体をピタリと寄せ、左手で夫を握り、右手はウイスキーの水割りグラス。
夫の右手人差し指が、私の中へ。
夫は私のパジャマのボタンを右手だけで外し、右手中指を私の中に戻し、左の乳首を肩に回した手で摘まみます。
私はウィスキーの水割りを口にし、ホラー映画を見ながら、2人で互いの身体で遊びます。
「痛くない?」
「大丈夫だよ」
「パンパンじゃない」
「グショグショだよ」
「ヤダぁ~。
触られたら濡れるでしょ」
「こんなに濡れる?
すっごく漏れてるよ」
「え?
あ!
ダメじゃん」
「バスタオル、敷けば」
「待ってて」
私はバスタオルを2つに折り、ローソファーに敷きます。
その上に座り、また同じ体勢に。
「止めどなく出てくるね」
「触り方がエッチなのよ」
「そんな特別なことしてないよ」
「こんなこと聞くの恥ずかしいんだけど……」
「何?」
「道具とか使わないの?」
「バイブとか?」
「うん」
「使いたい?」
「それはない。経験ないし」
「ないんだ?」
「うん。ない」
「使ってみる?」
「いい」
「本当?」
「健昭は使いたいの?」
「いや、人はなるべく道具に頼らず生きるべきだ」
「何それ~」
私は大笑いして、グラスを口に付けます。
私と夫はキスしました。
だけど、2人で申し合わせたように、その先に進みません。
私はフェラしないし、夫は右乳首と私の中に入れた指1本だけで何もしません。
どっちが先にこの状況をやめるか、チキンレースみたいになっています。
夫は入れているだけ、私は握っているだけです。
我慢できなくなったのは私でした。
夫に背を向け、跨がります。何の抵抗がなく、簡単に入りました。
夫が私の胸を鷲づかみします。
私は声を出しながら、自分で上下に動きます。
夫は左手を胸から話し、クリを探します。
夫は我慢しています。私は何度も絶頂を迎えていますが、悟られないように動きます。
先にイッたら負け。
でも、私が先にギブアップ。夫が入ったまま、床に手を突き喘いでいます。
夫がバックで攻め始めます。
いつもより乱暴で、平手でお尻をぶちます。これ、意外ですが初めてだったんです。
もう感じちゃって、気が狂いそうで、だけど夫はイカなくて。
接合部から液体が漏れてるし、濡れすぎかなって思った瞬間、夫が私の中に出しました。
夫はローソファーに仰向けで、私は絨毯に俯せで倒れています。
先に回復したのは私でした。
「まだできる?」
夫はまだまだ元気。少し萎んだ程度。
「できるよ」
2人ともそのままの格好で、ベッドに入りました。
翌日は朝から雨です。豪雨ではなく、霧雨でもない、普通の雨。
午後にウッドデッキ用のテーブルと椅子をホームセンターに買いに行く予定です。
それ以外の予定はないので、3人それぞれが個々に過ごしています。
娘が階段を駆け下りてきました。
「パパ、メガラニアって何?」
子供特有の唐突な質問。
「オーストラリアにいた巨大なトカゲだよ。
大きな放浪者という意味だ。
史上最大のトカゲで、7メートルにもなった。
オーストラリアに人が渡ってきた頃まで、生息していたらしい」
夫がスラスラと答えたので、ちょっと驚きました。
「メガラニアがどうした?」
「ゲームで出てきた」
「ふ~ん」
娘が自室に戻っていきます。
トカゲは狡猾さの象徴。
夫は狡猾なメガラニアかも。
狡猾なトカゲは、執念深いヘビを恐れていません。
一方、夫は動きました。
3月の第4週月曜日、夫は全社員の出勤を命じました。
会社には、全社員が集まれるほどの部屋はありません。ですので、夫の話はいつもの仕事場で、いつものデスクで、座ったまま聞きました。
「演説するつもりはない。
必要ならするけどね。
期の途中だが、取締役を辞任する。代表権もなしだ。
零細企業の経営者なんて、辛いだけ。その辛さを押し付けることは、身内にしかできない。ここは、理解してほしい。
後任は、新藤里穂が代表権のある取締役に就任する。脇坂真琴が取締役になる。
これで、組織としては格好が付く。法的には。で、脇坂さんは一般社員のまま。役職には就かない。
平たく言えば、取締役平社員だ」
仕事場に小さな笑い声。
私は、こんな話聞いていません!
夫が代表取締役を辞任し、後任に私が就任するなんて!
夫が続けます。
「知っていると思うが、私はある人物と対立している。
その人物は、あまり筋がよくない。話し合いや民事裁判では、解決しない。
なので、どんなことがあっても会社に迷惑をかけないようにするため辞任する。
株式だが、100パーセントを私が現在は保有している。
新藤里穂に70パーセント、脇坂真琴に30パーセントを額面で譲渡する。
私が個人的にこの会社に貸し付けている資金も一括返済してもらう。
これで、私はこの会社の支配権を完全に失う。
この会社と私との関係は、完全になくなる」
一部の社員さんは、完全に動揺しています。
夫には経営者としてのカリスマ性はありませんが、社員は夫をエンジニアとして尊敬しています。
「その上で、必要があれば、私に仕事を発注してくれ。外部の請負業者として、使ってくれ」
何人かがホッとしたように息を吐きます。「この役員人事について、脇坂さんには事前に伝えてあった。
また、1課長と2課長にも相談している。
反対すると思ったので、新藤さんには知らせていなかった。
新藤さんは前職で100人近いスタッフを指揮していたし、この会社でも新規事業を立ち上げるなど、管理職としての手腕を示してくれた。
これからは、零細企業の経営者として頑張ってほしい。適任だと思う」
私はどうしていいかわかりませんでしたが、真琴さんが立ち上がり、私に起立するよう促しました。
私は、条件反射的に真琴さんに従い、彼女が頭を垂れると、私も慌てて頭を下げました。
夫が続けます。
「準備はできている。4月1日には登記をすませ、新体制になる」
私は荒れています。
グラスにガバガバとウイスキーを注ぎ、溶けた氷を補充せずに飲んでいます。
夫が帰ってきました。
娘が夫に駆け寄り、「パパ、ママがたいへんだよ!」と。
夫が私を見て微笑みます。
「舞はご飯食べた」
「うん。卵かけご飯」
「たまにはいいかもね」
「おいしかったよ」
「これから、パパとママは喧嘩するよ。
だけど、すぐ仲直りするから、心配しないで……。
舞は自分の部屋に行ってて」
「わかった。
パパが悪いの?」
「そうだよ」
「ママに謝らなきゃダメだよ」
「そうだね」
私は夫をにらんでいます。娘が自室に入ったことを確認して、怒りを爆発させます。
「なんで、あんな大事なこと黙っているのよ。バカじゃない!
バカよ!
私のせいで、どうして会社を捨てるのよ!
あなたの会社でしょ!
あなたの生命でしょ!
私が悪いからって、何で私に全部押し付けるのよ!」
私は大泣きします。
「この声は、娘にも聞こえたでしょう」
夫は「真琴の事件については、社員個々と面談し、説明した。その上で、退職を希望するなら受け入れる、と言ったんだ。退職希望者はいなかった。だから、里穂に引き渡した」と言ったんです。
「里穂ならやっていける。
俺よりも上手に」
そして、ダイニングテーブルの椅子に座る私にハグしました。
私は泣きながら、夫の胸を拳で何度も殴りました。
夫は私を私の部屋に運び、私に飲みたいだけ飲ませてくれました。
私は泥酔し、夫に着替えさせてもらい。夫と一緒にベッドで寝ました。
明け方に目を覚まし、夫を軽く触ります。朝に見られる男性の身体的変化が起きていました。
夫は私のパジャマの上だけ着て、下は下着です。私も同じ恰好。
私は静かにショーツを脱ぎ、仰向けで寝ている夫の顔を覗き込みます。完全に寝ています。
この人、いびきを一切かかないんです。訓練したみたいに。
掛け布団を床に落とし、夫のパンツをずり下げ、夫をつかんで跨がります。
「何?」
さすがの夫も一瞬ですが寝ぼけています。
私は一気に身体を落とし、夫を受け入れます。
夫が「何だよ~」と眠そうに文句を口にするので、私は「不意打ちしたでしょ。だから私もするの!」と。
夫は私の中でさらに大きくなり、一緒に動いてくれます。
「出していいよ」
「妊娠したら?」
「舞の妹ができる」
「弟はないの?」
「女の子がいい」
「女の子ばっかじゃん、俺」
夫が終わると、私はベッドに仰向けに寝て、足を広げます。夫は私の下腹部をよく観察し、触っています。
「吸い込んじゃったみたいに出てこないよ」
「ウフフ。
そんなに見ないで」
「見慣れちゃったね」
「ヤダ~」
「拭いたけど、出てくるかも。
吸い出そうか?」
「いい。
もったいないから」
「何それ?」
「私のパンツどこ?」
夫が私のショーツを探してくれます。
「はい」
夫が探し出してくれました。
「履かせて」
「出てきちゃうよ」
「平気」
寝たままの私に、履かせてくれます。
「起きないと」
「そうだね。
さっきの、仲直りエッチ?」
「違う。
復讐エッチ。
仲直りエッチは、今夜」
娘は春休みになりましたが、現在も不登校です。夫が「無理に行く必要はない。学校に生命をかけるほどの価値はない」として、無理な登校はさせません。
興信所が流した噂は、娘を傷つけました。学校も何とかしようとしているようですが、子供は残酷です。大人のような分別や自制心はありません。
家庭内での話を真に受けた同級生が、娘をいじめのターゲットにしています。
私と真琴さんの関係ですが、世間的には継母と娘なんでしょうが、15歳しか離れていないこともあって、若干、姉妹っぽいです。
私には姉と妹がいますが、私が実家と疎遠なこともあり、仲のいい姉妹に潜在的な憧れがあったようです。
それを真琴さんで疑似体験しているような。
真琴さんと舞は異母姉妹ですが、年齢が離れているので、真琴さんが舞に合わせている不自然感があります。
私は姉妹がどういう会話をするのか知らないのですが、真琴さんとの会話はそれっぽく感じます。
だからなのか、深く考えず、夫に言ったんです。
「真琴さんの部屋を作ればよかったね」
このときは忘れていました。
真琴さんが夫の子であることを。
「いいの?
玄関脇のテラスだけど拡張すれば、もう一部屋作れる。拡張の規模次第だけど、6畳から10畳くらいになる」
夫は考えていたんですね。あるいは、あの家を購入した最初から考えていたのかも。
だけど、私には言い出せなかった……。
私は現実に引き戻されました。
「いいよ。
もちろん」
私は夫の顔を悪戯っぽく見ます。
父親の顔でした。
4月。
夫は取締役を退任し、私が毎日出勤することになります。ただ、夫のように早朝からではなく、普通の時間に出勤し、普通の時間に帰るようにします。
仕事が残っていても、自宅からリモートでできるので、そもそも毎日の出勤は儀式みたいなものでした。
前社長に確認したいことは、すぐにできるし、仕事はバリバリしてくれるし、始まってしまえば仕事と会社の不安は消えました。
代表取締役就任後、私が行った人事は1つだけ。
奈々さんに広報担当をお願いしました。
会社は、私と真琴さんを除けば、内弁慶の集団なんです。
だから、広報的なことは誰も不向きでできないのです。それに頻繁ではありませんが、例の件でしょうか、週刊誌の記者、ジャーナリストやフリーライターを名乗る人たちから「話を聞きたい」と電話があるんです。
こんな対応は社員に押し付けられません。
で、当事者の1人である奈々さんにお願いしました。もちろん、私も対応します。
奈々さんは、2人のお子さんと穏やかに生活しています。
ゴールデンウィークが始まるまで、何も起きず、平穏です。ですが、夫は油断していません。
「狭間は執念深いヘビだ。里穂を決して手放さない」
私をどうこうではなく、恥をかかされた社長は夫を許さないでしょう。それは、確実です。
前職社内の情報は断片的に伝わっています。クーデターは失敗し、反社長派は無力化され、社長室につながる秘密の部屋の存在は隠蔽されたとか。
社長の社内妻の追及は、個々の社員が自分の立場を考えて収束したそうです。
また、多くの社員が会社を去りました。嫌気が差したり、女子社員の場合は「淫乱男が経営する会社なんて辞めろ」と家族から諭されて。
しかし、関係者であっても多くの人は、社長をやり手の爽やかなイケメン起業家だと思っています。
ですから、優秀な人材がすぐに補充されます。
ゴールデンウィークの直前、30歳代の男性がマンションの12階から飛び降りて、自殺したというニュースがありました。
私は、特段の理由なくそのニュースが気になりました。
ゴールデンウィークは真琴さんを山荘に誘ったのですが、彼氏さんと旅行に行くとか。長くおつきあいしているらしく、彼女から、なぜか「パパには言わないで」と。
「真白さんはご存じ?」
「どうかな、ママは知らないと思う」
親に秘密にしたいことを、姉に話すように私に話します。新興の家電メーカーに勤める技術者だとか。彼氏自慢聞かされました。
どうしたらいいかわかりません!
でも夫には言いません。真琴さんとは、仲良くしたいので……。
今年のゴールデンウィークは、会社は4月29日から5月8日まで連続休日にしました。
5月2日と6日は平日なのですが、有給休暇消化日としました。
娘は学校がありますが、不登校なのでオンライン授業になります。
なので、この期間は山荘です。
私は、ビジネススーツを着ることがなくなりました。ブランドもののスーツはタンスの肥やしになり、通勤はファストファッションが主流に。
でも、ラフすぎずの加減が難しいのです。
それでも、着るものに縛られないので、ずいぶん楽です。
ゴールデンウィークの前日夜、夫と娘が私を迎えに会社までクルマで来てくれました。
私は夫が残していた少しの私物を、クルマに運びます。
「スーツとワイシャツが残っていたよ。
戻って、もう一度点検してくるから、待ってて」
車内の夫と娘に声をかけ、戸締まりを再確認しました。
娘が「行こう!」と叫び、私と夫が「おー!」と応じました。
最近は週末に、2人が私を迎えに来るパターンが増えました。
娘が寝てしまい。
私と夫は、会話を控えていました。
私が助手席で考えていたことは、真琴さんのこと。
先方のご家族から、結婚を反対されているのです。彼女はまだ若いので焦りはないのですが、反対されること自体が理不尽です。
真琴さんの希望で、夫は真琴さんを認知しました。夫は大喜びでしたが、縁談と無関係ではないでしょう。
「私生児との結婚なんて、認めない」
先様のお宅を訪問して、玄関先で追い返されたとか。
私には明るく話しましたが、ショックだったと思います。
彼氏さんのお母様は日本とロシアのハーフで、写真を見る限り彼氏さんはイケメンです。優しい方らしいですが、彼はお父様を嫌っているようです。
夫も真白さんも知らないことを、私は知っています。妹が姉に相談するような感じで、何でも話すんです。
どうにかしてあげたいのです。
「談合坂で休む?」
「そうだね。
静かにね。せっかく寝ているから」
「運転中はできないよ」
「ヤダ~。
着いたらね」
到着後、目を覚ました娘はしっかり寝たためか、眠れなくなり、明け方までダイニングで夫とおしゃべりしていました。
私は疲れたのか、1人で寝ました。
朝日が気持ちいい。
特別な意図はなかったのですが、汗をかいたのでパジャマを脱ぎ、シャワーを浴びたあと、クリーニングされていた夫の白いワイシャツを着ました。
袖と上の2つ以外ボタンは留めています。
裸足で南ウッドデッキの窓辺に立ち、両手でマグカップを持ってコーヒーを飲んでいます。
ワイシャツ以外は、黒のショーツだけ。
私を起こしたくなかったのでしょう、夫はローソファーで寝ていました。
その夫が起きてきました。
夫は周囲を見回し、娘がいないことを確認。
私をハグしてきました。
「どうしちゃったぁ?」
「すごいそそられる」
「何でぇ?」
「光がシャツを透過して、里穂の身体がはっきりわかる。
乳首がクッキリと透けてるし」
「もぉ~。
する?」
「舞は4時まで起きていた。
まだまだ寝てるよ」
「じゃぁ、お部屋に」
「ここでいいよ」
「ダメよ」
「朝日を浴びてしたい」
私は床まである窓のガラスに手を付け、後ろを向いてお尻を突き出します。
夫はショーツを太股まで下げ、胸を鷲づかみして、入れてきました。
同時に階段を降りる音。
夫が大急ぎで抜き、私はショーツを引き上げます。
「おはよう!」
「おはよう!」
「ママ、何かかわいいね」
「そう?
ご飯食べる?」
「うん!」
「目玉焼きでいい?」
「スクランブルエッグがいい。
お味噌が入ってるやつ」
「じゃぁ、座って」
夫が残念そうで、何とも可哀想。
初日は予定がなく、掃除や庭の手入れをします。娘は四輪バギーの運転を教えてほしいらしく、私はちょっと心配。
実はご近所、500メートルくらい離れてますが、の娘よりも少し年上のお嬢さんが四輪バギーに乗っていたのです。
もちろん、公道ではなく、原野を。
娘がそれを見て、私も、と。
近くには専用のコースもあります。
今日は、庭で乗れる程度の練習です。
娘は自転車のヘルメットを被り、夫に運転の仕方を教えてもらっています。
クラッチのつなぎ方に少し苦労しましたが、すぐに運転できるようになります。
家の周りをグルグル回り、楽しそうです。
私は、それを南側のウッドデッキから見ています。
ウッドデッキにテーブルと椅子があれば、もっと楽しいかも。
私はスリムデニムのパンツを履いただけで、朝の格好のまま。ブラは付けていません。
シャツの裾は外に出していて、私の濃い乳輪が透けています。それを知っています。
ウッドデッキには、東側しか階段がありません。東のウッドデッキと南のウッドデッキはつながっていません。
防犯のためでしょう。南のウッドデッキには、室内からしかアクセスできません。
ちょっと不便です。
防犯上は仕方ないのでしょう。
娘は夢中で、グルグル回っています。
夫が南のウッドデッキに来ました。
「見ていなくていいのぅ?」
「大丈夫だ。敷地内だし」
「広いと思ったけど、狭いんだね」
「それでも我が家だ」
「そうよ!」
夫が私の乳首をシャツの上からつまんでいます。
「見られちゃうよ」
「舞は前しか見てないよ」
「夜まで待って」
「待てない。
すぐしたい」
「ダメ」
私からキスし、夫が応じましたが、いつもと違い昼間からディープでした。夫が舌を入れてきて、私が夫の舌に私の舌を絡めます。
声が出ちゃいそう。
娘はグルグル回ってます。
私もグルグル回りたい。
唐突にエンジン音がしなくなりました。
「パパぁ~、止まっちゃった」
「いま行くよう!」
あぁ、お邪魔虫。
夕食は、南のウッドデッキでバーベキューにしました。
娘が「お姉ちゃんが来ればもっと楽しいのに」と言うので、私は「お姉ちゃんは、お友だちと旅行だから来られなかったの」と説明。
娘が「友だちって、彼氏?」と尋ねた瞬間、夫の眉がピクッと。その顔は、年頃の娘のパパの顔。
笑っちゃいました。
「だといいけどね。
違うみたいよ」
私は真琴さんのためにフォローしました。
彼氏と旅行に行った妹を庇う姉みたいに……。
私も我慢の限界でした。
朝、入れられちゃった感触が残っているんです。
「寝た?」
夫の問いに私が頷きます。
夫が座るローソファーの隣に座ります。
私は上下ともパジャマでした。
夫もパジャマです。
夫は私の肩を抱くと「下だけ、脱いじゃおうよ」と。
私は黙って従います。
夫も脱ぎます。
そそり立っています。
夫が肩を抱いてきたので、身体をピタリと寄せ、左手で夫を握り、右手はウイスキーの水割りグラス。
夫の右手人差し指が、私の中へ。
夫は私のパジャマのボタンを右手だけで外し、右手中指を私の中に戻し、左の乳首を肩に回した手で摘まみます。
私はウィスキーの水割りを口にし、ホラー映画を見ながら、2人で互いの身体で遊びます。
「痛くない?」
「大丈夫だよ」
「パンパンじゃない」
「グショグショだよ」
「ヤダぁ~。
触られたら濡れるでしょ」
「こんなに濡れる?
すっごく漏れてるよ」
「え?
あ!
ダメじゃん」
「バスタオル、敷けば」
「待ってて」
私はバスタオルを2つに折り、ローソファーに敷きます。
その上に座り、また同じ体勢に。
「止めどなく出てくるね」
「触り方がエッチなのよ」
「そんな特別なことしてないよ」
「こんなこと聞くの恥ずかしいんだけど……」
「何?」
「道具とか使わないの?」
「バイブとか?」
「うん」
「使いたい?」
「それはない。経験ないし」
「ないんだ?」
「うん。ない」
「使ってみる?」
「いい」
「本当?」
「健昭は使いたいの?」
「いや、人はなるべく道具に頼らず生きるべきだ」
「何それ~」
私は大笑いして、グラスを口に付けます。
私と夫はキスしました。
だけど、2人で申し合わせたように、その先に進みません。
私はフェラしないし、夫は右乳首と私の中に入れた指1本だけで何もしません。
どっちが先にこの状況をやめるか、チキンレースみたいになっています。
夫は入れているだけ、私は握っているだけです。
我慢できなくなったのは私でした。
夫に背を向け、跨がります。何の抵抗がなく、簡単に入りました。
夫が私の胸を鷲づかみします。
私は声を出しながら、自分で上下に動きます。
夫は左手を胸から話し、クリを探します。
夫は我慢しています。私は何度も絶頂を迎えていますが、悟られないように動きます。
先にイッたら負け。
でも、私が先にギブアップ。夫が入ったまま、床に手を突き喘いでいます。
夫がバックで攻め始めます。
いつもより乱暴で、平手でお尻をぶちます。これ、意外ですが初めてだったんです。
もう感じちゃって、気が狂いそうで、だけど夫はイカなくて。
接合部から液体が漏れてるし、濡れすぎかなって思った瞬間、夫が私の中に出しました。
夫はローソファーに仰向けで、私は絨毯に俯せで倒れています。
先に回復したのは私でした。
「まだできる?」
夫はまだまだ元気。少し萎んだ程度。
「できるよ」
2人ともそのままの格好で、ベッドに入りました。
翌日は朝から雨です。豪雨ではなく、霧雨でもない、普通の雨。
午後にウッドデッキ用のテーブルと椅子をホームセンターに買いに行く予定です。
それ以外の予定はないので、3人それぞれが個々に過ごしています。
娘が階段を駆け下りてきました。
「パパ、メガラニアって何?」
子供特有の唐突な質問。
「オーストラリアにいた巨大なトカゲだよ。
大きな放浪者という意味だ。
史上最大のトカゲで、7メートルにもなった。
オーストラリアに人が渡ってきた頃まで、生息していたらしい」
夫がスラスラと答えたので、ちょっと驚きました。
「メガラニアがどうした?」
「ゲームで出てきた」
「ふ~ん」
娘が自室に戻っていきます。
トカゲは狡猾さの象徴。
夫は狡猾なメガラニアかも。
狡猾なトカゲは、執念深いヘビを恐れていません。
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