大絶滅 5年後 ~自作対空戦車でドラゴンに立ち向かう~

半道海豚

文字の大きさ
上 下
16 / 38
第1章 東京脱出

01-016 獲物

しおりを挟む

「お出ましか…蛇竜サラマンダー。」

 スッと自然な流れで構えをとった。そして改めてサラマンダーを観察する。

 デカイ……剥製にされていた子どものサラマンダーとは比べ物にならない。

 そして一番特徴的なのはだ。あの剥製には腕なんて生えていなかった。
 だとすれば成熟した大人のサラマンダーにしか生えていないものなのだろう。あれで掴まれたら握り潰されてしまうだろうな。

「さて、ラン…俺が何とか近接で相手をしてみるから、後ろから魔法で攻撃してくれ。アイツには普通の物理攻撃は効かないらしいからな。」

「わかったわ。」

「じゃあ頼んだぞッ!!」

 強く地面を蹴り、空中へと跳び上がる。サラマンダーの顔面を攻撃するためだ。

「シャアッ!!」

 サラマンダーは近付いてくる俺を丸呑みにしようと、大きな口を開けてこちらへ首を伸ばしてきた。

「フッ!!」

 空中で、体を捻り迫り来るサラマンダーの顎を蹴りあげた。
 衝撃で大きく仰け反ったサラマンダーをランの魔法が追撃する。

「フロストサイクロン!!」

 切れ味の鋭い無数の氷の結晶が、竜巻のように回転しサラマンダーに直撃する。
 それによって浅い傷ではあるがサラマンダーの体表に切り傷がつく。

 聞いていた通り、魔法が弱点のようだな。

 一度地面に着地し、再び距離を詰めようとしたが……。

「ッ!!」

 目の前にサラマンダーの酸がぶちまけられた。ジュウジュウと煙を上げて、目の前の地面が溶けていく。

 不味い、こっちは風下か。煙がこちらへと向かって流れてきている。
 風上へ向かって俺は即座に走り出した。俺を追ってサラマンダーは次々と酸を吐きかけてくる。

 飛んでくる酸を躱しながら、なんとか風上に着くと辺りは色んな場所が酸によって溶けジュウジュウと煙が立ち込めていた。
 風上とはいえ、なるべくあの煙は吸わないようにしないとな。

 改めてサラマンダーに向き直ると、サラマンダーは不気味な笑みを浮かべていた。
 その瞬間背筋をゾクゾクッと悪寒が襲う。

(なにかヤバイのが来るッ!! )

 警戒を強めているとサラマンダーは大きく口を開けてブレスの構えをとった。
 そして、先程辺りにばらまいていた酸に向かって炎のブレスを放ったのだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

処理中です...