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トゥートゥーツーツー!3、・・・え?次?
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菩薩(ぼさつ)様たちをよく見ると、それぞれ身体の一部分が無かった。ある菩薩(ぼさつ)様は両足が無く、またある菩薩(ぼさつ)様は両腕が無い。四肢が全部無い菩薩(ぼさつ)様もいた。みんなそれぞれ身体のどこかしらが無く、みんな私を見て笑っていた。これは・・・?
『トゥートゥーツーツー。気付いた?この菩薩(ぼさつ)様たちは今、療養中なの。現世でのおつとめで、その身に受けた現実を一生懸命受けとめて、それでもなお笑ってる。トゥートゥーツーツー。菩薩(ぼさつ)様たちの声を聞いてみて。』
(アハハ・・・!)
(ウフフフ・・・。)
菩薩(ぼさつ)様からする子どもの笑い声。あの世もなかなか気持ちがわるいのかもな。他の人からすれば。しかし、私は欠損した四肢の菩薩(ぼさつ)様たちをなんだか美しいと思っていた。他の人とは違う、変わった感覚を持つ私。気持ちがわるい。
(あなた、ここでなにをしてるの・・・?)
(わぁ、あなた。しあわせものだねえ。)
菩薩(ぼさつ)様たちの声は少し篭(こも)って聞こえる。
しあわせ?・・・死合わせ?いや、幸せだと言うの?私が?自殺した私を幸せだと言うのか。何をしてるのかって言われたって、死にたての新人ですから。右も左も、全方向わからずにここにいるだけだ。
(わあ、なんてりっぱなあし!)
両足の無い菩薩(ぼさつ)様が言う。
(おーすごい、じゆうにうごかせるうでをもってるんだ!よかったね!)
両腕の無い菩薩(ぼさつ)様が言う。
(わたしにはみえないけれど、あなたにはこのせかいのけしきがみえているのでしょう?すてきなことだね。)
両目が見えない菩薩(ぼさつ)様が言う。
なんだか喉の奥から胸までが詰まるようだ。菩薩(ぼさつ)様たちの言葉からは、嫉妬や嫌味など感じない。本当に純粋に素直な気持ちですてきだと言っているのが伝わってくる。私の身体は菩薩(ぼさつ)様たちと比べれば完全に充足していた。
なんだこれは戒めか。ノウネムはこんな状況を私に見せて、何かを伝えようとしている?・・・。私がっ、しあわせだとッ・・・?!
・・・よし、聞いてやる。ノウネムよ、私と菩薩(ぼさつ)様たちとの会話をきくがいい。世界の気持ちわるさ。なにより私の気持ちわるさを知るがいい。
「・・・ねぇ、菩薩(ぼさつ)様。貴方たちは今、しあわせですか?」
菩薩(ぼさつ)様たちは笑いながら答える。
(アハハ・・・!そのといのこたえはあなたのなかにある。)
(ウフフフ・・・。あなたがわたしたちをしあわせだとおもうのならばそうだし、そうでないとおもうのならばそうだよ。)
(ことばはおもいをつたえるにはとってもふべん。)
(だから、あなたがおもうけつろんをしんじていいんだよ。)
菩薩(ぼさつ)様たちは笑っている。とっても・・・しあわせそうに・・・。
私は菩薩(ぼさつ)様たちが私を恨めしく見ているのではないかと思っていた。自分たちの状況から、菩薩(ぼさつ)様たちからはなにか黒い感情の言葉が出てくる事を期待していた。
私は菩薩(ぼさつ)様たちの言葉をそのまま受け入れ、私の思った結論を菩薩(ぼさつ)様たちの答えとした。
私の身体(しんたい)だけは間違いなく充足していて、しあわせなのかもな・・・。
私は自分の考えをそのまま受け入れ、私の思った結論を私の答えとした。
そしてあの世は、気持ちわるくはない。そう思った。
『トゥートゥーツーツー!!るり子さん、じゃあ次へいくよ!!!トゥートゥートゥートゥー!!!!』
・・・え?次?
そうノウネムが言うと菩薩(ぼさつ)様たちと絢爛豪華なベッドと私と病室のような部屋は、全部まっ白なとてつもない光に包まれた。まっ白なモノとして、私たちはみんなまざって無くなってしまった。
『トゥートゥーツーツー。気付いた?この菩薩(ぼさつ)様たちは今、療養中なの。現世でのおつとめで、その身に受けた現実を一生懸命受けとめて、それでもなお笑ってる。トゥートゥーツーツー。菩薩(ぼさつ)様たちの声を聞いてみて。』
(アハハ・・・!)
(ウフフフ・・・。)
菩薩(ぼさつ)様からする子どもの笑い声。あの世もなかなか気持ちがわるいのかもな。他の人からすれば。しかし、私は欠損した四肢の菩薩(ぼさつ)様たちをなんだか美しいと思っていた。他の人とは違う、変わった感覚を持つ私。気持ちがわるい。
(あなた、ここでなにをしてるの・・・?)
(わぁ、あなた。しあわせものだねえ。)
菩薩(ぼさつ)様たちの声は少し篭(こも)って聞こえる。
しあわせ?・・・死合わせ?いや、幸せだと言うの?私が?自殺した私を幸せだと言うのか。何をしてるのかって言われたって、死にたての新人ですから。右も左も、全方向わからずにここにいるだけだ。
(わあ、なんてりっぱなあし!)
両足の無い菩薩(ぼさつ)様が言う。
(おーすごい、じゆうにうごかせるうでをもってるんだ!よかったね!)
両腕の無い菩薩(ぼさつ)様が言う。
(わたしにはみえないけれど、あなたにはこのせかいのけしきがみえているのでしょう?すてきなことだね。)
両目が見えない菩薩(ぼさつ)様が言う。
なんだか喉の奥から胸までが詰まるようだ。菩薩(ぼさつ)様たちの言葉からは、嫉妬や嫌味など感じない。本当に純粋に素直な気持ちですてきだと言っているのが伝わってくる。私の身体は菩薩(ぼさつ)様たちと比べれば完全に充足していた。
なんだこれは戒めか。ノウネムはこんな状況を私に見せて、何かを伝えようとしている?・・・。私がっ、しあわせだとッ・・・?!
・・・よし、聞いてやる。ノウネムよ、私と菩薩(ぼさつ)様たちとの会話をきくがいい。世界の気持ちわるさ。なにより私の気持ちわるさを知るがいい。
「・・・ねぇ、菩薩(ぼさつ)様。貴方たちは今、しあわせですか?」
菩薩(ぼさつ)様たちは笑いながら答える。
(アハハ・・・!そのといのこたえはあなたのなかにある。)
(ウフフフ・・・。あなたがわたしたちをしあわせだとおもうのならばそうだし、そうでないとおもうのならばそうだよ。)
(ことばはおもいをつたえるにはとってもふべん。)
(だから、あなたがおもうけつろんをしんじていいんだよ。)
菩薩(ぼさつ)様たちは笑っている。とっても・・・しあわせそうに・・・。
私は菩薩(ぼさつ)様たちが私を恨めしく見ているのではないかと思っていた。自分たちの状況から、菩薩(ぼさつ)様たちからはなにか黒い感情の言葉が出てくる事を期待していた。
私は菩薩(ぼさつ)様たちの言葉をそのまま受け入れ、私の思った結論を菩薩(ぼさつ)様たちの答えとした。
私の身体(しんたい)だけは間違いなく充足していて、しあわせなのかもな・・・。
私は自分の考えをそのまま受け入れ、私の思った結論を私の答えとした。
そしてあの世は、気持ちわるくはない。そう思った。
『トゥートゥーツーツー!!るり子さん、じゃあ次へいくよ!!!トゥートゥートゥートゥー!!!!』
・・・え?次?
そうノウネムが言うと菩薩(ぼさつ)様たちと絢爛豪華なベッドと私と病室のような部屋は、全部まっ白なとてつもない光に包まれた。まっ白なモノとして、私たちはみんなまざって無くなってしまった。
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