31 / 45
【 王子との婚約は多くの国民に祝福された 】
王子との婚約
しおりを挟む
広い庭を抜け、いよいよ本城の入り口に入ろうと降りた時、入り口には2人の男性が立っていた。
あ、立っていたと言うのはおかしいわね。待っていたというべきだわ。
「お二方とも、お久しぶりですね」
「お久しぶりでございます。本日はこのような良き日を迎えられた事、心より祝福申しあげます」
「いよいよこの日を迎えられましたね。おめでとうございます」
「こちらこそ、わたくしの為にこのような席をご用意いただき光栄でございますわ」
深々と礼をするクラウシェラに対し、2人の男性も同様の礼をする。
普通ならもっと沢山いた配下や侍女が案内するものだけど、あくまでゲームの世界。
彼らがこれから王子との婚約会見場まで案内するのね。
向かって右にいる最初に話しかけてきた水色の髪の男性が3賢人の1人、ノーステッド・アイフォンス。
因みに3賢人っていうのは5武行典みたいな特殊な人じゃなくて、この国の財政を司る3人の事。こっちは神に選ばれた特別な人では無くて、あくまで役職なのよね。
彼は内政財務長官。実際には財務だけじゃなくて政治にもアドバイスを出すから賢人なのだけど、この国は立憲君主制。基本的な政治は国王と貴族が決めるのよね。
髪はさっき言ったように水色で、瞳は美しいブルー。
知的な方メガネがワンポイントね。
でも若いから、まだちょっと似合わないかも。
何せまだ17歳。世襲制ではなく能力制。但し貴族かどうかが大きなポイント。
そんな世界にあって、庶民から抜擢された神童よ。
背は確か設定では174センチね。
決して低くはないけど、この世界は背の高い人が多いし、体の線も細くて童顔だからちょっと見劣りするかも。
まあ物凄い美形だし、そこが良いってファンも多いのよね。
もう一人は王子お付きの一人にして、将来は王子直下となる近衛騎士隊の隊長。
名前はケンロット・ウルス・ウィルヘミナ。領地は持たないけど、正式な騎士の一人ね。
だから ウィルヘミナ卿と呼んだ方が良いかしら。そんなガラじゃないけど。
クラウシェラと初めて会った時は、まだ王宮第4近衛隊副隊長見習いって立場だってストーリーに出て来たわね。
この王宮第4近衛隊って言うのが王子直属の部隊なの。
まあ王子もクラウシェラと共に学園入りするから、彼の地位も学園の警備隊長というものになるのだけど。
身長は185センチ。筋骨隆々と言う訳では無きけど、当然物凄く鍛えられている。
それに立てた錆色の髪に鋭い目つき。普段の口調はチンピラそのもので、いつも酒場に入り浸っている。
しかも職務の関係で、出迎えなのに鎧を着て帯剣もしている。
何と言うか、全体的に圧が強い人よね。
まあ攻略対象なだけに、それはそれでイケメンだけどね。
ちなみにだけど、歳は22歳よ。
一通りの挨拶を済ませた後、3人は場内へと入った。
入ってすぐはメインホール。
城から少しせり出したここはお客をもてなす為の場所で、煌びやかな装飾が過剰な程に施されたテーブルやソファーなどの調度品、幾つもの扉、それに入り口の右横に上への階段。左奥には地下への階段がある。
見えないようになっているけど、実は階段には落とし格子もあるのよね。
豪華な接待用のお城と言っても、やっぱり城は城。守りは固いのよ。
実際に、幾つかのエンディングではここでクラウシェラの軍勢と戦うからよく覚えてる。
そう考えると、本当になんでこんな状況になったのやら。
……なーんて、今更不満はないけどね。
入り口のホールを右に曲がると、外にせり出した上へ上る階段がある。
そこには踏むのも躊躇われる様な贅沢な絨毯が敷かれ、左右には頭を下げたままの侍女たちと、逆に直立する非武装の兵士が並んでいた。
でも兵士達は目を合わせようとはしない。まあそれが礼儀だしね。
あ、ちなみにオーキスをはじめ、公爵領から連れて来た兵士は全員外で待機よ。
そのままぐるっと踊り場で回って2階に行くと、同じ感じで3階へ。
自分で歩くわけじゃないけど、豪華なドレスに高いヒールのクラウシェラにとってはなかなかに大変ね。
3階からは絵画を飾った長い廊下。
ここもゲームで何度も通った思い出。
見知った場所が増えるたびに、いよいよその日が近づいているんだなと実感する。
どんどん、ゲームの舞台へと近づいている。
あと半年で、本番が始まるんだ。
とか考えていたが、正面の扉が開いたと同時に思考が吹っ飛んだ。
大音響でならされる歓迎のファンファーレ。
音に叩かれるように感じるほどに響いて来る無数の拍手。
なんかものすごい圧力を感じちゃう。
中は王の謁見室。
左右の壁には楽団。その前には謁見の間に集まった各地の領主や有力者たち。
奥は高台になっており、そこには王様と王妃、そして王子の妹である王女フェリス・フレンゼル・クリーアラントが座っている。
だけど今日の主役はそうじゃない。
王様たちの前に立つのは、この国の王子にして次期国王、マルクス・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラント。
魅惑の微笑みをたたえながらクラウシェラに右手を伸ばす。
そうか……この頃は、あの微笑みは彼女に向けられていたんだ。
何だろうか、心が痛む。
クラウシェラの境遇。受け入れた運命と覚悟。それをこのにやけたクソ王子が全部反故にしたんだ。
させたのはあたしだけど、それは置いておこう。そういうゲームだったんだし。
周囲からの歓迎と値踏み、それに畏怖の混ざった視線と音の圧力の中、クラウシェラは堂々と進んでいく。
場は一転して静寂に包まれ、さっきまでの喧騒が嘘のよう。
そして王子の前まで行くと、一礼し跪きながら王子の手にキスをする。
すると今度は逆に、クラウシェラが立ち上がり王子が跪き右手の薬指に質素だが見事なレリーフが施された指輪をはめる。
これで儀式は完了。事前にクラウシェラから聞いていたとおりね。
それと同時に再び巻き起こる拍手とファンファーレ。それに加え、誰もがそれぞれの言葉で婚約の祝辞を叫ぶ。
しかし、王様が立ち上がると一斉に静まり返る。
そして高らかに宣誓した。
「これより、ティルスロン王国国王リヴァン・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラントの息子マルクス・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラントは、ジオードル・ローエス・エルダーブルグ公爵の娘、クラウシェラ・ローエス・エルダーブルグとの婚約が決定された。神よ御照覧あれ! この前途ある若き二人に祝福を!」
再び湧き上がる大歓声。
笑顔で手を振る二人。
だけど、圧倒されたのは最初だけ。
何だろうか、薄っぺらく感じる。この後の事を知っているからかな?
そしてそれはクラウシェラも同じ……ではあるのだけども、表向きは歓喜の笑顔を浮かべていながら、そうとうな不快感を感じているわね。
心の中では婚約を破棄される前にどうやって王子を亡き者にしようか考えている。
何と言うか、さすがだわ。
あ、立っていたと言うのはおかしいわね。待っていたというべきだわ。
「お二方とも、お久しぶりですね」
「お久しぶりでございます。本日はこのような良き日を迎えられた事、心より祝福申しあげます」
「いよいよこの日を迎えられましたね。おめでとうございます」
「こちらこそ、わたくしの為にこのような席をご用意いただき光栄でございますわ」
深々と礼をするクラウシェラに対し、2人の男性も同様の礼をする。
普通ならもっと沢山いた配下や侍女が案内するものだけど、あくまでゲームの世界。
彼らがこれから王子との婚約会見場まで案内するのね。
向かって右にいる最初に話しかけてきた水色の髪の男性が3賢人の1人、ノーステッド・アイフォンス。
因みに3賢人っていうのは5武行典みたいな特殊な人じゃなくて、この国の財政を司る3人の事。こっちは神に選ばれた特別な人では無くて、あくまで役職なのよね。
彼は内政財務長官。実際には財務だけじゃなくて政治にもアドバイスを出すから賢人なのだけど、この国は立憲君主制。基本的な政治は国王と貴族が決めるのよね。
髪はさっき言ったように水色で、瞳は美しいブルー。
知的な方メガネがワンポイントね。
でも若いから、まだちょっと似合わないかも。
何せまだ17歳。世襲制ではなく能力制。但し貴族かどうかが大きなポイント。
そんな世界にあって、庶民から抜擢された神童よ。
背は確か設定では174センチね。
決して低くはないけど、この世界は背の高い人が多いし、体の線も細くて童顔だからちょっと見劣りするかも。
まあ物凄い美形だし、そこが良いってファンも多いのよね。
もう一人は王子お付きの一人にして、将来は王子直下となる近衛騎士隊の隊長。
名前はケンロット・ウルス・ウィルヘミナ。領地は持たないけど、正式な騎士の一人ね。
だから ウィルヘミナ卿と呼んだ方が良いかしら。そんなガラじゃないけど。
クラウシェラと初めて会った時は、まだ王宮第4近衛隊副隊長見習いって立場だってストーリーに出て来たわね。
この王宮第4近衛隊って言うのが王子直属の部隊なの。
まあ王子もクラウシェラと共に学園入りするから、彼の地位も学園の警備隊長というものになるのだけど。
身長は185センチ。筋骨隆々と言う訳では無きけど、当然物凄く鍛えられている。
それに立てた錆色の髪に鋭い目つき。普段の口調はチンピラそのもので、いつも酒場に入り浸っている。
しかも職務の関係で、出迎えなのに鎧を着て帯剣もしている。
何と言うか、全体的に圧が強い人よね。
まあ攻略対象なだけに、それはそれでイケメンだけどね。
ちなみにだけど、歳は22歳よ。
一通りの挨拶を済ませた後、3人は場内へと入った。
入ってすぐはメインホール。
城から少しせり出したここはお客をもてなす為の場所で、煌びやかな装飾が過剰な程に施されたテーブルやソファーなどの調度品、幾つもの扉、それに入り口の右横に上への階段。左奥には地下への階段がある。
見えないようになっているけど、実は階段には落とし格子もあるのよね。
豪華な接待用のお城と言っても、やっぱり城は城。守りは固いのよ。
実際に、幾つかのエンディングではここでクラウシェラの軍勢と戦うからよく覚えてる。
そう考えると、本当になんでこんな状況になったのやら。
……なーんて、今更不満はないけどね。
入り口のホールを右に曲がると、外にせり出した上へ上る階段がある。
そこには踏むのも躊躇われる様な贅沢な絨毯が敷かれ、左右には頭を下げたままの侍女たちと、逆に直立する非武装の兵士が並んでいた。
でも兵士達は目を合わせようとはしない。まあそれが礼儀だしね。
あ、ちなみにオーキスをはじめ、公爵領から連れて来た兵士は全員外で待機よ。
そのままぐるっと踊り場で回って2階に行くと、同じ感じで3階へ。
自分で歩くわけじゃないけど、豪華なドレスに高いヒールのクラウシェラにとってはなかなかに大変ね。
3階からは絵画を飾った長い廊下。
ここもゲームで何度も通った思い出。
見知った場所が増えるたびに、いよいよその日が近づいているんだなと実感する。
どんどん、ゲームの舞台へと近づいている。
あと半年で、本番が始まるんだ。
とか考えていたが、正面の扉が開いたと同時に思考が吹っ飛んだ。
大音響でならされる歓迎のファンファーレ。
音に叩かれるように感じるほどに響いて来る無数の拍手。
なんかものすごい圧力を感じちゃう。
中は王の謁見室。
左右の壁には楽団。その前には謁見の間に集まった各地の領主や有力者たち。
奥は高台になっており、そこには王様と王妃、そして王子の妹である王女フェリス・フレンゼル・クリーアラントが座っている。
だけど今日の主役はそうじゃない。
王様たちの前に立つのは、この国の王子にして次期国王、マルクス・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラント。
魅惑の微笑みをたたえながらクラウシェラに右手を伸ばす。
そうか……この頃は、あの微笑みは彼女に向けられていたんだ。
何だろうか、心が痛む。
クラウシェラの境遇。受け入れた運命と覚悟。それをこのにやけたクソ王子が全部反故にしたんだ。
させたのはあたしだけど、それは置いておこう。そういうゲームだったんだし。
周囲からの歓迎と値踏み、それに畏怖の混ざった視線と音の圧力の中、クラウシェラは堂々と進んでいく。
場は一転して静寂に包まれ、さっきまでの喧騒が嘘のよう。
そして王子の前まで行くと、一礼し跪きながら王子の手にキスをする。
すると今度は逆に、クラウシェラが立ち上がり王子が跪き右手の薬指に質素だが見事なレリーフが施された指輪をはめる。
これで儀式は完了。事前にクラウシェラから聞いていたとおりね。
それと同時に再び巻き起こる拍手とファンファーレ。それに加え、誰もがそれぞれの言葉で婚約の祝辞を叫ぶ。
しかし、王様が立ち上がると一斉に静まり返る。
そして高らかに宣誓した。
「これより、ティルスロン王国国王リヴァン・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラントの息子マルクス・フレンゼル・カーヴァ・クリーアラントは、ジオードル・ローエス・エルダーブルグ公爵の娘、クラウシェラ・ローエス・エルダーブルグとの婚約が決定された。神よ御照覧あれ! この前途ある若き二人に祝福を!」
再び湧き上がる大歓声。
笑顔で手を振る二人。
だけど、圧倒されたのは最初だけ。
何だろうか、薄っぺらく感じる。この後の事を知っているからかな?
そしてそれはクラウシェラも同じ……ではあるのだけども、表向きは歓喜の笑顔を浮かべていながら、そうとうな不快感を感じているわね。
心の中では婚約を破棄される前にどうやって王子を亡き者にしようか考えている。
何と言うか、さすがだわ。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜
ひろのひまり
恋愛
生まれ変わったらそこは異世界だった。
沢山の魔力に助けられ生まれてこれた主人公リリィ。彼女がこれから生きる世界は所謂乙女ゲームと呼ばれるファンタジーな世界である。
だが、彼女はそんな情報を知るよしもなく、ただ普通に過ごしているだけだった。が、何故か無関係なはずなのに乙女ゲーム関係者達、攻略対象者、悪役令嬢等を無自覚に誑かせて関わってしまうというお話です。
モブなのに魔法チート。
転生者なのにモブのド素人。
ゲームの始まりまでに時間がかかると思います。
異世界転生書いてみたくて書いてみました。
投稿はゆっくりになると思います。
本当のタイトルは
乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙女ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか?〜
文字数オーバーで少しだけ変えています。
なろう様、ツギクル様にも掲載しています。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
悪役令嬢は所詮悪役令嬢
白雪の雫
ファンタジー
「アネット=アンダーソン!貴女の私に対する仕打ちは到底許されるものではありません!殿下、どうかあの平民の女に頭を下げるように言って下さいませ!」
魔力に秀でているという理由で聖女に選ばれてしまったアネットは、平民であるにも関わらず公爵令嬢にして王太子殿下の婚約者である自分を階段から突き落とそうとしただの、冬の池に突き落として凍死させようとしただの、魔物を操って殺そうとしただの──・・・。
リリスが言っている事は全て彼女達による自作自演だ。というより、ゲームの中でリリスがヒロインであるアネットに対して行っていた所業である。
愛しいリリスに縋られたものだから男としての株を上げたい王太子は、アネットが無実だと分かった上で彼女を断罪しようとするのだが、そこに父親である国王と教皇、そして聖女の夫がやって来る──・・・。
悪役令嬢がいい子ちゃん、ヒロインが脳内お花畑のビッチヒドインで『ざまぁ』されるのが多いので、逆にしたらどうなるのか?という思い付きで浮かんだ話です。
【完結】目覚めたらギロチンで処刑された悪役令嬢の中にいました
桃月とと
恋愛
娼婦のミケーラは流行り病で死んでしまう。
(あーあ。贅沢な生活してみたかったな……)
そんな最期の想いが何をどうして伝わったのか、暗闇の中に現れたのは、王都で話題になっていた悪女レティシア。
そこで提案されたのは、レティシアとして贅沢な生活が送れる代わりに、彼女を陥れた王太子ライルと聖女パミラへの復讐することだった。
「復讐って、どうやって?」
「やり方は任せるわ」
「丸投げ!?」
「代わりにもう一度生き返って贅沢な暮らしが出来るわよ?」
と言うわけで、ミケーラは死んだはずのレティシアとして生き直すことになった。
しかし復讐と言われても、ミケーラに作戦など何もない。
流されるままレティシアとして生活を送るが、周りが勝手に大騒ぎをしてどんどん復讐は進んでいく。
「そりゃあ落ちた首がくっついたら皆ビックリするわよね」
これはミケーラがただレティシアとして生きただけで勝手に復讐が完了した話。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
【完結】何度出会ってもやっぱり超絶腹黒聖職者
との
恋愛
「えーっ、戻るのここから?」
(もう少しマシなとこからはじめたかったなぁ⋯⋯と思うんですよ)
人生ハードモードだったローザリアは前世を思い出しながら『はぁ』と大きく溜息をついた。自分の意思で途中下車したけど、アレをやり直しはしたくない!
前世を繰り返しながらやり直しじゃなくて、前世を踏まえてNEWローザリアにバージョンアップしちゃえ。
平民になって『ただいま〜』って帰る家を持つの。家族と一緒にご飯を食べて⋯⋯そんな夢を叶える為、今回別バージョンのローザリアで頑張りまっす。
前回は助けてもらうばかりだったけど、2回目は戦います。
(大人のナスタリア神父かっこよかったけど、14歳のナスタリア助祭は超可愛い)
「私ですか? 腹黒聖職者と呼ばれるナスタリアと申します。ローザリア様? ポヤポヤし過ぎで余裕で囲い込みできますね。まあ、そう言う私も恋愛未経験者ですから⋯⋯おじさん、揶揄うのはやめろぉ!」
割とシリアス、少し真面目なストーリー。緩々の精霊王と可愛い精霊達に癒されつつ、脳筋・腹黒・能面⋯⋯超絶有能な大人達と出会い漸く世界に足を踏み出すローザリアの冒険譚。
「夢は⋯⋯お母さんって呼びたいかな」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済。
R15は念の為・・
タイトル変更しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる