Lv.

雪鳴月彦

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第三章:罪人の記し

罪人の記し 3

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 ――私物のチェック、か。

 探偵でも気取っているつもりなのか、イレギュラーである白髪の男を見つめながら内心ほくそ笑む。

 鍵が無くなったと認識された時点で、荷物を調べようと言いだす者が現れるのは想定済み。

 むしろ、誰も言いださなければ自分から発言してやろうと計画していたくらいだ。

 マスターキーが完全に紛失したとなれば、全員が更なる混乱に陥るはず。

 そうなれば、次は疑心暗鬼だ。

 犯人が誰かもわからない。いつ自分が狙われるかもわからない。

 島からは出られず、部屋に閉じこもることすらも安全でなくなれば、平常心でいることなど不可能。

 鍵もカードも、見つかって不利になるアイテムは既に“あの場所”に隠した。ばれることなんかそう簡単にはあり得ない。

 全て順調だ。このまま確実に全招待客を断罪してやろう。

 次のターゲット、Lv.4の罪人を横目で見つめ、ほんの微かに口元を緩めた。
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