病み憑き

雪鳴月彦

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第四章:風岡夏純――②

風岡夏純――②

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 その反応に内心うんざりする気落ちを芽生えさせながら、わたしは喉まで出かけたため息の代わりに諭すような言葉を吐き出す。

「あのさ、茜。あんた本当にどうしたのよ? いつもは冷静に振る舞ってるくせに、意外と小心者だったの? 呪いとか祟りとか、そんな非現実的なものこの世に存在するわけない。愛の死因だって、これから警察だか医者だかが調べてすぐにはっきりすること。わたしたちが消えた二人を見つけ出して真美の妹黙らせればそれで解決するんだから、そんなくだらないことで怖気づいてないでよ」

 若干強い口調になってしまったと自覚するも、仕方がないと正当化しておく。

 これくらいは言っておかなければ、捜索の土壇場で尻込みされそうで不安になってきてしまう。

「とにかくさ、後で集まってから改めて話をしよ? 晴樹たちも一緒の方が、気分的にも違うでしょ」

「……ええ、そうね」

「うん。じゃあ、また後で」
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