241 / 341
第四章:風岡夏純――②
風岡夏純――②
しおりを挟む
そんな二人を交互に見てから、わたしはわざと大きなため息をついた。
「何かよくわかんないけど、そういう貴秀たちとは関係ない話今はいらないでしょ。話題を戻すけど、貴秀たちを探す方法、茜が言ったように警察が活動してない夜に実行するのが間違いないかもね。グズグズしてらんないし、今日の夜早速探しに行きたいところだけど、皆はどう?」
「え? 今日って、この後行くの?」
「モタモタしてたら警察が来ちゃうでしょ? 絶対先に二人を見つけて妹の口を封じないと。これからの人生台無しにしたい?」
強引とも取れるだろうわたしの提案に、三人とも戸惑った気配を窺わせるも、こちらとしてはそんなことに構っていられる余裕がない。
万引きが見つかって補導とか、自分たちが直面してるのはそんなレベルの問題ではないのだ。
いじめの内容と、それによる自殺。その真実を知った妹の復讐。
そういったものが明るみになれば、ニュースにだって取り上げられかねない。
「何かよくわかんないけど、そういう貴秀たちとは関係ない話今はいらないでしょ。話題を戻すけど、貴秀たちを探す方法、茜が言ったように警察が活動してない夜に実行するのが間違いないかもね。グズグズしてらんないし、今日の夜早速探しに行きたいところだけど、皆はどう?」
「え? 今日って、この後行くの?」
「モタモタしてたら警察が来ちゃうでしょ? 絶対先に二人を見つけて妹の口を封じないと。これからの人生台無しにしたい?」
強引とも取れるだろうわたしの提案に、三人とも戸惑った気配を窺わせるも、こちらとしてはそんなことに構っていられる余裕がない。
万引きが見つかって補導とか、自分たちが直面してるのはそんなレベルの問題ではないのだ。
いじめの内容と、それによる自殺。その真実を知った妹の復讐。
そういったものが明るみになれば、ニュースにだって取り上げられかねない。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
インター・フォン
ゆずさくら
ホラー
家の外を何気なく見ているとインターフォンに誰がいて、何か細工をしているような気がした。
俺は慌てて外に出るが、誰かを見つけられなかった。気になってインターフォンを調べていくのだが、インターフォンに正体のわからない人物の映像が残り始める。
蜥蜴の尻尾切り
柘榴
ホラー
中学3年生の夏、私はクラスメイトの男の子3人に犯された。
ただ3人の異常な性癖を満たすだけの玩具にされた私は、心も身体も壊れてしまった。
そして、望まない形で私は3人のうちの誰かの子を孕んだ。
しかし、私の妊娠が発覚すると3人はすぐに転校をして私の前から逃げ出した。
まるで、『蜥蜴の尻尾切り』のように……私とお腹の子を捨てて。
けれど、私は許さないよ。『蜥蜴の尻尾切り』なんて。
出来の悪いパパたちへの再教育(ふくしゅう)が始まる。
ゾバズバダドガ〜歯充烏村の呪い〜
ディメンションキャット
ホラー
主人公、加賀 拓斗とその友人である佐々木 湊が訪れたのは外の社会とは隔絶された集落「歯充烏村」だった。
二人は村長から村で過ごす上で、絶対に守らなければならない奇妙なルールを伝えられる。
「人の名前は絶対に濁点を付けて呼ばなければならない」
支離滅裂な言葉を吐き続ける老婆や鶏を使ってアートをする青年、呪いの神『ゾバズバダドガ』。異常が支配するこの村で、次々に起こる矛盾だらけの事象。狂気に満ちた村が徐々に二人を蝕み始めるが、それに気付かない二人。
二人は無事に「歯充烏村」から抜け出せるのだろうか?
【完結】私は彼女になりたい
青井 海
ホラー
丹後アヤメは凛とした女の子。
かたや桃井雛子は守ってあげたくなるかわいらしい女の子。
アヤメは、嫌われているわけでなく、近寄りがたいのだ。
いつも友達に囲まれ、ニコニコと楽しそうな雛子が羨ましい。
アヤメは思う。
『私は彼女になりたい』
雛子も同じように思っていた。
ある時、神社をみつけた雛子は願ってしまう。
信者奪還
ゆずさくら
ホラー
直人は太位無教の信者だった。しかし、あることをきっかけに聖人に目をつけられる。聖人から、ある者の獲得を迫られるが、直人はそれを拒否してしまう。教団に逆らった為に監禁された直人の運命は、ひょんなことから、あるトラック運転手に託されることになる……
コルチカム
白キツネ
ホラー
都会から遠く、遠く離れた自然が多い田舎町。そんな場所に父親の都合で転校することになった綾香は3人の友人ができる。
少し肌寒く感じるようになった季節、綾香は季節外れの肝試しに誘われた。
4人で旧校舎に足を踏み入れると、綾香たちに不思議な現象が襲い掛かる。
微ホラーです。
他小説投稿サイト様にも掲載しております。
誰もいない城
月芝
ホラー
気がついたら見知らぬ場所にいた。
暗い部屋の中、自分がどこの誰か、名前すらも思い出せない。
冷たい石の壁と床。
廊下より聞こえてくる不気味な音。
顔が映らない姿見。
失われた記憶。
パニックに陥りそうな状況下にあって、
目に入ったのは小さな明かりとりの穴から差し込む、わずかな月明かり。
優しい月光に惹かれるようにして壁の穴へと近づき、のぞいた先。
そこにあったのは……。
ここにあるのは明けない夜と混沌と怪異のみ。
泣こうがわめこうが誰も助けてくれはしない。
頼れるのは己だけ。
跋扈する異形。
惜しみなく注がれるのは、絶望と恐怖。
ようこそ、理不尽な世界へ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる