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【第4章】 三日月峠の戦い
13 日記の評価と分析③
しおりを挟む「カーナ、伝え忘れていたのだが№2を作っておけ。今もそうだが、お前がいない時にお前の代わりを務めれるやつがいたほうが勝手がよい」
「№2ですか、実力ならカイルですかね」
「それは絶対ダメだ」
言い切るマリアンヌ。
「やつはあのガタイの割に頭もキレるし、勘も鋭い、決断力もあるし、何より人を引っ張っていく強引さを持っている。しかし、日記を読む限り短気すぎる。№2をやつにするとふとした事で部隊の崩壊すらありえる」
マリアンヌは更に付け加える
「やつのことは獰猛なペットぐらいに思っておけ、大した権限は与えるな。たまに褒美をくれてやる程度でよい。それよりも我が気になったのは、眼鏡のやつだ」
「えっ、眼鏡?」
「お前の日記にはそう書いてあった、丸眼鏡の押したら倒れそうなひょろひょろした男と」
「ああ、あいつですか! 確か名前は…」
「名前なんかどうでもよい、読んだ限りあいつが一番冷静で№2には持って来いではないか?」
「やつは止めておいた方がいいかと」
「なぜだ?」
「えっと…勘です。 何か企んでいるような気がしますので」
「勘かよ、しかしお前の勘は当たりそうな気がするな…」
マリアンヌはそう言うと日記のページをパラパラとめくり、眼鏡の出てきた一文に目を走らせる。
「日記を読む限り、眼鏡がカイルを殺させなかった理由は2つ。 1つ目はカーナに、いや、その先にいる我にゴマをするため、自分の存在感を見せ付けるために取った行動。もしそうなら、眼鏡の思惑は見事にハマッているな、実際に我がそいつを№2にしてはどうだと言ったわけだから。 2つ目の理由はいつか我を裏切るためにカイルが使えると思ったから殺させなかった。カイルにも恩を売れるしな」
「あの野郎、帰ったらすぐに八つ裂きにしてミンチにしてやる」
このままだとマジでこいつは帰ったらやりそうだな。
「いや、まだ分からん。実際会ってみないとこれ以上は判断できんよ。つまり、まだ殺すなよ」
「あ、はい、分かりました。 あとは気になるのは…シア」
そう言うとハッと思い出したかのように
「マリアンヌ様、シアですが、やつは凄いですよ! 私には及ばないながらも、何か覚醒したら、囚人の誰よりも強くなります!」
シア?ああ、日記にも度々出てきた大量殺人の少年か。
「さすがですマリアンヌ様! シアのことを見抜いてらっしゃったとは!」
あの段階でそんなのを見抜けるわけが無いのだが、ここはあえてこう断言しておこう。
「まぁな」
「さすがです!マリアンヌ様! マリアンヌ様ほどの御方ならば、見ただけでその人物の全てが分かってしまわれるのですね!」
そんなことができたら、我はアンジェラに引っかかってないよね?
「それでシアのあれは一体?」
「ああ、あれはたぶん多重人格性障害だ」
「えっ?た、たじゅう?」
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