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【第2章】 魔女が生まれた日
24 魔女が生まれた日⑤
しおりを挟む「あの~~、もうよろしいですか~~?」
お前達の会話は飽きたと言わんばかりに壁に背を預け、近くの窓をトントンと叩くマリアンヌ。
「お前は知らんだろうが、我は今日は朝早くから色々動き回ったんだ、まぁ主にお前の息子が逃げ回ったことが原因なのだがね。ほんと、周りの人間が助けようとするから次から次から殺して殺して、汗をかいて汗をかいて、いい加減気持ちが悪いのだよ。 だからくだらない友達ごっこをしている所悪いけど~、早く死んでもらえるかな?」
それを訊くとアンジェラは憎しみを込めてマリアンヌに強い視線を向けた。
「その前に以前言った言葉、取り消すわ」
「以前…、う~む、いつのことだ?」
分かりきった意地悪をするように返答する。
アンジェラは気にせずに言う。
「昔、私の結婚式であなたに言った言葉よ」
マリアンヌはわざとらしく惚けてみせる。
「あ~何か馬鹿みたいな女が言ってな。 下らなすぎてもう忘れてしまったが、それがどうしたね?」
「取り消したいのよ、いいかしら?」
「はぁ? お好きにどうぞ」
アンジェラは「感謝するわ」と言って、マリアンヌを睨みつけた。
「お前には一生かかっても愛など分からない。この……魔女め! 地獄へ落ちろ!!」
マリアンヌはわざと口元を隠さず、見せ付けるように笑う。
それがまるで光栄なことを言われたかのように
そして言った。
「お褒めの言葉、痛み入る。 しかし残念ながら地獄とやらに行くのはお前が先のようだ」
冷ややかな目のマリアンヌ。
遠目から見下ろすその目に一切の慈悲は感じられない。
マリアンヌは自分の首の辺りに親指を持っていく
そして親指をツーと横に線を引いた
「やれ、カーナ」
「はい」
躊躇無く引き抜かれるナイフはアンジェラの命を呆気ないほど簡単に奪った。
飛び散る鮮血
勢いよく飛び上がりシャワーのように血の雨が降り注ぐ中、マリアンヌは上を見上げて恵みの雨を喜ぶように両手を広げるのだった。
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