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第2章 ダンジョンを知る
第55話 トラップである可能性
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「これを見ろ」
そう言ったへラトリアの指すほうを見ると、そこには、いかにも怪しすぎる木の宝箱が置いてあった。
「これ、トラップ感満載なんだけど!」
「でもトラップではないな」
「いや、どう見てもトラップでしょ! こんなに分かりやすく、しかも周りにも敵がいない状態でただ置かれているだけの宝箱がどこにあるってんだよ」
「ここにあるじゃな――」
「あー、あーー、聞きたくない。そーんなありふれた返答聞きたくないで~~~す。もう『トラップじゃない』とか言ってフラグ立ててるんだからもういいでーす。……ここは現実世界なんだから、そんなあるふれたフレーズで死にたくないぞ」
「安心しろ。『木の宝箱』のトラップは存在しないと言っただろ。これは確実にトラップではない」
断言するへラトリアに、俺はとある可能性を言ってみた。
「もしかしたら、誰かが故意に置いたのかもしれないだろ」
――そう、『人』が関わっているという可能性である。誰かが置いたという可能性は消せないのである。もしも他人が置いたならば、ただの『木の宝箱』に見せかけて、トラップを仕込むことも可能だろう。
「だとすれば、そいつはなかなか面白い奴だな」
「へ?」
どこに面白い要素があるのか分からなかった。……ただ怖いだけだろ。
「だってそうだろ? こと宝箱が消えていないということは、置かれてからそれほど時間がたっていないということだ。つまり、私たちよりも少し前に人が来て、ドロップした、もしくは拾った宝箱を、ここに丁寧に置いたということだろう?」
……へラトリアは何を言っているのだろうか。『トラップである』という可能性を完全に切り捨ててしゃべっている。
もしかしたら、少し抜けている人なのかもな。
それから、俺は丁寧にトラップである可能性について説明した。すると、俺の言っていることも一理あると思ったのか、提案をしてきた。
「『収納』で、収納して名前を確認してみたらどうだ? もしトラップなら、そんな名前が出るだろう」
「……へ? 宝箱って収納できる……の?」
「当たり前だろう」
マジか~~~~~!! 『収納』ってメッチャ便利やん! 一家に一台レベルや~~~。
へラトリアに「できる」と言われてしまったので、半信半疑ながらも試してみた。
「収納」
出来た。
「ほら、言っただろう。中身を確認してみたらどうだ?」
―――――――――――――――――――――――――
収納物一覧表
『防御力』のスクロール 2
モンスターコイン 12
ゴブリンコイン 7
木の宝箱 1
―――――――――――――――――――――――――
……うん。お騒がせしました。誠に申し訳ございません。以後、気を付けます。
その後、へラトリアにもきちんと謝罪をして、4層を攻略し終え、今日のところは撤収することにした。
――ちなみに、『木の宝箱』は、地上に出てから開けることにした。
ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。
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そう言ったへラトリアの指すほうを見ると、そこには、いかにも怪しすぎる木の宝箱が置いてあった。
「これ、トラップ感満載なんだけど!」
「でもトラップではないな」
「いや、どう見てもトラップでしょ! こんなに分かりやすく、しかも周りにも敵がいない状態でただ置かれているだけの宝箱がどこにあるってんだよ」
「ここにあるじゃな――」
「あー、あーー、聞きたくない。そーんなありふれた返答聞きたくないで~~~す。もう『トラップじゃない』とか言ってフラグ立ててるんだからもういいでーす。……ここは現実世界なんだから、そんなあるふれたフレーズで死にたくないぞ」
「安心しろ。『木の宝箱』のトラップは存在しないと言っただろ。これは確実にトラップではない」
断言するへラトリアに、俺はとある可能性を言ってみた。
「もしかしたら、誰かが故意に置いたのかもしれないだろ」
――そう、『人』が関わっているという可能性である。誰かが置いたという可能性は消せないのである。もしも他人が置いたならば、ただの『木の宝箱』に見せかけて、トラップを仕込むことも可能だろう。
「だとすれば、そいつはなかなか面白い奴だな」
「へ?」
どこに面白い要素があるのか分からなかった。……ただ怖いだけだろ。
「だってそうだろ? こと宝箱が消えていないということは、置かれてからそれほど時間がたっていないということだ。つまり、私たちよりも少し前に人が来て、ドロップした、もしくは拾った宝箱を、ここに丁寧に置いたということだろう?」
……へラトリアは何を言っているのだろうか。『トラップである』という可能性を完全に切り捨ててしゃべっている。
もしかしたら、少し抜けている人なのかもな。
それから、俺は丁寧にトラップである可能性について説明した。すると、俺の言っていることも一理あると思ったのか、提案をしてきた。
「『収納』で、収納して名前を確認してみたらどうだ? もしトラップなら、そんな名前が出るだろう」
「……へ? 宝箱って収納できる……の?」
「当たり前だろう」
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「収納」
出来た。
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モンスターコイン 12
ゴブリンコイン 7
木の宝箱 1
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……うん。お騒がせしました。誠に申し訳ございません。以後、気を付けます。
その後、へラトリアにもきちんと謝罪をして、4層を攻略し終え、今日のところは撤収することにした。
――ちなみに、『木の宝箱』は、地上に出てから開けることにした。
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