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第2章  ダンジョンを知る

第45話  決してお金ではない

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「へラトリア、どれがいいと思う?」

「魔剣はやめたほうがいい」

 俺が助けを求めて、へラトリアに聞いてみると、へラトリアはキッパリとそう言った。

 へラトリアが言うには、魔剣はとても壊れやすく、予備がたくさん必要になるため、ダンジョン攻略には不向きだそうだ。また、魔剣にばかり頼っていると、自分のスキルを鍛えることができず、非効率的だということだ。
 ……決して高価だからではないそうだ。
 念を押して言われた。

 いや、絶対、金銭的問題だろ! という思いを胸にしまい、俺は、①(実際に剣を使って切るための剣)を選んだ。
 なぜなら、俺の持っている戦闘向けのコモンスキルが『拘束』のみだからだ。ただ拘束するだけでは戦闘に勝つことはできない。しかし裏を返せば、拘束させてしまえばどんなに剣が使えなくても、斬ることができるということである。

 しかしどの剣にしたらよいのか分からなかったため、俺は店に置いてあった剣を片っ端から使ってみた。買い物は好きではないのだが、武器を選んでいると考えると何故かワクワクした。
 持ってみたり、振ってみたりしてみると、重すぎて振ることはおろか、持つことさえ困難なものもあれば、逆に軽すぎて振りにくいものもあった。

 結果的に、俺は1時間ぐらい悩んで、片手でも振ることができる、短めの両手剣を購入した。すると、武器屋の店長らしき人物が、器用に発動石を取り付けてくれた。……引っ張ったりしてみたが、到底とうてい取れなかった。
 また、代金は金貨30枚だった。それにいくらの価値があるのか分からなかったが、とても高いようで、店員の顔が喜びに満ち溢れていた。
 ちなみに、へラトリアは、キラキラした銀色のような硬貨を支払っていた。すると、大量の金貨をおつりとしてもらっており、その硬貨に莫大な価値があることは、言われずとも分かった。

「次はどこに行くんだ?」

「ダンジョンに行くので防具を買おうと思っていただが、必要か?」

 ――――。え?

「防具なしでも大丈夫なのか?」

「いえ、本来は必要だ。でも、新太が買ったのが、スピード重視の剣だったから、変に防具を付けると、邪魔になってしまうかなと思ったんだ」

 なるほど、一理あるな。俺も、タンク的な役割は望んでいないので、アサシンのように身軽なのはいいのかもしれない。

 そして、へラトリアは続けて説明した。

「それに、今日は私がいるから、危険は少ないと思う。今日ダンジョンに行ってみて、防具の必要性を感じたら、あとで買ってもいいしな」

「分かった。防具は後々考えることにする」

 俺がそう言うと、――


「では、ギルドに行こう」

 へラトリアはそう言った。

 やった~~~~! ついに念願の、異世界限定施設ギルド来た~~~!!



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