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第2章  ダンジョンを知る

第42話  次の方どうぞ

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「この『ゴヴニュ』を使うと、全数が変化しないため、自身のMPが結果的に1減ってしまうんです」

「だから、何?」

 それを聞いた俺は、別に何も気にしなかった。

「俺が思うに、MPを増やす方法ってありますよね?」

 先程、フィリアさんが自分の過去について話していた中で、通常ではありえないほどのコモンスキルを持っていたから、疑われたと言っていた。
 ここで疑問に思うのが、「どうして、フィリアさんはMP不足にならなかったの?」ということである。
 そのことを考えたときに、フィリアさんが商人の家の出身であることを思い出す。これらのことをつなぎ合わせると、――

「そして、それはアイテムですね? 魔石やスクロースのように、MPを増やすアイテムがあるんじゃないですか?」

 それを聞いたフィリアさんは少し驚いた様子で尋ねてきた。

「知っていたんですか? オーブのことを」

「いや、察しただけです」

「さすが地国民、と言いたくなりますね」

 どういうことだろうか。地国民――地球人は、ここ――天国の人に比べて、学力……いや、発想力が高いということだろうか。
 いや、もしかしたら、オタク知識のおかげで、この手のパターンを知っているということだろうか。

 まあ、どっちでもいいけど。

「ちなみに、オーブとはどんなものなんですか? 俺の聞いたことがあるオーブは、球体で虹色に発光しているんですけど……」

 ラノベ知識である。

「その通りですよ。今、実物を持っていないので詳しくは伝えられませんが、たぶん、水城さんが思っているもので合ってると思います。ダンジョンでも取れるし、売ってもいるので、いつか確認してみてください」

 ダンジョンでも手に入るのか。それはいい情報だ。なんてったって、俺には『カーマ』がついているんだ。宝箱からのドロップ確率は高いはずだ。きっと見つかるだろう。
 そして、やはりというか、売ってもいるんだな。きっと、フィーラさんはそれで手に入れたんだろうな。

 俺がそんなことを考えてると、

「これから仕事があるので、これで私は失礼します。もし、疑問や商談があったら、ぜひうちに来てみてください」」

 フィリアさんはそう言って、部屋から出ていった。

「今日はありがとうございました」 「じゃあねーー」

 俺とミリアは、ドアが閉まる前にそう言った。

 意外と去るのは早かったな。仕事が忙しいのかな? そして、最後にしっかり『商談』とか言ってたな。さすが商人。

「水城、次に来るのは、この国の騎士をしている者だ」

 え~~~、まだ来るの~~? 終わったと思ってたのに……。

 そんなことを考えていると、ドアがノックされ、人が入ってきた。

「水城新太はいますか? 本日は、ダンジョンへの付き添いの任務を担当しに参りました」

 そう言って入ってきたのは、長髪ちょうはつの女性だった。


 ――また女の人か……。



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