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第2章 ダンジョンを知る
第34話 大浴場騒動
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使用人がテキパキと朝食を用意した。
さすが王城。朝も変わらず、素晴らしい素早さだな。
こうして、水城の二日目は始まった。
「そういえば、水城よ。お主に合わせたい人がおる、と昨夜言ったじゃろ」
「はい」
そう言えばそんなことを言ってたな。
「今、もう既に来ておるのじゃが、通してよいか?」
「はい」
別にダメな理由などないだろう。今来ているということは、まだ朝食は食べていなんだろうし、一緒に食べながら話せば丁度いいだろう。
「アリシアと、ミリアもよいかの?」
「私は問題ないです」
「ミーもいいよ!」
ミリア達にも許可を取った王様が、使用人に合図を送ると、使用人は部屋の外へ出ていった。どうやら、別室にいるらしい。
さすがに、ドアの前で待っていることはないか。
さすがの王城とは言えども、王様が合わせたい人もそのようなことをする必要はないだろう。……そもそも、その人だって客人なんだろうし。
■ □ ■ □ ■
待っている間、俺は別の話を始めた。
「そういえば、ここの大浴場、最高でしたよ。大浴場どころか、むしろ特大浴場ぐらいでした。久々にお風呂に感動しました」
「そうかそうか。喜んでもらって何よりじゃ。普段はあまり使う人がおらんから、大浴場も水城が入ってくれて喜んでおるだろう」
王様のそんな発言に対し、
「ミーも、ミーも!」
ミリアが自分も褒めてほしいといった様子で、主張を行った。
「ミリアも大浴場に入ったのか? 珍しいこともあるものじゃのぅ」
「そうですね。ミリアが大浴場に入ったことを聞くのは何時ぶりでしょうか。どうして急に入ったんですか?」
「ミズキがはいったから」
王様とアリシアの反応に対して、ミリアが理由を答えた。
「そうか。水城が大浴場に入ることを聞いて、興味を持ったのじゃな。しかし、懐かしいのぅ。昔はミリアが、一人でお風呂に入りたくない、と言うものだから、よくアリシアと入っておったのぅ」
「ええ、懐かしいですね。結局その後、ミリアのために洗浄用の使用人を雇うようになりましたが……」
ミリア、お前が理由だったのか。何で大浴場があるのに、洗浄用の使用人がいるのか疑問だったんだよ。やっと納得した。
「そういえば、ミリア。昨日は一人で大浴場に入ったのですか?」
ギクッ!
何か、嫌な予感が……
「ううん。ミーはミズキといっし――」
「一人で入れたのか、偉いなミリアは!」
誤魔化した。全力で、誤魔化した。
だって、一緒に入ったなんて知られたら、次の瞬間、殺されると思ったから。
でも――
「ミズキ、なにいってんの? いっしょにはいったじゃん」
――ミアは1ミリたりとも忖度してくれなかった。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。
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こうして、水城の二日目は始まった。
「そういえば、水城よ。お主に合わせたい人がおる、と昨夜言ったじゃろ」
「はい」
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「今、もう既に来ておるのじゃが、通してよいか?」
「はい」
別にダメな理由などないだろう。今来ているということは、まだ朝食は食べていなんだろうし、一緒に食べながら話せば丁度いいだろう。
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「私は問題ないです」
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さすがの王城とは言えども、王様が合わせたい人もそのようなことをする必要はないだろう。……そもそも、その人だって客人なんだろうし。
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待っている間、俺は別の話を始めた。
「そういえば、ここの大浴場、最高でしたよ。大浴場どころか、むしろ特大浴場ぐらいでした。久々にお風呂に感動しました」
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王様のそんな発言に対し、
「ミーも、ミーも!」
ミリアが自分も褒めてほしいといった様子で、主張を行った。
「ミリアも大浴場に入ったのか? 珍しいこともあるものじゃのぅ」
「そうですね。ミリアが大浴場に入ったことを聞くのは何時ぶりでしょうか。どうして急に入ったんですか?」
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「ええ、懐かしいですね。結局その後、ミリアのために洗浄用の使用人を雇うようになりましたが……」
ミリア、お前が理由だったのか。何で大浴場があるのに、洗浄用の使用人がいるのか疑問だったんだよ。やっと納得した。
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「ううん。ミーはミズキといっし――」
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誤魔化した。全力で、誤魔化した。
だって、一緒に入ったなんて知られたら、次の瞬間、殺されると思ったから。
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