ドヴァ― ～伝説スキル２つ持ちの異世界攻略～

第１章 中々無い出会い方

第２６話 現実は裏切り

「足音とかも全く聞こえて来なかったよ？」

「それは、アビリティーボーナスのちからだよ」

　え？　最近の子供はそんなにすごいの？
　だって、アビリティーボーナスの上昇する値ってほとんど誤差範囲だよ？
　俺の場合だって、


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名前　　水城新太

年齢　　１６

レベル　　１　（ 0/100 ）

ＭＰ　　10/14　（ 0/100 ）

スキル
　コモン　　３
　レジェンダリー　　２

アビリティーボーナス
　剣捌き　　＋１％

称号　　ドヴァ―　転移者

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　そう思って、水城は自らのステータス画面を開いた。

　水城にもアビリティーボーナスはあるが、この『剣捌き』１％が彼に影響を与える日はまだまだ先であろう。……もしかしたら、永遠に来ないかもしれない。

　つまり、ミリアちゃんはアビリティーボーナスの影響を大きく受けるほどの実力があるということである。

「すごいな」

「えへ～～。そんなことないよ～」

　一通り照れてから、満足したようにミリアちゃんが言った。

「やくそくどおり、みつけられたからいいものあげる」

「いいよ。いいよ」

　水城は自分より年下の子から物をもらうなんてできない、と考えていたが、ミリアちゃんもまた絶対に渡す、といった様子だった。

「はい、これ」

「――え？」

　水城は唖然あぜんとし、先程までの自分の見解の間違いに気づいたのであった。なぜなら、ミリアちゃんが取り出し、渡そうとしたのはスクロールだったからだ。

「ちょっと待って、もしかして、ミリアちゃんってお父さんとお母さんがお金持ちだったりする？」

「うん！」

　よくよく考えれば、ミリアちゃんはとても豪華なドレスを着ていた。それだけで、お金持ちであることを考えるべきだった。そう考えれば、『アビリティーボーナスのおかげ』と言っていたこともあながち間違いではないのかもしれない。

　一つで１％しか上昇しなくても、１０枚で１０％、２０枚で２０％だもんな。

　そして考えているうちに更に詳しい結論に至ってしまう。

　そういえば、ミリアちゃんは何でここにいるんだ？　それも一人で。もしかして、ミリアちゃんって――

　コンコン。

　思考している最中にノックが聞こえてきた。

「収納」

　俺は咄嗟とっさに、ミリアちゃんから受け取ったスクロールを収納し、

「入ってどうぞ～」

　そう言った。ドアは結局、閉めていなかった。

　ドアを開けながら、案内人の人が話し始める。

「水城様。晩御飯のご支度がもうすぐできますので、案内を――」


　――ミリア様。ここにいらしたのですね」

　やっぱりそうかぁ～～！！

　俺は心の中で叫んだ。



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