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第1章 中々無い出会い方
第24話 ミリアが見つからない
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まだまだ幼いかもしれないが、社会の厳しさを教えてやろう。
なんか自らフラグ立てている気がするんだけど。気のせいだよね。
さて、どこから探すか……
まずは机、椅子。
ここに隠れることはないだろうな。隠れることなんてできないだろうし。
水城はそう思いながら、一応下を覗いてみたがもちろんミリアはいなかった。
次にタンス。
このタンスは3段構成となっており、どの段も子供であれば簡単に隠れられる大きさでできている。
しかし、隠れたところで、その後に自分で引き出しをなおすことができない。
予想した通り、そこにもミリアはいなかった。
その次はベッド。
ベッドは下、毛布の中など、他の場所に比べ比較的隠れやすいと考えた。……というか、他の場所は隠れるのに全く適していないのである。
まず、ベッドの下を覗いたが誰もいない。
まあ、俺はここで時間を数えたんだから、ここに隠れるなんて普通しないよな。
あとは、毛布の中以外、隠れられそうにないな。
そうはいっても、ここで俺が時間数えてたんだから、相当な才能がない限りここには隠れられないだろうけどね。
そう思いつつ、毛布を勢いよくどけると――
――そこには誰もいなかった。
「う~~ん。どこにいるんだ? もう探してないところなんてないと思うんだが」
俺はそう言いつつも、ある程度の推測を進めていた。
まず、俺はかくれんぼをこの部屋でしようとミリアが言ったとき、ミリアからとても自信を感じた。だからその時には2つの可能性を考えていた。
①ミリアはこの部屋の設計に詳しく、隠し扉または隠し部屋を知っている。
②ミリアは何らかのスキルによって、見つからないように隠れることが可能である。
①(ミリアはこの部屋の設計に詳しく、隠し扉または隠し部屋を知っている)は、ミリアが迷子である時点で無いと思った。むしろ王城の隠し部屋を知っているなんてことがあったらとても怖い。
すると、②(ミリアは何らかのスキルによって、見つからないように隠れることが可能である)が考えられた。だから俺は、普通に探すふりをして、何らかの痕跡を探すことにした。耳をよく澄ませると、本当に微かだが呼吸音が聞こえた。その音の方向をたどると、場所が割り出せなかった。時によってさまざまな方向から聞こえたのである。そこで俺は、ミリアが実は移動しているのではないかと考えた。
この考えを実証するために俺は、自然な流れで確認を行った。
先程、毛布を勢いよくどけた。それは、ベッドの中を探しているように見せかけて、実は空気を使って存在確認を行っていたのである。毛布を動かしたことで発生した空気の流れが、どこで変わるかを実験したのである。
実際、これには賭けの要素が多かった。まず、ミリアの能力が体を透明化させるような能力だと予想して行った。音がしていたからである。もしこれが、触れなくなるところにまで効果を持っているのだとしたら、この作戦は意味がなかった。また、ミリアが部屋の端っこなどにばかりいるのだとしても意味がなかった。
しかし結果は、存在が確認できた。
俺の少し後ろで、空気が反射しているのをほんの僅かだが確認できた。起こした風が返ってきていたのだ。
俺が想像するに、ずっと俺の後ろをついてきているのだろう。……見えないって怖いな。
そうと分かれば行動をするしかないな。しかしどうやって捕まえよう。我武者羅に動き回ったら避けられて終わりになりそうだしな。それに、気づいていることに気づかれたら、そのままどこかに隠れられてしまってゲームオーバーという未来が見える。それだけは防がなければ。
そんな中で俺には一つの作戦があった。しかしそれは、賭けの部分がまた多くを占めている。でもやってみたいと思った。
そうと決めた俺は、現在もう一度タンスへと向かっている。ベッドから最遠距離だからである。そしてベッドにたどり着く寸前、パッと後ろを振り向き、俺は叫んだ。
「――籠絡!」
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。
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まずは机、椅子。
ここに隠れることはないだろうな。隠れることなんてできないだろうし。
水城はそう思いながら、一応下を覗いてみたがもちろんミリアはいなかった。
次にタンス。
このタンスは3段構成となっており、どの段も子供であれば簡単に隠れられる大きさでできている。
しかし、隠れたところで、その後に自分で引き出しをなおすことができない。
予想した通り、そこにもミリアはいなかった。
その次はベッド。
ベッドは下、毛布の中など、他の場所に比べ比較的隠れやすいと考えた。……というか、他の場所は隠れるのに全く適していないのである。
まず、ベッドの下を覗いたが誰もいない。
まあ、俺はここで時間を数えたんだから、ここに隠れるなんて普通しないよな。
あとは、毛布の中以外、隠れられそうにないな。
そうはいっても、ここで俺が時間数えてたんだから、相当な才能がない限りここには隠れられないだろうけどね。
そう思いつつ、毛布を勢いよくどけると――
――そこには誰もいなかった。
「う~~ん。どこにいるんだ? もう探してないところなんてないと思うんだが」
俺はそう言いつつも、ある程度の推測を進めていた。
まず、俺はかくれんぼをこの部屋でしようとミリアが言ったとき、ミリアからとても自信を感じた。だからその時には2つの可能性を考えていた。
①ミリアはこの部屋の設計に詳しく、隠し扉または隠し部屋を知っている。
②ミリアは何らかのスキルによって、見つからないように隠れることが可能である。
①(ミリアはこの部屋の設計に詳しく、隠し扉または隠し部屋を知っている)は、ミリアが迷子である時点で無いと思った。むしろ王城の隠し部屋を知っているなんてことがあったらとても怖い。
すると、②(ミリアは何らかのスキルによって、見つからないように隠れることが可能である)が考えられた。だから俺は、普通に探すふりをして、何らかの痕跡を探すことにした。耳をよく澄ませると、本当に微かだが呼吸音が聞こえた。その音の方向をたどると、場所が割り出せなかった。時によってさまざまな方向から聞こえたのである。そこで俺は、ミリアが実は移動しているのではないかと考えた。
この考えを実証するために俺は、自然な流れで確認を行った。
先程、毛布を勢いよくどけた。それは、ベッドの中を探しているように見せかけて、実は空気を使って存在確認を行っていたのである。毛布を動かしたことで発生した空気の流れが、どこで変わるかを実験したのである。
実際、これには賭けの要素が多かった。まず、ミリアの能力が体を透明化させるような能力だと予想して行った。音がしていたからである。もしこれが、触れなくなるところにまで効果を持っているのだとしたら、この作戦は意味がなかった。また、ミリアが部屋の端っこなどにばかりいるのだとしても意味がなかった。
しかし結果は、存在が確認できた。
俺の少し後ろで、空気が反射しているのをほんの僅かだが確認できた。起こした風が返ってきていたのだ。
俺が想像するに、ずっと俺の後ろをついてきているのだろう。……見えないって怖いな。
そうと分かれば行動をするしかないな。しかしどうやって捕まえよう。我武者羅に動き回ったら避けられて終わりになりそうだしな。それに、気づいていることに気づかれたら、そのままどこかに隠れられてしまってゲームオーバーという未来が見える。それだけは防がなければ。
そんな中で俺には一つの作戦があった。しかしそれは、賭けの部分がまた多くを占めている。でもやってみたいと思った。
そうと決めた俺は、現在もう一度タンスへと向かっている。ベッドから最遠距離だからである。そしてベッドにたどり着く寸前、パッと後ろを振り向き、俺は叫んだ。
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