ドヴァ― ~伝説スキル2つ持ちの異世界攻略~

魚花冠

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第1章  中々無い出会い方

第23話  かくれんぼしよう?

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「おにいさん、だれ? なんでそんなになれなれしいの?」

 そう、厳しく返すのであった。

 いやいや。起こそうとしてたくせに、起きたら他人扱い? ひどくない?

「俺は、水城新太。お嬢ちゃん、お名前は?」

「ミーはミリア!」

「ミリアちゃんって言うんだね。ここはお兄さんが寝る部屋なんだけど、どうやってここへ来たのかな?」

「ドアがあいていたから、はいってみたらミズキがねてた」

 なるほど、確かによくよく考えてみたら、このベッドに隠れてたどっかの誰かさんのせいで、鍵を閉め忘れていた。だからこの子は入れたんだな。
 そしてこの子は迷子かな? どうやってこの城に入ったのかは不明だけど。

「ミリアちゃんはどこから来たの?」

「あっち」

 ミリアちゃんはそう言いながら、どこかを指したが、土地勘がなければ、ここは部屋の中なので、水城にはどこを指しているのか分からなかった。
 まあ、後数十分したら案内人の人が来るだろうし、そのときに言えばいいか。今下手に動いて俺まで迷子になったら元も子もないからな。
 それにしても、起こされてしまった今、

「何をしようか……」

 一回微妙に寝たことにより、眠気は一切なくなってしまった。

 水城が考えていると、

「ミーとかくれんぼして!」

 ミリアちゃんがそう言った。

「ま、いいか」

 どうせ暇だし。

「やった、じゃあミズキがおにね。20びょうかぞえて。ミズキがみつけられたら、ミーがいいものあげる」

「ちょっと待て、範囲は――」

「このへやのなかーーー!」

 ミリアちゃんが俺の声を遮ってそういった。

 この部屋の中って言ったって、隠れられる場所なんてほとんどないじゃん。これは勝ったな。

「制限時間は?」

「30ぷん!」

 どこからか声が聞こえた。
 俺はうつ伏せの状態で、聞いたためどこから聞こえたかはよく分からなかった。そんなことよりも――

「30分も隠れ続けるのか?」

 見つけられると思う。範囲が、仮にこの王城だったとしても可能だと思う。
 返事は返ってこなかった。おそらくもう隠れたのだろう。
 さて、カウントを始めるか。

「い~~ち。に~~い、……」


  ■  □  ■  □  ■


 さて、カウントは終わった。カウントしている間に物音がしなかったことを踏まえると、カウントする前に隠れた場所から移動していないのだろう。
 それは即ち、複雑なところには隠れていないということであろう。
 まだまだ幼いかもしれないが、社会の厳しさを教えてやろう。


 ――なんか自らフラグ立てている気がするんだけど。気のせいだよね。



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