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第1章  中々無い出会い方

第18話  国王の思い

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――――――――――――――――――――

スキル名 カーマ
 ダンジョンに存在するランダム宝箱を開けた際のアイ
テム内容が良くなる。また、自らの望むアイテムが宝箱
から出現する確率も上昇する。ただし、宝箱自体のドロ
ップ確率は変わらない。

――――――――――――――――――――


 あ――。『カーマ』さん。オカマみたいって言ってごめんなさい!!

 いやでも待って! そんな事を言ったら、全国――いや、全世界のオカマさんに対して失礼になってしまう。
 どうしよう。 そして俺は今、何を悩んでいるのだろう。もう埒が明かなくなっている。

「どうしたのじゃ? 水城君。何か問題でもあったかの?」

「いや、自分の能力を見て、ダンジョン攻略をするしかないと思っただけです」

 これは本音だ。『カーマ』の能力を見てそう思ってしまった。だって、宝箱からのアイテムに対しての効果だよ。もう、お前にはダンジョンへ行く以外に道はない! と言われているような感覚だよ。
 まあ、この能力なくても行く予定だったから何の問題もないんだけどね。

「そうかそうか。それはよかった。それなら是非、他のプレゼントももらっておくれ。きっと役に立つだろう」

 え?

「レジェンダリースキルについて詳しく聞かないんですか? それに、この国――天国としては俺のような地球人――地国民にマチでの労働不足を補ってもらいたいんじゃないんですか?」

「まず、スキルに関してじゃが、先程も言ったように、大切な個人情報じゃ。わざわざ聞かなくても、ドヴァ―であることは分かっておるのじゃから問題ないわい。まあ、興味がないと言えば嘘になるが、聞くにしても、また今度にするわい」

 そして、数秒置いて、

「次に、国の方針についてじゃが、普通の地国民であれば労働を進めるかもしれん。じゃが、ドヴァ―を国に閉じ込めるのはもったいないし、そもそも人権があるのじゃから、『ダンジョンに行きたい』と言っている奴にはとことんダンジョンへ行かせるのがワシのモットーじゃ」

 あ、この王様いい人だ。

 脳が反射的にそう感じた。

「ありがとうございます。もらったプレゼントも大切にして、きっとダンジョン攻略して、この国の役に立ちます!」

「楽しみにしておるぞ」

「はい!」

 ところで――


「残りのプレゼントはどうやって使うんですか?」

 水城は全力でさっきまでのいい話を台無しにしていくのであった。



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