上 下
16 / 57
第1章  中々無い出会い方

第16話  レジェンダリースキル

しおりを挟む
「ところでスキル一覧の時に『籠絡ろうらく』の右側にあった、『Ⅰ』っていうのは何を表しているんですか? あと、その横の1分の0もですけど」

「それはおそらくじゃが、お主のレジェンダリースキルの効果じゃよ」

 そういえば俺、レジェンダリースキル2つ持ってるんだった。
 もしかして、レジェンダリースキルって――

「レジェンダリースキルは、コモンスキルとは少し違うんじゃ」

 やっぱりか。

「どのように違うんですか?」

「コモンスキルは同時に1つまでしか発動できん。しかし、レジェンダリースキルはそうではないのじゃ」

「もしかして、常時発動――パッシブスキルのようなものなんですか?」

「ぱっしぶ? ……すまんのぅ。地国の文化にあまり詳しくないからよく分からんのじゃが、レジェンダリースキルはコモンスキルと違う2つの効果を持っておるのじゃ」

「2つ?」

「一つ目は、先ほど言った通り、常時発動であることじゃ。コモンスキルは使用時に初めにスキル名を呼び、発動石を起動する必要があるのじゃ。コモンスキルも一度発動してしまえばスキル停止を行うか魔力が切れるまで発動し続けるのじゃが、レジェンダリースキルは常時発動なうえに、魔力を消費しないため、とても効率が良いのじゃ」

「なるほど」

 これはやはり予想していた通りか。まだ俺は、魔法を使ったことがないはずなのに、その恩恵を受けていた理由が分かったな。
 あともう一つは何だろう。

「もう一つは、スキルが与える影響の範囲じゃ」

「影響の範囲――?」

「ああ。レジェンダリースキルはコモンスキルに対して影響を与えるものもあるのじゃ。例えば、お主が今言ったように、本来存在しない影響をコモンスキルに与えることがあるんじゃ」

「それは、悪い影響を与えることもあるんですか」

「詳しくは分からんが、今までにそんな話は聞いたことはないのぅ。まあ、そもそもデータが少ないから何とも言えんがのぅ」

 なるほど。じゃあ俺の『籠絡』に付いている『Ⅰ』も何らかのいい影響を与えている可能性が高いのか。
 ……さっきから「なるほど」となってばっかりだ。

「話していても答えは出ないじゃろうから、実際に確認してみたらどうじゃ?」

「確かに……。忘れてました」

 テヘッ! とポーズをとってみたが、誰も反応することがなく、ただただ心が痛かった。

 レジェンダリースキル、オープン!!


――――――――――――――――――――――――――――――

レジェンダリースキル
 イシス
 カーマ

――――――――――――――――――――――――――――――


 ……英語? カタカナ言葉?

 どちらにせよ、理解ができない。今なんとなく思ったけど、カーマって――


 ――オカマみたい。



ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ

 最後まで読んでいただきありがとうございます。
 よろしければ、『お気に入り』への追加、感想の投稿をよろしくお願いいたします。
 特に感想は、作品の向上や誤字脱字等の修正に役に立つので、どんなことでもいいので気になる点があれば是非お願いします。
 『お気に入り』への追加をしていただくと、作品を書く活力になります。

ΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔΔ
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

引きこもり転生エルフ、仕方なく旅に出る

Greis
ファンタジー
旧題:引きこもり転生エルフ、強制的に旅に出される ・2021/10/29 第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞 こちらの賞をアルファポリス様から頂く事が出来ました。 実家暮らし、25歳のぽっちゃり会社員の俺は、日ごろの不摂生がたたり、読書中に死亡。転生先は、剣と魔法の世界の一種族、エルフだ。一分一秒も無駄にできない前世に比べると、だいぶのんびりしている今世の生活の方が、自分に合っていた。次第に、兄や姉、友人などが、見分のために外に出ていくのを見送る俺を、心配しだす両親や師匠たち。そしてついに、(強制的に)旅に出ることになりました。 ※のんびり進むので、戦闘に関しては、話数が進んでからになりますので、ご注意ください。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活

ゼウママ
ファンタジー
50歳目前、突然異世界生活が始まる事に。原因は良く聞く神様のミス。私の身にこんな事が起こるなんて…。 「ごめんなさい!もう戻る事も出来ないから、この世界で楽しく過ごして下さい。」と、言われたのでゆっくり生活をする事にした。 現役看護婦の私のゆっくりとしたどたばた異世界生活が始まった。 ゆっくり更新です。はじめての投稿です。 誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】

一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。 追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。 無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。 そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード! 異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。 【諸注意】 以前投稿した同名の短編の連載版になります。 連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。 なんでも大丈夫な方向けです。 小説の形をしていないので、読む人を選びます。 以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。 disりに見えてしまう表現があります。 以上の点から気分を害されても責任は負えません。 閲覧は自己責任でお願いします。 小説家になろう、pixivでも投稿しています。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

処理中です...