ドヴァ― ~伝説スキル2つ持ちの異世界攻略~

魚花冠

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第1章  中々無い出会い方

第14話  秘める可能性

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「――っ!」

 ちょっと待って、俺、伝説スキル、2個持ちじゃん!

「何かに気付いたようじゃな」

「王様、俺――」

「ようこそ、天国へ。数少なきドヴァ―の一人、水城新太。改めアラタ・ミズキ」

 俺には理解が困難だった。レジェンダリースキル2つ。それがどれくらいすごいのか、完璧にはわからなかった。でも、伝説スキルなのだから、ホントに希少なのだろう。
 また、それとは別に疑問に思っていることが1つあった。

「『ドヴァ―』って何ですか?」

 ドヴァ―、聞いたことのないその単語を理解することはできなかった。

 称号の欄にもあったし、今王様もい何を表してるんだろう。
 ……別にダジャレじゃないよ。

 そんなことを考えていると、王様が説明を始めた。

「『ドヴァ―』とは、『2』を表すのじゃ。レジェンダリースキルを持っている者は特別な称号で呼ばれており、レジェンダリースキル1個持ちは『アジーン』、2個持ちは『ドヴァ―』、3個持ちは『トリー』という風になっておるのじゃ」

 なるほど。だから称号の欄にドヴァ―と書いてあったのか。

 次に質問しようと思っていたことが先に分かったため、質問する手間が省けた。

「ちなみに、トリー――レジェンダリースキル3個持ちの人っているんですか?」

 まあ、名前があるわけだから、いないはずはないだろう。でも、どれくらいの人数がいるのか知りたかった。

「正確にはわからんが、いると考えられるじゃろうな」

「『考えられる』とはどういうことでしょうか?」

「そもそも、自分の使用できる魔法――スキルの内容を他人に公開することはなかなかないのじゃ」

「なぜです?」

「危険だからじゃ。どれほど強いスキルでも、相性や状況によって勝敗は簡単に左右する。だから、自分の情報をあまり他人に広めようとしない者が多いんじゃ。お主も、あまり広めんほうが良いぞ。特にレジェンダリースキルは嫉妬などから命を狙われやすいからのぅ」

「なるほど。分かりました」

 意外と物騒なんだな。日本では警察や法律のおかげで、事件・事故は少ないが、よくよく考えてみれば、天国ではダンジョンがあるくらいだから、取り締まれないことも多いんだろうな。気を付けないと。

「ちなみに、現在のトリーについては分からんが、以前はいたのじゃ」

「どんな人なんです?」


「――英雄として現在も語り継がれておる。氷の勇者じゃ」


 ――――。
 え~~~!!! 俺って、氷の勇者と同じ可能性を秘めているかもしれないの?



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