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第1章  中々無い出会い方

第3話   よし、警察病院行こうな。

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「ボクの名前はミア。キミ、水城新太を召喚しに来た」

 確かにそう言った。


==============================


 俺の名前は水城新太。
 高校二年生だが、訳あって現在、絶賛引きこもり中だ。いや、買い物とかには行ってるから、正確には引きこもりではないかもしれない。ただの、不登校生徒かもしれない。
 趣味はゲームにアニメ鑑賞、読書。よくいるインドア高校生だ。近頃は、ネ友とTRPGをすることにハマっている。
 両親、妹は他界しており、現在一人暮らしだ。
 人と話すことは少ないが、コミュニケーション能力は一般人並みにはあるつもりだ。ネットで通話はよくやるし……。

 そんな俺のもとに、現在、一人の美少女が舞い込んでいる。

 俗にいう痴漢のようなことを住居侵入とともにされているので、警察に電話するかどうか迷っているところだ。


==============================


「は? 何て言った?」

「だから、ボクは天国から、水城君を召喚しに来たって――」

「頭、沸いてんのか?」

「ハァ? テメーが言えって言ったからもう一度言ってやったのに、なんて態度なんだよ」

 うん。コイツは頭が沸いているようだ。裸で人の家に上がり込んで、騒ぐだけではなく、中二病も発症しているようだ。
 可哀想に。友達いないだろうな。
 ……俺も、リア友いないけど。

「可哀想だな」

「ハァ? 本当のことを言ってんだよ!」

 そうか。うん。分かったよ。キミの行くべきところが。

「よし、分かった、警察病院に行こうな。そこで、医者に診てもらえ」

「信じてないだろ」

「うん」

 即答だ。

「信じてくれねーのか? ……そうか」

 その言葉を聞いたときに、俺の中で過去の記憶がよみがえった。とても悲しい記憶が。

 信じてもらえないって悲しいんだよな。

 もちろん、信じることはできない。でも、万が一、いや、万が0.000001、ホントだとしたら――

「よし、その召喚について話して――」

「証拠を見せてやろう」

「いや、話を聞いてやると言って――」

「めんどくさくなった。だから、証拠を見せてやるよ」

 あ、コイツ、俺の話聞いてないわー。
 せっかく聞いてやるって言ってんのに。
 まあ、証拠があるらしいから見てやろう。無いだろうけど。

「いいぞ。見せてみろ」

「ああ、ただし、倒れたボクに、変なことすんなよ。絶対だからな!」

 は? 突然何言いだすんだコイツ?
 倒れる? 変なこと?
 今からコイツ何するつもりなんだ?

 新太が思考を巡らせているうちに、ミアは新太の左手を取った。

「おい、今から何――」

「完治!」

 ミアは大声でそう叫んだ。
 すると、新太の体が眩しい光に包まれた。

「うっ!」

 新太は咄嗟に叫びながら、空いている右手で目を覆った。

 数秒して、光が収まったことを確認した新太が、そっと目を開けると――


 ――ミアは地面に倒れていた。



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