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第1章  中々無い出会い方

第1話   すっぽんぽん

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 一人の男が剣を携えながら歩いてくる。体には騎士を思わせる金属製の装備を身に着けている。
 崖の前まで来て、彼はふと止まって自らの決意を表すかのように声を荒げていった。

「俺は……いや、俺たちは、この世界を――!」

 その声に呼応するかのように、後ろから三人の戦士が歩いてきた。彼らも重厚な装備を着ている。手にはそれぞれの武器を持っており、四人が一列に並ぶとともに、各々の武器を掲げて――

 そして、世界が光に包まれて――


==============================


 机には食べ終わったカップラーメンの器と箸が置かれていた。器にはなぜか、傷がついていた。他に机の上には、先ほどまでアニメが流れていたパソコンがあるのみ。
 部屋には、ゴミどころか私物がほとんどなく、最低限の家具があるのみであった。あるじがミニマリストであることを分かりやすく示していた。
 先ほどまでアニメを見ていた少年は、黒髪に黄色の肌――平凡な日本人であった。

「う~ん、設定とかは面白くて、序盤とかよかったんだけどな~。やっぱ、キャラがなぁ……」

 原作を読んだことはないので詳しくはわからないが、序盤は確かに面白かった。だからこうして最終回まで見た訳なんだが、キャラが気に入らなかった。
 なんか一人一人の自己主張が激しいというか……。少なくとも、俺の性分には合わないな。

「そう? ボクはそんなことねーと思うけどな」

 俺の意見に納得いかないという様子で、後ろから声がした。

「いやいや、これに納得できるのは、にわかだけだろ」

 こんなアニメを高く評価するする人がいるのか、と思い少し驚いた。

「――っ!」

 しかし、その驚きを数百倍凌駕する驚きが今、彼を凍り付かせていた。

 い、い、今の、声……誰の、声……?

 彼が驚くのもおかしくないだろう。
 だって――

 俺以外、この家って住んでいないはずじゃ……

 彼は現在、一人暮らしなのだから。
 そう考えた後、彼は脳をフル回転させ思考する。

 後ろに誰かいるのか? 女の人の声のようだったが。さっき買い物の途中で会った人か? いやでも、家の方向は全く違うみたいだったし。そもそも家に上げた記憶ないし。
 確認するしかないか……。もしかしたら空耳かもしれないし。

 心を決めて彼がパッと後ろを見た。
 すると、そこには――


 ――彼のほうを見る、裸の金髪美少女が立っていた。



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 最後まで読んでいただきありがとうございます。
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