【魔物を狩る者】……異世界に行って、ハーレムしながら普通に魔物倒して、採取採掘しながら、良い武器を作って戦う話

ぺったんこ

文字の大きさ
上 下
2 / 2

しおりを挟む


「ここが異世界か?」

 空は青く辺り一面、草原の世界。
 牛のような動物ぽいっ毛深い生き物がウロウロしている。
 これが俺の求めた異世界か……

「って俺裸かよ」

 来ていた服が無い。
 転移すると無くなる仕組みなのだろうか?
 分からないが今はいい。
 それよりも魔物と戦いたい!

「おっしゃ~! いっちょ狩りますか!」

 せっかく眼前に獲物がいるんだから狩るしかない。
 久しぶりに血が湧き踊るようなワクワク感。

 待てよ武器が無いな。
 さすがに素手戦うと身体を痛めるかもしれない。
 何か武器になるような物を探そう。

 探索を開始して、周辺を隈なく探る。
 草原なので見晴らしがよく、すぐに色々見つけた。

「何だコレは?」

 イチゴみたいな美味しそうな赤いフルーツが生えている。
 ちょうどお腹が空いていたので、一つ手に取ってみると、頭の中に女の人の声で説明みたいなものが聴こえてくる。

 【レッドベリー】
 エクレス草原に生えるベリー系のフルーツ。
 食用可能で、味は甘酸っぱい。

 分からない物を食うのは怖いし、説明してくれるのは有り難い。
 この草原はエクレス草原というのか!

「うまーい! これだ、これ! 俺が求めてたのは、こういう事だ」

 こういう知らない場所で、初めて食べる感動。
 これこそ俺の求めてたハンターとしての生き方。

 ベリーを採取しまくって食べる。
 残った分はどうするか?

 あっ? そう言えば俺にはスキルがあるんだっけ?

 【レッドベリー】に触れながら【アイテムボックス】と念じると消えた。
 もう一度、次は念じながら取り出してみると出てきた。
 こういう使い方か理解した。

 お腹がいっぱいになり、探索を再開するがどうしても武器になりそうな物は見つからない。
 どうしたものかと思案していると、俺の眼の前に緑の小人が現れる。

「ゴブ!」

 異世界小説をよく読んでいた俺には分かる。
 たぶん、コイツはゴブリンと呼ばれる小鬼の魔物。
 ゴブリンは醜悪な顔で俺を睨み突進してくる。
 
「やるなら、やったら!!!」

 武器が無いからと言って、ただで殺られるわけにはいかない。
 体当たりしてくるゴブリンに反撃のパンチを繰り出す。
 すると効いたのか、地面にお尻を着けるように倒れる。

 せっかくのチャンスを不意にはしない。
 転がっている拳大の石ころを拾い、ゴブリンに馬乗りになって、石ころを顔に叩き付ける。
 それを何度も何度も繰り返す。
 相手が死ぬまで何度も何度も。
 殴るたびに頭から血を吹き出す。
 ぶしゃーぶしゃーと吹き出し、返り血を浴びるが、怯むことはない。
 これが俺の求めた血で争うバトル……最高の気分だぜ!!!
 
「おらっおらっおらっ!」

 ついにはピクリとも動かなくなり、ポシュンと消えてナイフが出てきた。

「うん……? ゴブリンはナイフなんて持って無かったはず」

 おかしいな……そう思いながらナイフに触れると……

 【ゴブリンナイフ】
 ゴブリンのレアドロップ。
 銅で出来たナイフで切れ味は悪い。

 ほーう……これがドロップアイテムってやつか!

 敵を倒すと消えてアイテムになるのか。
 切れ味は悪いと書かれているが構わない。
 俺は遂に武器を手に入れた。
 これで、ようやく戦えるな!

 毛深い牛は近づくが、警戒心が無いのか襲ってこない。
 横に移動して、先程入手したゴブリンナイフを突き刺す。
 
「もぅ~!?」

 驚いて俺の方に振り向くが、俺は素早くサイドに回り込み、同じ様に、ナイフを突き刺す。
 それを繰り返して10回刺すと、毛深い牛は倒れて消えていく。

「おっしゃーーー!!! 倒したぜ!」

 獲物を倒す快感に俺は、今とても悦んでいる。
 1メートル程ある白い骨のような、ドロップしたアイテムに触れる。

 【タロスの硬骨けんこつ
 タロスの硬い骨。
 
 毛深い牛の名前はタロスって言うのか。
 良い、なかなか良い骨だ。
 長さも適切で武器として使えそうだ。
 【ゴブリンナイフ】を【アイテムボックス】にしまい。
 今手に入れた骨を武器として装備する。

 片っ端から、見えているタロスを骨で叩き倒していく。
 ナイフよりも威力があって5回ほど骨で叩くと倒せる、
 31体程倒してドロップアイテムを回収する。

 【タロスの堅骨】✕10
 
 【タロスの毛皮】✕10
 茶色の大きい毛皮。
 温暖性能に優れている。

 【タロス肉】✕10
 食用可能な美味しいお肉。
 
 【霜降りタロス肉】✕1
 タロスのレアドロップ。
 食用可能で、脂肪の脂が乗ったお肉。

 食材を手に入れたから、食事には困らないな。
 【タルスの毛皮】を腰に巻き付けて、大事な所を隠す。
 もし人に会っても、これなら変態とは思われないだろう。
 骨を片手に持ち、腰に毛皮を巻く男……まるで原始人みたいだが、今は文句は言えない。

「あとは水が欲しいな」

 今度は喉が渇いたので、水を散策する。
 草原地帯のには川は見当たらないが、湧き水が溢れる水溜りを見つける。
 飲める水ならいいのだが?

 湧き水に手で触れると、お馴染みのアナウンスが頭の中に流れる……

 
 【湧き水】
 綺麗な水。飲水可能。
 スタミナが少量回復する。
 
「良かったぁ~ごくっごくっ……ふぅ~生き返った」

 魔物と争ったせいで、疲れていたが少し回復した。
 テキストにスタミナが回復すると書いてあるから、【湧き水】のお陰のようだ。
 アイテムボックスに水をたくさん収納していく。
 これで安心だ。

 喉も潤った事だし、先に進んでみるか……

 視界に入った魔物を狩りながら進んでいく。
 タロス5体、ゴブリン10体、ホーンラビット20体を倒してドロップアイテムを入手した。
 ホーンラビットは見つかると、すぐに角を向けて突進してくる。
 野球でバットを振る時みたいに、全力でフルスイングしたら一撃で倒せた。
 余裕だったぜ……


 【タロス肉】✕5

 【ゴブリンの卑しい血】✕5
 飲めるが不味い。
 とても苦くて臭いがスタミナを少量回復する。

 【ゴブリンの卑しい角】✕5
 脆いため武器には向かない。
 砕いて使うとスタミナポーションの材料になる。

 【ホーンラビットの肉】✕10
 食用可能。 味は美味。

 【ホーンラビットの毛皮】✕9
 小さく白い毛皮。

 【ホーンラビットの鋭利な角】✕1
 レアドロップ。
 鋭い頑丈な角。 武器として最適。

「ははは……大量たいりょう!!!」

 【ホーンラビットの鋭利な角】だけ残して、全部【アイテムボックス】に収納した。
 新しい武器である角がどれ程の物か使ってみたい。
 だが、すでに夕陽が落ちて暗くなりつつある。
 どこか寝れる場所を……どうするかな?


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

ニトナラ《ニート、奈落に挑む》

teikao
ファンタジー
 冒険者達が集まる街、サンライズシティ。その近くにある巨大なダンジョンに冒険者は挑んでいく。  一説では「あの世」と言われ、全てを吸い込むはずのブラックホールから放たれた「人間の負の感情」が、地球に落下し誕生した大穴…通称【奈落】 そこにあるのは、 人智を遥かに超える秘宝 全てを断ち切るほどの武器 どんな病さえ治す秘薬 そして、 冒険者達を阻む数多のモンスター 負の感情の化身である【奈落六大将】 人々は命すら賭けて、それぞれの夢を追いかけて奈落に挑む。  私、作者のteikaoがカクヨムで執筆していた「ニート、奈落を旅して生計を立てる」の設定・ストーリーを再編した完全版になります。手に取っていただけたら幸いです。 よろしくお願いしますm(_ _)m AI artが好きなのでたくさん載せて行きます!また、BlueskyでもAIイラストを載せて行きます。そちらもアカウント名はteikaoですので、興味のある方は是非ご覧ください(^^)

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

処理中です...