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しおりを挟むカチャカチャカチャ
自宅の部屋の中で、俺、天馬 護20歳はパソコンで、自殺する方法を調べている。
もう、こんな世界にはうんざりだ。
来る日も来る日も仕事、仕事でつまらない日常を送り、国という縛られたルールの中で、息を殺して生きていく。
なぜ……自分がしたい事はできないんだろう?
どうして、好きな事で生きていけないんだろうか?
毎日、なぜ、なぜ?っと疑問ばかり。
自分に問い質すが答えは見つからない。
俺がやりたい事……それは、魔物を狩るハンターになり、戦いながら稼いで、各地を点々と自由に行き来すること。
人に縛られずに、ただ戦い生涯を全うしたい。
皆が描く【異世界の物語】、小説を読んで思ったのだが、多くの主人公達は自由を求めて冒険者ギルドに登録してハンターになるのに、魔物を討伐して名声を得て成り上がり、貴族になったり、王様になって国を運営するようになる。
結局……人に縛られているじゃないか!
人から認められ評価されるは、俺だって嬉しい。
だけど違うだろう、何の為に冒険者になった……
貴族になって、皆から褒められたいからか?
王様になって民から慕われたいからか?
……違うだろう!
ハンターは自由だからだ!!!
この日本という縛られた退屈な場所では出来ないこと……
血で争う魔物との心躍るバトル!!!
これこそが俺が求めた、【真の異世界】
行きたい……どうしても行ってみたい。
魔物がいる異世界に、行って戦いたい。
でも無理だ。
俺がいる世界には魔物なんていない。
それは、ただの夢や妄想。
どうあっても叶わない。
だから俺は死ぬことに決めた。
夢が叶わないなら、せめて、この世界には居たくない。
死んで楽になりたい。
もう解放されたい……
自殺の方法についてのページを開くと、そこには別の事が載っていた。
【死にたい貴方へ】
異世界へ行ってみませんか?
このページが出現したという事は、貴方にはハンターとしての才能が有ります。
魔物が溢れた世界で、敵を倒したり、採取採掘等をしてアイテムを集めて武器や防具、新たなアイテムを作り自由に生活できます。
国は無く、町や村しか存在しません。
王様、貴族といった制度がなく、領主が町を統括しているだけで、さほど縛られる事もありません。
自由と血で争うバトルを求める貴方なら、異世界でハンターとなり活躍できることでしょう。
貴方には特典としてスキルを与えます。
そのスキルは【アイテムボックス】といい、物を無限に収納できます。
収納してる間、中の時間は止まっているので劣化しません。
さーどうしますかマモル様?
異世界に転移されますか?
【YES】or【ハイ】
YESとハイしか選択肢がない。
そんなに俺を異世界に行かせたいのか?
嘘にしては面白い……久しぶりにワクワクしてしまう。
いいだろう騙されてやるよ。
こんなページ嘘だろうけど、それでも俺は異世界に行きたい。
貴族とか王様になって皆からチヤホヤされたいとか、そんな気持ちはない。
ただ魔物と戦うハンターになって生涯を全うする。
「俺は戦いたい! 答えは【YES】と【ハイ】両方だ!」
ポチッポチッと操作した瞬間……激しいめまいに襲われる。
「う、うぅぅ……パタリっ」
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