孤独な王女

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見上げた空は・上章

シュバルツにて①

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 青い空と海の狭間、浮かぶ綿のような雲に手が届きそうな気がしてくるほどに視界は広大に開け、潮の匂いが真正面から吹き付けてくる。一時だけ下ろしたリエンの長い髪が太陽の光を歓ぶように、きらきらと背中で跳ね躍った。

「よっしゃ泳ぐぜ!」
「はっ!?」

 リエンが初めて海を見て圧倒されている隣で、ナオがばばっと上裸になり、大きな籠を背負って海に飛び込んだ。
 フリーセアにいる間、ナオは大人しくリエンの側に控えていた。リエンより短気で落ち着きのない性格なのだが、フリーセア王族とは因縁を持っていたために、問題を起こさないようにと我慢していたのだろう。王都から距離を置けば置くだけ解放感が増していったのだと、大人たちはこの時に至ってやっと確信した。
 ナオは新鮮な海の幸を獲るついでにと、皮膚がふやけるほど存分に泳ぎまくった。
 リエンは飛び込みはせず眺めていただけだったが、ナオのやんちゃな歓声に釣られるように、徐々に表情の強張りが緩んでいった。声はいまだ喪われたままだが、あまねく命のたゆたう揺りかごのようにさざめく海水に触れ、押し寄せる波におっかなびっくり足を浸し、白い小さな粒が堆積してできた砂浜を素足で歩く。その日の夜と翌日の朝、水平線から昇り輝く太陽と月を映す瞳は、曇りが磨かれたようにぴかぴかと瞬いていた。
 ナオとガルダの張り合いまくった競泳にもほんのりと笑っていたほどで、セルゲイたちは密かに安堵の息を吐いたものである。
 元々、シュバルツ王城までの寄り道はリエンに観光をさせることが目的だった。アルビオンの撹乱もミシェルのおつかいもついでの用事で、リエンを彼女の知らない世界へ連れ出すことこそが主眼。凝り固まった思考の檻から、広く高い空の下へ。
 だから時々の商売も手伝わせたし、あちこち見てきた土地の話を聞かせたりもした。特にフリーセアの市場は自国の品よりも様々な国の舶来品が席巻しているので、話はいくらでもできた。ナオも乗馬を教えていたくらいなので多少は思惑を承知していたのだろうが、それと同じくらい真剣に遊びまくっていた。

 生まれ故郷のケルツに入ると、また借りてきた猫状態になって面倒をやり過ごそうとしていたが、ナオは根本的な部分で性格がリエンに似ていた。面倒ごとを避けようという意欲はあるのに、つい「うっかり」で波乱のど真ん中に立ってしまうような。
 それでも正体はバレず、セルゲイたちのフォローもあって大した波乱も起きなかった。ケルツの広大な牧を受け継ぐ少年少女たちへは、明らかに大きな影響を与えたが。だがそれも、今の段階では芽吹かない種ではあった。
 一行は一日滞在しただけで、翌日からはまたゆっくりと北上していった。

 王都へ辿り着いたのは、フリーセアでミシェルと会った日からほぼひと月。春の花を散らすように夏の風が吹き始める頃だった。








☆☆☆










 ナージャは、降嫁するまでここで暮らすようにと、ザクセン王から宮殿を与えられていた。
 城内にあるこじんまりとした、だが機能も外観も優れた建物だ。
 続々と選ばれる婚約者候補との交流にはもっぱら外宮が使用されており、ナージャの与えられたエルツィ宮殿に訪れるのは異母兄たちと専属の若医者、デンケル親子程度の、限られた者のみだ。
 ターシャはナージャの補佐という役目にのっとり、エルツィ内に寝食の場を調えられた。妹をだしに出世したのだとか噂されているようだが、それを気にすることはない。生まれたときからずっと一緒だった双子の妹と共に過ごす時間は、つまらない見栄で無駄にできるほど残されてはいないのだ。
 ジヴェルナの学園に再び留学するのにもついていくつもりだったが、ナージャは渋い顔だった。

「前に一度、行ったじゃない。せっかくなんだし自分のことに時間を使って、ついででお義兄さまたちを見張ってて」
「ゲオルグたち、丸くなったもんだぜ。そんなに気を張らなくてもいいような気がする。あと、お前の婿候補でついてくのはあの医者だけだからな。他国の地で羽目外さないか見張るっていう重大な任務がおれにはだな」

 ナージャは呆れたような、同時に少し疑わしそうな表情で尋ねた。

「それ、義兄上さまだけじゃなくて、お義兄さまたちみんながおっしゃった?」
「そういうことだ」

 ナージャが目の前で倒れたのがよほど効いたのか、それとも傍若無人なハリセンの衝撃のせいか、血で血を洗う仲の異母兄弟はところどころナージャを気遣うような素振りを見せていた。それどころか、レオンハルトやミランだけではなく、ゲオルグもアロイスも、しょっちゅうエルツィにお茶を一服しに訪ねてくるようになった。大して話すこともないのにマメに通い、茶菓子を食べるナージャを見ながら茶を飲み、日向ぼっこをして(雨の日は昼寝をして)から帰っていく。ナージャに会いにきたというより、単に人目のない場所でゆっくり休んでいるようにしか思えない。
 しかし、なにも知らない人々からは、王位継承権を争う二大派閥の中心人物と親しくしているという認識をされている。そのせいでナージャの突拍子もない出世よりも強い衝撃が城内に走り抜けた。たまに第三派閥の中心であり第五王子であるフォルカーも庭でターシャと武術の稽古をしたりと、誰も彼もが家主をよそにエルツィ宮殿で休暇を満喫しているのだった。
 さらに、ザクセン王も一度だけやって来て、それらを種に大笑いして帰っていったものだから、今や城内におけるナージャの地位は、姉姫や妾妃たちより上に登り詰めるだけ登り詰めた頂点である。
 宮殿を守る兵も父王自らの選任とあって、ますます注目が集まっている。父も異母兄もこぞって骨抜きにしたナージャの評判は、悪く謗ることすら憚られている有り様だ。それならばナージャに取り入ろうとする輩が生まれるのは当然で、今や六人に増えた婿候補は、体のいい防波堤になっている反面、可愛い末妹相手に調子に乗るなよと、ターシャや異母兄たちからあちこちで睨まれる事態にまで発展していた。

 そんなわけで、ターシャに押し切られて同じ馬車に乗ってジヴェルナに向かうことになったのだが、途中でジヴェルナ方面からやって来た父王の配下に止められた。主人へ報告に赴く寄り道にナージャの元に駆けつけた判断からも、単なる王女ではないナージャの存在の重みがよくわかる。

「リエン殿下が?」

 肝心の内容は目的地の学園のことで、神聖王国からの留学生がリエンに無体を働いたとのことだった。
 リエン個人は即座に反撃して相手を叩き潰したらしいが、これからジヴェルナと神聖王国が揉めるのは必至、その渦中にナージャが飛び込むのを、ザクセン王は望まないだろうということだった。近くの街で待機するようにとの進言を受け、数日後、ナージャたちは王都に呼び戻されることになった。

「せっかく、お誕生祭に駆けつけたかったのに……」

 残念に思ったが、外交問題となれば仕方がない。後日お祝いしようと決めたときには、留学自体が取り止めになるとは想像もしていなかった。

 姉弟の合同誕生祭は中断し、王子は監禁、王女は誘拐され、国王は原因不明の病に倒れ、筆頭公爵も暗殺されかけて瀕死の重傷を負った。
 それどころか国の威信が問われる疑念まで立ち上ったという。

 恩人が苦しんでいるとわかっているのに手も足も出せないという状況は、ナージャにとってもターシャにとっても拷問に等しかった。
 リエンもヴィオレットも、シュバルツの内乱を未遂で収めてくれたのだ。それに報いようと決意していたのに、エルツィ宮殿から一歩も出られない我が身を歯痒く思った。
 ザクセン王におねだりしてジヴェルナの情報を逐一伝えてもらうようにしていたが、情勢の変動はなかった。
 リエンは行方不明になっている間に誕生日を迎え、そこから、さらに一ヶ月半ほど過ぎた、ある日のことだ。
 鮮やかに青い葉が、宮殿の庭を鮮やかに彩るようになっていた。燦々と陽光を浴びる新緑は深く瑞々しい色をしていてリエンの瞳の色を思い出させるので、気鬱になったらテラスに出て、それを見て心を落ち着かせることがナージャの習慣になりつつあった。

「セルゲイの名はお前も知っているな」

 その庭の木々の間を潜り抜けてテラスに入り込んできた父に唐突にそんなことを言われ、ナージャは面食らった。玄関から入ってきたわけではなく、しかも随従さえ誰も連れていない身軽な姿だった。

「陛下……どうされたのですか。お茶をただいま用意しますので、こちらでお座りになってください」
「構わん、お前が座れ」

 自分の死期が見えて父王を恐れることすらしなくなったナージャは、仕方ないという顔で椅子に座り直した。父を立たせておきながら、それくらい大胆な真似もできるようになっている。

「セルゲイというと、『風の商人』と呼ばれるヴォルコフ商会の会頭でしょうか。存じ上げておりますが、夢で視たことはございません」
「それじゃない。お前の友人の話だ」
「……というと?」

 きょとんとするナージャに対し、相手はテラスの屋根を支える装飾優美な石柱に背中を凭れさせ、腕を組み、しごく面倒そうに言った。

「亡命だ。あと数日でここに来る」
「――え?」
「この宮に住まわせる。受け入れる口実はお前が考えろ。外の王子や臣に滞在が漏れた場合はお前たち双子と王女、全員殺す」

 武力と残酷さでもって国の頂点に登り詰めた虐殺王は、気だるげな物言いでも本気の念をありありと滲ませており、さすがのナージャも青ざめた。
 それでも言うべきことは言うので、「巫」とは関係なく、ザクセン王の寵愛が冷めないのだ。

「……渦中の王女殿下を内密に匿うとなれば、どんなに取り繕っても、永遠に秘密でいられるとは思いませんが……」
「わかっている。おれがいいと言うまでのことだ」
「……はい」

 無能を嫌い臆病も嫌う王は、有能かつ己に従順な者ほど可愛がるが、それとは別に、覇王に逆らおうとする反骨心と、それに見合う実力を持つ者も好んだ。捻り潰すのにこれほど楽しい敵もいないだろうという考えだ。
 ナージャはまさに後者だった。
 自分の子どものうち、誰が一番に死に急ぐのかと見物していたら、末の娘が先頭に突っ込んできたことには密かに驚いた。しかし、それ以後も見事にザクセンが張り巡らす死の基準を越え続けている。
「巫」の短命に関する一手として指名した専属医も、婿候補の選定も、エルツィ宮殿も、その都度与えてきた褒美だった。特殊能力などおまけ程度にしか認識していない。

 以前殺そうかなと思ったジヴェルナの王女を一時は匿ってやろうと思ったのは、末娘のそういう変化があったことも理由の一つだ。
 王子は、つい先日にその臣下を通して心根を見たが、王女はせっかく実物が来るのだから見物してやるつもりだった。
 息子たちや娘の意志の陰に気配を見せ、エルサですら変えた。次期女王にも確定していることだ、いずれにせよこの目で見定めてやる必要があった。









☆☆☆









「風の商人」一行が訪れたという待ちに待った先触れを聞き、双子はエルツィ宮殿の玄関に揃って急ぎ足で向かった。
 王の命令に従ってリエンの身分を作ったのはナージャだが、設定には悩まなかった。以前ナージャの護衛をしていたのが、今度は商隊の護衛として雇われているというだけのことだ。
 平民の商人といえども、国家すら左右する影響力を持つセルゲイほどの人物が相手ならば、出迎えも尽くして当然の礼儀であり、なによりのもてなしだった。
 だが、結果的にはそっちのけになってしまった。
 ナージャもターシャも、あまりにも無惨に変わり果てたリエンの姿を見て絶句した。
 ジヴェルナから脱した時よりはましになった程度だが、生命力と活力に溢れた往時の姿からはほど遠い。翼をもがれた鳥のように痛々しく、細かい傷だらけの色ガラスのような瞳からも、覇気にも似た意志の力を全く感じられなかった。単なる政治の変動だけでは済まない。どれだけの難事がリエンを追い詰めたのか、想像に難くなかった。
 それでも、ナージャは虐殺王に認められるほどの胆力の持ち主だ。すぐに目元を拭い、恩人であり友人である少女をありったけの力で抱きしめた。

「ようこそ……ようこそ来てくれました。約束していた通り、一緒にお茶をしましょうね」

 言いたいことも聞きたいことも山ほどあった。その全てを無理やり飲み込んで、一番大切なことを、リエンの耳に囁いた。
 会いたかった。もう大丈夫。ゆっくりと休んで。全部ひっくるめたお茶の誘い。
 その気遣いと温かい抱擁は、リエンの擦りきった心にまで沁みていった。
 リエンはのろのろと抱きしめ返し、ナージャの肩に額を擦り付けた。まだ声は戻ってこない。ありがとうと言えないから、精一杯、自分の温もりで思いを伝えようとした。
 ナージャはそれをきちんと受け取ったように友の背中を優しく撫でて、しばらくそのままでいた。
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