194 / 288
コケても歩く
悪女の心得①
しおりを挟む主人たちの昼食後、女子寮に戻って使用人用の食堂に向かおうとするユーフェの視界に、ふと人影が入った。その人がこちらにそっと身振りをするので、ユーフェはさりげなくその人の後に続いた。校舎から出ず、内部をそれとなくゆっくり歩く格好になった。
「イオンさん、講義の時間はいいんですか?」
「よくないから手短に聞くけど。なんであんた嬉しそうなの」
「そうでしたか?」
顔に手を当ててみたが、自分ではよくわからない。前を歩きながら前髪を掻き上げたイオンさんの青い目は、いつ見ても綺麗だった。顔立ちも整ってるのに、なんでいつも前髪を下ろしてるんだろう。もったいない、と思いつつ、問いかけるような視線に答えた。
「姫さまが、『信頼している』との相手方のお言葉を否定なさらなかったからです。あとお仕事をお褒めいただいたことも嬉しくて」
「でも、あんた、まだ認められてないんでしょ」
「はい。現金ですよね。でも本当に嬉しくて……ほっとしたんです」
「ほっと?」
「はい」
あの時姫さまがおっしゃったのは、あたしがしっかり侍女として働いていれば人格も何もかもどうでもいい、という一見非情で辛辣なものだったけれど、姫さまはあたしがミヨナ教を――そこに仕える神官を憎んでることをちゃんとご存じなのだ。
あの場でちゃんと侍女として振る舞えていたか不安だったけど、姫さまが褒めてくれて、実感した。ユーフェミアとしての憎しみも怒りも悲しみも消え去りはしないけど、それを呑み込むことができる。「巫」の挑発にも乗らず、簡単に私怨にも駆られないで、姫さまのおみ足を引っ張ることもしない。
「……まあ、それでいいんならいいけど」
「はい、ご心配ありがとうございます」
「心配じゃないし」
「そうですか?てっきり、あたしが姫さまに不信感を持ったのかと疑ってるのかと思ってましたけど」
「心配って王女サマの方を言ってたのかよ!」
「え、違ったんですか?」
きょとんとすると、イオンさんは口を結んで、ぐしゃりと前髪をかき混ぜた。しかも舌打ちまで聞こえた。どうしたのだろうか。
「……そろそろ時間がないから教室に戻る」
「あ、はい。頑張って下さい」
その場でぺこりと頭を下げた侍女からさっさと離れたイオンが吐き捨てた言葉は、誰の耳にも届かず消えた。
「あの高慢野郎が余計なこと言ったせいで、調子狂った……」
顔を両手で覆って壁に頭をぶつける様も、誰にも見られることはなかった。
☆☆☆
数日後、リエンはマリアベルからお茶会の招待状をもらった。エスペランサ公爵家で行われるのではなく、淑女科の講義の一環として開かれるものである。時折こうして他学科との交流が組み込まれているらしく、下手をしたら各家で開くものよりも規模が大きくなる。
リエンは気が向いたので出席することにした。ちなみに不良学生は続行中の現在である。
「……また囲まれてるな」
リエンは人だかりを横目にガルダを連れてさっさとマリアベルとルルーティエの待つテーブルへ歩いていった。あの人だかりの中心はエリスだ。男子よりも女子の方が寄っているのは、もう最近では見慣れた光景になりつつあった。エリスの特殊な色彩や異国ゆえの少し変わった雰囲気、短期留学生という立場はそれほどの吸引力を持っていた。平民学生がいるのは官僚科のみ、貴族令嬢のみで構成する淑女科の者は籠の鳥が多い。エリスという存在は刺激的で、放っておけないのだろう。しかも話が上手く、話題に飽きが来ないときている。
「二人はあそこに混ざらないの?」
「ご冗談はおよしください」
「私も、ちょっと……」
マリアベルとルルーティエは、エリスを取り囲む男女の集団にひっそりと眉を寄せていた。あまりいいものとは思えない光景らしい。リエンにお茶とお菓子を勧めて、リエンがどちらも「美味しい」と感想を言うと、二人ともほっとして口許を緩めていた。
「お口に合ったようで光栄です。こうして姫さまとお席を共にできて、これほど嬉しいことはありません」
アナスタシア王女の編入によって敬称がややこしいということで、リエンは呼び分けを頼んでいたのだが、「姫さま」に落ち着いたらしい。マリアベルたちとしても、リエンとさらに距離が近くなったように感じて喜んでいる。
「お招きありがとうね。そういえば、アナスタシア王女殿下はここにもいらっしゃらないの?」
「そのことも、殿下に相談申し上げたいと思っていたんです」
「授業放棄のこと?」
「はい」
実はこのときには、アナスタシア王女がリエンばりの不良学生であることが判明していた。ユゥの報告では、そこらを散策する以外は全く寮の自室から動かないらしい。常に人と接し、自室に帰るのは寝るときだけというエリスとは雲泥の差である。当然淑女科の棟にはたったの一度も姿を見せたことがなく、彼女の学生生活を補佐するつもりだったマリアベルの戸惑いはここに来て最高潮にまで登り詰めたらしい。リエンまでもがこのお茶会には参加したのに……というのがほとんどだろうが。
「このままでは先生方の印象が悪くなってしまいます」
「寮でも交流を避けていらっしゃいますし……」
「淑女科は大きな試験がないかわり、細々した講義で採点されて進級が決まる形式なんだっけ」
「その通りです。それでも留年にはなりませんが、王女殿下のお立場もありますし……。どうしたらいいでしょうか」
「うーん……」
試験さえ何とかすればいいリエンと違い、アナスタシア王女は今もって教師からの評価がなければ立場が危うくなるのだ。しかも周囲は亡命とは知らない。何のために留学しに来たのかと思われても仕方がないということになる。
普段のリエンなら「やる気ないならそれはそれでいいじゃない」と放置一択だが、先に告げたように彼女の兄に借りがあるので、さすがに今回は看過できない。
(まあいっそ、あの子、じゃなくて、王女を離宮に引っ張り込んでもいいんだよね。そんなに学園にいたくないのなら)
しかしだ。王女が離宮での暮らしにも満足するとは思えない。あの全力で不本意な態度は、亡命生活を本当に嫌がっている表れだろう。そこまで落ち着けない理由を本人から聞いてみるのもいいかもしれない。
じゃあ私が話を聞いてみる、と言うと、マリアベルとルルーティエはほっとした顔をした。ほとんど義理とちょっとした好奇心しかないリエンと違い、純粋にアナスタシア王女を心配している二人に微笑ましさを感じる。もちろん、ジヴェルナ有数の権力者エスペランサ、王国最北の厳しい土地を治めるノクタムの家名を背負う彼女たちに打算がないわけではないのだろうが、それでも根が善良なのだ。同年代となればなおさら他人事ではいられないらしい。
それからしばらくは神聖王国と国境を接するノクタム領の話を中心に雑談して、席を立った。
「楽しかった、ありがとう」
どうやらエリスが気に入らないのもリエンを気にしてのことだったと判明したので、可愛いなあという笑顔で二人を見つめてしまったのは仕方ないことだろう。エリスがリエンの侍女(と見なされている)に突っかかったことやリエンをミヨナ教へ取り込もうとする姿勢がかなり気に障ったらしい。
本当に素直で可愛い。
「うーん、思わぬところに思わぬものってあるんだね」
その足で女子寮へ向かう間に呟いてみる。ちなみにお茶会のあとの講義は当然サボった上でのことだ。返事をしようとしたガルダがふっと口をつぐんだ気配がしたので視線をやると、左手を腰の剣に当てていた。
「ガルダ?」
その問いかけと、割れ物が盛大に壊れるような音が鳴り響いたのが同時だった。はっと振り返れば、寮の上階からきらきらと光るものがいくつも落ちてゆく。ドッと重量があるものが地面に落ちる音もした。
それから、遠くてなんと言っているかはわからないが、女性の怒鳴り声。
あの部屋は、と思わず主人の様子をうかがったガルダに対し、リエンは「あれま」と言いたげな顔でその割れた窓を見上げていた。
「派手にやりましたね」
アナスタシア王女の部屋に行ったら、居留守を使われかけたので強引に入り込んだ。部屋を覗くと、ユゥが割れた窓の周りを片付けており、リエンのために扉を開けてくれたナキアはアナスタシア王女の衣服を整え、お茶を出すために下がっていった。
「……なんのご用ですか。今は講義中なのでは?」
罰が悪そうな顔で王女が言うので、リエンは肩を竦めた。
「あなたに学生如何を問われるとは思いませんでしたよ。外に投げたのはなんですか?」
「まあ、ひどい。あなたご紹介の侍女が誤って私の文具を窓の外に落としたんですのよ?どう責任を取ってくださるんですか」
「でしたらなおさら弁済がいりますね。彼女は私が預かるので、代わりの者を後程お付けしましょうか」
「結構ですと、以前も申し上げましたが?」
「――だから故国に送り返してほしいって?」
アナスタシア王女がはっと息を呑んだ。
リエンは言いがかりをつけられたユゥの様子も気にしなかったし、ナキアが外へ誰かの訪問の応対に行ったのにも意識を向けず、ずっと王女の観察をしていたのだが、ナキアが部屋に戻ってきての次の問いかけには即座に反応した。
「イレーネ夫人がお見えになりましたが、いかがしますか」
「下がらせなさい。今、私がアナスタシア王女殿下とお話ししているのよ」
「かしこまりました」
「っ勝手なことを!ここは私の部屋です!」
「そして私は客よ。座ってよろしい?」
返事をもらう前にさっさとリエンは座った。その背後に回るガルダはまるで自分が怒られているように緊張していたが、別に、リエンは怒っていない。立ったままの同い年の少女を見上げ、ちょっとだけ笑った。
「あなた、双子の片割れと違って演技が下手くそね。私を貶したいならもうちょっと悪びれない顔をしたらどう?」
王女は目を見開いて、絶句したようだった。その間にユゥに状況の報告をさせると、やはり王女自身が、鉱石を削り出して作られた文箱をぶん投げたらしい。しかもナキアが淹れた茶に難癖をつけての強行だった。
その難癖というのも、「取って付けたようなもの」とユゥは証言した。ユゥ、そんなに言いがかりをつけられたことに苛ついてるんだろうか。
「勝手なこと言わないで!」
と王女は顔を真っ赤にしているのに、ユゥはしれっとしていた。強くなったなあ……。
「殿下!シュバルツ王女である私の言を信じられないとでも言うんですか!?」
「言ってほしいくせになにを叫んでるの。どうせ、窓を壊したのも人気のない今の時間を選んだからでしょう?」
「……そ、そんなこと……!」
「『シンディー・レア』、あなたの双子のお兄さんから贈られてきたから、読んだんだけど。あなたも読んでるんでしょ」
リエンが上げた名前はとある恋愛小説の題名だ。半年くらい前に流行りだから読めという文とともに手元に届いた本。言われるがまま、何度か読んではいた。読んだだけだが。相変わらず理解も共感も皆無だった。
その登場人物のなかに、まさしく今のように癇癪を起こしてものを壊して言いがかりをつけてなど迷惑行為千万を振る舞い、周囲からどんどん煙たがられていく女性がいた。彼女は物語の途中でどこぞへと追いやられていたが……まさかそれを帰国のために参考にするとか……。
「私に嫌われるくらいで帰国できると思ってるの?レオンハルト殿下に頼まれたのはヴィーの方なのよ」
「な、なんの話か、わかりませんわ」
「意地張っても手遅れだわよ。ユゥ……よりナキアか、下に落ちてる文箱、誰にも見られないうちに回収できる?今すぐに」
「はい」
「じゃあお願い。あとはイレーネさまに私からとりなせば、まあほとんどなかったことにはできるかな。残念だったわね、女子寮にこの上ない悪印象を植え付けることができなくて」
問題行動を起こすにも被害者が出ないように配慮しているのに、無理して悪役ぶろうとするからこんな早々に破綻するのだ。この王女もなかなか根っこが優しいのか知らないが、自前の作戦なしに流行りの小説に倣ってどうする。だいたい、そんなに悪役になりたいなら、おあつらえ向きの場があったはずだ。歓迎会という名の。
「私、今むしろあなたに呆れ返ってるのよ。嫌うどころじゃないわ」
あ、涙目になった。睨む威勢も失ったらしく、泣くのを必死に堪えているだけの有り様に、リエンはふう、とため息をついた。とたんに王女の肩がびくりと震えるので、笑いそうになるのをこらえなくてはならなかった。
「……そこに座って。ナキアが淹れてくれたお茶を飲みましょうか」
そう言ってもふるふると小刻みに震えつつ一向に動こうとしないので、リエンは立って王女の前まで来て、その手を取って長椅子に誘導した。参考はネフィルのエスコートだ。そのまま隣同士に座って、王女の顔を見ないまま、自分のお茶を飲んだ。うむ美味しい。
「そういえば、ナキアにどんな難癖をつけたの?まさかそれも元ネタ通りにお茶の種類?」
「……リエンさまー、それ、世間一般的には追い討ちっていうんですよー……」
「そう?」
「姫さま、あたしもさすがにどうかと思います」
「ユゥは、とばっちり受けたんじゃないの?」
「あたしに向かって文箱を投げつけようとしたのも演技だってわかってましたから。だって、怒る直前に申し訳なさそうな顔をしてましたし、はっきり窓を狙ってましたし」
「ユーフェ……君もか……」
追い討ち第二陣のお陰で、今やアナスタシア王女はテーブルにめり込まんばかりに項垂れている。そのくらいにしておいてやれとも王女の目の前では言えず、ガルダは二人に向かってそっと首を振った。しかしだ。
「ナキアが戻ってくるまで内緒話をしたかったんだけど。アナスタシア王女殿下、大丈夫?」
「………………内緒話って、なんですの」
「あなたが国に帰りたがってるのは、隣国とはいえ見知らぬ国にたった一人放り出されたからじゃなくて、緊張状態の母国に残ったお兄さま方を思ってのことだって、私は考えてるんだけど。これで合ってる?」
従者の思いも届かず、リエンはいたって無自覚に止めを刺したのである。
0
お気に入りに追加
1,705
あなたにおすすめの小説
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。
airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。
どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。
2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。
ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。
あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて…
あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
婚約破棄イベントが壊れた!
秋月一花
恋愛
学園の卒業パーティー。たった一人で姿を現した私、カリスタ。会場内はざわつき、私へと一斉に視線が集まる。
――卒業パーティーで、私は婚約破棄を宣言される。長かった。とっても長かった。ヒロイン、頑張って王子様と一緒に国を持ち上げてね!
……って思ったら、これ私の知っている婚約破棄イベントじゃない!
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
おかしい、おかしい。絶対におかしい!
国外追放されて平民として生きるつもりだったのに! このままだと私が王妃になってしまう! どうしてそうなった、ヒロイン王太子狙いだったじゃん!
2021/07/04 カクヨム様にも投稿しました。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる