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コケても歩く
小旅行①
しおりを挟むシュバルツの次期王権争いは現状、膠着状態にある。どの勢力も決め手に欠いた状態で、にらみ合い牽制し合うより他にやれることがないのだ。
なぜなら、二大勢力のうち一つ、その首魁が公の舞台から姿を晦ましたから。
もちろん長い時を置けば、もう一つの方が有利になる。しかし相手がそれをわかっていてみすみす隠れたままでいるとも思えず、見えぬ場所から毒針でも刺すのではないかと警戒し……という状況なのだった。
「まだ見つからないのか」
集まる配下へ鋭く荒々しい声をかけたのは、第一王子のゲオルグだった。ザクセン王の長子とはいえ、弟との生まれの差はたった数ヵ月だ。それぞれの母の生い立ちも性格も違うのだから、兄弟としても全く似るわけがない。顔の造りが父に似る部分があって初めて血の繋がりを見出だすだけ。
「も、申し訳ありません……。城内、城下をくまなく捜索しているのですが、それでも杳として行方が知れず……」
「ミランの母の生家とデンケル親子の家は、見張りをつけているだけか」
「はい」
「ならば焼け」
兄弟の情など欠片もないことは、その冷ややかな声で明らかだった。大勢の配下のうち、半数はぎょっと目を剥き、残りは身をわずかに震えさせただけだった。
ゼンは前者だ。彼は周囲の反応の差が古参と新参の違いだとすぐに察してそれとなく視線を巡らせた。
「炙り出せ。潜んでいなかったとしても見せしめになる。ましてや隠れ家が二つ潰えるだけだ」
「はっ」
最前列で将格の軍人が深く頭を下げている。ゲオルグの母の弟だ。ゲオルグに仕える中で最も古参と言っていい。
「王族所有の邸宅も奴らの所縁のものも全て洗い直せ」
奴らね、とゼンは内心で呟いた。全くもって穏やかじゃない兄弟関係だ。ゼンの今の主は第一王子派の貴族だが、よりにもよって自分がここまで――第一王子の顔を直接拝謁できるほど深く潜り込むことになるとは思ってなかった。
『お前は目立つ。よくも悪くも』
農民上がりの戦災孤児で、高い官職に就く養父も子育てにはほぼ関与しなかったので、ゼンは周囲から、わりと身軽に見られていた。孤児の成り上がり傭兵と申告すればあっさり信じられるほどに。
『本来の、影に潜んで裏から表を覗くやり方は向いていない気がするが、それでも働きたいのなら、お前なりの方法でやり遂げてみせろ』
ジヴェルナ前王姉の言葉通りに、見知らぬ土地で一から進めていった。フリーセアの生まれと嘘をつき、戸籍すらごまかし、子どもだったゼンはたった一人で密偵と傭兵とに必要な力を身につけた。第三王子の元に雇ってもらえたのは、それらの努力と運の結果がほとんどだ。
それがまさか、一応主人である第三王子があっさり第一王子の軍門に下ってしまうとか。しかも、ゼンとその部下がジヴェルナに行って戦力調達に働き、失敗している間に大方話がまとまっていたという。
まさに寝耳に水、踏んだり蹴ったり。即座に雇われ直したのはいいが、抜け時がさっぱりわからない。混乱の中、なんとかベリオルの元へ急変の報せこそ出せたが、それで精一杯だった。
(これ、下手したらこのまま王位継承戦争にケリがついちまうな)
どうせならその行く末を見守り、弱点や欠点全てをかき集めてジヴェルナに帰還した方がよさそうだ。この王子は平和をこよなく憎んでいるので、即位すれば間違いなくジヴェルナに戦禍が降りかかる。それだけはごめんだ。
その一念のもと雇い主の命令に従い黙々と働いていたある日、とある一報に度肝を抜かれて一瞬放心した。
このゼン・ガレットにしてあるまじきことなのだが、まさに唖然呆然、いっそ腰すら抜かしかけた。こんな失態は滅多にないことだが、実は少し前にも同じ経験をしていたので立ち直りは早かった。
(あんの、王女……!!)
しかも前回も今回も原因までそっくり同じときた。黄金と碧玉を持つ風変わりな妖精が、盛大にしでかしてくれたのだ。
よりにもよって亡命した第二王子派の姫を連れてまで、おとなしくジヴェルナ寄りの国境に留まっている訳がない。絶対入ってくる。確実にシュバルツの王都まで来るぞあの王女。しかも――その上でなにをやらかすのか、全く読めない!
ゼンは数多ある可能性にぶるっと総身を震わせたが、周囲は王女が国境に来たことを聞いてすわジヴェルナから宣戦布告かと慌てふためいているので、青ざめた顔も人目を引かずに済んだ。
「隊長……」
深々と吐息を漏らしたのと部下から不安げに名を呼ばれたのが同時。ゼンは頭の後ろをがりがりと掻き、なんとかにやりと笑みを浮かべた。
「……んな慌てんな。おれらは与えられた仕事をこなすだけだ。ただ、無駄死にだけはしねえように、上の動きには常に気をつけとけ」
ゼン自身は傭兵として信念も矜持も自分個人に帰属するのだが、部下は違う。シュバルツで生まれ育ち、国のため国民のために戦うという信念を持っている。それでも彼らがゼンを慕うのは、ゼンが彼らの信条を尊重しているからだ。その上で時には無謀に突っ走る猟犬を殴り付け、幾度となく窮地から救ってきた実績があるので、ゼンの「上層部がおれらを切り捨てるかもしれないことを覚えておけ」という不遜な言葉にも素直に従うのである。
部下の忠誠は確実に、国王や王子たちや雇い主ではなく、ゼン一人に向いている。ゼンがジヴェルナの密偵とばれたらどうなるかはわからないが、今は確実に、ゼンが「第二王子を見つけてもゲオルグに報告するな」と命じたらその通りに黙認するだろう。それなら、いくらでもやりようはある。
(ひとまずは時間稼ぎといこうかね)
さて仕事だ、と腰を上げた。
☆☆☆
シュバルツに乗り込む面子はあらかじめ決めていた。リエンとガルダとナージャだ。それ以上はなく、それ以下もない。
「留守番ついでに神聖王国とこの国の動向を見張っておいて。帰ったら報告させるから」
「……はい」
厳しめに告げると、見るからに不承不承、ユゥが頷いた。だいたい辺境に連れて来るまでにもひと悶着あったのだ。王都でセレネスに保護を任せるつもりだったのに、ここまでは、と食い下がってきた。ナージャの世話があったので仕方なしに許して、到着してみればやっぱりあたしもシュバルツまでついていきます、とこうだ。戦えない者は足手まといだと突き放せば、肉壁にはなれますと言われた。
頭の中が真っ白になり、一秒後、今度はぶわりと沸騰した。
拳をかため、振りかざしたのも無意識で。ナージャの悲鳴のような制止の声が聞こえて、ガルダに拳を掴まれて、やっと我に返ることができたのだ。
昨日刺せなかった釘を刺すために、ユゥの胸ぐらを掴んで引き寄せた。
「――二度と、昨日のような馬鹿げたことを抜かすな」
一体自分はどんな顔をしていたのか。青ざめたユゥは、ごくりと喉を上下させ、かくかくと頷いた。
「じゃあ行ってくる」
ぱっと手を離してエルサに声をかけると、「お気をつけて」と笑みを向けられた。
「どうせなのでわたくしもその者の指導でもして時間を潰しましょう」
「それ、どんどんユゥが優秀になるやつ……」
「少なくとも思い上がった考えはここで徹底的に滅しておかなければなりません。これではタバサが泣きますわ」
「滅す……あー……ええと、ユゥが潰れない範囲でね」
「心得ておりますわ」
にっこりと微笑むエルサはさすがリエンの師匠である。非の打ち所のない完璧な笑顔に、リエンは心強いわ……と明後日を見ながら相づちを打つのだった。
シュバルツとの国境線は平地の上にあり、地図で線を引くように鮮明に区分けされているわけではない。しかし、両国の砦、関所がしっかりと往来する人々を見張っている。一方の管理者たるエルサは当然その抜け穴に詳しく、リエンにもあっさり教えてくれた。ナージャとガルダが軽く引くくらい詳細に、あれこれと。職権濫用ここに極まれり。
移動に一日かけ国境を越え、頭に叩き込んだ地理とナージャの記憶を頼りに、さっそく北東へと進む。扮装した上だ。
「……私、ここまでお姫さまらしくしたことないかもしれません」
「そう?」
今のナージャは質素だが縫製のしっかりした衣服を着ている。農民か商家の娘か判別が難しい不思議なデザインだが、ナージャによく似合っている。もちろんリエンのお手製で、あちこちのポケットにヒュレムに頼んで分けてもらった攻撃的薬物を詰め込むようにした。実際の武器は、ナージャは取り扱ったことがないというので装備させていない。
「私かガルダが常に側にはいるからナージャ殿下が刃を抜く必要はないからね。護身道具も、あくまでも最終手段だし」
リエンは少年従者に扮していた。今回は髪を染めず、長すぎる髪を神聖王国に行ったときのように布でまとめあげて紐で固く固定し、髪色を周囲から隠している。エルサからもらったシュバルツでの従者の服装の中に、もちろんこちらもヒュレムからの秘密道具を詰めている。腰には短剣。防具も動きを妨げない最低限かつ高品質のものを借りた。
そのなかで、ガルダは相変わらずの装いである。慣れた格好なので、どんなに簡素なものだろうと滲み出る風格というものがある。
ナージャは今、間違いなく人生初めての贅沢をしている自信があった。
どこの世に、王女を従者として侍らせ王国最強の騎士を護衛として歩く他国の姫がいるというのだ。しかもどちらも美形で、どちらもナージャに「絶対に側から離れないこと」「おれが守るのであなたはご安心を」と口々に言ってくる。それこそ恋愛小説待ったなしのシチュエーションだ。
こんな状況じゃなければ浮かれきっていただろうな、と思う。そう考えれるだけでもずいぶんと余裕ができた証だ。祖国の地を踏めば、ますます気分は高まった。
「レオンハルト殿下が潜伏してるのがどの辺りかによるけど……本当に王都に残ってるものかな」
「義兄上さまなら、絶対にそこにおられます。支持する人々を見捨ててはいかれない人なんですから」
「ナージャ殿下が言うならそうなんだね……」
困った性格だ、と苦笑する義兄上の想い人を、ナージャはじっと見つめた。
「リエン殿下は、義兄上さまのこと、どのようにお思いですか?」
「なに?」
「義兄上さまの求婚を一度は断られましたが、再考の余地はありますか?」
「えっ、ないけど」
なにを訊くんだと言いたげな反応に、がっくしと肩を落とした。素晴らしく脈なしの反応である。考える間もなかった。
「い、一応伺いますが、なぜですか?」
「なぜって……結婚するメリットがないじゃない。ヴィーと公然の仲なんだから、わざわざ余計によしみを結ぶこともないわ」
「聞かなきゃよかった……」
「なんで?」
リエンが真剣に首をかしげれば、ナージャとガルダ(実は固唾を飲んでこの会話を聞いていた)は、そっくり同じように重々しいため息をついたのだった。大変失礼な話である。
時々こんな雑談を交わしながらの旅は、比較的平穏かつ順調に進んでいった。安物だが馬車を買い上げていたので、真冬でもそれなりに楽な旅路だった。神聖王国ほど寒さが厳しくないこともありがたいことだ。問題といえば時々出てくる盗賊くらいだが、ナージャを馬車に押し込んでリエンが馬を守り、ガルダが掃討に出る、という布陣で全部なんとかなった。
「ゆっくり見て回る暇もないのがもったいないな……」
「私も、ちょっと残念です。記録で知っていても、見ていると色々考え方が変わりますね……」
寝起きは馬車、食事は野戦料理、いつ盗賊のおかげで足を止めるかわからないという不便な旅でも楽しむことができるのが若者の特権である。それでも観光する余裕がないのがもったいないらしい。ガルダは淡々と旅程をこなしていたが、悔しがる二人がまるで姉妹のようにそっくりなのでつい笑ってしまった。
「また今度、落ち着いた頃に行けばいいんですよ」
「そうだけどさ」
「その時は私がお招きするので、ぜひ一緒に回りましょうね!」
ナージャが食い気味に約束を取り付けてきたので、リエンは苦笑しつつそうだね、と頷いた。そのためにこそ、今はしっかり仕事をこなさなくてはならない。ナージャを混乱の王都に送り届けるだけではなく、王位継承権争いを鎮静化させること。簡単には済まないだろうが、リエンは短期決戦早期解決を目指している。
第三王子アロイスは第一王子ゲオルグの勢力に飲み込まれ、第四王子クルトは毒殺され、第五王子ミランは第二王子レオンハルトに与することを宣言し、第二王子派の主要人物は絶賛行方不明中。
これが新年早々から怒濤のように繰り広げられた覇権争いの一幕である。
ナージャがあれだけ切羽詰まっていたわけがよくわかるというものだ。エルサも驚いていたが、国境から見れば内乱の気配はないと保証してくれた。
ついでに、息子たちの闘争を傍観しているらしいザクセン王の性格を聞けば、エルサもナージャも全くもって歯に衣着せぬ物言いで「クズ男」と表していたのには、あらま、と他人事にならざるをえなかった。求婚者としても父親としても最底辺らしい。その反面、為政者としては抜きん出た才能を持つと。反抗する者は殺し、異論は叩き伏せる冷酷非情ぶり、それでも結果として堅実に国を富ませている。
「ただ、どの施策もよく見れば刹那的です。後世のことはさして考えておりません。芽を潰すことこそしませんが、次代になれば権威はいくらか落ちるでしょうね」
「どっちが王さまになっても?」
「ええ。ナージャ殿下には申し訳ないですが、それほど、あの王は突出しています。人望も含めてです」
「クズなのに?」
「畏れ敬っているのです。強者にこそ惹かれる性は誰にでもありましょう」
怖いけれど、信頼もしている。そんなところか。そんな男が後継者を指名すれば兄弟間の争いも多少は落ち着くのだろうが、今さらそんなことをするとも考えられない。
ナージャの父親への忌みようからもそれは明らかだ。
「陛下は面白がっているんです。最終的には、陛下が即位されたようにしか、後継者の座は落ち着かないかもしれません」
「たち悪いわね、それ」
つまり、王になりたければ親兄弟を皆殺しにしろということだ。第四王子が毒殺されたのもそのための策謀だろうが……どの勢力が動いたのかは、ナージャが国内にいるうちに判明できなかったそうだ。
(でも、少なくともゲオルグとレオンハルト殿下のどちらかは、死ななきゃ決着がつかない)
二大派閥の首領として、どちらが勝っても、敗者は禍根にしかならないのだから。
「単なる兄弟喧嘩で済めばいいのに」
リエンがぽつりと呟くと、ナージャはなにか言いかけて、結局は口をつぐんだ。とたん、リエンの緑瞳がまっすぐにナージャに向いた。
エルサもそれに倣うように、ナージャに視線を向けた。
隣国の王女の支援を得たアナスタシア王女は、もうただの無力な末姫ではない。改めてその覚悟を問うような沈黙に、ナージャは喉をこくりと鳴らした。
火種を揉み消すか、それとも油を注ぐか、はたまた水をかけるか――。
「……私は――」
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