13 / 288
まず足場を固めていこう
閑話・裏返った思惑②
しおりを挟む
俗な言い方をすれば、舐めていた。
しかし言い訳させてほしい。
相手は三歳で、ほとんどまともに人と接したことはなかった。それに比べてこちらは一族でも評判のいい我ながら優秀な大人である。
誰が幼女の方が勝つと信じられる?ちなみに私はまだ負けた事実を飲み込めていない。膝を屈したくなるような声に、表情に、その存在感にまだ現実を認められない。
だから絶賛現実逃避中だ。
「ねえ」
急に話しかけられて驚いた。興味なかったんじゃないのか。胸にうずくまる幼女を見ているとありとあらゆる罵詈雑言をいうような顔で見上げられた。なんとも理不尽な思いなのだが。
「私って、生後何歳?誕生日っていつ?」
ここにきて何をアホなことを。もっと他に気になることあるだろう。ないのか?ダメだ本当に思考が読めない。
「誰も教えてくれないから教えて。親戚なんでしょ、知ってるよね」
……本当にアホなのか?「親戚」を利用するならもっとましなものがあるだろう。それこそ子どもらしくねだったりとか……子どもらしくないんだった。自己完結した。
とてつもなく真剣な顔で見上げてくるものだから、馬鹿馬鹿しくなってきた。
「君を見ているとその記憶に自信がなくなってきたな」
常識ってどこからどこまでだったっけ?
「具体的に、いつ」
「は?」
こいつそんなことも知らないのか?冗談だろうと思って見下ろすと、本当に知らないようだった。そこでようやく調査結果を思い出す。……ここまで忘れていた私は断じて悪くないと思う。
そうか、知らないのか。
次の瞬間また悪寒が走った。何だこの子ども。同情にたいして敏感すぎないか。
そのとき悟りが開けたんだと思う。
そうか、常識を知らないからこんな常識やぶりなんだ。
ようやく納得がいった。
なぜか逆に哀れみの目で見られたりしがみついてきたのに思わず絆されて頭を撫でたり(その間不審者を見る目で見られたのは傷ついた)。
とにかく幼児を部屋に返してから、これからのことを考え直そうと思ってまだ荒れた庭に佇んだ。そして。
今度こそ本当に度肝を抜かれた。
「やった、これがとかげ?」
うん、それはもう。思わず耳を疑い、こっそり声が聞こえるところを覗いて目すら疑ったとも。
何が「やった」?とかげ捕まえてどうするんだ。おい、姫だろ君。
「晩ごはん~♪」
……………………は?
あっ首締めた。そこら辺の木の枝拾って……刺した!?
「これを焼けばいいんだね」
ふぁっ?
幼女は固まるこっちに気づかずんしょんしょと窓から這い登って部屋に消えた。
思わずこっそりと部屋を覗いた。ら、幼女は暖炉にそれを刺す。暖炉の上のマッチを手に取る。しゅっと火をつけ、暖炉に投下。燃え上がる薪。
「あ、焦げるかも」
重い火かき棒を体全体でささえ、薪を崩して火の勢いを弱めさせる。
焼き上がるまでの時間潰しか、体を清め、服を洗い。髪を綺麗にとかし、わくわくと暖炉の前で待つ。
……おいまさか。
「できた?わあ、おいしそー!」
……………………さすがにそれ以上は見たら自分の何かが崩れ落ちていきそうで窓から逃げ出した。
「な、何なんだあの子。なぜとかげを食べる」
よろよろと茂みの中に腰を下ろした。土がつくとか考えなかった。脱力が半端なかった。何だかトラウマになりそうな気がしてきた。あの人にそっくりで可愛らしい幼女が嬉々としてとかげをかじりむしる。想像するだけでちょっとやばかった。どこウケするんだ。
日が落ちはじめて薄暗くなってきた。冷たい風が首筋を撫でていくので、ようやく我に返った。
この短時間で自分がどれほど不測の事態に弱いか……というかポンコツなのか思い知らされた。何なんだ本当に。私今日ろくなことしてないぞ。この私が。
しかししばらくして感情の整理ができると、一周回って面白くなってきた。
放置されているのは知っていたが、身の回りの世話をする侍女もいないとは思っていなかった。食事も与えられていないとは。
だからといって、飢え死にそうで部屋でひっそり嘆いたりするのが普通じゃないのか。あの姫はそんな繊細な可愛げなどどぶに捨てろとばかりに元気に外に出て自ら食糧を調達、着替えも体を清めるのも一人でやる。
出会った時の子どもとは思えない言動。垣間見せた王の風格。
王族は総じて早熟な者が多い。そしてもう半分の血は、情をかければこの世の果てまで執着する「修羅の一族」のもの。
『ありがとうございます』
別れ間際に初めて見せた媚びた目。あれきりならあの娘は突き放そうとするだろう。あれは『次』を確信していた目だ。
目的はある程度察した。暦を知らなかったように、他にも知らないことがある、それを知りたいのだろう。
そんな風に、自分の境遇を客観視しておかしいと気づいているのに、儚むことなく貪欲に生きようとする。
あの突拍子もない王女が王族として常識を身に付けたら?
「……どのみち、あれでは素直に駒になってくれないだろうしな」
くくっと喉の奥から笑いがこぼれる。ああ、楽しい。こんなに楽しいのはあの人の葬儀以来だ。
単純に言うなら、あの姫が自力でどこまでやるのか見たくなった。とてつもない興味本意。
一人でどこまでのしあがれるか。見渡す限り敵しかいない中で、君はどんな奇跡を起こしてくれる?
「さて、そうと決まれば一族の説得か。……私のこれまでの功績ってどれくらい強い切り札になるんだろうな……」
だるい。面倒くさい。けれど、やりがいはある。
「王女が『次』をご所望なら、期待には応えてあげないとな」
「修羅の一族」の笑顔は「魔の微笑」と界隈で恐れられている。なぜならその笑顔を向けられた者の運命はそこで決定するからだ。本来なら誰も抗えない。
今の自分は相当悪人面だろうなぁと思いながらも、あの泰然とした(人をぽんぽんと手玉にとってくれた)王女の呆気にとられた顔を想像するだけで、楽しくなってしまうのだった。
☆☆☆
不本意ながら一族に正気を疑われたりしながらもなんとか説得し、後宮に根回しをし、私自身が迎えに行った。
怪我がほとんど治った幼女のアホ面が出迎えた。
苦労の甲斐があった。
間抜けだなというと睨まれたが今さらだ。相変わらず警戒心が強い。
「おはよう」とか知ってると思わなかった。心積もりしていたのに、人の想像の上を行くのが得意な姫だ。しかし負けてなどいられるか。
主導権など幼女に遠慮してやる必要などないんだ。
血色はよくなったが相変わらず軽すぎる体を抱え上げると、強い緑の瞳に刺し貫かれた。
「どこ行くの」
「君の新しい部屋だ」
は?という表情も間抜けだった。ああ、どうせ私は三歳児と張り合って、勝って喜ぶ小さい男だよ。
「どういうこと。あと相変わらず言うのが遅い」
これがただの三歳児ならの話だが。
「後宮から出る訳じゃない。しかし少なくともここよりまともな場所に案内しよう」
ふっと笑いがこぼれた。意味を知らないはずなのに地味に怯えているのが愉快だ。
私だけではない。報告を聞いた一族がみな、この姫に本気で興味をもった。
……だから。
(せいぜいかき乱せよ?)
「修羅の一族」のだれも、この青年でさえも。十年以上経ったあとに、期待以上の結果となるとは、この時、つゆとも想像しなかった。
しかし言い訳させてほしい。
相手は三歳で、ほとんどまともに人と接したことはなかった。それに比べてこちらは一族でも評判のいい我ながら優秀な大人である。
誰が幼女の方が勝つと信じられる?ちなみに私はまだ負けた事実を飲み込めていない。膝を屈したくなるような声に、表情に、その存在感にまだ現実を認められない。
だから絶賛現実逃避中だ。
「ねえ」
急に話しかけられて驚いた。興味なかったんじゃないのか。胸にうずくまる幼女を見ているとありとあらゆる罵詈雑言をいうような顔で見上げられた。なんとも理不尽な思いなのだが。
「私って、生後何歳?誕生日っていつ?」
ここにきて何をアホなことを。もっと他に気になることあるだろう。ないのか?ダメだ本当に思考が読めない。
「誰も教えてくれないから教えて。親戚なんでしょ、知ってるよね」
……本当にアホなのか?「親戚」を利用するならもっとましなものがあるだろう。それこそ子どもらしくねだったりとか……子どもらしくないんだった。自己完結した。
とてつもなく真剣な顔で見上げてくるものだから、馬鹿馬鹿しくなってきた。
「君を見ているとその記憶に自信がなくなってきたな」
常識ってどこからどこまでだったっけ?
「具体的に、いつ」
「は?」
こいつそんなことも知らないのか?冗談だろうと思って見下ろすと、本当に知らないようだった。そこでようやく調査結果を思い出す。……ここまで忘れていた私は断じて悪くないと思う。
そうか、知らないのか。
次の瞬間また悪寒が走った。何だこの子ども。同情にたいして敏感すぎないか。
そのとき悟りが開けたんだと思う。
そうか、常識を知らないからこんな常識やぶりなんだ。
ようやく納得がいった。
なぜか逆に哀れみの目で見られたりしがみついてきたのに思わず絆されて頭を撫でたり(その間不審者を見る目で見られたのは傷ついた)。
とにかく幼児を部屋に返してから、これからのことを考え直そうと思ってまだ荒れた庭に佇んだ。そして。
今度こそ本当に度肝を抜かれた。
「やった、これがとかげ?」
うん、それはもう。思わず耳を疑い、こっそり声が聞こえるところを覗いて目すら疑ったとも。
何が「やった」?とかげ捕まえてどうするんだ。おい、姫だろ君。
「晩ごはん~♪」
……………………は?
あっ首締めた。そこら辺の木の枝拾って……刺した!?
「これを焼けばいいんだね」
ふぁっ?
幼女は固まるこっちに気づかずんしょんしょと窓から這い登って部屋に消えた。
思わずこっそりと部屋を覗いた。ら、幼女は暖炉にそれを刺す。暖炉の上のマッチを手に取る。しゅっと火をつけ、暖炉に投下。燃え上がる薪。
「あ、焦げるかも」
重い火かき棒を体全体でささえ、薪を崩して火の勢いを弱めさせる。
焼き上がるまでの時間潰しか、体を清め、服を洗い。髪を綺麗にとかし、わくわくと暖炉の前で待つ。
……おいまさか。
「できた?わあ、おいしそー!」
……………………さすがにそれ以上は見たら自分の何かが崩れ落ちていきそうで窓から逃げ出した。
「な、何なんだあの子。なぜとかげを食べる」
よろよろと茂みの中に腰を下ろした。土がつくとか考えなかった。脱力が半端なかった。何だかトラウマになりそうな気がしてきた。あの人にそっくりで可愛らしい幼女が嬉々としてとかげをかじりむしる。想像するだけでちょっとやばかった。どこウケするんだ。
日が落ちはじめて薄暗くなってきた。冷たい風が首筋を撫でていくので、ようやく我に返った。
この短時間で自分がどれほど不測の事態に弱いか……というかポンコツなのか思い知らされた。何なんだ本当に。私今日ろくなことしてないぞ。この私が。
しかししばらくして感情の整理ができると、一周回って面白くなってきた。
放置されているのは知っていたが、身の回りの世話をする侍女もいないとは思っていなかった。食事も与えられていないとは。
だからといって、飢え死にそうで部屋でひっそり嘆いたりするのが普通じゃないのか。あの姫はそんな繊細な可愛げなどどぶに捨てろとばかりに元気に外に出て自ら食糧を調達、着替えも体を清めるのも一人でやる。
出会った時の子どもとは思えない言動。垣間見せた王の風格。
王族は総じて早熟な者が多い。そしてもう半分の血は、情をかければこの世の果てまで執着する「修羅の一族」のもの。
『ありがとうございます』
別れ間際に初めて見せた媚びた目。あれきりならあの娘は突き放そうとするだろう。あれは『次』を確信していた目だ。
目的はある程度察した。暦を知らなかったように、他にも知らないことがある、それを知りたいのだろう。
そんな風に、自分の境遇を客観視しておかしいと気づいているのに、儚むことなく貪欲に生きようとする。
あの突拍子もない王女が王族として常識を身に付けたら?
「……どのみち、あれでは素直に駒になってくれないだろうしな」
くくっと喉の奥から笑いがこぼれる。ああ、楽しい。こんなに楽しいのはあの人の葬儀以来だ。
単純に言うなら、あの姫が自力でどこまでやるのか見たくなった。とてつもない興味本意。
一人でどこまでのしあがれるか。見渡す限り敵しかいない中で、君はどんな奇跡を起こしてくれる?
「さて、そうと決まれば一族の説得か。……私のこれまでの功績ってどれくらい強い切り札になるんだろうな……」
だるい。面倒くさい。けれど、やりがいはある。
「王女が『次』をご所望なら、期待には応えてあげないとな」
「修羅の一族」の笑顔は「魔の微笑」と界隈で恐れられている。なぜならその笑顔を向けられた者の運命はそこで決定するからだ。本来なら誰も抗えない。
今の自分は相当悪人面だろうなぁと思いながらも、あの泰然とした(人をぽんぽんと手玉にとってくれた)王女の呆気にとられた顔を想像するだけで、楽しくなってしまうのだった。
☆☆☆
不本意ながら一族に正気を疑われたりしながらもなんとか説得し、後宮に根回しをし、私自身が迎えに行った。
怪我がほとんど治った幼女のアホ面が出迎えた。
苦労の甲斐があった。
間抜けだなというと睨まれたが今さらだ。相変わらず警戒心が強い。
「おはよう」とか知ってると思わなかった。心積もりしていたのに、人の想像の上を行くのが得意な姫だ。しかし負けてなどいられるか。
主導権など幼女に遠慮してやる必要などないんだ。
血色はよくなったが相変わらず軽すぎる体を抱え上げると、強い緑の瞳に刺し貫かれた。
「どこ行くの」
「君の新しい部屋だ」
は?という表情も間抜けだった。ああ、どうせ私は三歳児と張り合って、勝って喜ぶ小さい男だよ。
「どういうこと。あと相変わらず言うのが遅い」
これがただの三歳児ならの話だが。
「後宮から出る訳じゃない。しかし少なくともここよりまともな場所に案内しよう」
ふっと笑いがこぼれた。意味を知らないはずなのに地味に怯えているのが愉快だ。
私だけではない。報告を聞いた一族がみな、この姫に本気で興味をもった。
……だから。
(せいぜいかき乱せよ?)
「修羅の一族」のだれも、この青年でさえも。十年以上経ったあとに、期待以上の結果となるとは、この時、つゆとも想像しなかった。
0
お気に入りに追加
1,705
あなたにおすすめの小説

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜+おまけSS
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
アルファポリス恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
なろう日間総合ランキング2位に入りました!

誰も残らなかった物語
悠十
恋愛
アリシアはこの国の王太子の婚約者である。
しかし、彼との間には愛は無く、将来この国を共に治める同士であった。
そんなある日、王太子は愛する人を見付けた。
アリシアはそれを支援するために奔走するが、上手くいかず、とうとう冤罪を掛けられた。
「嗚呼、可哀そうに……」
彼女の最後の呟きは、誰に向けてのものだったのか。
その呟きは、誰に聞かれる事も無く、断頭台の露へと消えた。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる