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第一章 月の記憶
四
しおりを挟む『お願い。あなたにしか頼めないの』
ひゅるひゅると木枯らしが霜草野の中を吹き抜けていく。
古さびた鐘の音の遠く響き渡る中、長い髪を靡かせる母がそっとトルカの手を取った。
トルカがそれを不思議そうに見上げる。母はどこか痛々しいものを見るような顔で、躊躇うように言い淀んだ。珍しいことに。
『……ひどいお願いであることはわかってるつもり。でも……』
父もまたその上から手を重ね、項垂れる母の背をさすった。無言の励ましをもらった母はその場に膝をつき、驚くトルカの手を額におし当てた。まるで芝居のひと時のように、現実感がなかった。冷たい朝日が三人分の影をのびのびと踊らせている。小さな雲が上を通ったのか、視界が少し翳って、やがて元通りになった。鐘の音はいつしか消えていた。そういえば、何で鐘が鳴っていたのだろう……。
母が瞬く少年にひたりと目を合わせ、願いを紡いだ。
『どうか、あの子の手を離さないであげて。独りだと思わないで。あの子にはあなたがいる。あなたにはあの子がいる。……わかってるの。本当に。身勝手なお願いよ。これが……あなたを縛ってしまうかもしれない。……でも、私たちには、あなたしか、いないから…………』
母が俯く。なんとなく怖くなった。独り?それは、一体、どういう……?
寝ぼけた頭が急に冷えた気がした。血の気がさあああっとひく音がした。まだ意味はよくわからない。でも、それでも。
私たちには、あなたしかいない……。
根が生えたように立ち尽くしていたのに、トルカが戸惑うように口を開くのが目に入ると、ぶつりとそれが切れた。
いつも一人きりで暮らし、何もかも自らの手で済まそうとする。嘘はつかないけれど、全部話してくれるわけではない。
つまり、母のお願いに対するトルカの返答を、聞きたくなかったのだ。だから、こっそり、逃げた。からりと霜柱が崩れて音を立てたが、それすら厭わしかった。
家の片隅でちらりと短い黒髪がなびいたのを、その場にいた三人は、誰も気づかなかった。
* * *
例年と同じくらいだった寒さも少しは緩み、沈丁花の花の綻ぶ頃。
その日のクランは、ガルドと一緒に町へ降りる予定だった。遊びというより仕事の意味合いが強いお出かけだ。
十二歳になって良かったことといえば、魂送りに参加できたり、両親にくっついて山を出る機会が増えるなど、人並みに好奇心を持っているクランにしてみれば、むしろ悪いことのほうが見当たらないくらいである。
……若干の不安はあるものの。
「おーい、クラン」
「はぁい」
手元の薬草を最後にぱさりと大きな籠に置いたあと、クランは手を拭って立ち上がった。薬草の保管部屋に現れたガルドはクランに頭から外套をかぶせたので、視界が遮られる。必死にかき寄せて顔を上げると、大きな体が目の前にあった。
「出かけるぞ」
ガルドがきつい目尻を少し下げて微笑み、クランは目を輝かせた。
「うん!」
浅葱の衣の端折っていた裾を出し、外套をかぶり直す。あとは隅においていた小さな雑嚢を肩にかけてそれで準備万端のつもりだったが、わしゃ、と頭を掴まれた。目線を戻すと、ガルドはクランの後ろを見ていた。何とも言えないような厳しいような顔をしている。強面なだけに迫力があって怖い。最近よく見るようになった表情に嫌な予感がした。
「…………」
まさか、と思って掴まれた頭でちろりと振り返る。……案の定だった。手の重みが頭上から消えた。
「お父さん、待って!すぐ終わるから!」
必死に叫びながら、さっき仕分けたはずの薬草をまた仕分け直そうと、大きな籠に飛びついた。
その日の夕方、クランは深々とため息をついた。
「……はあ」
「これで十回は数えるぞ。そんなにいちいち落ち込むなよ。誰だって間違いはあるだろう」
暗い雰囲気を引きずるクランを見かねて、トルカはようやく口を開いた。手はてきぱきと洗濯物を片付けているが、表情はとことん呆れていた。
クランは他人事のように(実際そうなのだが)言う元凶を睨んだ。誰のせいで何回も仕分けを間違えてしまったと思っているのだ、さすがに口には出せないので心の中で叫んでみる。
「……誰だってって言うけれど、やる度に間違える人なんていないよ」
「そりゃあな」
慰めておいて今度は突き放してきた。やっぱりひどい。
「けど、珍しいな。今更間違えるようなものでもないんだろ?」
「それは……」
そのままクランが俯くので、トルカは目を見開いた。
薬草について一緒にサンナたちに習った仲だが、その過程でこの少女の目と記憶力が抜群に優秀だと発覚したはずだ。些細な色や形の変化を見逃さず、仕分けに関してはクランが一足先に皆伝したほどである。飛ぶ鳥を見ればトルカには影しか見えないのに色や大きさを即座に言い当て、行きすがった野道で兎の群れを見つけてあとでまた遭遇すればどれがどれなのか一瞬で見分ける。異常なほど優れているクランの知覚能力と記憶力にトルカが諸手を上げて降参したのはそう遅くはなかった。
しかもクランは身体能力にも優れていた。丘の上に家があるものだから、散歩の登り降りで体力はつくし足腰も強い。目もいいが耳もいいので反射速度も充分。おまけに人を喰う獣と普段交流しているだけあって、肝の座り方も判断能力も尋常ではないのであった。狩りの腕も、クランが罠派でトルカが石打弓矢派で、手段は違えどもクランの方が成果を挙げられる。……つまり何が言いたいかといえば、年上の功とやらがトルカには全くないのである。あったとしてもそれを微粒子単位にまで尽く粉砕していったのがクランという少女だった。その容赦のなさは間違いなくサンナの血である。
「……トルカ?」
「ん、あぁ何でもない。びっくりしたもんだから」
「…………」
はぐらかされたのがわかって、じとりとクランはトルカを睨みつけた。トルカは素知らぬ振りで畳み終えた洗濯物を持って立ち上がり、棚に仕舞いにいく。陰気な視線がひしひし背中に当たるもこればかりは無視した。まあ……言って情けなくなるのはこっちなので。
「どれを間違えたんだ?ここの中にあるか?」
「……うん。それと、あれ」
クランが天井にたくさん吊るしてある薬草のひと掛けを指した。二つを目で追って、トルカは口を開けたまま、声を出すことを忘れた。
「…………疲れてるのか?クラン。おれには間違えようがないんだが」
見た目からして違えばその効能も違う。しかも片一方は少量でも毒になるものだ。もう一方は僅かなら毒にならない。つまり間違えた時点で人を殺しかねない。思わずぞっとしたトルカは、それを発見した時のガルドの気持ちを思って何とも言えない顔になった。
「…………疲れてない」
「なら熱か?ここのところ暖かい日が続いたから油断したんだろ」
「熱じゃない!」
「……なら道で悪いもんでも拾って食ったか?人里に降りるからってはしゃぎすぎだろ。慎みを持てよ」
「私を何だと思ってるの!」
「ちょっとのことで理性を簡単にふっ飛ばす猪突猛進馬鹿のちび」
「…………!」
あまりの怒りのためクランは絶句した。顔は真っ赤で、口をぱくぱくと餌を求める魚のごとく開け閉めしている。
「ガルドさんたちから散々言われてたのに魂送りに無理やり乱入しようとしたり大した用事もないのに人の安眠妨害したり」
実際にその通りだったので反論できないのがつらい。
「――とまあ、充分自覚できたなら、そろそろ帰りな」
ぷるぷると俯いて震えるクランを無視して、トルカは淡々と閉まらずの戸の先を指差した。
クランが東向きの戸口を見れば、橙と青と薄黄色が混ざった不思議な色の空が待ち構えていた。ざわざわと枯葉と若葉の二重奏が聞こえてくる。冬には劣るが静かに澄んだ春の夕べはどこか寂しくもわくわくする。さっきの怒りもどこへやらだ。こういう単純さが、トルカが言っていたことだとわかっている。
「帰りが遅いと二人とも怒るぞ」
「――うん」
囲炉裏から立ち上がって、部屋の端で今度は売り物の薬の整理をしているトルカを見る。明日三つ隣の町で定期市に出すらしい。いつの間にか、ため息を吐きたくなるような気持ちはどこかへ消えていた。代わりに春の陽気のようなふんわりした温もりが心を満たす。
その心のまま、はにかんで兄のような人の名を呼ぶ。
「……ありがとう。今度、お魚と薬草採ってくるね」
「……毒草持ってくるなよ」
「まだ言ってる!」
ぷんすか怒りだすクランを見て、トルカは初めて軽やかな笑い声を上げた。
「冗談だ。ほら、さっさと出ろ。送ってやるから」
「うん……って、いいの?明日の準備は?」
「ほとんど片付いた」
「お母さん喜ぶよ。ご飯食べてってよ」
「……ああ、そうだな。なにか手土産持ってくか……」
「いらないいらない。それに持って行っても、トルカいっつもおすそ分けをそれ以上に持って帰るんだから、今更変わらないよ」
「……気持ちって問題がな」
「それも今更!」
早く行かないと、と今度はクランがトルカを急かす。暮れなずむ空を見ればトルカも渋々諦めざるを得なかった。
二人並んで開けた野道を歩いていたら、不意にクランが小さい奇声とともに蹴躓いた。そしてトルカの片腕が犠牲になった。危うく転びそうになるのを、どうにか踏みとどまった。
安堵の息より先に「おい!」という怒声を上げた。
「ご……ごめん」
クランもびっくりしていたようで、トルカの左腕にしがみつきながら、事故現場を振り返っていた。
「石に躓いたみたい……」
「また余所見してたんだろ」
「う……。だって、空が綺麗だったんだもん」
言われて、険しい表情のまま、ちらりと南西に開けた野の遥か遠くの空を見た。確かに、昼と夜のあわいの空は綺麗ではあるが……。
「余所見だな。気をつけろって言ってんだろうが」
危うく巻き添えになりかけたのだ。眉間のしわそのままに言い訳をばっさり切り捨てた。
むう、と問題児が全く反省してない様子で頬を膨らませたので、深い深いため息をついた。ふっと遠い目をして「そうか」と言った。
「おれのせいで怪我したとか思われるのも癪だし……」
ぽそりと呟かれた言葉と弧を描く口に、クランは嫌な予感にびくりと身じろぎした。な……なぜここでそんな儚げに微笑むのだ。
「クランが今までガルドさんたちに内緒でやってきたこと、経緯から全部、包み隠さず、丁寧にきっちりみっちりと報告しとかないとな……」
「ごめんなさい!もう余所見しません!する時はちゃんと立ち止まります‼」
一変、青い顔で宣言したクランにトルカは顔をまともに戻し、
「よし」
と頷き、するりとしがみつかまれていた左腕を引っこ抜いた。クランは胸元が寒々しくなったのにちょっぴり寂しそうな顔をした。
トルカは、何食わぬ顔でそんなクランの前にその手を掌を上に向けて差し出した。まるでお伽噺の騎士がお姫さまにするように。
「え?」
眉間のしわが消えたトルカと手を見比べた。一拍おいて意味に気づいたクランは、相好をこれでもかと崩して、右手でそれをぎゅっと握った。
大きな手は熱かった。クランたち一家が援助しているとはいえ、子どもの一人暮らしの過酷さを表すように表面は固く、骨ばっている。それでも掌の皮の内がに柔らかさが残ってふっくりしているのが、何ともトルカらしかった。恐る恐る差し入れを受け取りながらも、もらった分はちゃんと無駄にしない。どんなに突っぱねても最後はなんでもないような顔で受け入れるように。
やっぱり最後は優しいのだ。まだ落ち込んでいると思われているのかもしれないけれど、それでも構わなかった。どっちにしても、今は幸福なのだから。
『あの時』の、トルカの答えは確かめたくない。それでも、一つ一つくれるものがある。慰めて、手を差し出して、一緒に並んで歩いてくれる。独りではない。だから、大丈夫。
「んふふー。んへふふふー」
「……気持ち悪い笑い声だな」
トルカは幾分居心地悪く顔をそむけた。ぶんぶんとクランがつないだ手を振り続けるので、うんざりして歩き出す。
しかし、すぐにまた立ち止まった。クランが足を止めたからだ。黙って見下ろすと、頭一つ分下につむじが見えた。申し訳なさそうに手を引きながら、聞いてくる。
「待って。少し、見ててもいい?」
何をと聞くまでもなく、トルカもまた夕闇の迫る春の空を見上げた。なるべく太陽を見て目を焦がさないようにしているが、クランはそんなものお構いなしに夕焼けを直視、注視している。……なぜまともに見つめることができるのか。
クランはよく、空を見ることを好んだ。朝でも夜でも昼でも、いつでも一度は見上げないと気がすまない質らしく、そのくせ特に理由もないのだった。
「……目、悪くなるぞ」
「平気。魂送り見てたら今更だし」
言われてそうかもと納得しかけた自分に慌てて叱咤した。あれを一緒にしてもいいのか。……いいか。燃えてるものは違うが眩しいのは変わらないし。あれは不思議と目に焦げ付かないが。
しかし謎なのは、太陽の光でさえ目を細めもせず見ることができるくせに、玉ねぎを切ったときだけその刺激に耐えることができないところだ。しかもじっとしていればいいものを大暴れするのである。
昔、包丁を持ったまま、涙を流しながら苦悶の表情で玉ねぎの舞を繰り広げていて、サンナにこっぴどく叱られていた。包丁を取り上げるだけ取り上げたガルドはその横で珍しく大爆笑していた。もちろんトルカも笑った。目を真っ赤にして踊り狂う姿は怖いところもあったが、理由が滑稽すぎたので。クランはそれ以来玉ねぎを切ることも切らせられることもなかった。
しょうもない過去を回顧していた時、びょうと晩冬の風が草っぱらを吹き抜けた。しっとりとして冷ややかな冷気が頬を撫ぜていく。後ろで木々がざわざわと鳴いていた。クランの肩までの黒髪が、赤い赤い空を背景にふわりと浮き立った。
不意にトルカの頬がぞわりと泡立った。
いつの間に、断崖絶壁の端に立っているかのように錯覚する。急に高鳴る鼓動はいつもより早かった。
『――トルカ』
幻の崖の向こうに、艷やかに赤く熟れた夕陽が見える。茜色の空はきらきらと雲を金に染め上げ、あわいの色を際立たせている。
その手前に、サンナと同じくらい髪を長く伸ばした女性が立っていた。
逆光で顔や髪の色は見えなかったが、トルカはそれが誰なのかわかっていた。ちりちりと肌が焼けついている気がした。息苦しい。ぱちぱちと耳元で何かが爆ぜる音がする。それとは別の耳鳴りも動揺を大きくした。熱い。熱い。ここから出ないと。早く。『あなた』も、一緒に。
足を一歩踏み出すと同時に、手をのばした。のばそうとした。しかしその手は何かを握っていた。全身焼けるようだったのに、何かを握っている手は温かい。まるで崖に落ちようとするトルカを引き止めてくれるようだった。
……ほう、と息をついた。それだけで戻ってこれた。
耳鳴りは消え、幻も消え去った。はらりと風で舞い上がった横髪がおりた。背中で滲む冷や汗が気持ち悪い。
久々に見た悪夢だった。空いた左手で首筋をさすった。じとりと濡れた感覚がする。
(しかも白昼夢……)
送り人の家に転がり込んで来た頃に、あの夢に毎夜うなされた。助けられなかった自分の無力が憎くて憎くて、他のものが手につかないくらいだったから、見続けたのだと思う。自分が自分に与えた罰として。
『あの人』は、多分、自分を恨んでくれないだろうから。
『私、幸せなのよ。あなたがいればそれでいいの。余計な気なんて回さないでよ』
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