上 下
30 / 60

言い訳

しおりを挟む

「あー、その、だね。一つ言い訳させてほしいことがある」

 恐れ多いことに、バルメルク家に向かう馬車はドルフと相乗りだった。ユーゼフの補助で、先に座っていたドルフの対面に腰かける。
 思わず半目になってしまったが、ドルフが殊勝な顔をしていることに加え、開口一番が以上のお言葉であったため、ヒルダは出鼻を挫かれた。
 なぜに逃げ腰?
 しなる鞭の音と馬の嘶きのあと、かたりと馬車が動きはじめた。

「……言い訳、ですか?」
「あなたが、私が研修生にさせた意図を深く考察してくれていたことは何よりなんだ。頼もしいことこの上なかったし、少し前のあの騒動も学園内に手を入れるいいきっかけになったので、そこはとても感謝してるんだ。今日のことも、早々に最悪を回避してくれてとても助かった。でもね……うん……」

 長い前置きをしつつ、ドルフは頭を抱えんばかりの苦悶の表情を浮かべ、実に恨めしくヒルダを見つめた。

「……私をどれだけ腹黒だと思ってたんだい」
「え?」
「私があなたの籍を学園に置いたのは、その点においては、あくまでも『保険』のためだったんだよ。あとはあなたの経験の一つになればいいかと思って……いやまさかあんなに深読みされまくっていたとは……説明しなかった私の手落ちだが、それにしても……うん。あんなに殿下が笑うのを見たのは久々だよ」
「保険……」
「デューク殿から聞いた、とグランセス殿下から教えて頂いてたんだがね?『課題』なんてひどくないかい」

 ヒルダは教授とそんな話した覚えあるなぁと思い返した。冤罪をかけられたとき、「これが『課題』かもしれないので、ご心配はいりませんよ」「うーん、違うんじゃないかな」とかやり取りした気がする。
 だから窃盗疑惑で呼び出されたときに、ルフマンがドルフでさえもが驚いていたと言ったのかと、やっと得心がいった。
 ドルフとしては、ヒルダが餌になることを望んでいた訳ではなかったし、なんなら標的になったのも想定外だったらしい。

(実際は、知らない間に目をつけられてたんだけ、ど……。……あれ?)

 今さら違和感がよぎった。平民かつ女という身、難癖つけられるのが普通のはずだ。なぜドルフは、それを予想できなかったのだろう。
 いつ、どこでヒルダは目をつけられた?

(……あのふざけた人もそうだわ。ドルフさまが情報は抑えてたはずよ。どうやってあたしのことを知ったの)

「それでだ。私は今日のことを最初から確信していた訳ではなかった。なんなら、とても低い可能性だと判断していたからね。そこは油断したと思われても仕方がないが……」
「ライン・キルデア、エリウ・マーレイ」

 ドルフの声に被さったが、ヒルダはそもそも聞いてはいなかった。
 今日、あの物置小屋に、その名前を持つ者がいた。その従者たちもだ。
 ヒルダが彼らの名前と顔を知っているのは、彼らが有名だからではなく、ヒルダ自身が調べたからだ。他でもない、窃盗疑惑をかけられたきっかけのあの日――ペンを拾う前に遭遇したもの。
 夜の校舎での密談。

「ドルフさまは、あの二人を警戒していらっしゃったのではないですか?あの日、彼らは警備兵を舐めきって堂々とその目の前を行き来していたみたいですし、お話は上がっていたのでは?」
「あの日というのが具体的にいつかは知らないが、そうか、あなたも知っていたのか」
「あたしはたまたま一度の機会を得ただけです。それにしても、そんなに回数を重ねていたんですか……」
「四回だね」
「あたしがあんな稚拙な手で学園から排除されかけたのは、それを知られたからですか。たまたまあたしが届け出た場面を見たから難癖をつけてきたんだと思ってましたが、あたしにペンを上だとしたら……。だからドルフさまには、あの出来事は予測不可能だったのではないですか?」

 不躾に話の腰を折られたのに、ドルフはヒルダの推察をとても楽しげに聞いていた。そうかもしれないね、と頷くので、ヒルダはわずかに唇を噛みしめた。腫れてる部分がちょうど触れて痛かったが、それで冷静になれた。
 あの、今思えば本当にルーデル関係者か怪しいふざけた少年がヒルダを知ったのもその時だと仮定する。本人はもうきっと雲隠れをしているので確かめようがないが、ひとまず仮定のまま進む。そこに拘るより、もっと深刻かつ急がなくてはならない問題があった。
 冷たい指先を握りこむ。脳裏には、一人の少女の泣き顔がありありと描かれていた。

「ドルフさまは一度もおっしゃいませんでしたが、ナタリーさまのことも当然注視していらっしゃいましたね?それでは……なぜ、ナタリーさまが、直系男子のいないレーウェンディア伯爵家における長女でありながらお一人での行動が許されていたのか、ご存知のはずです。教えていただけませんか」

 その時ドルフが浮かべた笑みに、ヒルダは己が「間に合った」ことを察した。
 









 馬車は確実にバルメルク公爵邸へと距離を縮めていた。
 ヒルダの問いに答えるという形でしかドルフが情報をくれないのは仕方がない。むしろ、一平民であるヒルダに対して、これでも甘すぎる措置だ。そもそもヒルダはドルフの駒という立場である。駒は自我を要しない。質問もしないし操者を疑うなんてもっての他。しかし人格者ドルフはヒルダを意志ある存在として慮ってくれるので、ヒルダはここに長く居座っているし、出来事の報告だってするし、多少の頼みだって引き受けるのだ。
 といっても、今度の「頼み」は、なんだかいつもと様子が違った。

「屋敷に着いて、治療を受けた後なんだがね。あなたには当事者五人から話を聞いて、報告書にまとめることをお願いしたい。騎士を一人補助につけるからよろしく」
「え?当事者?五人?」
「あなたをうちに下ろしたら私はそのまま城に登るからね。報告書は明日の夕方までにできていればいいから、先に充分に休息を取ることをおすすめするよ。」
「ドルフさま?」

 急に不親切になったドルフに戸惑うヒルダだが、ウインクをもらうだけに終わった。ちょうどいいタイミングで馬車が止まったのだ。こんこん、と馬車の小窓が叩かれ、ユーゼフの声が「着きました。お嬢さん、降りな」と言った。

「……送ってくださりありがとうございます」
「ちゃんと手当ても受けるんだよ」
「はい」

 諦めたヒルダは、ユーゼフが開いてくれたドアから出ようとして、ひときわ強く痛んだ足に顔をしかめた。血で傷と服がくっついているので、動くだけでひきつれた痛みも走る。
 浅かったはずなのに、そこを抉るのはやっぱり駄目だったかもしれない。自分で深くしてどうするんだか……。
 そんなわけで一瞬硬直したヒルダの頭に、ドルフの皺々の手が載った。そっと触れて離れていく手を目で追うと、温かい笑みに直面した。

「これは、私からあなたたち兄妹へのご褒美だ。よく頑張ったね」

 虚を突かれたヒルダの手を取って、ユーゼフは流れるように外へ連れ出した。少し馬車から離れたところまでヒルダを誘導すると、ユーゼフはひらりと自分の馬に跨がり直し、やがて馬車ともども、王城へ向けて動き出した。
 呆然とそれを見送るヒルダの呟きを聞いたのは、側の門番だけだった。

「……手、臭わないかしら……」

 ぎょっと門番が振り返ると、ヒルダは自分の髪を嗅いで、やはり顔をしかめていた。ちなみにヒルダは勘違いされていることに気づいていない。
 絶対お風呂には先に入るわ……と独り言を呟き屋敷へ入っていったヒルダを見送る門番は、最近「お父さんあっち行って」とゴミを見るような目で言うようになった年頃の一人娘を持つ壮年の父でもある。加えて、仕える主人が彼女を実の娘のように可愛がっているのも、公爵家の使用人全員の知るところであって。

(おいたわしや、旦那さま……)

 見なかった、聞かなかったふりをしよう。
 そっと目頭を押さえ、天を仰いだ。






☆☆☆







 風呂も手当ても込みで身支度を完全に整えたヒルダを迎えに来たのは、屋内だというのに甲冑を着込んだ騎士だった。バルメルク家の紋が入った鎧は重厚でかつ壮麗だった。ここまで武装するのは訓練か戦争の時のみのはずなので、ヒルダがこうして真正面から目にするのは初めてだった。騎士団を率いるユーゼフでさえ、普段の武装は略式なのだ。
 だが、ヒルダが目の前の騎士に対して声を失ったのは、そのためではなかった。相対する顔の見えない騎士もまた、呆然としたように立ち尽くしていた。

「あ、兄上?どうしてここに――」
「ヒルダ」

 ヒルダの問いは冷たい鎧の継ぎ目に消えた。硬い鉄の感触が服を通して肌に伝わる。兜の隙間から安堵の吐息が漏れ、ヒルダのつむじにかかった。
 抱き合った状態で、二人はゆるゆると緊張を解いていった。

「……兄上、どうしたの?」
「城で襲われた」
「えっ!?」
「シドと返り討ちにして、後処理を考えていたらバルメルク家の使いが来て。この装備を借りてここに連れてきてもらった」
「……アデルのことは、聞いた?」
「いいや。やはり学園でも何か起こったんだね。怪我は?」
「あたしはこの通り。アデルは……きっと無事よ。あたしが着いたときには、なぜかはわからないけどウィンスターさんが守ってくれていたし、その後もすぐ警備兵に保護されたようだから」
「アデルも襲われかけたんだね」
「ええ。兄上は、学部棟の東奥にある物置小屋のこと、知っていた?」
「あそこか」
  
 苦い声に、なにやら変な思い当たりがあったのだろうと察したヒルダだった。詳しく話したくない雰囲気も感じて話を変える。

「兄上、当事者って誰のことかわかる?五人、あたしと兄上で聴取して報告書の提出をって仰せつかったんだけど」

 セシルはその問いに何かを察したのか、そわっとした。今の今まで生き別れの恋人が感動の再会をしたように寄り添っていた二人だが、やっと少しだけ間が開いたのだった。

「アデルたちだろう。アデルとニーナとウィンスター・フェルトリタ、あとの二人は……見て確かめた方が早いな。行こう」
「ま、待って。アデルもいるの?いいの?変装もできないのに」
「きっと学園長から保護を命令されたとかそういう建前だ」
「で、でも、それだとあたしが迷惑をかけることになっちゃうわ」
「私とアデルには最高のご褒美だよ。数ヵ月しか離れてないのに、君が恋しくて堪らなかった。他も気にしなくていい。最初からこうなることはあの方にはわかっていたはずだし、私はとっくに借りを作ってしまっていたから」

 ご褒美という文言に固まったヒルダを横抱きにしたセシルは、颯爽と廊下を歩き始めた。ヒルダの足の怪我など申告されなくても見抜いていたのだった。
 ヒルダもドルフとセシルの厚意に甘えることにした。久しぶりに兄妹として接せられて嬉しいので、鎧に腕を回して大人しく運ばれる。固くてむしろ痛いくらいの感触以外は満足だ。
 途中通りかかったメイドにぎょっとされつつ保護対象の居場所を尋ね、兄の道案内役に努めた。

 目的の部屋に到着し、取り次ぎに出てきた侍女の顔を見て、ヒルダは残りの二人が誰かを悟った。

「エメルさん」
「ヒ、ヒルディア、さま、と、そちらは……?」

 まだ抱かれていたヒルダはエメルの驚愕に気づかなかった。セシルが首を傾げたので、そっと兜を外してから乱れる髪を指の先で整えてやる。ゆるゆると持ち上げられる青の双眸の先、エメルは卒倒しそうなほど青ざめた。

「セ、セシル・スートライトさま!?」

 がたん、と部屋の奥で音が鳴った直後。
 セシルはヒルダをさっと立たせ、迫り来る弾丸を迎え撃った。

「――姉さま!!兄さま!!」

 エメルが巻き添えを回避できたのは奇跡である。












 和むなぁ……と、ファリーナはお茶を飲んだ。目の前の二人がけのソファでは、真ん中にアデルを置いて両脇をその兄姉がぎゅうぎゅうに詰めて座っている。ちなみに兄騎士は、アデルが胸当てに全力の頭突きをかましてきてたんこぶをこさえてしまったので、潔く鎧を脱いで絶氷の貴公子セシルに戻った。
 本来仕える立場のニーナとエメルも、今回は聴取の場である以上身分は二の次、ということで、それぞれ恐縮しながら腰かけている。ウィンスターは続き部屋で眠っており、チャールズは別室で診断書を作成中だ。仮病のファリーナの分も含めて。
 バルメルク家の使用人はお茶を供したあとは退出していた。だから兄妹は遠慮なくブラコンシスコンを爆発させた。

(この方たちを見てると、どうしても安心してしまう……)

 揺るぎない愛が、目の前にあった。何度もその絆は危機に陥ってきただろう。しかし三人が三人ともそれを乗り越えて来たから、固く強くなっていった。だからこそ安心する。変わっても変えられぬものもある。
 しかし、同時に胸がつきんと痛んだ。
 理由は二つある。隣室で眠っているというウィンスターと、ファリーナたちを嵌めようとしたナタリーだ。ファリーナは、どこぞへ誘導しようとするナタリーの侍女の向かう先を訝しみ、元々侍女としては不自然な挙動も多かったこともあって、仮病を使って逃げた。本当にその先にシェルファやナタリーがいたとしても、突然の体調不良を証明する診断書を医師に書かれれば、格下なのに呼び出しを断ったことにも理由がつけられる。昔、身近に薄弱な人を知っていたので、病のふりには自信があった。
 こんな手を使ったのは、ナタリーの侍女があまりにも不審だったからだ。断じて、アデルと別れて不安が一気に押し寄せたからではない。エメルも同感だったからこそファリーナの演技に付き合った。

(ナタリーさまを、あまりにもお一人にさせすぎてる)

 侍女・従者という身分で学園につけているのは、異性が多く身近にいる空間で、なにか間違いが起きないようにするためだ。なのにナタリーは時として無防備な単独行動が目立つのである。王兄殿下にヒルダの無罪を直談判しに行った時もそうだった。ナタリーがそう指示したのだとしても、後継が女子しかいない伯爵家の長女を一人にするのはどういう了見なのか。ナタリー本人にも自覚が足りないが、侍女にそれを戒める気もないらしいことが引っかかっていた。

 ナタリーの侍女は、本当に「ナタリー・レーウェンディア」に仕えているのか。

 この疑念は、ナタリーに友情を感じているゆえなのか、ファリーナにもわからなかった。ナタリーがファリーナたちを裏切ったのではなく、侍女が裏切ったのならまだ彼女が助かる余地はある。でもファリーナが直接彼女を庇うことは、できない。……してはいけない。
 時間と人手があればファリーナ自身で動いたかもしれないが、もう学園長やバルメルク公爵の手が回っていることだろう。迅速果断に。最初から全てを予定していたのなら、ナタリーの処遇も確定してしまっているはずだ。
 それに。
 目の前ではあるべき場所に収まった親友がいる。よほど怖い目を見たのか、兄姉の腕をぎゅっと抱きしめている姿は、若干の排他性も感じられてしまう。

 この方たちは、ナタリーさまのことをどうお考えだろう。







☆☆☆









 言い訳にもならないが、ナタリーは本当に知らなかったのだ。なにも。

 家から宛がわれた己の侍女が、ナタリーだけではなくシェルファの名前まで使ってファリーナをありもしない用事で呼び出し、危害を加えようとしたこと。
 ファリーナから引き離されたアデルが、王子派の一部によって貞操の危機に陥ったこと。
 スートライト侯爵家乗っ取りに、レーウェンディア伯爵家が加担しようとしたこと。

(……知らなくても、わたくしの罪は変わらないわ)

 どうすれば全てを守ることができたのだろう。家の名誉も、義妹の恋心も、自分の将来も。
 学園に入学したときは希望に満ちていたのに――学園で得たものも沢山あったのに、今は何一つ手のひらに残らない。

 ナタリーは全てを諦めて、目の前、それでいて遥か高みに立つグランセス王兄殿下にいつものように穏やかに微笑み、ドレスをつまんで頭を下げた。

 二人の間には十字に交差する槍があった。
 罪人として扱われているのに淑女の礼を怠らなかったのは、単に、これが最後の機会だとわかっていたからだ。
 そして、それを咎める者はいなかった。学園長は、ついこの間と同じ超然とした笑みで、黙って愚かなナタリーを見下ろしていた。

「わたくしの知りうること全てをお話しいたします。どうぞお役立てくださいませ」


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

モブですが、婚約者は私です。

伊月 慧
恋愛
 声高々に私の婚約者であられる王子様が婚約破棄を叫ぶ。隣に震える男爵令嬢を抱き寄せて。  婚約破棄されたのは同年代の令嬢をまとめる、アスラーナ。私の親友でもある。そんな彼女が目を丸めるのと同時に、私も目を丸めた。  待ってください。貴方の婚約者はアスラーナではなく、貴方がモブ認定している私です。 新しい風を吹かせてみたくなりました。 なんかよく有りそうな感じの話で申し訳ございません。

強い祝福が原因だった

恋愛
大魔法使いと呼ばれる父と前公爵夫人である母の不貞により生まれた令嬢エイレーネー。 父を憎む義父や義父に同調する使用人達から冷遇されながらも、エイレーネーにしか姿が見えないうさぎのイヴのお陰で孤独にはならずに済んでいた。 大魔法使いを王国に留めておきたい王家の思惑により、王弟を父に持つソレイユ公爵家の公子ラウルと婚約関係にある。しかし、彼が愛情に満ち、優しく笑い合うのは義父の娘ガブリエルで。 愛される未来がないのなら、全てを捨てて実父の許へ行くと決意した。 ※「殿下が好きなのは私だった」と同じ世界観となりますが此方の話を読まなくても大丈夫です。 ※なろうさんにも公開しています。

貴方誰ですか?〜婚約者が10年ぶりに帰ってきました〜

なーさ
恋愛
侯爵令嬢のアーニャ。だが彼女ももう23歳。結婚適齢期も過ぎた彼女だが婚約者がいた。その名も伯爵令息のナトリ。彼が16歳、アーニャが13歳のあの日。戦争に行ってから10年。戦争に行ったまま帰ってこない。毎月送ると言っていた手紙も旅立ってから送られてくることはないし相手の家からも、もう忘れていいと言われている。もう潮時だろうと婚約破棄し、各家族円満の婚約解消。そして王宮で働き出したアーニャ。一年後ナトリは英雄となり帰ってくる。しかしアーニャはナトリのことを忘れてしまっている…!

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず
恋愛
 ※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。  我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。  けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。 「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」  そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

我慢してきた令嬢は、はっちゃける事にしたようです。

和威
恋愛
侯爵令嬢ミリア(15)はギルベルト伯爵(24)と結婚しました。ただ、この伯爵……別館に愛人囲ってて私に構ってる暇は無いそうです。本館で好きに過ごして良いらしいので、はっちゃけようかな?って感じの話です。1話1500~2000字程です。お気に入り登録5000人突破です!有り難うございまーす!2度見しました(笑)

婚約破棄された貧乏令嬢ですが、意外と有能なの知っていますか?~有能なので王子に求婚されちゃうかも!?~

榎夜
恋愛
「貧乏令嬢となんて誰が結婚するんだよ!」 そう言っていましたが、隣に他の令嬢を連れている時点でおかしいですわよね? まぁ、私は貴方が居なくなったところで困りませんが.......貴方はどうなんでしょうね?

魅了魔法…?それで相思相愛ならいいんじゃないんですか。

iBuKi
恋愛
私がこの世界に誕生した瞬間から決まっていた婚約者。 完璧な皇子様に婚約者に決定した瞬間から溺愛され続け、蜂蜜漬けにされていたけれど―― 気付いたら、皇子の隣には子爵令嬢が居て。 ――魅了魔法ですか…。 国家転覆とか、王権強奪とか、大変な事は絡んでないんですよね? 第一皇子とその方が相思相愛ならいいんじゃないんですか? サクッと婚約解消のち、私はしばらく領地で静養しておきますね。 ✂---------------------------- カクヨム、なろうにも投稿しています。

7年ぶりに帰国した美貌の年下婚約者は年上婚約者を溺愛したい。

なーさ
恋愛
7年前に隣国との交換留学に行った6歳下の婚約者ラドルフ。その婚約者で王城で侍女をしながら領地の運営もする貧乏令嬢ジューン。 7年ぶりにラドルフが帰国するがジューンは現れない。それもそのはず2年前にラドルフとジューンは婚約破棄しているからだ。そのことを知らないラドルフはジューンの家を訪ねる。しかしジューンはいない。後日王城で会った二人だったがラドルフは再会を喜ぶもジューンは喜べない。なぜなら王妃にラドルフと話すなと言われているからだ。わざと突き放すような言い方をしてその場を去ったジューン。そしてラドルフは7年ぶりに帰った実家で婚約破棄したことを知る。  溺愛したい美貌の年下騎士と弟としか見ていない年上令嬢。二人のじれじれラブストーリー!

処理中です...