Irregular

neko-aroma(ねこ)

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Irregular 22

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「S君が怖くて嫌だと言うなら、しなけりゃいいだけじゃないの?抱き合って、キスして・・・それでいいんじゃない?」
「Nさんはそれでいいの?」
「う~ん。正直、物足らないだろうけど、セックスありきでS君を好きになったわけじゃないしなあ~最初に言ったじゃん?嫌な事はしないって。」
「だって昨日!・・・Nさんは僕を・・・こうしたかったって・・・・」
「勿論そうだよ?今だって、押し倒して君を抱きたいし・・・めちゃくちゃに乱れさせたい。俺が君を悦ばせる事が出来たら、もっと愛しくなる。でも、怖いならしょうがないよ。っていうかさ、S君は調べて何を見たの?そんなに恐怖で一杯になるサイトって?」
「Nさんは調べた事無いの?」
「勿論、君を好きだと自覚した時に全部調べたさ。何なら、ゲイバーに行って色んな人に話しを聞いたし。」
「そこまで!?」
「え?驚く事?だって、自分の一番大切な人との一番大事な事じゃん?俺は全くの初心者だし、有識者に指南されるのが一番確かな情報じゃない?色々傷付けたくないしさ。」
「その・・・抵抗は無かった・・・の?」
「なんの?自分がゲイだって事が?ゲイの人達と会うって事が?」
「ううん・・・いや・・・その・・・・・」
「しょうがないでしょ、現実だもん。俺は、性的指向云々は分からないけど、今、一番好きな人が同じ男なんだから。自分に抵抗してどうすんの?」
Nのあっけらかんとした態度に、Sは今日一日思い悩んでいた事が何だか馬鹿らしく思えてしまった。
未知の世界への恐怖は変わらないが、物事はもっとシンプルで、Nの言う通り現実を受け止めるのが話は早いのかもしれなかった。何をどうすれば良いかは分からないが、SはNともっと関係を深めたい気持ちがあるのだから。
「S君、君は俺とどんな風になりたいの?」
NはSの両手をそっと握って優しく問い掛けた。
「僕は・・・僕は、初めて・・・他人に欲求を・・・・」
「そんな難しく言わなくていいから。明け透けでいいんだよ。選ぶ言葉も無いだろ?俺と、どうにかしてセックスしたいと思ってくれたんだよね?」
Sはコクコクと頷いた。
「ありがとう。じゃあさ、昨日みたいなので、いいんじゃないの?」
Sは少し間を於いてから首を振った。
「どうしても・・・その・・・・Nさんじゃなきゃ出来ないって実感が欲しくて・・・でも、怖くて・・・・」
Nは俯いて隠し切れない笑みを浮かべてはかみ殺すのを繰り返した。
「そんなに俺を欲しがってくれたんだ。嬉しいな。俺に押し切られて・・・同情に毛が生えた感じかな?って思ってたからさ。」
「毛は生えてません。」
「ぷっ。そうか・・・・じゃあさ、俺に挿れてみる?」
「!!」
Sは目を見開いて息を飲んだまま固まった。その発想は無かった。
「ほらっ。息、息して?」
Nは笑いを堪えながらSの背を軽く叩いた。
「げほっ・・・げほっ・・・」
「なんで驚くの?君が求めてるのは、そういう事なんじゃないの?」
「いや・・・その・・・」
「俺は何でもいいんだ。君が求めてくれるなら、なんでも。試しにやってみようか?30分もあれば準備出来ると思うよ?」
「そんな・・・気軽に・・・・」
「大丈夫。ゲイバーで色々レクチャー受けたしさ。待ってて。必需品は全部揃えてあるから。」
そう言って、ベッドの下に備え付けられている引き出しを開け、中から薄い箱を取り出した。蓋を開けば、日中にサイトで目にした色々なグッズが入っていた。
「あ~ゴムだけが・・・君のサイズが無いぞ。コンビニ行って買って来ようか?」
「いえ、あの、日を改めてでは・・・・」
「人生、思い切りが肝心。何でもそうだけど、チャンスは二度と来ない。今だと思ったら、それがホームラン打てる時だから。じゃあ、君、コンビニに行って来なよ。すぐ隣なんだから、パジャマの上にコート羽織っただけで大丈夫だって。」
「は・・・恥ずかしい・・・」
「何言ってんの?今からもっと恥ずかしい事、するんだよ?さあ。」
Nに強く手を引かれてSはベッドから降ろされた。立ったまま抱き締められて、深いキスを受けた。SはNのTシャツの胸元を強く掴み、背伸びしてまでその舌の動きを追い掛けていた。
「キスだけでこれ程気持ちいいんだよ。その先はもっと・・・じゃない?さあ、コンビニにGO」
Sは俯きながらもチラチラとNを盗み見るようにして、玄関に吊り下げてあるNのコートを羽織って部屋を出て行った。
ドアの閉まる音を聞きながら、箱の中を確かめて必需品と言われるものを手に取った。他にも玩具など色々と収集済だったが、Sを怖がらせてはいけないので元の場所へと戻した。そして、自分も準備の為に立ち上がった。
暫くして、Sははち切れそうなレジ袋を下げて部屋に戻って来た。
以前の彼女との時は、彼女に半ば連れ込まれたそれ専用ホテルの備品を使用した。これも今思えば彼女に失礼な対応だっただろう。
コンビニでコンドームを買うのも初めてで恥ずかしくて堪らず、不要なお菓子やアルコールなどを買い込んでしまったのだ。
店員にとっては日常風景だから、無表情で対応されたのが救いだった。
ソファーに座ってそわそわと落ち着きなく、スマホで再び検索して再度衝撃を受けていた。まるで治り掛けの傷のかさぶたを剥がすような傷みが脳内で起きていた。
「おお、随分と買い込んだなあ~」
シャワーを浴びたばかりの濡れた身体にバスタオル一枚、腰に巻いた姿で現れたNは笑いながらSを見下ろした。
「また、シャワーを?」
「うん。調べたなら、理由は分かるよね?さあ、いつでもOK~」
Nは明るくそう言って、ソファーに座ったままのSの手を引いてベッドへ歩いていった。
「無理なら・・・止めていいからね?」
Sを押し倒し、首筋に顔を埋めながらパジャマのボタンを外した。直接肌の上をNの大きな手で触れられるだけで、Sの全身に震えが起きた。自分からNの顔を両手で抱いて、唇をせがんだ。聞き慣れない水音が激しくなって、いつの間にかSはパジャマ全部を剥ぎ取られていた。直接重なる肌が余りにも心地よくて、自分から強く抱き縋った。
「良かった。勃ってる。」
キスの合間にNの手がSの猛りを確認し、ゆるりと掴んで先端を何度も親指で撫でていた。すぐに指は濡れた。
「僕も・・・僕も・・・・」
息も絶え絶えにSが言いながら伸ばした手を、NはひとまとめにしてSの頭上に片手で掴んだ。
「え?」
「今は、気持ち良くなってればいいから。」
Nは右手でSの手首を掴んだまま、左手で胸の突起を摘まんだり潰したりを繰り返し、そして既に濡れそぼっているSを口に含んだ。
「あっ・・・・」
漏れた掠れ声が益々Nを煽った。
Sが口腔を圧迫するほどのサイズでは無いので、Nは余裕で味わうように吸ったり舐めたり顔を降ったりとSを翻弄した。
「いやだ・・・いやっ・・・・出る・・・・」
涙掛かっていただろうか、普段は低い方である地声を裏返してSは身悶えしていた。
「いいよ、出しても。」
反り返る裏側に舌を当て、音を発ててそれを吸い込んだ。
Nの喉元目掛けて勢いよく生暖かい液体が飛び、それを躊躇いもせず全て飲み込んだ。薄明りの下で見えたのは、Sの白い肌に反して赤くなったペニスは何とも煽情的で美しいとさえNの目には映っていた。
粗い息遣いのSを背後から抱き締め、Nは痛い程に猛った自分のものをSの足の狭間に捻じ込み、両手はSの胸を弄りながら腰を振った。
「ああ・・・んっ・・・・」
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