Irregular

neko-aroma(ねこ)

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Irregular 3

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「Sは淡泊だからなあ~」
「Nさんが強すぎるんだよ?僕は嬉しいけど。」
雑談を交わしながらも、Nの掌がSの身体を優しく撫で回し続け、強い感触の愛撫はせずに、それでも忘れた頃に乳首を摘まんだり撫でたり、臀部を揉んだり親指で丸みを広げたりをし続けた。
既に勃っているそこには触れず、足を立ち膝にさせて太ももの内側を指先で撫でたりとするうちに、Sの雑談の受け答えの声が詰まったり微かな喘ぎが混じったりと確実に変化が起きていた。
横向きに背中を抱いていたNが、時を見計らって閉じたSの太ももの間に自分の固くなった猛りを押し込み、ゆっくりと前後に擦り付ける仕草をした。その時、Nの固さがSのふぐりと根元を擦り上げるようにするからSの喉奥から堪えるかのような喘ぎが漏れた。
「それでさ、投手の奴がお遊びで俺とコンバートして、俺が投げたら予想外なスピード出てさ・・・S、聞いてる?」
「ううん・・・聞いてる・・・」
「寝るなよ?」
その言葉にSは顔だけ向けて、潤ませた目で口元を固く結んでみせた。
「これだけ焦らされて眠れたら・・・ネジ一本緩んでるよ。」
「ふふっ。辛くなってきた?」
「辛くは無いけど・・・じれったい・・・ねえ・・・・」
Sが首を曲げて唇を強請り、支えるように頭を抱いたNの指が耳を擽った。
「さっき、シャワーの時、幾らか解した?」
「・・・うん。」
「じゃあ、今夜はこういう感じで・・・」
Nは一旦Sから身体を離すと、今も布団の中で温めておいたローションをたっぷりと自身に塗り、反り返った固い先端をSの下の口に突き立てた。
「えっ?」
「いいから。大丈夫。でも、痛かったらすぐに言えよ?」
「・・・うん。どうするの?」
「Sはそのまま俺を感じてくれてたらいいよ?話の続き・・・」
異物が身体に入り込む感触で、話に興じる余裕などSにある筈も無かった。なのに、Nはカフェで話しているかのように平然と楽しそうにしている。今夜のNは酒も入っていないのに、饒舌だった。
「でさ、バッターが・・・うっ。」
突然Nが呻いて、背後から抱き締めていた腕に一瞬力が籠った。
「どうしたの?」
首を傾けて肩口に顔を押し付けているNに問い掛けた。
「凄い・・・もっと奥に来いって・・・おまえのここ、ひくついて・・・俺を飲み込もうとしてる。」
「嘘っ!そんな事、してないっ!」
思わず身を翻そうとしたのを、Nの強い腕が押し留まらせた。その拍子に、Nの分身が一気に半分までSの中に隠れた。
「あんっ!急に!」
「ごめっ・・・・弾みで入っちゃった・・・」
「ぷっ。なんだよ、それ。」
「事故だから。やり直し。」
そう言って腰を引こうとするNの臀部をSが後ろ手で阻止した。
「ん?」
「・・・抜いちゃ・・・やだ・・・・」
小さな呟きにNはにやりと笑みを浮かべ、音を発てながらSの耳元や頬に口付けた。
「じゃあ、全部、入ってもいい?」
すぐにSの髪が縦に揺れた。
「感じて・・・俺の・・・・」
「ああ・・・・あっつい・・・・」
Nの片手がSの腹部を撫で回し、一部微かに固くなっている箇所を上からやんわりと押した。
「うっ。」
「俺、ここに居たね。」
耳元で囁いて、今夜はまだSの昂ぶりには触れずにずっと胸だけを愛撫し続けた。そのうち、Sの腰が僅かに上下させ始め息遣いが粗くなっていた。
いつもは挿入すると激しく中を突き自身は擦り上げる強い刺激しか感じなかったが、今夜は全く異なる感触があった。Sの中の震えや締め付けやそれがどんな感触でどんな風により高みに連れて行こうとするのか、これまで知らずにいた感触に驚くばかりだ。
そのうち、Sの肌を撫でていた掌の滑りが悪くなった事で、掌が湿っているのを知った。動いても居ないのに、Sが汗ばんでいるのだ。
「S、具合おかしくなったか?汗が・・・」
「うん。凄く熱いんだ・・・何処が熱いんだか、分からない。」
今にも泣き出しそうな声で呟かれて、Nは身を僅かに浮かせて顔を覗き込んだ。顔を抱くと、髪の生え際が汗に濡れている。
「中から・・・火が出そう・・・何だか・・・さっきから・・・痺れて・・・色んな場所・・・」
そう言いながら、身じろぎの度に短い呻きか喘ぎかが唇から漏れては首を逸らした。
「どうしよう。止めようか?抜くか?少し、休むか?」
心配そうにおろおろするばかりのNに、Sは閉じていた目を開けて微笑んでみせた。
「ううん、平気。だって、試してみたいんでしょう?折角だもん、大丈夫・・・」
「ああ、でも・・・」
Sは腕を上げてNの頭を抱き、そのまま首を目一杯反らしてNの喉元を吸った。
「あっ・・・S・・・」
「突いて・・・」
Nは静かにベッドに身を下ろし、背後からSを抱き締めた。
「静かに・・・ゆっくり突くよ・・・苦しかったら我慢しないで・・・」
息を詰めたのはNの方が先だった。いつもより長い時間ただSの体内に埋めていただけなのに、そろそろと腰を引き猛りが体外に出ようとするのを強い力で引き留められたかの感触があった。Sの内側が意思を持つ何かの生き物のように、離すまいと追い掛けて来るような感覚だった。
「あうっ。」
Sが喘ぎを漏らし、背を逸らして腰を突き出して来た。そして、千切れてしまう程強くNを締め付けた。
「なんか・・・へん・・・・」
「俺も・・・・」
NがSの昂ぶりに手を伸ばした時、やんわりとそれをSから外された。
「今、触られたら、瞬殺しちゃう。」
「いいじゃないか、何度もイケばいいよ。」
「ダメ。今、凄く気持ちいいから。」
「灯り、点けていいか?」
「やだよ、恥ずかしい。」
「おまえの体が凄く熱い。どんな風になってるのか、見たい。」
「やだってば・・・」
「・・・本当はさ、動画撮ってスマホに入れて持ち歩きたい位なんだぞ・・・灯り位、許してくれよ。」
「ん、もうっ・・・ヘンタイ。」
「変態じゃないよ。俺らみたいなケースはさ、AV見たいと思っても、納得出来るのが見当たらないだろ?男に興味あるわけじゃないし、かと言って普通のやつ見ても今更感になっちまってるし。俺の見たいAVは、おまえだけなんだから。」
身体を繋げたままサイドボード上の照明のリモコンを取ろうとしてNは手を伸ばした。
繋がったままのSが下敷きのような体勢になり、二人の繋ぎ目は意図せず深くなってしまい、Sは前半身がシーツに擦り付けられた瞬間に果ててしまった。
それに気付かずリモコンのスイッチを入れ再び身を横たえたNは、Sが両手で顔を隠しているのに気付いた。不思議に思いながら片手でそっとそれを外すと、涙目になって頬を上気させたSの顔が表れた。
「どうしたの?」
「いきなり圧し潰すから・・・イっちゃったじゃん・・・」
「・・・ごめん。いつもより、良かったか?」
「わかんない。」
確認するかのようにNの手がSのそれに伸びて優しく包み込んだが、違和感に再び身を起こして手元を覗き込んだ。
「おまえ、濡れて無い。イッてないよ?まだ固いし。」
「うそ!」
Sまで身を起こしたから、二人の繋ぎ目はとうとう外れてしまった。Sが自分の股間を触り、シーツを触り、どちらも濡れていないのを確認して驚いた顔でNを見詰め返した。
「だったら、アレ、なんだったの?」
「アレ・・・って?イったってこと?」
「だって、あの時と同じ感じだった・・・間違いなく。」
「ああ、それはきっと・・・」
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