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46.果てのない欲望※
しおりを挟むロレンシオはそれを指で拭い、唇を重ねてきた。ねっとりと舌同士を絡め合い、互いの唾液を交換するように貪り合う。
唇が離れると私たちはじっと見つめ合った。そして再びキスを重ねる。
「んっ、っ……はぁ」
口が離れるはたびに吐息のような声が漏れ、もっともっととお互いを求め合った。
一息ついた後、ロレンシオはうっとりとした目つきで微笑みを浮かべる。
「……どうだ? 痛みは……」
「はい、慣れてきました。動いてください……」
「わかった、最初はゆっくり動くから辛くなったすぐに言ってくれ」
そう言って己の滾った欲望をゆっくり引き抜き、そして差し込む動作を繰り返す。入り口はピリピリと痛みを訴え、中は異物感を強く感じているが、それ以上に繋がり合えたことの喜びが大きかった。
「はっ、はっ……はっ、はっ」
「んっ、……あぁっ! んんっ」
ロレンシオの荒い呼吸とに加え、私の微かに漏れる甘い声が混じり合う。
下腹部からはぐちゅぐちゅと互いの体液が絡み合う水音が聞こえることにより、体温がぐっと上がった。
興奮で頬が上気し、ロレンシオの背中に回した手に力が入る。
高ぶった欲望で中をかき混ぜられたり内壁を擦り上げられるとぎゅっと下腹部に力が入ってしまう。それによりロレンシオの呼吸が荒くなり、中を擦るスピードも徐々に上がってきた。
ずんずんと奥を突かれ、全身が打ち震える。肌と肌の当たる男と荒い呼吸音が興奮材料となり、すでに違和感よりも快楽を訴えていた。
「あっ、あっ、あんっ……んんっ、はぁっ、はぁ、んんっ! ……あっんっ!」
ずんずんと圧迫される下半身に胡乱な視線を向けると、ロレンシオの欲望が出入りする様子が視界に入り思わず頬を染め上げる。
卑猥で鮮烈な光景を直に見ることで、今自分がえっちなことをしているのだと自覚する。
「ああああっんっ、んんっ、はぁっ……ああっ、あっ、んんっ、はぁ、はっん!」
理性を無くしたような視線が私を貫く。ロレンシオは私の全てを掻き抱き、一心に腰を振る。
激しい情交によってベッドが軋み、全身が揺れ、視界がブレる。
「あっ、んんっ、はっ、はっ、んんんっ……っ……っっッッッはっ、はぁ!」
ある一点を掠めたとき、以前のあの快楽を思い出す。あまりの快感に腰が跳ねた。ぎゅっと中を締め付け、ロレンシオの背中に爪を立ててしまう。
彼はそれにも構わず、腰のスピードを上げた。
気持ちいい。
あたまが真っ白になる。
絶頂はすぐそこまで迫ってきていた。
体液が泡立つほどの腰使いでずぶずぶと出入りするそれになすすべなく快楽を享受した。
そして。
「あっ、くっ……くるっ、あっ、あんっ………い、イクッ、イッちゃっ、ウゥううう!」
「お、れも……もうっ、っ!」
中に生暖かいものが注ぎ込まれる感覚と同時に、目の前がスパークしたような快楽に包み込まれた。自然と全身が痙攣し、半開きの口からは甘い声しか出ない。
ぴゅるぴゅると長いストロークの中で全てを吐き出したのか、ロレンシオの欲望はゆっくりと引き抜かれた。それと同時に再び口付け合う。貪り合うように唇を食み、舌同士をねぶりあって口を離し、互いの体温を交換するように抱き合った。
未だに荒い呼吸音が静かな部屋に響き渡る。
幸せの温度に全身から力が抜け、快楽の檻に閉じ込められる。
「……すまない、無理を……させた」
そんな中でロレンシオは口を開く。
前回に比べて相当な荒く、激しい性交だったのは私の気のせいではなかったようだ。
大丈夫ということを伝えるも、ロレンシオは気まずそうに頬を掻いた。
「もっと大事にだこうと思ってたんだ……でも、途中から我慢が…………その出来なくなって。気づいたら無理させてた。本当にすまない」
「ううん、私も気持ちよかったし全然構いませんよ。それに、ロレンシオ様の珍しい姿も見れちゃいましたし」
私はロレンシオにパチリとウインクした。
理性のない快楽を追い求めるロレンシオは非常に淫猥で、蠱惑的でだった。
普段の理性的な姿とのギャップに心惹かれたほどだった。
そう言って笑う私に対し、ロレンシオはふっつりと笑みを消す。
どこか瞳の奥に嗜虐的な光が見えた気がして、喉の奥からひっと声が漏れ出るも。
「ノンナ、お前まだまだ元気そうだな。……それじゃあもう少しだけ俺に付き合ってくれないか」
「ええと、その……私これでもこの体では初めてでして……」
「そんなにペラペラ口が回るようなら心配いらなさそうだな。身体は初めてだから少しセーブしてやったが、今度はもう少し本気を出させていただこうか」
思わず顔が引き攣る私を尻目に、ロレンシオは私の仰向けの体をひっくり返し、うつ伏せの状態になった。
「こっ、この体勢はもしや……」
「ああ、まだ後ろからはやったことなかったよな? 仰向けとはまた違った場所によく当たるみたいで、こっちも気持ちがいいらしいぞ」
中からこぷりとロレンシオの放った白濁が漏れ出る感覚に加え、腰には彼の滾った欲望を感じとる。どうやらまた兆したようでーー。
この日、私が眠ることが出来たのはもう2ラウンドを終えてからだった。
どうやらロレンシオの欲望には果てがないのかもしれない。
そんなことを考えて眠りについた。
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